Db2 サーバーのアップグレードに関するディスク・スペース要件

アップグレード・プロセスでは追加のディスク・スペースが必要になるということを知っておく必要があります。 このプロセスを正常に完了するための十分なフリー・ディスク・スペースがあることを確認してください。 以下のディスク・スペース推奨は、 Db2 バージョン 11.1へのアップグレードに適用されます。

システム・カタログおよび SYSTEM TEMPORARY 表スペース

システム・カタログ表スペースおよび SYSTEM TEMPORARY 表スペースに、アップグレードするデータベースのための十分なフリー・スペースがあることを確認してください。 アップグレード中、新旧両方のデータベース・カタログのためのシステム・カタログ表スペースが必要です。 必要なフリー・スペースの量は、データベースの複雑さ、 およびデータベース・オブジェクトの数とサイズによって異なります。

システム・カタログ表スペース (SYSCATSPACE)
合計サイズを使用済みスペースの合計の 2 倍に増やすことをお勧めします。 これは言い換えれば、少なくとも、現時点での使用済みスペースと同じ量のフリー・スペースを確保することが望ましいということです。
TEMPORARY 表スペース (TEMPSPACE1 はデフォルト名)
合計サイズをシステム・カタログ表スペースの合計サイズの 2 倍に増やすことをお勧めします。

システム・カタログ表スペースの場合、フリー・ページは使用ページと等しいかまたはそれより大きくなければなりません。 SYSTEM TEMPORARY 表スペースの合計ページは、 システム・カタログ表スペースの合計ページ量の 2 倍でなければなりません。

自動ストレージ表スペースのフリー・スペースの量を増やすには、現行のストレージ・パスのスペースを大きくするか、新しいストレージ・パスを追加します。

システム管理スペース (SMS) 表スペースのフリー・スペースの量を増やすには、対応するファイル・システムで十分な量のディスク・スペースを解放するか、ボリューム・マネージャーを使用している場合はファイル・システムのサイズを大きくしてください。

データベース管理スペース (DMS) 表スペースのフリー・スペースの量を増やすには、既存のコンテナーのサイズを大きくします。 さらにコンテナーを追加することも可能です (ただしその場合は、データのリバランスが必要になることもあります)。 アップグレード後に、コンテナーのサイズを小さくしてもかまいません。

ログ・ファイル・スペース
データベースのアップグレード・プロセスでは、システム・カタログ・オブジェクトを変更します。 各システム・カタログ・オブジェクトへの変更はすべて単一トランザクションで実行されるため、このトランザクションが入る大きさのログ・スペースが必要です。 ログ・スペースが不十分な場合は、このトランザクションはロールバックされ、 アップグレードは正常に完了しません。

ログ・ファイルが置かれているファイル・システムに十分なディスク・フリー・スペースがある場合は、logsecond データベース構成パラメーターの値を logprimary および logsecond の現行値の 2 倍に設定することで、必要なログ・ファイル・スペースを確保できます。 大きなログ・ファイル・スペースが既にある場合は、このパラメーターの値を大きくする必要はありません。 また、パーティション・データベース環境の場合、増加する必要があるのはカタログ・パーティションのログ・スペースのみです。

インスタンスを Db2 バージョン 11.1にアップグレードする前に、これらのデータベース構成パラメーター値を更新する必要があります。これは、 UPGRADE DATABASE コマンドを発行するまでこれらのデータベース構成パラメーターを更新できないためです。 ログ・ファイル・スペースが不十分なためにこのコマンドが失敗した場合は、これらのデータベース構成パラメーターを大きな値に設定してから、UPGRADE DATABASE コマンドを実行し直してください。

アップグレードが完了してから、ログ・スペースに関する新しいデータベース構成パラメーター設定を元の値に戻せます。

索引スペース
データが入っているすべての表の各索引には、以下の機能を使用するために索引ごとに 1 つずつ追加のページが必要です。
  • リアルタイム統計。
  • MDC 表の据え置きクリーンアップ・ロールアウト。
  • データが入っている表での索引再ビルド。
索引用の空きディスク・スペースが限られている場合は、表スペースがいっぱいであることを示すエラー・メッセージ SQL0289N を受け取ることがあります。 以下の作業を実行する前に、データが入っている表の索引ごとに 1 つの追加ページを確保できるよう、対応する索引表スペースに十分なフリー・ページがあることを確認してください。
  • Db2 バージョン 9.7 以降で作成されたデータベースに表を追加すると、新しく作成されたこれらのデータベースでは、リアルタイム統計がデフォルトで有効になります。
  • DB2_MDC_ROLLOUTDEFERに設定するか、 DB2_WORKLOADSAPに設定されている場合に、据え置きクリーンアップ・ロールアウトを使用可能にする。
  • データが入っている表での索引の再編成または再作成。
自動ストレージ・ファイル
ADD STORAGE ON 節を指定した ALTER DATABASE ステートメントを発行して既存のデータベースで自動ストレージを使用可能にした場合、このステートメントは、自動ストレージを維持するために必要な SQLSGF.1 ファイルおよび SQLSGF.2 ファイルを作成します。