読書メモ

余白と闇 – 読書メモ『「無知」の技法 Not Knowing』

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「知識があること」が、常にポジティブな結果をもたらすわけではない。むしろそれがネガティブな状態を招くこともある。
— 「まあそうかな。」と多くの人がおそらく感覚的に同意するんじゃないでしょうか。知識があるが故に二の足を踏んだり、必要以上に用心深くなってしまったり…。
要するに、頭でっかちの弊害。

しかし一方で「とはいえトータルに考えれば、知識はないよりもあった方がいい。それも、あればあるほど。」とも思っているんじゃないでしょうか。
あなたは違います?

「無知」の技法 Not Knowing 不確実な世界を生き抜くための思考変革』は、人間が「知識」に対して抱くそんなアンビバレントさの心理的、社会的な理由や、それが弊害を起こす構造を丁寧に解説するところからスタートします。

そして、歴史的な出来事から日々の暮らしでの一場面、政治・経済の大事件からビジネスでのよくある光景までさまざまなストーリーを示すことで、ゆるやかに、それでいて力強く知識や知恵に対するスタンスの自主的なアップデートを迫ってきます。

 

  • 「知らない」というのは状態ではなく動作だ。無知と対峙するプロセスのことだ。
  • 左脳はいつでも秩序と理屈を探している。それが存在しない場合でも
  • 私たちはさまざまな方法で未知から逃げようとする(…)主導権を振りかざすか、受動的に引き下がるか、延々と分析を続けるか、悲観的思考(すべては最悪の事態になると想定する)に逃げ込むか、拙速な行動に出るか、多忙なふりをするか、あるいは手っ取り早い応急措置を施すか
  • 権威に対して服従していれば、知らないという不安や苦しみを感じなくてすむ。だが、盲目的に服従することは、正しい判断をする力も、本当の能力を発揮する力も奪う
  • 余白は何かが「ない」のではなく、空間が「ある」のだ

 

この本が出版されたのは2年近く前で、発売後すぐに話題になっていたようですが、私は今回初めて手にしました。そして「読むべきタイミングで読んだ」と感じました。

「知らないということをきちんと受け入れよう。受け入れた上で対峙しよう」 — これが私がこの本から受け取った一番のメッセージです。そしてそれは「今ここ自分」を受け入れることに他ならないのかな、と。

 

 

この本の書評はウェブ上にもたくさん出ているようで、私もいくつか読んでみました。そして「不思議だな」と思ったことが1つありました。

それは、本の中にたくさん出てくるおもしろい画像イメージについて、ほとんど取り上げられていないこと。

あんまりたくさんアップすると怒られてしまうかもしれないけれど、いくつか写真に撮ったのが上のものと下のものです。

 

最後に、本の最後にAPPENDIXとして付いている、心もとない不安な気持ちに耐える強さを育てるための「問い」から、一部を紹介して終わりにします。

『どんな答えが出ても、それがファイナルアンサーだと決めつけないこと』というのが注意事項ですよ!

 

 

・知についての問い

自分にとって知識とは何か。仕事で有能とみられることをどれだけ重要視しているか。専門知識や経験は、どれだけ自分を助けているか、あるいは妨げになっているか。

・「既知と未知との境界線」についての問い

生活の中で、固定された思考回路を使っている場面は、どこにあるか。無能に見えること、あるいは無能になることを恐れずにいられるとしたら、どんなことをやってみようと思うか。

・「カップをからっぽにする」についての問い

自分にとって「手放す」とはどういう意味か。自分の命綱を持っている人は誰か。この先もその命綱が支えてくれると、どうしてわかるのか。

・「見るために目を閉じる」についての問い

新しい「見る」方法を浮かび上がらせるために、どんな「目」を閉じられるか

・「闇に飛び込む」についての問い

すでにあるものの中から、「とりあえずいじってみる」、つまり実験できるものをどう引き出せるか。

・「『未知のもの』を楽しむ」についての問い

弱さが強みになる場面はどこにあるか。職場で、どんな工夫があれば、人々が自分の弱みを見せられるようになるか。

 

答えの分かっている、知っている「問い」ばかりだったでしょうか?

もしそうなら、そんなあなたにこそ!

 

Happy Collaboration!

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