IBM Support

Microsoft Windows で ClearCase のプロセスが予期せず終了する現象について

Troubleshooting


Problem

[Japanese] Microsoft Windows XP、Windows 2000、Windows 2003、または Windows NT 4.0 の 32 ビットシステムで、IBM® Rational ClearCase のプロセスが予期せず終了することがあります。本技術情報では、この問題の症状、および解決策に関する情報を提供します。

Symptom

: 本技術情報に記載されている情報は、32 ビット システム上の Microsoft Windows XP、Windows 2000、Windows 2003、Windows NT 4.0 にのみ該当します。

ログに下記エラーが記録される場合、本技術情報で説明する問題に関連している可能性があります。

ALBD のエラー:

albd_server(896): Error: Albd(896): Error: Server view_server.exe (pid=6340) on "d:\ClearCase_Storage\views\view1.vws" died on startup; marking it as "down".

albd_server(896): Server view_server.exe(6340) exited with status 12809/14/2005 01:45:18 PM albd_server(896): Error: Albd(896): Error: Server admin_server.exe (pid=5100) on "" died on startup; marking it as "down".09/14/2005 01:45:18 PM albd_server(896): Server admin_server.exe(5100) exited with status 128

albd_server(896): Error: Albd(896): Error: Server shipping_server.exe (pid=7012) on "" died on startup; marking it as "down".
09/14/2005 01:45:18 PM albd_server(896): Server shipping_server.exe(7012) exited with status 128

albd_server(896): Server db_server.exe(6344) exited with status 128

albd_server(896): Error: Albd(896): Error: Server vobrpc_server.exe (pid=6488) on "d:\ClearCase_Storage\VOBs\vob.vbs" died on startup; marking it as "down".

albd_server(896): Error: Albd(896): Error: Server db_server.exe (pid=5796) on "" died on startup; marking it as "down".

albd_server(896): Error: Albd(896): Error: Server credmap_server.exe (pid=5696) on "" died on startup; marking it as "down".

ビューのエラー:

view_server.exe(3812): Error: Unexpected value (128) returned by type manager "text_file_delta"

Error: view_server.exe(5536): Error: already running as pid 65535

Cause

この問題の原因は、Windows のデスクトップヒープの設定に関連することが知られています。

Microsoft Windows の OS では、デスクトップヒープがインタラクティブなウィンドウ ステーションと非インタラクティブなウィンドウ ステーション用に確保されています。

インタラクティブなウィンドウ ステーションとは、デスクトップ上でユーザーが実行しているグラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を指します。

非インタラクティブなウィンドウ ステーションとは、GUI なしで実行されるプロセスを指します。

デスクトップヒープは、Windows のシステム上で実行されるすべての Windows ベースのアプリケーションが対象となり、また、すべてのオブジェクトで利用されます (ウィンドウ、アイコン、メニューなど) 。

ClearCase におけるインタラクティブなステーションの例として、Windows エクスプローラーや ClearCase エクスプローラーからビュー内で作業を行うことがあげられます。インタラクティブなデスクトップのプロセスは、explorer.exe または clearexplorer.exe となります。

非インタラクティブなウィンドウ ステーションの例は、クライアントマシンで実行されている view_server.exe になります。リモートの Windows ビューサーバーと Windows VOB サーバーの場合、すべてのビュープロセス (view_server.exe) と VOB サーバープロセス (vob_server.exe、vobrpc_server.exe、db_server.exe) は、非インタラクティブのデスクトップヒープで実行されます。

複数のアプリケーションが実行されているシステムで、ヒープサイズの値を増加しすぎると、「メモリ不足」のエラーが発生することがあります。詳細については Microsoft の技術情報 ID 126962 を確認してください。


逆に、ヒープサイズを減らしすぎると、アプリケーションが新しいデスクトップを必要とする際にデスクトップが作成できなくなります。詳細については、下記 Microsoft の技術情報を確認してください。


Microsoft からは、デスクトップヒープの設定に関するガイドラインが提供されていないため、デスクトップヒープの問題を解消するための正確なルールや値は存在していません。また、Windows 上で実行される各アプリケーションはデスクトップヒープを使用するため、必要に応じてデスクトップヒープの監視と調整を行い、最適な値を設定するようにします。

適切な値は、システム上にインストールされたアプリケーションと、アプリケーションが正常に動作するために必要となる非インタラクティブなデスクトップヒープのサイズに依存するため、それを考慮して設定します。

例えば、システム上でバックアップ用のソフトウェアを実行するためには、アプリケーションのデスクトップで必要となるフック、メニュー、文字列、ウィンドウの数から判断し、非インタラクティブなヒープサイズを 3072 に設定します。この設定を行うと、システム上で作成できるデスクトップの数が減ります。しかしながら、システム上に Web サーバーのアプリケーションを配置する場合、この設定は適切ではありません。各クライアントは少数のフック、メニュー、文字列、ウィンドウを持つデスクトップを多数作成するため、ヒープサイズを少なく設定する必要があります。

Resolving The Problem

現在ある唯一の回避策は、非インタラクティブなデスクトップヒープの制限を調整することとなります。レジストリの変更を行う前には、下記 Microsoft の技術情報 を必ず一読してください。

注: 解決策には、システムのレジストリを編集する手順が含まれています。Microsoft レジストリ エディターに変更を加える前に、既存のレジストリのバックアップを取得することを強く薦めます。レジストリのバックアップ方法の詳細については、Microsoft の技術情報 256986 を確認してください。

設定を変更するためには、下記手順を実行します。

  1. スタート > ファイル名を指定して実行 > Regedit をタイプします。
  2. レジストリ エディタから以下のキーへ移動します。

    HKeyLocalMachine\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Session Manager\SubSystems
  3. Windows の値をダブルクリックします。
  4. 値のデータから SharedSection= の箇所を探します。

    : SharedSection にある各数字の意味については、以降の項目を確認してください。
  5. 文字列を編集します。

    (変更前の例)
    SharedSection=1024,3072,512

    (変更後の例)
    SharedSection=1024,3072,2048,512

    注:
    サーバー上にある VOB とビューの数によっては、3 つ目の値を 2048 以上にすることが可能です。デスクトップヒープを監視するためのパフォーマンスモニターを設定する詳細については 技術情報 1150076 をご覧ください。正しいデスクトップヒープを設定するための公式は存在しないため、監視と調整を行うことによって適切な値を設定する必要があります。 4 つ目の値については、下記を参照してください。
  6. サーバーを再起動します。


SHARED SECTION


1 つ目の SharedSection 値 (1024) では、すべてのデスクトップに共通のヒープ サイズが定義されます。これは、グローバル ハンドル テーブル (Windows ハンドルはマシン全体で一意) や共有されるシステム設定 (SystemMetrics など) に使用されます。この値を変更する必要はほとんどありません。




2 つ目の SharedSection 値 (3072) は、(Windows オブジェクトに使用される) デスクトップ ヒープのサイズを制御します。この静的な値は、動作不良のアプリケーションによって大量のメモリが消費されるのを避けるために使用されます。デスクトップ ヒープは、各プロセスのアドレス空間にマップされるので、安易に高い値を設定するべきでありません (パフォーマンス低下の原因になります)。ただし、すべてのプログラムを実行するために十分な程度にだけは大きくしてください。




3 つ目の SharedSection 値は、非インタラクティブなデスクトップのヒープサイズの値を定義しています。

詳細は、Microsoft 技術情報 ID 184802 User32.dll または Kernel32.dll の初期化に失敗する を確認してください。

512KB のデスクトップヒープサイズでは、1 つのデスクトップ上で約 90 のサービスのプロセスを賄うことができます。プロセス数が 90 を超えると、問題が出始めることが確認されています。 "90" のデスクトップは 48MB の制限から 3MB の増加を差し引き、512KB で割った値となります。

(49152 KB - 3072 KB) / 512 KB = 90

注: 49152 KB = 48 MB、 3072 KB = 3 MB

デスクトップは、Windows のアプリケーション固有のサービスのプロセスを実行する領域です。つまり、512KB の設定で約 90 の非インタラクティブなデスクトップを持つことができ、各デスクトップでは、約 90 のサービスのプロセスを実行することができます。

注: 3 つ目の値を 3072 に上げた場合、結果は以下のようになります。

(49152 KB - 3072 KB) / 3072 KB = 15

上記結果から、実行できる非インタラクティブなデスクトップが約 15 になりますが、各デスクトップで実行できるサービスのプロセスの数が約 540 に増えます。

注: 各アプリケーションによってデスクトップの使用量が異なるため、Microsoft からヒープサイズの設定値に関するガイドラインが提供されていません。上記例は概算となります。



4 つ目の値について:

SharedSection=xxxx,yyyy,zzzz,aaaaaaaa は、Windows ターミナルサービスのヒープサイズに関係しています。サーバー上でターミナルサービスを実行している場合にのみ 4 つ目の値が必要となります。



注意: Windows のレジストリを変更する前には、以下の Microsoft 技術情報を読み、レジストリの変更による影響を十分に理解してください。

KB142676: User32.dll の初期化失敗エラーへの対処方法
KB184802: User32.dll または Kernel32.dll の初期化に失敗する
KB169321: [INFO] COM サーバーのアクティブ化と NT のウィンドウ ステーション




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追加情報

デスクトップヒープに関する追加情報が以下のブログに掲載されています。

http://blogs.msdn.com/ntdebugging/archive/2007/01/04/desktop-heap-overview.aspx

[{"Product":{"code":"SSSH27","label":"Rational ClearCase"},"Business Unit":{"code":"BU053","label":"Cloud & Data Platform"},"Component":"Operating System Configurations","Platform":[{"code":"PF033","label":"Windows"}],"Version":"2003.06.00;7.0;7.0.1;7.1;7.1.1","Edition":"","Line of Business":{"code":"LOB45","label":"Automation"}},{"Product":{"code":"SSSH27","label":"Rational ClearCase"},"Business Unit":{"code":"BU053","label":"Cloud & Data Platform"},"Component":"Operating System Configurations","Platform":[{"code":"","label":""}],"Version":"","Edition":"","Line of Business":{"code":"LOB45","label":"Automation"}}]

Document Information

Modified date:
29 September 2018

UID

swg21433179