FastBackは、iSCSI接続のディスクをリポジトリとして使用することをサポートしています。
マニュアルには明確に記載されていませんが、Redbook
に、ちょこっとだけ書かれています。(これだけだと不安に感じるかもしれませんが、別途サポートすることを確認済みですので、ご安心ください)
とある案件で、iSCSI接続のストレージであるDS3300をFastBackのリポジトリとして構成した環境で、システムリカバリー(FastBack for BMR)の検証をしましたので、ご紹介します。増分バックアップもBMRも出来ました。
利用機器
- System x 3500
- OS:Windows Server 2008 SP2(32bit)
- QLogic iSCSI Single-Port PCIe HBA(39Y6146)
- iSCSI server adapter drivers Ver 7.0
- DS3300
- Array:RAID 6
- LUN:LUN1:100GB <=System x 3500のEドライブに割り当てる(ドライブ名:DS3300LUN、サイズ:100GB)

iSCSI接続について
もうご存知の方も多いかと思いますが、簡単に。。。
iSCSIとは、Internet Small Computer System Interfaceの略で、SCSIプロトコルをTCP/IPネットワーク上で使用する規格のことです。これにより、一般的なEthernetを使用してSCSIディスクとしてネットワーク上のストレージをあたかもローカルのSCSIディスクのようにアクセスできるようになります。
iSCSIによりアクセスされる側のDISK装置のことをTarget、Targetをアクセスする側をInitiator(イニシエーター)と呼びます。
このイニシエーターには、下記2つがあります。
- ソフトウェア・イニシエーター
- ハードウェア・イニシエーター
ソフトウェア・イニシエーターは、OSの機能として提供されるiSCSIソフトを使って、通常のネットワークカードからディスクへ接続する形態で、ハードウェア・イニシエーターは、専用のiSCSI HBAをサーバーに搭載して、そのiSCSIカードからディスクへ接続する形態です。
今回は、ハードウェア・イニシエーターの環境で検証しました。(ソフトウェア・イニシエーターは試していないのですが、OSが起動していないとiSCSIソフトが使えないので、ブートCDからはディスクへ接続できない可能性が高いと思っています。間違っていたらごめんなさい。)
サーバーのディスクの管理画面からは、下記のように見えています。

リポジトリの構成
リポジトリを作成する前に、ストレージプールを確認したところ、下記のようにディスクが2重に見えていました。

この現象については、マニュアル
に記載されています。
If the client is not SAN Enabled, ・・・ the disks can be displayed twice in the FastBack Manager disk view.
SANモジュールを使用可能に設定するとのことですので、Client Configurator画面を開いて、「SANモジュールが使用可能」を「はい」にして、「OK」をクリック。その後の2つのポップアップ画面も「OK」をクリックします。すると、2重には表示されないようになりました。


次に、リポジトリの定義ですが、iSCSI接続のディスクも、通常のローカルディスクと同じ手順で作成出来ました。

あとは、クライアント・グループやジョブ・スケジュール、ポリシーの定義など、いつも通りの手順で出来ました。
iSCSIと言っても、通常のローカルディスクと同じように扱えるんですね。
ブートCDの作成
今回は、システム・リカバリーの検証が目的ですので、ブートCDを作成しました。
iSCSI用のドライバーが、サポート・ドライバーの一覧ページに掲載されていますので、それをダウンロードしてブートCDを作成します。
- サポート・ドライバーの一覧ページはこちら

QLogic - iSCSI HBA STOR miniport
- 上記ページに書かれている通り、QLOGIC社のWebサイトから下記ファイル名のドライバーをダウンロード
ql4xxw32Storv21419.zip
- このzipを、FastBackBMR\PEDrivers\StorageDrivers\Qlogicに展開して、ブートCDを作成

今回の検証で、ブートCDに追加したドライバーは、これだけです。ネットワークドライバーも、特に追加してません。
ちなみに、ブートCDを作成した環境は、以下を使用しています。
- Windows AIK for Vista SP1 and Windows 2008 Server
- FastBack for BMR 5.5.4.1
確認項目
- iSCSIディスクをFastBackのリポジトリーとして認識できました。
- システム領域のバックアップおよびリストアができました。
- パフォーマンスは下記のとおりでした。
| 操作 |
容量 |
所要時間 |
速度/秒 |
| システム・バックアップ |
13GB |
4分19秒(259秒) |
約51MB/S |
| システム・リストア |
13GB |
9分40秒(580秒) |
約23MB/S |
iSCSIディスクをFastBackのリポジトリとして使用する場合、FastBack Server自身のBMRが要件でなければ、ローカルディスク(DAS)を使用する場合と特に変わりません。
FastBack Server自身のBMRが要件の場合は、そのiSCSIディスクのドライバーが、FastBack for BMRでサポートされているドライバーかどうかをご確認ください。現時点では、QLOGICのiSCSI HBA STOR miniportのみ(2009年10月時点)です。 このドライバー以外の場合は、ご使用の環境に合ったストレージドライバーを準備いただくことになりますが、FastBack for BMRのサポート対象外となってしまいますので、事前に十分な検証をお勧めいたします。