読書メモ

パチが選ぶ、輝け2017年読書ベスト・イレブン!

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2017年も終わりですね。年内最後のブログは、自分の中で年末の恒例になっているのが1年の読書ログの振り返りです。

私が今年読んだ本は88冊でした(ちなみにマンガはシリーズ全部で1冊とカウントしています)。

 

パチが選ぶ、輝け2017年読書ベスト・イレブン!

 

なお、あくまでも私パチが読んだのが2017年だった本です。発行年はマチマチですのでお間違えなく。

 
 

<ドキュメント系>

・ 戦争と広告 | 馬場 マコト 著

「13人の読まない読書会」というビブリオバトル的なイベントに参加して知った本です。

タイトルの通り、戦争に突入していく日本の裏側、いや中枢で、広告業界の最先端にいた人びとがどんなことを思い、どんなことを仕掛け、どんな結末を招いたかが描かれています。資生堂の山名文夫や森永製菓の新井静一郎、暮らしの手帖の花森安治など、「現在の日本につながる立派な文化の礎を築いた人たち」というばくっとした印象しかなかったけれど、この人たちが日本を戦争へと導いていくガイド役だったんだなぁ…。

戦争は嫌ですね。戦争になったら、「絶対に自分はそんなことしない」と思っている人のほとんどが、結局はいろいろな言い訳をしながらその片棒を担ぐのだから。

 

・ 殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件 | 清水 潔 著

こちらも「13人の読まない読書会」で知った本です。

警察という組織が、保身のためには冤罪を生み出すどころか、捜査自体を放棄するという衝撃の事実が、丹念な取材で暴かれています。

■ 驚いた記者達がその根拠を問うと「先輩がそう言ってるから間違いないんだ」と言う。何の根拠もないわけだが、どうやらそれが県警内で囁かれていることらしかった。

重大な冤罪を生んでしまった反省はあるのだろうか。県警自身が当時の捜査の不備を認識せず、DNA型鑑定によりかかった責任を今も理解していないという現実。この先も変わらず、そんな話が伝播してゆくことになるのだろう。 「科警研が言ったから」「先輩が言ったから」「本当は犯人なんだよ」とレッテルを貼りながら。

 
 

<社会 / 経済系>

・ GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 | アダム グラント 著

世の中には「ギバー(人に惜しみなく与える人)」、「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人)」、「マッチャー(損得のバランスを考える人)」の3種類の人種がいて、一番成功している人も一番失敗している人もギバーだという調査結果を、詳しく解説した一冊です。5分でできる親切なら、何をおいても実行しよう!

■ 多くの人がギバーとしての価値観を持っているにもかかわらず、仕事ではそれを表に出したがらない。しかし、人と人が密接に結びついた世界で、チームワーク、サービス業、ソーシャルメディアといったことがますます重要になっていくにしたがって、ギバーが人間関係や個人の評判を築き、成功を拡大させるチャンスが広がっているのだ

 

・ 持続可能な資本主義 | 新井 和宏 著

投資信託という経済活動を通じて「いい会社」を増やしている鎌倉投信のファンドマネージャー、新井さんの二冊目の著書で、CSVや「いい会社」という概念をより深く理解できる教科書(強化書)です。

■ 社員が給料の高さだけで企業を選ぶのも、株主が短期的利益だけを求めて投機に走るのも価格選好の一種です。テナントが、高い賃料を払える企業だけを選び、結果的に駅前の一等地が大手資本のチェーン店ばかりになってしまうのも、企業が税金の安い国を探して工場を移転するのも、すべて価格選好の結果です。

極端な価格選好は「つながり」ではなく「分断」を招きます。とにかくお金というリターンを最大化してくれさえすれば、相手は誰だっていい。

 

・ 生きる職場 — 小さなエビ工場の人を縛らない働き方 | 武藤 北斗 著

2016年の新聞投稿をきっかけに、「出社日時自由」「休暇連絡一切不要」という前代未聞の職場が話題になった(株)パプアニューギニア海産の工場長の書いた本です。こういう会社がもっと世の中に増えたら素敵だ!

誰だって、どうせ働くのなら「うちの会社はこんな素敵な会社なんです」とか「この仕事は世の中にこんなに役に立っているんです」って心から思えるところで、「だから関わり続けていきたい」と感じながら仕事したいですよね。「そんなの綺麗事だよ」って言う人はたくさんいるだろうけど、綺麗事がまかり通る社会に少しずつだけど近づいてきているんじゃないかて感じさせてくれる実践者による一冊です。

 

・ 「無知」の技法 Not Knowing — 不確実な世界を生き抜くための思考変革 | スティーブン・デスーザ & ダイアナ・レナー 著

「アンラーニング」や「学びほぐし」の重要性はよく耳にするし、知識があることの弊害は実際自分自身が感じることでもあるし「きっとその通りなんだろうな」と直感的には思うものの、きちんと筋道立てて考えようとすると難しいですよね…。でも、この本はそれを順序立てて理解させてくれます。

■ 未知に対する人間の一般的なアプローチには穴がある。本書のねらいは、その穴を考察し、「知らない」ということとの関係をもっと実りのあるものにする方法を探ることである。既知の先には可能性に満ちた土地が広がっている。境界線から逃げずにいれば、まったく新しい学び、創造性、喜び、不思議と出会えるかもしれない。本書ではその体験を「知らない(Not Knowing)」と呼ぶ。「知らない」というのは状態ではなく動作だ。無知と対峙するプロセスのことだ。

 

・ シェアリングエコノミー | アルン・スンドララジャン 著

シェアリングエコノミー(シェアエコ)を包括的に考える上で必要な視点を与えてくれた一冊です。

英語版のタイトルは『THE SHARING ECONOMY – The End of Employment and the rise of crowd-based capitalism』(共有経済 – 雇用の終焉とクラウドベース資本主義)で、「雇用」が重要なキーワードになっています。なんとなく、この辺りに日本におけるシェアエコの盛り上がりとのギャップの一端が出ている気も。

■ シェアリングエコノミーとは、十分に利用されていない資産にインターネット上のコミュニティからアクセスできるようにし、資産所有の必要性を下げることの価値である

 

・ サーチ・インサイド・ユアセルフ――仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法 | チャディー・メン・タン 著

2月の終わりに一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート(MLI)の荻野さんのマインドフルネス体験会に参加し、そこで紹介されていた一冊です。マインドフルネスについての本を読んだのはこれが初めてでした。

■ 私の経験ではとても持続しやすい自信は深い自己認識と自分に対する赤裸々なまでの正直さからしか生まれてこない。私はエンジニアだからそれをこんなふうに考えている。自分の失敗モードと復元モードという私が機能する上で重要な2つのモードを理解すれば自信につながるのだ

 

・ ライフシフト 100年時代の人生戦略 | リンダ・グラットン & アンドリュー・スコット 著

オリジナルのタイトルは『The 100-Year Life: Living and Working in an Age of Longevity』で、長寿社会でどう働いて生きるかについての提案に満ちたベストセラーです。この本のおかげで「無形の資産」の価値の捉え方を整理できました。

「働かされる」 — 魂を売って、あるいは売っていないフリをして「奴隷」として暮らすには、人生はあまりに長いですよね。

■ よい人生を送りたければ、よく考えて計画を立て、金銭的要素と非金銭的要素、経済的要素と心理的要素、理性的要素と感情的要素のバランスを取ることが必要とされる。100年ライフでは、お金の問題に適切に対処することが不可欠だが、お金が最も重要な資源だと誤解してはならない。家族、友人関係、精神の健康、幸福などもきわめて重要な要素とされる。

 

・続・下流老人 | 藤田 孝典 著

前半では下流老人になってしまった方たちの多数のケースに驚かされ、後半では著者の「社会構造を変えるべし」という熱量に驚かされる一冊です。『ライフシフト』的な「楽しむことを忘れずに働き続けて暮らしていこう」という価値観はすばらしいと思うし全面的に賛成なんだけど、それが花開くためにはこの本の後半で紹介される「再分配による格差是正や弱者救済を目的としない共存型再分配モデル」がベースとして必要なのかもしれないなと思いました。

■ 住宅や教育、介護、医療などの生存にかかわるサービスを”商品”として購入しなければならない社会では、「もしもの事態」が発生したときに頼れるのは自らの貯蓄や資産をおいてほかにない。そのためどれだけ貯蓄しても、不安感が完全に解消されることはない。必然的に貯蓄率は過剰ぎみとなり、それを使うことなく、死後子どもや孫へ引き継がれれば、市場に出回らないカネはさらに積み上がる。生まれもった格差や不平等も、是正されるどころか拡大するばかりだろう。

そうではなく、これを「税」として社会全体で貯金するような構造にできれば、生活に必要な最低限のサービスは保障されているため、残ったカネは気兼ねなく消費に回せるのではないか。

 
 

<フィクション系>

・ ボクたちはみんな大人になれなかった | 燃え殻 著

こちらはCakesで読み、それから単行本を読んで、もう一度Cakesで読みなおした。そしてその違いにいろいろと思わされた。もし、どちらかだけ読んだことがあるのなら、別の方も読んでみることをおすすめします。

『やつらの足音のバラード』はギャートルズの終わりの唄だったよね。仲間のバンドがいい感じにカバーしてたっけ。

■ 美味しいもの、美しいもの、面白いものに出会った時、これを知ったら絶対喜ぶなという人が近くにいることを、ボクは幸せと呼びたい。

 

・ 今日のハチミツ、あしたの私 | 寺地 はるな 著

優しい気持ちになれる一冊。その後味の良さを知っているから、数か月に1度は寺地さんのストーリーが読みたくなる。 そしてこの本は、これまでちょっとだけ感じていた「あんまり俺好みじゃないクスっと笑い」がまったなく、「グイグイ引き込む力」もがすごかった。

■ あなた自身が、あなたを大事にしていないから。あなたがあなたを嫌っているから。だから周りの人はみんな、ますますあなたを大事にしないし、嫌いになる。こいつはそういうふうに扱ってもいいんだって思われてしまう

 

・ 左ききのエレン | かっぴー 著

読んだのは単行本でもジャンプでのリメイク編でもなく、Cakesの連載全63回です。連載当時はちょうど半分くらいで離脱してしまったのですが、Cakesに契約して改めて最初から読み直したら、最後まで止めることができず一気読みしました。

登場人物を通じていろいろな考え方や視点、セオリーやロジック(天才論、努力論、運命論…)が出てきてストーリーが織り上げられていく中、どこまでがかっぴーさんのオリジナルなのか、どこからが天才クリエーターやスーパー営業マンのリミックスなのか、まったく分からないレベルで融合しています。やっぱりかっぴーさんってすごいなー。

 
 

<ロック系>

・ ロッキング・オンの時代 | 橘川 幸夫 著

「そうだったのか!」と、闘争の時代の焼け棒杭がまだところどころに転がった70年代を知ることのできるエピソードにあふれた一冊。日比谷の野音がコンサートよりもっぱら学生運動に使われていたとか、コンサートの料金を100円にすると税金の支払い義務が発生するので99円のものが多かったとか、五輪真弓がしょっちゅう野音でブーイングを喰らいまくっていたけどまったくめげる様子を見せなかったとかね。

■ ロックとはミュージシャンが作った一枚のレコードではなく、むしろミュージシャンが一枚のレコードを作らねばならなかった、のっぴきならない〈原因〉のほうである。言うまでもないが、私達がロックと呼称してきたものは、あの、闇の総体である。

 

・ 瀕死の双六問屋 | 忌野 清志郎 著

清志郎の本の中で、まだ読んでいないままだった一冊。東芝EMIと(そして他のインディー系レコード会社とも)揉めていた頃に書かれていたせいか、怒りのビートが実に激しい。すごいロックを聴きたい。

■ 巷にある歌を俺がどんなアレンジでどんな歌い方をしようが自由だろ。まさかそのくらいの自由はゆるされているんだろうな。

俺はロックン・ロールとリズム&ブルースしかやったことがないんでね。はっきり言っておこう。俺はこの日本に生まれて、ずっとこの国で育ってきた。日本国籍を持っていて国民年金も払ってる。脱税もしてない。話すのも考えるのも日本語だ。日本文化に敬意をもってる。俺の好きなロックやブルースを歌ってもいいんだろうな?

 

・ 好きなようにしてください — たった一つの「仕事」の原則 | 楠木 建 著

「ビジネス書系だし」っていう人もいると思うのですが、私にとってこの本はロック系です。著者の楠木さんは「両方違う」って言いそうだけど。

書内に書かれているように、メインターゲットは20代の社会に出る前後の人々ですが、私のような「働くこと」でちょくちょく迷子になるアラフィフにも十分バイブルです。

■ 「男女」「既婚・独身」、こうした二分法は単純かつ手っ取り早いので、自分を当てはめて考えがちですが、人間はあくまでもナマモノ。二分法に押し込めるには無理があります。
その最たるものが「勝ち負け」です。調子がいい時もあれば悪い時もある(…)勝ち負けというフレームで考えないほうがいいと思います。現実には、ほとんどが程度問題です。

 
 

サッカーファンなので11冊に絞ろうと思っていたのですが、絞りきれませんでした。。。

来年も素敵な本にたくさん出会いたいな。

 

Happy Collaboration!

 

Collaboration Energizer

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