FastBackはバックアップ用に別サーバーを用意するのが推奨なのですが、パートナー様より「 小規模なパッケージ・アプリケーションで、業務サーバーが1台しかないような場合に、バックアップ専用の別サーバーを立てるのでは提案しずらい 」とのお声を頂きました。
1台の中にFastBackのクライアントとサーバーを動かし、リポジトリー用に内部ディスクを追加すれば稼動はするのですが、OSダウン、ハードウエア全滅の場合には回復にBMRを使用する必要があります。BMRはCD起動なので、あとはリポジトリー用のローカル・ディスクにハードウエア的にアクセスできればよいですし、当該マシンでディスクが生きていれば何の問題もないのですが、万が一ディスク・コントローラーなどが破壊した場合にはリポジトリーのディスクにアクセスできなくなってしまいます。その場合は復旧時に現場でサーバーを開いてディスクを取り出し、別のマシンに接続する必要がありますが、現場のユーザーさんや一般の利用者の方には、ディスクの移設は敷居が高いですよね。(ましてや、引越し先のハードウエアが違っていたりして、手順書もないとしたら、復旧までにえらく時間がかかると思いますので、ビジネスに影響を与えてしまいます。)そこで、バックアップ用のリポジトリーとして外付けのUSBディスクが使えないか? と考え、テストをしてみました。

外付けUSBディスクをリポジトリーに使えれば
- USB2.0であればそこそこの速度が期待できる。(そもそもギガビット・イーサでも30-40MB/秒が限界なので同じようなもの?)
- 復旧時は、最悪でも取り外して手近のパソコンに接続すればよいので楽である。
- 安価かつ大容量である。
といった利点があると思われます。
 | Warning
当記事はIBMとしてFastBackのリポジトリーに外付けUSBディスクを積極的に推奨する意図があるわけではありません。
相変わらずマニュアルに書かれている「推奨」はバックアップ専用の別マシンです。「とはいえ、、」というケースも多数あるので検証してみたものです。今回は「やってみた」というだけですので、別途、最新の外付けUSBディスクを複数検証して、OKのもののリストを公開したいと考えております。 |
テスト環境
- データ: 11.8GB
- 外付けUSBディスク: IO-DATA HAH-U160

たまたま筆者が個人所有していたものです。2005年12月に生産終了になっており、「ちょっと古め」のものです。
当該デバイスはWindows2003は未サポートです。(挿すだけで認識してちゃんと使えましたが。)
テスト内容
下記のような2パターンで11.86GBのデータに対してボリューム・バックアップを採取し、処理時間や転送効率を比較してみました。

結果と評価
- FastBackは外付けUSBディスクをリポジトリーとして認識し、正常に使用できた。
- USB2.0ベースの外付けUSBディスクをリポジトリーとして利用することは、パフォーマンスの面では十分許容範囲と思われる。
| 構成 |
実行時間 |
速度(MB/秒) |
| USBを用いた1台構成 |
8分57秒 |
22.62 |
| 通常の2台構成 |
7分25秒 |
33.72 |
- USBを用いた場合の方が単位時間当たりのスループットは30%減と遅くなっているものの、ジョブの実行時間で20%増程度でしかない。
- 今回使用した外付けUSBディスクは数年前の若干年式の古いものであり、最新のもので更に高速化が期待できる。
- 各USBディスクベンダーの提供している高速化テクノロジー(例えばIO-DATAさんの場合はマッハUSBというのがあります)の適用で更に高速化が期待できる。
(今回は、私の使用したUSBディスクの年式が古いため、マッハUSBドライバーがWindows2000用であり、Windows2003には導入不可のため測定を見送りました。スイマセン。。)
実装のための注意点・チェックリスト
今回のテストでは、以下のような教訓が得られましたので記載させて頂きます。
- サーバーのベンダー(例えばIBM)と外付けUSBディスク(多分XXX電器とかYYYカメラとかで買ったもの?)のベンダーは通常異なると思われますが、両者の接続性、正常稼動についてはFastBackの保証外となりますので、事前に実機確認をしておくことをお勧めします。( 当然ながら、FastBackとしてはサーバーと外付けUSBディスクのデバイス・OSレベルでの接続性の保証はできかねますゆえ。まあ、ほとんど動くでしょうけれど)
- 内蔵ディスクと違って外付けUSBディスクのケーブルや電源は抜けやすいので、現場でウッカリ抜いてしまった、などの事故が無いように何らかの物理的な対策を採っておくのが望ましいと思われます。
- 外付けUSBディスクは1.1/2.0の両方の速度をサポートしており、速度の面では当然2.0での稼動が望ましい。機器の接続によっては「知らない間に1.1で稼動していた」などのケースも考えられるので、接続時に確認が必要です。(外付けUSB装置によってはランプの色などでどちらで接続しているのかがわかるものもあるようです。)
- 一般には外付けUSBディスクは内蔵ディスクよりは遅いです。(勿論、比較の問題)
- 外付けUSBディスクの中には、Windowsから見て「ブロック・デバイス」と認識されない類のものもあります。その場合は、動きません。
- 一般にコンシューマー向けの外付けUSBディスクではRAIDが組めませんので、リポジトリーの保護の要件がある場合にはDRなど別のことを考える必要があります。
- サーバーのブート・デバイスの順番で、USBを内蔵ディスクよりも後に変更しておきましょう。通常は1)CD 2)USB 3)DISKとなっているように思いますが、この順番ですとマシンのブート時にUSBから起動しようとして「OSが見つかりません」のエラーでブートに失敗するためです。
- FastBack導入後に後から追加した外付けUSBディスクはRead Onlyになってしまうので、Read/Writeに再設定するためにDiskOpenユーティリティを準備しておいたほうがよいかと思います。
- 既存マシンに追加する場合は以下のような点をご確認ください。
- 当該マシンでウイルス・チェック・ソフトが稼動していないか(リポジトリはスキャン対象から除外してください)
- 当該マシンのOSはWindows2003の 64ビット 版ではないか( FastBack Server 5.5では32ビット版のみがサポートされています)
- 当該マシンのドライブ構成が、適宜分割されているか、「なんでも全部C:\ドライブ」になっていないか。(OSの存在するボリュームはバックアップはできますが、リストアにはBMRが必要です)
- NTFSでフォーマットされているか(FastBackでサポートしているファイルシステムはNTFSです)
- 外付けUSBディスクをリポジトリに追加する際には「ボリューム」または「共有フォルダー」として追加してください。(=「ディスク」として追加しないでください。) Bare Machine Recoveryの際には「ボリューム」または「共有フォルダー」の指定が必要となります。単なる「ディスク」として追加してしまうと、マシン全壊時のBare Machine Recoveryでリポジトリーが見つけられなくなってしまいますす。(文章ではわかりずらいので下記をご参照ください。要はドライブをきちんとフォーマットして、ドライブ文字をアサインしておけばよい、ということですが)

- リポジトリとして追加する外付けUSBディスクのサイズは、バックアップ頻度や世代数、更新データ量等によって変わり一概に見積もることは難しいのですが、保護データ容量の3-5倍が目安となります。必要なディスクサイズの外付けUSBディスクをご準備ください。