レベル: 初級 川瀬 智 (KAWASES@jp.ibm.com), 情報マネジメント・テクノロジ/ソフトウェア開発研究所, IBM
2007年 2月 02日
IBM OmniFind Enterprise Edition v8.4 (以下、OmniFind)は、2006年11月にリリースされた IBM のエンタープライズ・サーチ・システムの最新バージョンです。今回はこの前バージョンである v8.3 を含め、インストール時および初回起動時に起こりうるトラブルとその解決方法について、以下の章に分けてご紹介します。
第1章:インストール時のトラブル
第2章:インストール検査プログラムの活用
第3章:コンポーネントごとの起動確認
今回は主に Windows 環境を前提とした説明を行っていますが、その他の環境でも同様の対応が可能です。
第1章:インストール時のトラブル
インストール時のトラブルシューティングはマニュアル([文献5])にも記載されていますが、ここではよく起こる問題を3つほどご紹介します。
1.1 WAS 6.0 のリフレッシュ・パック2をインストールしていない
OmniFind は前提ソフトウェアとして IBM WebSphere Application Server (以下 WAS) v6.0 をインストールします。インストール後は WAS リフレッシュ・パック2をインストールする必要があります。この作業を行わないと、OmniFind は正常に動作しません。WAS リフレッシュ・パック2を含めた詳細なインストール手順は、[文献1] で紹介していますのでご参照ください。
1.2 Web サーバー・プラグインのインストールに失敗する
WAS リフレッシュ・パック2をインストールすると、Web サーバー・プラグインの再生成が必要になる場合があります。こちらの手順も [文献1] で紹介していますのでご参照ください。
1.3 WAS のインストールに失敗する
過去に WAS のインストール・アンインストールを行っている環境では、WAS が正しくアンインストールされていないことがまれにあります。Windowsのシステム・ルート・ディレクトリー(例えば C:\windows)に vpd.properties というファイルがある場合は、その中にアンインストールされたはずの WAS の情報が残っていないか確認してください。詳細は、WAS 関連のインストール時のトラブルシューティング([文献6])をご参照ください。
第2章:インストール検査プログラムの活用
OmniFind にはインストール検査プログラムが付属しています。検査プログラムの起動方法は以下のとおりです。
OmniFind v8.4 の場合
(1) 「スタート」メニューから「プログラム」→「IBM WebSphere II OmniFind Edition」→「ファースト・ステップの開始」をクリックします。 (2)ファースト・ステップのウィンドウが開きますので、「インストール検査」をクリックします。
OmniFind v8.3 の場合
1.「スタート」メニューから「プログラム」→「IBM WebSphere II OmniFind Edition」→「IBM ファースト・ステップの開始」をクリックします。 2.ファースト・ステップのウィンドウが開きますので、「インストール検査」をクリックします。
図 1 ファースト・ステップ (OmniFind v8.4)
インストールの検査が始まると、OmniFind が起動され、テスト用のコレクション作成などのシナリオが実行されます。各ステップの検査結果はコンソール上に表示されます。正常に完了すると以下のような出力が得られます。
注:環境によりサーバー名などは異なります。
OmniFind v8.4 の例
FFQP0045I このインストールに構成されたエンタープライズ・サーチ管理者は esadmin です。
FFQP0046I このインストールに構成されたインストール・ディレクトリーは、C:\Program Files\IBM\es\esadmin です。
FFQP0047I このインストールに構成されたデータ・ディレクトリーは、C:\Program Files\IBM\es\esadmin\data です。
FFQP0048I このインストールに構成された共通通信ポートは、6002 です。
FFQP0049I このサーバーにコントローラー・コンポーネントが構成されます。
FFQP0050I このサーバーに検索コンポーネントが構成されます。
FFQP0051I このサーバーにクローラー・コンポーネントが構成されます
FFQP0052I このインストールに対してシングル・サーバー構成が検出されました。
FFQP0055I コントローラー・コンポーネントと索引コンポーネントを持つサーバーの名前は xxxxxxxx です。
FFQP0002I localhost の共通通信層セッションにアクセスしようとしています。
FFQP0008I 共通通信層でのメッセージ転送が正しく確認されました。
FFQP0095I http://xxxxxxxx:80/ESAdmin で構成された管理コンソールにアクセスしようとしています。
FFQP0105I ポート (80) の HTTP サーバーがアクティブです。
FFQP0072I クローラー・サーバー・インストールを検査するところです。
FFQP0073I 表の作成とドロップにより、データベースをテストしようとしています。
FFQP0002I localhost の共通通信層セッションにアクセスしようとしています。
FFQP0008I 共通通信層でのメッセージ転送が正しく確認されました。
FFQP0074I 索引サーバー・インストールを検査するところです。
FFQP0011I SAMPLE_COLLECTION という名前のコレクションを作成しています。
FFQP0013I コレクションが正常に作成されました。コレクション ID は、col_12345 です。
FFQP0055I コントローラー・コンポーネントと索引コンポーネントを持つサーバーの名前は xxxxxxxx です。
FFQP0015I コレクションにクローラーを追加しています。 クローラー ID は col_12345 です。
FFQP0017I C:\Program Files\IBM\es\license をクロールするためにファイル・システム・クローラーを追加しています。
FFQP0019I クローラーがコレクションに正常に追加されました。
FFQP0020I クローラー構成ファイルを作成しています。
FFQP0021I クローラー構成ファイルは正常に作成されました。
FFQP0023I システム構成を同期化しています。
FFQP0055I コントローラー・コンポーネントと索引コンポーネントを持つサーバーの名前は xxxxxxxx です。
FFQP0024I クローラーを開始しています。
FFQP0026I ファイル・システム・クローラーが開始されました。
FFQP0029I パーサーを開始しています。
FFQP0030I ロー・データをトークン化するパーサーが正常に開始されました。
FFQP0032I 索引を再編成しています。
FFQP0033I 索引作成が正常に開始しました。
FFQP0077I 索引セッションで主索引が作成されるのを待機しています。 これには数分間かかることがあります。
FFQP0078I コレクション内の文書数は、4 です。
FFQP0039I パーサーが停止されました。
FFQP0069I クローラーが停止されました。
FFQP0042I 検査プログラムの過程で作成されたコレクションを削除しています。 コレクション ID は、col_12345 です。
FFQP0081I インストールを検査するシナリオが完了しました。サーバーを使用する前に、表示された出力を確認してください。
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OmniFind v8.3 の例
FFQP0045I このインストールに構成されたエンタープライズ・サーチ管理者は esadmin です。
FFQP0046I このインストールで構成されたインストール・ディレクトリーは、C:\Program Files\IBM\es\esadmin です。
FFQP0047I このインストールで構成されたデータ・ディレクトリーは、C:\Program Files\IBM\es\esadmin\data です。
FFQP0048I このインストールで構成された共通通信ポートは、6002 です。
FFQP0049I このサーバーにコントローラー・コンポーネントが構成されます。
FFQP0050I このサーバーに検索コンポーネントが構成されます。
FFQP0051I このサーバーにクローラー・コンポーネントが構成されます。
FFQP0052I このインストールに対してシングル・サーバー構成が検出されました。
FFQP0055I コントローラー・コンポーネントと索引コンポーネントを持つサーバーの名前は xxxxxxxx です。
FFQP0002I localhost の共通通信層セッションにアクセスしようとしています。
FFQP0008I 共通通信層でのメッセージ転送が正しく確認されました。
FFQP0095I http://xxxxxxxx:80/ESAdmin で構成された管理コンソールにアクセスしようとしています。
HTTP/1.1 200 OK
FFQP0105I ポート (80) の HTTP サーバーがアクティブです。
FFQP0072I クローラー・サーバー・インストールを検査するところです。
FFQP0073I 表の作成とドロップにより、データベースをテストしようとしています。
FFQP0090I コマンド ivpCreateDB.bat ivpCreateDB.out を呼び出しています。
connect to fountain
データベース接続情報
データベース・サーバー = DB2/NT 8.2.0
SQL 許可 ID = yyyyyyyy
ローカル・データベース別名 = FOUNTAIN
CREATE TABLE ivp.RAWDATASTORE (content VARCHAR (256))
DB20000I SQL コマンドが正常に終了しました。
DROP TABLE ivp.RAWDATASTORE
DB20000I SQL コマンドが正常に終了しました。
FFQP0002I localhost の共通通信層セッションにアクセスしようとしています。
FFQP0008I 共通通信層でのメッセージ転送が正しく確認されました。
FFQP0074I 索引サーバー・インストールを検査するところです。
FFQP0011I SAMPLE_COLLECTION という名前のコレクションを作成しています。
FFQP0013I コレクションが正常に作成されました。 コレクション ID は、col_12345 です。
FFQP0055I コントローラー・コンポーネントと索引コンポーネントを持つサーバーの名前は xxxxxxxx です。
FFQP0015I コレクションにクローラーを追加しています。 クローラー ID は col_12345 です。
FFQP0017I ファイル・システム・クローラーをクロール C:\Program Files\IBM\es\license に追加しています。
FFQP0019I クローラーがコレクションに正常に追加されました。
FFQP0020I クローラー構成ファイルを作成しています。
FFQP0021I クローラー構成ファイルが正常に作成されました。
FFQP0023I システム構成を同期化しています。
FFQP0055I コントローラー・コンポーネントと索引コンポーネントを持つサーバーの名前は xxxxxxxx です。
FFQP0024I クローラーを開始しています。
FFQP0026I ファイル・システム・クローラーが開始されました。
FFQP0029I パーサーを開始しています。
FFQP0030I パーサーが正常に開始され、生データがトークン化されました。
FFQP0032I 索引を再編成しています。
FFQP0033I 索引作成が正常に開始されました。
FFQP0077I 索引セッションで主索引が作成されるのを待機しています。 これには数分間かかることがあります。
FFQP0078I コレクション内の文書数は、4 です。
FFQP0039I パーサーが正常に停止されました。
FFQP0069I クローラーが正常に停止されました。
FFQP0042I 検査プログラムの過程で作成されたコレクションを削除しています。 コレクション ID は、col_12345 です。
FFQP0081I インストールを検査するシナリオが完了しました。 サーバーを使用する前に、表示された出力を確認してください。
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第3章:コンポーネントごとの起動確認
ここでは、各コンポーネントの起動確認について説明します。
3.1 OmniFind の共通通信層(Common Communication Layer、以下CCL)の起動確認
CCL は「IBM WebSphere Information Integrator OmniFind Edition」というタイトルで Windows のサービスに登録されています。自動起動に設定されていない場合は、自動起動に設定しておきます。
図 2 CCL のサービス (OmniFind v8.4, v8.3 共通)
また、サービスが停止している場合は「開始」をクリックしてサービスを起動します。ここで起動に失敗する場合は、以下の個所を確認してください。
3.1.1アカウントの確認
上記サービスの「ログオン」タブをクリックし、ログオン・アカウントを確認します。デフォルトでは esadmin というアカウントが設定されています。このアカウントがロックアウトされていたり、パスワードの有効期限が切れていたりすることがないか確認してください。
OmniFind のインストール時にアカウントを新規作成した場合、そのアカウントのパスワードの有効期限は無期限にセットされていないため、デフォルトで OmniFind をインストールすると、アカウントのポリシーに従って有効期限が切れます。そのため、環境に応じて有効期限を無期限に変更するか、定期的にパスワードを変更するなどの対応をしてください。なお、管理者パスワードの変更には専用のコマンドを使用する必要があります。具体的な手順はシングル・サーバー環境では [文献7]、マルチサーバー環境では [文献8] に記載されています。
3.1.2ポートの競合
CCL サービスはポート(デフォルトでは 6002)が他のプロセスで使用していないかを確認します。例えば以下のコマンドで確認できます。UNIX系の環境では、「netstat -a | grep 6002」を実行します。
C:\>netstat -a | findstr 6002
TCP myhost:6002 myhost:0 LISTENING
UDP myhost:6002 *:*
C:\>
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上記の例は、myhost というホスト名のマシンがポート 6002 でリッスンしていることを示します。OmniFind の CCL サービスが起動していない状態ですでにポート 6002 がリッスンされている場合は、ポート 6002 を使用しているアプリケーションを停止させ、競合を回避してください。
3.2 OmniFind の前提ソフトウェアの起動確認
OmniFind の前提ソフトウェアは、バージョンによって多少異なります。
OmniFind v8.4 の場合
前提ソフトウェアとして、IBM HTTP Server および WAS がインストールされます。インストール時に Windows のサービスから起動する設定にしておくと、3.1章に記載したOmniFind 以外に以下の3つの名前のサービスが登録されます。
(1)IBM HTTP Server 6.0 (2) IBM WebSphere Application Server V6 - xxxxxxxx (3) IBM WebSphere Application Server V6 - ESSearchServer注: xxxxxxxx 部分にはホスト名が表示されます。
上記のうち、(1) と(3)は自動起動に設定されています。起動していない場合は起動してください。起動できない場合は、3.1章と同様、アカウントおよびポートの競合を確認してください。
なお、OmniFind がデフォルトで使用するポート一覧は [文献9] に記載されています。
OmniFind v8.3 の場合
前提ソフトウェアとして、DB2、IBM HTTP Server および WAS がインストールされます。インストール時にWindows のサービスから起動する設定にしておくと、3.1章に記載したOmniFind 以外に以下の3つの名前のサービスが登録されます。
(1)DB2 - DB2-0 (2) IBM HTTP Server 6.0 (3) IBM WebSphere Application Server V6 - xxxxxxxx注: xxxxxxxx 部分にはホスト名が表示されます。
これらはすべて自動起動に設定されています。もしも起動していない場合は起動してください。起動できない場合は、3.1章と同様、アカウントおよびポートの競合を確認してください。
なお、デフォルトでは(3)はサービスに登録されません。その場合はコマンドから起動します。また、ESSearchServer は常にコマンドから起動することになっています。これら2つのコンポーネントの起動例を以下に示します。赤字部分が入力するコマンドです。このコマンドが起動できない場合は、[文献6] などをご参照ください。
C:\>cd /d "C:\Program Files\IBM\WebSphere\AppServer\bin"
C:\Program Files\IBM\WebSphere\AppServer\bin>startServer ESSearchServer
…(ここにメッセージが出力されます。)…
C:\Program Files\IBM\WebSphere\AppServer\bin>startServer server1
…(ここにメッセージが出力されます。)…
C:\Program Files\IBM\WebSphere\AppServer\bin>
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3.3 システムの起動確認
最後に OmniFind のシステムが起動することを確認します。
OmniFind v8.4 の場合
「スタート」メニューから「すべてのプログラム」→「IBM WebSphere II OmniFind Edition」→「エンタープライズ・サーチの開始」をクリックするか、DOS コマンド・プロンプトから「esadmin system startall」を実行します。
正常に起動しない場合はコンソールにエラー・メッセージが表示されるので、内容を確認してください。ここではインフォメーション・センターを含む複数のコンポーネントが起動しますので、環境によっては所定の時間内に起動が完了しない趣旨の警告メッセージが表示される場合があります。その場合、数分待ってから「esadmin system checkall」を実行し、すべてのサービスが開始したことを確認してください。以下にこのコマンドの出力例を示します。
C:\>esadmin system checkall
FFQC5359I xxxxxxxx 上の CCL サービスは実行中です。サーバーは使用可能です: control
ler,crawler,search
FFQC5371I xxxxxxxx 上の Web サーバーが実行中です。
FFQC5375I xxxxxxxx 上の WebSphere アプリケーション・インスタンスが実行中です。
FFQC5388I xxxxxxxx 上のインフォメーション・センターが稼働中です。
FFQC5365I 索引サーバー上の必要なセッションが実行中です。
FFQC5394I エンタープライズ・サーチ・システムの使用に必要なすべてのサービスが開始
済みです。
C:\ >
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注: xxxxxxxx 部分にはホスト名が表示されます。
OmniFind v8.3 の場合
DOS コマンド・プロンプトから「esadmin start」コマンドを実行します。正常に起動しない場合はコンソールにエラー・メッセージが表示されるので、内容を確認してください。なお、OmniFind v8.3 では esadmin system コマンドは提供されていません。また、インフォメーション・センターも必要に応じてこのコマンドとは別に起動する必要があります。
参考文献
著者について  | |  | 川瀬 智は、ソフトウェア開発研究所のプロジェクト・マネージャー兼ソフトウェア・エンジニアで、OmniFind の Lab. Based Service に従事しています。OmniFind に関する多く案件をサポートさせていただいているほか、日本アイ・ビー・エム研修サービス(株)主催の OmniFind セミナーの講師も担当しています。オフでは日本テニス協会の公式ランキング保持者としてオープン大会に参戦しています。
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