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レジリエンスと跳ねっ返りと生きる力

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人間の能力としての「レジリエンス」とは、キツイ状況や困難にヤラれてしまうことなく、しなやかにそれに適応する力のことです。
レジリエンスという言葉から、弾力に富んだボールをイメージしたり、あるいは状況に応じて姿を変えていく水という物質をイメージしたりする人が多いようです。

— と、唐突に「レジリエンス」について書き始めたのは、ここ数年、自分の周囲の意思力の強そうな人たちが、意外と状況にヤラれてしまうことが少なくないような気がしているからです。

ウツになってしまう人もいれば、そこまではいかないものの、長期的な落ち込みや、バイタリティーの低下に悩まされていたり…。

「え、あの人も?!」なんて話や辛そうな様子を見聞きすると、私も「ハテおれは大丈夫なのだろうか?」なんて危機感を覚えます(10数年前、一度かなり「ヤラれかけた」ときの記憶が蘇ります…)。

 

 

先日、デンマーク流の子育ての本について書いたブログ記事(読書メモ『デンマークの親は子どもを褒めない』…実際は褒めます)も、そんな危機意識を持っていた私自身にとても役立つ「子育てではなく自分育て(直し)」のための一冊でした。

そして、今後自分が暮らしていく社会のことを考えると、やっぱり子どもたちと彼らを取り巻く私たち大人の両方が変わらないと、社会は変わらないですよね。

 

10代の頃から「子どもは持たない」と決めていたこともあり、子育てとか教育について書こうとすると腰が引けるのですが…でも一つだけ、そんな私でもはっきり言っておいたほうがいいと思っていることがあります。

育てたり教えたりする側が、口だけじゃなくて実践していないと、子どもに相手にしてもらえませんよ!
そんなの口ばっかりの嘘っぱちだってバレます。直感的に気づかれます。

という事で、レジリエントな人を増やそうというアクションに、大人も子どもも関係ないです。というか、むしろ子ども向けの良い教材から、大人こそ学ぼうじゃありませんか!

今回紹介するのは、ウェブ記事などを探しているうちに見つけた、オーストラリアから世界に広がっているという「BOUNCE BACK!」というプログラムです。

 

プログラムはポジティブ心理学を大幅に取り入れたもので、幼児から中学生くらいまでの年齢に合わせて、毎年数週間に渡って実践していくもののようです。

 

プログラム内容そのものは上記リンク先で確認していただきたいのですが、ここではこのBOUNCE BACK!の頭文字を使ったとてもステキなメッセージをご紹介します。

なお、日本語訳は、枝廣 淳子さんの著書『レジリエンスとは何か: 何があっても折れないこころ、暮らし、地域、社会をつくる』の中でとてもいい感じに訳されていたので、そちらを使わせていただきました。

B Bad times don’t last. Things get better. Stay optimistic.
悪い時期は続かない。物事は好転して行く。楽観的でいよう。

O Other people can help if you talk to them. Get a reality check.
話せば、誰かが助けてくれる。現実を把握しよう。

U Unhelpful thinking makes you feel more upset.
役に立たないことを考えても、さらにどうしてよいかわからなくなる。考え直そう。

N Nobody is perfect – not you and not others.
完ぺきな人はいない。あなたも、ほかのみんなも。

C Concentrate on the positives (no matter how small) and use laughter
どんなにささいなことでも、明るいことに目を向けよう。笑いの力を活かそう。

E Everybody experiences sadness, hurt, failure, rejection and setbacks sometimes. They are a normal part of life. Try not to personalise them.
誰だって悲しんだり、傷ついたり、失敗したり、はねつけられたり、つまずくことがある。あなただけではない。生きていれば当たり前のこと。自分だけだと思わないようにしよう。

 

B Blame fairly – how much of what happened was because of you, how much was because of others and how much was because of bad luck or circumstance?
非難するなら正当に。「あなた」、「他の人」、「不運」のせいで起こったのはどのくらい?

A Accept the things you can’t change, but try to change what you can first.
自分で変えられないことは受け入れて、変えられることを変えていこう。

C Catastrophising make your worries worse. Don’t believe the worst possible picture.
ささいなことを大変なことのように扱っていたら、悩みが大きくなってしまう。最悪のシナリオなど信じないこと。

K Keep things in perspective. It’s only one part of your life.
広い視野を持とう。このことは人生のほんの一部にすぎない。

 

今回、ブログを書くにあたって「日本ではこういうプログラムが展開されていないのかしら?」と軽く調べてみたところ、文部科学省のサイトに「心のケア > ストレスへの対処」というページがあり、「ストレッサーへのアプローチ」「認知・対処能力へのアプローチ」の中でBOUNCE BACK! と共通する点の多いメッセージが載っていました。

 

でも、不思議なことに、このページは海外子女向けのものなんですよね…。

国内でずっと暮らしている子どもち向けのものの、私が見つけられなかっただけで、きっと文部科学省のサイト内にあるんでしょう。

 

ビジネス×フィロソフィーLab 第3回「創造性はどう育むのか~北欧の教育から考える~」

最後にちょっと告知を。

11/20に「ビジネス×フィロソフィーLab」という対話イベントで、『デンマークで見た「生きる力」 を身につける教育』というタイトルで30分ほどお話させていただく機会をいただきました。

せっかくですから、子どもの頃からずーっと学校教育ってものと相性が悪く、なかなか折り合いが付かずにきた私だからこそ話せる内容に、「そういう側面もあるのか」と参加いただいた皆さんに感じてもらえるようにしたいなと思っています。

ご興味をお持ちいただけたら、ぜひご来場ください!

Happy Collaboration! 

 

Collaboration Energizer

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