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『異文化理解力』読書メモ: 日本と中国とアメリカとドイツ

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問1:「生まれ育った国で人を判断するステレオタイプは、人間の個性を冒涜するものである」

問2:「日本は特別な国であり、日本人は特別な人種である」

仲間に借りた『異文化理解力 — 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養』という本を読んでいるうちに、私の上記2つの問いへの答えは変わっていきました。

 

■ 生まれ育った国で人を判断するステレオタイプは、人間の個性を冒涜するものである

「ステレオタイプは良い面よりも悪い面の方が多くとても危険なもの」と私は思い込んでいました。

より正確には、理屈ではなく感情的にステレオタイピングに嫌悪感や拒否感を覚えていました。

でも、文化的な特徴や傾向を知識として持ち「上手に活用すること」と、「思い込みや固定観念、レッテルとしてあてがってしまうこと」には大きな差があることに気づかされました。

 

たしかに、一人一人に個性がある。そして、多文化の人々と働くときは、出身地によって各人の性格を決めつけるべきではないこともたしかだ。けれども、だからと言って文化的コンテクストを学ぶ必要がないということにはならない。
あなたの仕事の成功が世界各国の人々と上手に働く力に掛かっているならば、個性の違いだけでなく文化の違いも理解する必要がある。どちらも重要なのだ。

 

言ってみれば、生まれ育った土地の習慣や価値観という「度数や色の付いたレンズを持つメガネ」越しにメッセージは発信され、そのメッセージはまた違う「メガネ」越しに受け止められているわけですね。

そんな出身国のメガネの度数や色の濃さという「文化的ギャップ」を、理解・活用するためのマッピングが、この本の原題にもなっている「THE CULTURE MAP(カルチャーマップ)」です。

 

カルチャーマップは、フランスとシンガポールに拠点を置くビジネススクールINSEADのエリン・メイヤー客員教授が、10年超の研究、数千人の経営幹部への取材をもとに開発した異文化理解ツールです。

使い方のポイントは、常に相対的に2国間、あるいは多国間を位置づけること。

簡単に言えば、日本は相当時間にシビアな国(『直線的な時間』感覚を持っている国)ですが、それでもドイツやスイスという世界一時間にシビアな国の人々から見れば『柔軟な時間』感覚を持っている国民だと捉えられるということ。

 

つまり、人間関係においては、相手の出身国が「直線」寄りか「柔軟」寄りかは関係なく、自分の位置から見たときに相手がどちら寄りかがポイントになるということです。

 

■ 日本は特別な国であり、日本人は特別な人種である

1.コミュニケーション
2.ネガティブフィードバック
3.説得
4.リード
5.決断
6.信頼
7.見解の相違
8.スケジューリング
この本では上記8つの軸で線上に両極を作り、さまざまな国をマッピングしています。

ちゃんと数えたわけではないものの、おそらく両極の極み、あるいは極みに近い位置に登場する回数がもっとも多いのが、日本じゃないかと思います。

この点から見れば、たしかに日本は特別な国で、日本人は特殊な人たちと認めざるを得ませんね。

 

1.コミュニケーション: ローコンテクスト – ハイコンテクスト
U–G——————|——————-C-J

2.評価: 直接的なネガティブフィードバック – 間接的なネガティブフィードバック
-G——————-|U—————–C—J

3.説得: 原理優先 – 応用優先
———G————|———————U

4.リード: 平等主義 – 階層主義
—————-U—-|-G—————–C–J

5.決断: 合意思考 – トップダウン式
J—–G—————|-U——————-C

6.信頼: タスクベース – 関係ベース
U—G—————–|———–J—–C—-

7.見解の相違: 対立型 – 対立回避型
——-G————-|U—————C—–J

8.スケジューリング: 直線的な時間 – 柔軟な時間
G–J—-U————–|—————C—–

J-日本、C-中国、U-アメリカ、G-ドイツの4カ国だけ、マップから抜き出して見ました(「3.説得」にJCがないのは抜けではなく、この軸だけでは捉えきれない例外とされているからです)。

 

もう少し細かく見てみたいという方には、下記のサイトをおススメします。

Comparing Management Cultures

 

■ 本に登場したクスっと笑えるグローバルの認知ギャップ

・彼らは明らかに「シャイな中国人」という安直なステレオタイプのわくをはるかに越えていた

「シャイな中国人」というステレオタイプがあること自体が日本人には驚き!

・モリはまずそう言った。そして「稟議」と呼ばれる意思決定のシステムについての説明を始めた(…)アステラスでは、なんとこの稟議システムが専用のソフトを使って行われている。

→ 稟議、そして稟議システムの存在が、「なんと」という言葉で説明されていること自体が日本人には驚き!

 

■ まとめ

自分が受け止めた相手の行動は、相手が意図したものとは限らない。

また、自分が取った行動は、相手には意図が真逆に伝わることも珍しくない。

だから、多様な人たちが集まった場で、やたらと推測したり空気読んだり先回りするのはやめよう。相手の意図と気持ちを聞こう。

自分の行動の理由や気持ちを、少しばかりのユーモアを交えて伝えよう。

自分、あるいは自分の国の傾向を、いくらかの謙遜を交えて紹介しよう。
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やっぱりこれは手元に置いておきたい一冊。自分でも買おうっと。

Happy Collaboration!

コラボレーション・エナジャイザー

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