読書メモ

マッチャーの俺へ – 読書メモ『GIVE & TAKE』

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「お主は人に施すことに喜びを感じるタイプじゃな。…ふむ、だが同時に人に騙されないようにする用心深さもお持ちのようじゃ。」「なになに。”助け合いは大切だけど、社内は助け合いよりも競争と疑いで満ち溢れているじゃないか”だと。ほほお、お主は世の中のこともよく分かっているようじゃな。」

–占い師になったら、姓名判断でも手相でも、こんな風に話を始めようと思っています。

なぜなら、今これを読んでいるあなたは、ギバーでもなければテイカーでもないだろうから。十中八九、あなたはマッチャーでしょう。

 

3年以上前に出版された本で、発売当初からとても売れているようなのですが、私は先月までこの『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』という本を知らずにいました。

一言で紹介すれば、世の中にはギバー(与える人)とテイカー(受けとる人)とマッチャー(バランスをとる人)がいるということと、成功したければギバーになるべきだということが書かれた本です。

 

ただこう書くと、「慈悲の心を持って毎日過ごすことが、心おだやかな生活につながるのです」とか、「思いやりを持つ者こそ最後には報われるのです」みたいな、なんだかやたらと道徳的だったり宗教的だったり、あるいは寓話的な話なのかなと思われてしまうかもしれませんが、まったく違います。

もっと現実的で科学的で実証的な観点からギバー(やテイカーやマッチャー)を分析し、もっとも成功している人ともっとも失敗している人の両方がなぜ与える人であるギバーなのかを解明していきます。

そしてさらに、今後はその傾向がますまず強くなっていくであろうことを予言しています。

 

ところで、ギバーとテイカーはよく聞く言葉だと思うのですが、マッチャーには「耳慣れない」と思われる人も多いのではないでしょうか。私自身、この本で初めて意識した言葉です。

マッチャーとは、「自分と相手が常に”お互い様”になるように計算する人」で、「受け取ったら与えようとするし、与えたら受け取ろうとする人」です。

 

「人間ってそういうものでしょ。それの何が問題なの?」

–私もそう思っていました。でも、マッチャーがほとんどの世の中だと、結局世界中のみんなが損をしてしまうのです。そして社内がマッチャーばかりになると、会社は先細っていきます。

その理由は、マッチャーは、与える前に相手がお返しをしようとする意思があるか、実行できる能力があるかを、事前に見極めようとしてしまうから。

マッチャーは、相手の意思や実力を見極め”リターンがある”ことが確認できるまで、価値の提供を申し出ることがないからです。

 

こうして、本来なら交換されることでより大きな利便性や新しい価値につながったかもしれない機会が、マッチャー同士やマッチャーとテイカーの組み合わせでは、どちらも申し出ないことでみすみす逃されてしまうのです。

ね。場所全体で見れば、価値を生み出したり大きくしたりするのがマッチャーではなく、ギバーだって分かるでしょ。

 

とはいえ、ギバーでいるには勇気が要りますよね。

世の中には、そして社内には、ギバーを食い物にしようとしているテイカーも存在しています。そんな環境で「自分が犠牲になってもしょうがない」とか、「みんなのために自分さえ我慢していれば…」なんてやっていては、いずれどこかのタイミングでその報われなさに燃え尽きてしまうでしょう。

それに最近では、「損をする奴はバカな奴」「コスパが分からないのはダメな奴」という、そんな価値観が広がってもいますから。

 

でも、どうすればいいのか。

最後に、その答えと、今後ギバーがいっそうその価値を発揮できる世の中になっていく理由をいくつか本から引用して終わりにします。

 

■ ギバーであることが伝わる時代に

祖父母の時代には、商品を生産する仕事はたいてい独立して行われていた。必ずしも人と協力する必要はなかったので、ギバーであってもその価値をなかなかわかってもらえなかった。それに引きかえ現在は、かなりの数の人びとが互いに協力しあってサービスを提供している

 

■ ギバーはグループ全体に恩恵を与える

ギバーは、頼り会うことが弱さだとは考えない。それよりも、頼り合うことは強さの源であり、多くの人びとのスキルをより大きな利益のために活用する手段だと考えている(…)自分個人の利益よりも、グループにとって最善の利益になる仕事を引き受けるのだ。こうすることで、グループ全体が恩恵を受ける

 

■ テイカーもマッチャーもパイを大きくできない

これまでのギブ・アンド・テイクの関係では、お互いマッチャーとして価値を交換していた。助けてくれた人を助け、見返りを期待する相手に親切にするのだ(…)テイカーがネットワークを築くと、決まった大きさのパイ(総額)からできるだけ多くの利益を自分のために奪おうとする。だがリフキンのようなギバーがネットワークを築くと、パイそのものを大きくするので、誰もが大きめのひと切れをもらえる

 

■ ギバーよ、アドバイスを求めよ

ギバーにとって有利な交渉術がある。それは「アドバイスを求めること(アドバイス・シーキング)」だ。最近の調査では、自分に権威がない場合に人に影響をおよぼすための、驚くほど効果的な方法であることがわかっている(…)テイカーやマッチャーは人にものを聞くことにしり込みする。テイカーから見れば、人に何かを聞くことは、自分が答えをすべてわかっているわけではないと認めたことになってしまう。自分がか弱く、依存的で、無能に見えるのではないかと恐れているのだ

 

■ 相手がテイカーのときは「寛容なしっぺ返し」戦略を

テイカーとつき合うときには、マッチャーになればいいのだ。ただし、最初はギバーでいた方がよいだろう。信頼は築くことこそ難しいが、壊すのは簡単だからだ(…)他者志向になるということは、ギバーが自分自身の利益を気にかけつつ、相手を信用し、それでも相手の真意を必ず見極めることなのだ。テイカーを相手にするときには、自衛のために、マッチャーになるのがいい。ただし、三回に一回はギバーに戻って、テイカーに名誉挽回のチャンスを与える。

 

 

私たちマッチャーは、あまりにも「損すること」を怖がりすぎてきたんじゃないでしょうか。

私はギバーを目指します。あなたも一緒にいかがですか?

 

Happy Collaboration! 

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