ソーシャルライフ

Noを突きつけろ – クリエイティビティーもポジティブさも後天性

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デンマークでの学びを言語化しようシリーズ第2弾です。

前回はこちら: ロラン島の森の幼稚園と過激なまでの平等主義

 

〈先生、違うと思います。私はそう思いません> — この言葉こそが大切なのです。

私が生徒たちに常々言っている言葉があります。それは<Noを突きつけろ>ということです。教授や先生に対して<それは違う>と言うことが重要なのです。

 

 

デンマーク5日目に訪問したデザインスクール・コリング(Design school Kolding)では、元デンマーク文化庁長官の学長以下、4人の教授陣から学校のポリシーや哲学について話を伺いました。

私は通訳をしていたのですが、全員が新しいものを生みだすためのメソッドの開発と実践に強い情熱を持って取り組み続けていることが、話の節々から伝わってきました。

インターナショナル・イノベーションの担当教授バーナバスさんが、さらに言葉を続けます。

 

Noと教授に伝えることで、教授は生徒になぜNoなのかを問います。逆に、教授が生徒にそれはNoだと伝えることももちろんあります。つまり、Noと伝えることから<なぜそう思うのか?>という問い<Why>が生まれるのです。

そしてそこから対話や共同探索、つまりコラボレーションがスタートするのです。

 

生徒たちはみなNoを突きつけるべきなのです。それこそが私が生徒に教えられるもっとも重要なものです。

私たちの社会には決まりごとが多すぎます。これでは新しいアイデアや取り組みは生まれてきません。

 

この生徒と教授の関係は、<一方通行の教えるものと教わるもの>の関係とはまったく異なりますよね。

流れは両側から生まれ、両者は平等であり対等であり、尊重しあうべき存在であるという絶対的価値観がその関係性の前提になっているのを強く感じます。

そう、これは森の保育園から年代を問わず伝えられる過激なまでの平等主義のアカデミックな場での現れ方なのです。

 

 

上の図は<デザイン・ドゥーイング(デザイン・シンキングからさらにもう一歩踏みこんだ、人間の可能性を広げるもの)の6つあるいは7つのC>と校内で呼ばれているもので、コリングのクリエイティブ・ワークの中核をなすものだそうです。

そして、それと組み合わさり今後一層重要なデザイン領域として、Design for People, Design for Planet, Design for Playの3つを掲げていたのが印象的でした。

 

人間のための、地球のための、遊びのためのデザイン。

この3つのPは、それぞれが離れ難いものとして強く組み合わさり、社会課題を解決する際に欠かせないソーシャルデザインのコア・コンセプトになっていくんだと思います。

 

実際に彼らがこれまで学生たちと一緒に手がけてきた、ガーナや中国での日用品のデザインとその使い方をデザインし直すプロジェクトや、国内の老人ホームでの薬の服用にまつわる問題、それから移民と古くからの住民がお互いを知り融合していくためのアプローチ方法などのプロジェクトの話は、どれもソーシャル・デザインの成功例として大きな効果を挙げているそうです。

 

その成功のベースには6つのCと3つのPがあります。

遊びが気づきにつながり、気づきがクリエイティブさにつながり、そこから解決策やイノベーションが生まれる。

このアプローチは、きっと今後もっと多くの場所で普遍的なものとして捉えられるようになっていくことでしょう。

 

デザインスクール・コリングには、強いパートナーシップを結んでいがLEGO社が支援するPlayルームがあります。

その部屋で聞いた<クリエイティビティーさは生まれついてのものというわけではなく、いくらでも後天的に伸ばしていくことができるものだ>という話も印象的でした。

そしてその話が、翌日のBespoke社でのフューチャー・デザイン・ワークショップでの<未来のために、ポジティブさを後天的に伸ばしていくことが重要だ>という話に私の頭の中ではつながっていくのですが…。

その話はまた今度。

 

最後に、コリングの駅前にある巨大でかっこいい図書館の写真を。

何がすごいって、本が主役というよりは、あくまでも主役は<学ぶこと>であって、インプットとアウトプットを行き来させるようなデザインが図書館中のそこかしこに溢れていることです。

教育にかける熱意が、そこにも表れていました。

 

 

Happy Collaboration!

 

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Collaboration Energizer

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