フューチャーデザイン

文化のデザインとは未来のデザイン。未来のデザインとは文化のデザイン。

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デンマークでの学びを言語化しようシリーズ第5弾です。この形式で書くのは今回が最後となります。

前回はこちら: 信用と付加価値と共創 — デンマークのデザイン

 

帰国前日の実質的な最終日に、世界中から注目を集めているコペンハーゲンのフューチャーデザイン・カンパニー<Bespoke(ビスポーク)社>のかっこいい新オフィスで、フューチャー・デザイン・ワークショップに参加しました。

私はワークショップやフューチャーセッションと呼ばれるものがけっこう好きで、日本でもときどき参加しているのですが、今回のセッションではこれまでの日本でのセッション参加経験と1週間のデンマークの体験が融合するような、そんな感覚を強く覚えました。

 

Bespoke社は、多数の未来デザイン・ワークショップのフォーマットを持っているそうなのですが、この日は下記のフューチャー・キャンバスを中心に実施していきました。

 

 

大まかな流れはこんな感じです。

 

  • チェックイン(ポップコーン方式)
  • インスピレーション・デッキの記入と選抜
  • チャレンジと強みと関係者の洗い出しと選抜
  • つくりたい未来を表すステートメントとタグラインの作成
  • レゴを使ったつくりたい未来のビジュアル化
  • つくりたい未来からバックキャスティングした中・長期、短期、今日のアクション設定
  • チェックアウト(ポップコーン方式)

 

言葉だけではどんな感じか掴みづらいと思いますが。それでもなんとなくはイメージできますよね?

大きなプロジェクトでは、それぞれのフェーズや事前調査にもっと時間をかけるものらしいのですが、この日はぎゅっと凝縮して実施していただきました。

でも、ファシリテーターのモアさんの「デンマークでの気づきをインスピレーション・デッキに反映させましょう」という言葉で、むしろ少ない調査時間を逆手に取り、デンマーク視察旅行の集大成となる未来が描けた気がしました。

 

 

セッション最後のチェックアウト(ポップコーン方式)では、再びレゴを使用しました。

(ポップコーン方式とは順番を決めず、思いついた人がランダムにスタートするやり方です。あちこちからポンポンと手が上がる感じが「ポップコーン」っぽいですよね。)

「ブロックは一人5つだけ」という縛りのある中で、全員が今日一日を振り返る何かを作り、それをみんなに発表していくというものです。

 

私がチェックアウトで話したのは、こんなことでした。

 

旅の最後にこのワークショップができて本当に良かったです。

それは今日だけではなくて、私たちみんなの1週間のデンマークでの体験がここにギュッと凝縮されていて、それをみんなで分かち合えたから。いろんな印象や体験が未来にどうつながっていくのか、どんな意味を持つのか、その可能性をワークショップを通じて強く感じることができたから。

私がレゴで作ったのは、原っぱとかに行く知らないうちに洋服にくっついている<ひっつき草>みたいな、そんなものです。

今回の旅で感じたことを、忘れたくないから。体のあちこちにくっつけて帰りたいから。チェックアウト。

 

 

デンマークでの学びシリーズを、Bespoke社のメンバーがワークショップの中で語った言葉やストーリーの中から、私にとって印象的だったものでおしまいにしようと思います。

 

19世紀のニューヨークに、さまざまな分野のスペシャリストが集められ、ニューヨークの100年後についてを議論する未来会議が開かれた。

そこで出された結論は、<100年後のニューヨークは都市としては終わっているだろう>というものだった。人口とそれに伴う馬車の急増を計算すると、馬糞の処理がまったく追いつかないからだ。

— 今起きている事象や存在しているデータだけに頼って未来を予測してはならない。

未来をみんなで描きだすときに、どちらがあってるも間違っているも、正解も不正解もありません。だからこそ対話がより重要となるのです。

個人の意識や理解を共通の意識や理解に、個人の直感を共通の直感としていくことが重要なんです。そこで共同オーナーシップの感覚が生まれ育っていくのです。

私たちは依頼者と受託者という関係性で仕事を捉えないようにしています。私たちは、共に未来を作り出す共同クリエイターであり共同デザイナーです。

未来をデザインするとき大切なのは、意思を持って、ポジティブな方向へと舵を切ることです。

悲劇的なデータや現象に引きづられ、ともすると悲観的になったり明るい姿を描き出すのが難し過ぎると感じるかもしれません。それでも、トレーニングをして、ポジティブに未来を見られるようにならなくてはいけない。

なぜなら、未来は過去の延長線上にあるわけではないから。意志を持って選ぶ現在の先にあるもの、それが未来です。

 

 

そのうち「書け書け!」って、連れて帰ってきた<ひっつき草>が大声で言いだすかも?

その時はまた。

 

ハイハイ。

Happy Collaboration!

 

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