コミュニティー

C世代の価値観とコミュニティー社会(SoE)

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「またPachiのコミュニティー論か。」と言わずに、少しだけお付き合いしてもらえないだろうか。

今、自分の中でいくつかの現象が、「コミュニティー」と「SoE(システム・オブ・エンゲージメント)」という2つのキーワードに集約されていっているという強い感覚がある。

毎日の暮らしや仕事のさまざまな場面で、コミュニティーとSoEが新しい社会基盤システムとなってきていることを感じるのだ。

SoEとコミュニティーについてはこれまでにもブログに書いています。

当エントリーの最後にリンクと概要を書いておくので、もう少し読んでみようと思っていただけたた方はぜひアクセスしてください。

今から書こうとしていることは感覚的な要素が強いものだ。

はたしてどれだけうまく言語化できるか分からないけれど、コミュニティーとSoEがどのように「新しい社会基盤システム」となってきているのかをできるだけ頑張って整理してみたい。

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コミュニティー : 古くて新しい共同保証的な仕組み

人の移動範囲と頻度が限定的だった時代のコミュニティーは、中と外の区別が明確で、それに対して人々はとても敏感で強い意識を持っていた。

その成り立ちが血縁や地縁ではじまったコミュニティーであったことを考えれば当然とも言えよう。

近年、引っ越しや転職を繰り返しながら生きていくことが、一部の人だけのものではなくなった。

一般人の僕らにとってもそれが普通のこととなり、隣接する相手が誰だかよくわからないことが常態に近くなってきた。

そして、地域へのコミットが求められる地縁コミュニティー(あるいは転職や企業買収などが少ない流動性の低いビジネス環境)は、面倒の多いもの、高コスト低リターンなものと捉えられ疎まれるようになった。

結果、地域コミュニティーに代表される旧来のタイプのコミュニティーは解体されていった。

(当然、これには地域差がある。また、ここではこれ自体を良い悪いと論じているわけではなく、単に「現象」として捉えている。)

しかしコミュニティーの解体が進むにつれ、不便な面がいろいろと見えてきた。

昔からのコミュニティーが、実際には地域における「その人」を保証していただけではなく、さまざまな人間関係における共同保証的な仕組みになっていたことが分かってきたのだ。

そして今、新たな共同保証的な仕組みが出来てきている。

それが、日々の自分の活動とそれに対する評価を持ち運べる、いわば「ポータブル評価経済」とでも呼べるような仕組みをベースにした「コミュニティー社会」ではないだろうか。

C世代の価値観と「コミュニティー社会」

コミュニティー社会の基盤となっているのは、持ち運びしやすい「ポータブル評価」だ。

そのポータビリティーを形作っているのが、数年前からジェネレーションC(C世代)と呼ばれている価値観だろう(なお、ジェネレーションCの解釈は人により異なる部分があるが、私は年齢や世代ではなく、価値観の持ち方だと思っている)。

具体的には以下のような価値観と行動がベースになった社会だ。

場所がどこかは関係なく、自分のクリエーション(Creation)や誰かと行ったコラボレーション(Collaboration)が、貢献(Contribution)として誰にどんな風に評価されているか(いないか)。
そして評価を中心にしたコミュニティー(Community)を各自が形成し、それらがカジュアル(Casual)つながった(Connected)状態を
コンピューター(Computer)を介して持ち歩く

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まさに、Cを中心とした動きと言えないだろうか。

「SoE」とはC世代の価値観を中心とした社会システム

上に書いたC世代の価値観をベースにした行動が、これまでのビジネスの方法やルールにも色濃く表れてきている。

一つひとつの動きを見るとそれぞれが独立したもののように見えるが、根底にはそれらのルールや仕組みが乗っている「社会システム」の地殻変動に応じたものだと見るべきではないか。

例えば、以下のような動向だ。

  • 起業や新規プロジェクトなどの立ち上げは「リーン」に。仮説検証を繰り返しピボットを常に視野に。
  • システム開発は「アジャイル」に。短いサイクルで状況に大胆に合わせていく。
  • 資金集めは「クラウド・ファンディング」に。プロジェクトに対する個人の共感や応援を束ねて資金へと変えていく。
  • マーケティングは「インバウンド・マーケティング」に。貢献により潜在的顧客を惹きつけ常に関係性を中心に据える。

どれも人々とのつながりから生まれた評価やフィードバックを、スピーディーに大胆に取り入れて進めていくという動きだ。

出来事や人のつながりを紡いでいく「エンゲージメント」が中心に置かれ、「関わり合いを中心とした社会システム(システム・オブ・エンゲージメント)」と表現するのがピッタリではないだろうか。

そして、ゴールや最終形を一緒に探り作り上げていくためのコミュニケーションに「反応」し、「関わり合い」や「関係性」を形作っているものこそがコミュニティーだ。

少しかっこつけて言うと、目的地へと向かうストーリーを傍観する立場から、(役割りの大小こそあれ)登場人物の一人となれるのがコミュニティー社会ではないだろうか。

今回はいつもより抽象的かつ固めの内容と文章になりました。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。


私論: システム・オブ・エンゲージメント(SoE)
SoRからSoEへの変化は、「関係性のデジタル化」という変化であり、それにより人々の思考のスタイルや、判断の基準は変わる。これはビジネスシステムやITに関するだけの話しではなく、変化が常態で情報が爆発的に増え続ける「現実社会というシステム」をあらわすものだ。

グループとチームとコミュニティーの違い
コミュニティーとは…「足し算と掛け算の両方」で「自発的だが、信頼や経緯は必ずしも必要ではな」くて「目的や目標を共有してもよいが、されていなくても問題な」くて「参加も貢献もゆるくて良」く「相互監視感は弱い」もの。

今、求められている理想のコミュニティー
現在のコミュニティーの特徴は多様性で、それを支えているのは流動性と移動の自由ではないだろうか。そして、コミュニティーのリーダーに求められているのは、メンバーそれぞれに異なる「意識の向き」を行動や態度で舵とりできる人ではないか。

あしたのコミュニティー: ダンバーと共有脳の向こう側
「コミュニティは互いに貢献し合う関係が元となっていて、その基盤は「信頼」と「共有」だ」という「究極のコミュニティー」にこだわり続けていると、幻滅を味わうことも多そうだ。昔のように、金、モノ、労働…だけではなく、もっと広い意味で貢献というのを捉えていくべきだろう。

Happy Collaboration!

コラボレーション・エナジャイザー

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