IBM Lotus Sametime Connect 7.5 に高い拡張性を持たせることで、従来の在席確認とインスタント・メッセージングのためのアプリケーションからリアルタイム・コラボレーションのための基盤として生まれ変わりました。本稿では生まれ変わったIBM Lotus Sametime Connect 7.5 の新機能の紹介およびアーキテクチャーの概説、具体的な拡張の例などを示しながら丁寧に説明します。本稿を通じて IBM Lotus Sametime Connect 7.5が提供する新たな可能性を理解いただくことを願います。
注 : 本稿では本文中 IBM Lotus Sametime 7.5 を Sametime 7.5 およびIBM Lotus Sametime Connect 7.5 を Sametime Connect 7.5 と記述します。
IBM Lotus Sametime Connect 7.5 の新機能
Sametime Connect 7.5 の新機能として最初に挙げられるのはユーザー・インターフェイスの大幅な変更です。以下に、以前のバージョンである Sometime Connect 7.0 と新バージョンの Sametime Connect 7.5 の画面イメージを示します。
(図 1) IBM Lotus Sametime Connect 7.0 (英語版)
(図 2) IBM Lotus Sametime Connect 7.5
Sametime Connect 7.5 ではコンタクト・リストに登録済みである人に対するクイック検索機能、ログインしている場所の情報を表示する機能など、多数の新機能が追加されました。またユーザー・インターフェイスの刷新によりユーザー・エクスペリエンスが大幅に向上しました。さらに、 Sametime Connect 7.5 のベース・テクノロジーに Eclipse RCP が採用されたことにより、 Sametime Connect 7.5 を拡張するための API や Sametime Connect 7.5 を構成する Eclipse プラグインの拡張ポイントを提供しています。具体的に拡張可能な個所は下の図になります。
(図 3) コンタクト・リスト画面で拡張可能な個所
(図 4) チャット画面で拡張可能な個所
以上の拡張可能なエリアに対してさまざまな拡張を実装することによって、従来の在席確認とインスタント・メッセージング機能に特化した Sametime Connect 7.5 を新たなリアルタイム・コラボレーションに特化したクライアント・アプリケーションの実行基盤として使用することが可能となりました。拡張されたアプリケーションには Sametime Connect 7.5 が標準機能として搭載している在席確認やインスタント・メッセージングのコンポーネントを利用した機能を実装することができるため、拡張されたアプリケーションにリアルタイム・コラボレーションの要素を追加することが可能です。また、電話との連携機能が強化され、コンタクト・リストから直接コンタクトしたい人の電話に発信するなど、電話との親和性が高まりアクセスがより容易になり、リアルタイム・コラボレーションの機能が充実しました。
このように Sametime Connect 7.5 は従来の特徴であった在席確認、インスタント・メッセージングの機能を進化させ、電話との連携の強化、そしてさまざまなアプリケーションの実行基盤として拡張することが可能になりました。これらの実現により Sametime Connect 7.5 はリアルタイム・コラボレーションのためのアプリケーション実行基盤として大きな進歩を遂げました。この新たな可能性を秘めた Sametime Connect 7.5 をぜひご体験ください。
また、Sametime の機能として提供されている Web 会議の機能も新バージョンにてユーザー・インターフェイスの拡張、会議の管理機能の強化などさまざまな新機能が追加されました。本稿では Web 会議については割愛させていただきますが、こちらも併せてご体験ください。
(図 5) Sametime 7.5 Web 会議画面
IBM Lotus Sametime Connect 7.5 のアーキテクチャー
リアルタイム・コラボレーションのためのアプリケーション実行基盤へと進化した Sametime Connect 7.5 の仕組みについて見ていきましょう。図 6 は Sametime Connect 7.5 のプログラム・スタックを示しています。
(図 6) Sametime Connect 7.5 プログラム・スタック
Sametime Connect 7.5 ではベースのテクノロジーとして Eclipse RCP が採用されました。Eclipse RCP はオープンソース団体によって提供されているオープン・スタンダードな統合開発環境である Eclipse が使用している GUI のフレームワークのみを抽出したものです。Eclipse RCPの大きな特徴の 1 つとして Eclipse RCP で動作するアプリケーションはプラグイン形式で開発することができ、そのプラグインが他のプラグインから再利用できるということがあります。つまり Eclipse RCP はその上で動作するアプリケーションをプラグインによって機能を拡張することが可能になっています。Sametime Connect 7.5 もベース・テクノロジーに Eclipse RCP を採用しているため、拡張可能なプラグイン形式を引き継いでいます。これによって Sametime Connect 7.5 はプラグインによって新たな機能を追加することも、既存のプラグインを拡張することも可能です。また既存の機能を拡張するための Sametime 7.5 Development Kit を公開しています。
Sametime 7.5 Development Kit に含まれる、Sametime Connect 7.5 を拡張するための API には既存の機能を拡張するための拡張ポイントの提供および既存のサービスにアクセスするためのメソッドの 2 つが用意されています。本稿では詳細について割愛しますが、Sametime 7.5 Development Kitに同梱されているドキュメントに詳細が記載されているので参照してください。 Sametime Connect 7.5 は拡張性に優れた Eclipse RCP をベースにし、その上にセキュリティを実現するために認証や証明書管理のフレームワークや、スペルチェッカーの機能などを追加しています。このレイヤーには Sametime Connect 7.5 を企業で使用するにあたって必要となる機能やサービスが提供されています。この Eclipse RCP と企業用クライアントを実現するための機能やサービス郡をパッケージしクライアント・ミドルウェア製品として Lotus Expeditor 6.1という製品名で提供する準備も整えています。
Sametime Connect 7.5 はこの拡張性、柔軟性、堅牢性に優れたクライアント・ミドルウェア上にリアルタイム・コラボレーションのためのサービスを Eclipse プラグイン形式で提供し、在席確認、インスタント・メッセージング、電話との連携などを実現し、企業で行うことができるリアルタイム・コラボレーションのための基盤を築き上げています。また、このようなアーキテクチャーで提供されているので、高い拡張性や柔軟性を提供することが可能です。さらにリアルタイム・コラボレーションを実現するためにはアプリケーションが常に起動している必要があるため、Sametime Connect 7.5 は非常に軽量化が施されており、常駐するアプリケーションとしての使用に耐えられるようにデザインされているということも特徴です。
最後に、Sametime Connect 7.5 と Sametime 7.5 Development Kit を用いて実現できるリアルタイム・コラボレーションのためのアプリケーションの例を示します。
Notes/Domino などのグループ内メンバーのスケジュールを管理しているアプリケーションと通信し、Sametime Connect 7.5 にその情報を一覧で表示することで、グループのメンバーの在籍情報が確認できるだけでなく、不在の場合どこに行っているのか、オンラインであっても会議室で会議中なのか自席で仕事中なのかなどがひと目で把握することができ、効果的なコラボレーションを実現することが可能になります。さらに、電話との連携を行うことで、オンラインかつ予定が入っていないことを確認し、その場で電話をかけることが可能になります。
(図 7) 行き先掲示板アプリケーション・イメージ図
例 2.他サービスを利用してコンタクト・リスト内の人の情報を取得する
Sametime Connect 7.5 を利用してこれからコンタクトしようとしている人がどこにいるのか地図で見たい場合、ディレクトリーから個人情報を参照することで、効果的なコラボレーションを実現することが可能になります。Sametime Connect 7.5 の新機能のひとつに現在、ログインしているロケーションの情報を保持することができるようになったので、その情報を元に地図を表示することができると、緊急のお客様対応などに近くのロケーションにいる人をアサインし、すぐにインスタント・メッセージングで依頼するということで効果的に業務を遂行することが可能になります。
(図 8) 地図サービスと連動アプリケーション・イメージ図
このように、常に常駐している Sametime Connect 7.5 にすぐに知りたい情報を得るための軽量なアプリケーションを追加していくことで、より効率よく情報を収集することができます。また、それらの情報から効果的に目的の人とリアルタイムでコラボレーションを実現することで、企業の生産性の向上に貢献するツールになる可能性を秘めていると考えます。以下に、筆者が社内で使用している Sametime Connect 7.5 のイメージを添付します。専用アプリケーションを起動することなく目的の情報を入手する、効果的に人とリアルタイム・コラボレーションを実現するためのアプリケーションと、Sametime Connect 7.5 が標準で持つ在席確認やインスタント・メッセージングの機能を組み合わせることで、デスクトップ上に常駐するリアルタイム・コラボレーションに特化したポータルを実現することが可能になります。また、そのポータルによって効率的に業務を行うことができます。
(図 9) Sametime Connect 7.5 の使用例
Sametime Connect 7.5 の新機能および提供できる価値を以下にまとめました。
- Eclipse RCP をベース・テクノロジーに採用し、高い拡張性、柔軟性を実現したアプリケーションの実行基盤である
- リアルタイム・コラボレーション実現のための再利用可能なサービスを多数提供し、それらのサービスにアクセスするための SDK を提供する
- デスクトップに常駐可能な、ライトウェイトなアーキテクチャーを実現している
これらの特徴を活かし、ユニークなリアルタイム・コラボレーションを実現可能にする Sametime Connect 7.5 をご検討いただければ幸いです。
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IBM Lotus Sametimehttp://www-142.ibm.com/software/sw-lotus/products/product3.nsf/wdocs/homepage (US)//www.ibm.com/jp/software/lotus/products/sametime/ (日本語)
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developerWorks - Lotus Sametime//www.ibm.com/developerworks/lotus/products/instantmessaging/ (US)
- Lotus Sametime 7.5 demohttp://www-142.ibm.com/software/sw-lotus/products/product3.nsf/wdocs/st75aboutpreview (US)
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Sametime 7.5 Development Kit ダウンロード URL//www.ibm.com/developerworks/lotus/downloads/toolkits.html