レベル: 初級 祖父江 達也 (Sobue@jp.ibm.com), WPLC 開発 & サービス, WPLC Business Partner Technical Enablement/ソフトウェア開発研究所, IBM
2008年 5月 16日 2007年に登場したLotus Quickr の最新バージョンである8.1が、2008年3月にリリースされました。本稿では最初にバージョン8.1が提供する主な新機能を簡単に紹介します。Lotus Quickr は、プロジェクト・チーム内でのコンテンツの共有を効率よく行うことで、効果的なチーム・コラボレーションを実現するため製品です。コンテンツの共有には、テンプレートを元に作成されるプレースと呼ばれる Web 上の「場」を用います。標準のテンプレートに加えて、ビジネスの内容に応じてカスタマイズしたテンプレートを用意することにより、より効果的なチーム・コラボレーションを実現することができます。本稿ではそのようなカスタマイズの様子をご紹介します。
IBM Lotus Quickr 8.1新機能の紹介
2008年3月に、IBM Lotus Quickr の最新バージョンである IBM Lotus Quickr 8.1がリリースされました。本バージョンは2007年にリリースされているバージョン8.0に対するマイナー・バージョンアップとなります。基本的な機能に変更はありませんが、以下のような新機能も追加されています。
1. 新しいコネクターの提供
デスクトップ・アプリケーションから Lotus Quickr 上の文書ライブラリーに簡単にアクセスするためのツールであるコネクターとして、従来 IBM Lotus Sametime (以下、Lotus Sametime)、IBM Lotus Notes (以下、Lotus Notes)、Microsoft Windows エクスプローラー、Microsoft Office がサポートされていましたが、新しいバージョンでは以下のアプリケーションに対してもコネクターが提供されるようになりました。
- IBM Lotus Notes 8.0.1
- IBM Lotus Symphony
- Microsoft Outlook
この中で、Lotus Notes に関しては従来のバージョンでもコネクターが提供されていましたが、バージョン8.1ではその機能が強化され、Lotus Notes のサイド・バーにプレースやフォルダーの一覧が表示されるようになりました。この機能を利用すると、メールなどのLotus Notes 文書との間のドラッグ&ドロップ操作により、ファイルのアップロードや文書内へのリンクの埋め込みといった作業が簡単に行えるようになりました。
図 1. Lotus Notes 8.0.1用コネクター
2. IBM Lotus Quickr Entry 版の提供
Lotus Notes のライセンスをお持ちのユーザーが無料で利用できるEntry版が用意されました。このバージョンはLotus Quickrの文書ライブラリーの機能を、個人単位で利用できるものです。ブラウザーやコネクターを介したファイルのアップロード・ダウンロード、他のユーザーにそのファイルのリンクを送るといった機能が利用可能です。
3. IBM Lotus Connections との連携
IBM Lotus Connections (以下、Lotus Connections) のプロフィール機能との連携が可能となり、 Lotus Quickr のプレース上から、Lotus Connections のプロフィールに登録されているユーザー情報を参照することができるようになりました。
4. プレース・デザインの一新
プレースのルック&フィールを決定するテーマの種類が大幅に追加され、標準でもさまざまなルック&フィールを利用できるようになりました。合わせて、デフォルトのテーマが変更になり、従来の黄色を基調としたメニューが横に並んだものから、青を基調としたメニューを縦に並べたものに変更になりました。また、バージョン8.0のユーザーからのフィードバックに基づく改良を加え、Web ブラウザーからプレースにアクセスする際のユーザビリティを大幅に向上させています。
図 2. プレースのデフォルトのルック&フィール
カスタマイズしたテンプレート
Lotus Quickrの利用は、チーム・コラボレーションの「場」であるプレースを作成することから始まります。プレースの作成はあらかじめ用意されたテンプレートを元に行います。テンプレートを元にしたプレースの作成を行うことのメリットとして、
- システム管理者に新規作成のリクエストをすることなく、エンド・ユーザー自身の手で利用したいテンプレートを指定するだけで簡単に必要なプレースを作成することができ、すぐにチーム・コラボレーションをはじめることができる。
- テンプレートには、あらかじめさまざまなビジネス・シナリオごとに必要な機能(コンポーネント)が使いやすい形で用意されているため、各ユーザーは自分で構成を調整する手間をかけることなく、最適な構成のプレースを利用することができる。
- 過去に成功したチーム・コラボレーションで利用されたプレースのデザインをそのままテンプレートとしてシステムに登録しておくことで、その成功事例の経験を再利用することができる。
といった点が挙げられます。
Lotus Quickr にはいくつかの標準のテンプレートがあらかじめ用意されています。これらを利用するだけでも、すぐにプレースを作成してチーム・コラボレーションを開始することができますが、標準のものだけでは多種多様なビジネス・シナリオすべてを最適な形でカバーすることはできません。そのため、簡単なステップで、それぞれのシナリオに応じた最適な形のテンプレートを作成・登録する機能が用意されています。これ以降の章で、カスタマイズしたテンプレートを作成していく様子を紹介します。Lotus Quickr には、バックエンドのシステムとして IBM Websphere Portal Server を用いた Portal 版と、Lotus Domino Server を用いた Domino 版の2つの製品ラインがあります。これらが提供する機能は基本的に同じものなのですが若干の違いもあるため、本稿では主に Domino 版Lotus Quickr を対象にして説明を行います。Portal 版でのカスタマイズの方法については参考文献を参照してください。
図 3. カスタマイズしたテンプレートで作成したプレースの例
テンプレートの作成手順
Lotus Quickr で新規テンプレートを作成する手順は、以下のようになります。
-
ステップ1:新規プレースの作成
新規テンプレートの登録は、あらかじめ Lotus Quickr 上に作成されているプレースを選択して、それをテンプレートとして登録するという形をとります。そのため、新しいテンプレートを作成するためには、はじめに既存のテンプレート(通常はLotus Quickr 標準のテンプレート)を用いて新規プレースを作成します。
-
ステップ2:プレースのカスタマイズ
標準のテンプレートを用いて作成されたプレースには標準のコンポーネントが並んでいます。利用目的によっては必要のないコンポーネントが含まれていたり、追加コンポーネントが必要であったりします。それらの過不足を解消するように、プレースのカスタマイズを行います。
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ステップ3:独自テーマの作成
プレースのカスタマイズにより、機能的な観点からの最適化が完了します。次に行うのはルック&フィールのカスタマイズです。HTML と CSS ファイルの組み合わせにより、プレースの「見た目」を好みに応じて変更します。
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ステップ4:テンプレートとしての登録
作成したプレースは、システム管理者がテンプレートとしてシステムに登録することができます。これにより Lotus Quickr のユーザーは、以降プレースの新規作成時にそのテンプレートを利用することができるようになります。
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ステップ5:サーバー間でのテンプレートのデプロイメント
作成したテンプレートは異なるサーバーにデプロイすることが可能です。この機能により、いろいろな人が作成したさまざまなテンプレートを流通させることが可能になります。
以下の章では、それぞれのステップをより詳細に説明してゆきます。
ステップ1:新規プレースの作成
新しくプレースを作成するには、Lotus Quickr の先頭ページ左下にある「Create a Place」をクリックします。それにより現在利用可能なテンプレート一覧が表示されますので、任意のものを選択して進みます。続いてプレースの名前、URL、管理者のユーザー名とパスワードなどを入力して、最後に「Create」ボタンを押すことでプレースが作成されます。
図 4. テンプレートの選択
図4は Lotus Quickr 標準のテンプレート一覧です。3つのテンプレートが利用可能です。
- Standard place for Teams
Lotus Quickr が提供するコンポーネントが一通りそろった最も標準的なテンプレートです。
- Blog
Blog の機能をメインにしたテンプレートです。プレース内で Blog コンポーネントを利用したい場合、このテンプレートを用いて作成する必要があります。
- Wiki
Wiki の機能をメインにしたテンプレートです。プレース内で Wiki コンポーネントを利用したい場合、このテンプレートを用いて作成する必要があります。
新規テンプレートを作成して登録を行うと、この一覧に追加表示され利用可能になります。
ステップ2:プレースのカスタマイズ
プレースを構成する機能(コンポーネント)を追加・削除・変更して、プレースを利用するビジネス・シナリオに最適なコンポーネント構成にします。Lotus Quickr で利用可能なコンポーネントには以下のようなものがあります。
| コンポーネント | 提供する機能 |
|---|
| フォルダー | さまざまなコンテンツやサブフォルダーを格納するためのコンポーネントです。格納可能なコンテンツにはページ (HTML でフォーマットされたテキストやイメージなどを表示するもの)、フォーム (さまざまなタイプの入力フィールドで構成され、決められたフォーマットで情報を入力・表示するためのもの)、ファイル、サブフォルダーなどがあります。コンテンツの表示形式には、単純リスト形式、ヘッドライン形式、スライドショー形式、順序付けリスト形式などが選択可能です。 | | ライブラリー | ファイルをアップロードし、チーム内で共有を行うためのコンポーネントです。フォルダーの一種です。 | | ディスカッション | 掲示板の機能を提供するコンポーネントです。チーム・メンバーが各種トピックに関して書き込みを行い、その記録をスレッド単位で管理できるものです。これもフォルダーの一種です。 | | タスク | チーム内で行うさまざまなタスクを管理するための機能です。どのようなタスクがいつからいつまで実行され、担当者は誰かといった情報が記録され、その進捗状況を管理することができます。 | | カレンダー | チーム・カレンダーの機能です。チーム内で共有すべきイベントの情報を登録・管理します。イベントが登録・変更された際にチーム・メンバーに通知を行うことができます。 | | Blog | チーム内で Blog を利用するためのコンポーネントです。 | | Wiki | チーム内で Wiki を利用し、共有する情報を整理するためのコンポーネントです。 |
これらのコンポーネントを組み合わせて、利用目的にあった機能群を構成します。図2に示したものが「Standard Place for Team」をテンプレートにして作成したもっとも標準的なプレースの例です。上述した主だった機能が一通り含まれています。
プレースのカスタマイズにはさまざまなものがありますが、以下にその典型的な例をいくつか示します。
フォルダーの追加
新しいコンテンツを格納したい、コンテンツを分類して別々のフォルダーに格納したいといった場合には、新しくフォルダーを作成する必要があります。フォルダーの作成は、プレースのトップ・ページ左側に表示されているメニューから「New Page or Folder」を選択して行います。選択すると作成可能なオブジェクト一覧が表示されますので、その中から「Folder」を選択します。
図 5. 作成可能なオブジェクト一覧
選択後、作成するフォルダーのタイプを聞かれますので、目的に応じてふさわしいタイプを選択してください。
図 6. 作成するフォルダーのタイプ
その後、フォルダー名やフォルダーの配置場所などを設定して作成を完了します。
フォルダーの削除
標準のテンプレートを用いて作成したプレースに含まれるフォルダーには、利用目的によっては必要の無いものもあります。そのような場合には、そのフォルダーを削除することができます。フォルダーを削除するにはそのフォルダーを選択した上で「More Actions」ボタンを押し、「Folder Options」を選択します。表示されたオプション設定画面で「Delete Folder」ボタンを押して削除を行います。
図 7. フォルダーの削除
カレンダーおよびタスク・コンポーネントは単なるフォルダーとは異なるため、これらを削除する操作はフォルダーに対するものと異なります。削除のためには、「Customize this place」をクリックして表示されるプレース全体のカスタマイズ機能のうち、「Basics」を選択した際に表示されるオプション群からカレンダーあるいはタスクを表示するオプションをはずします。
コンポーネント名の変更
プレースに含まれるコンポーネントは標準の状態では「Folder」や「Discussion」、「Task」と言った非常に一般的な名前がつけられています。これらを利用シナリオ内でよりわかりやすい名前に変更することができます。コンポーネントの名前を変更するには、対象となるコンポーネントを選択した上で「More Actions」ボタンを押し、「Folder Options」を選択します。表示されたオプション設定画面で名前を変更することができます(図7)。
ページの編集
フォルダーにはページを作成して含めることができます。ページとは、HTML によってフォーマットされたテキストやイメージを表示するためのオブジェクトです。たとえば、「Standard Place for Team」テンプレートによって作成されたプレースには、「Home」と名づけられたフォルダーがあり、その中には「Welcome」、「Team Goal」、「Team News」といった、プレースの役割や目的を説明するためのページが含まれています(図2)。このようなページは任意のフォルダーに追加作成することも、既存のものを編集して表示内容を更新することもできます。ページの新規作成はフォルダーを新規作成する場合と同様、プレースのトップ・ページ左の「New Page or Folder」を選択して作成を開始します。既存のページを編集する場合には、編集したいページを表示した上で「Check Out and Edit」ボタンを押すことにより編集が開始されます。
図 8. 「Welcome」ページを編集
編集が開始されるとリッチ・テキスト・エディターが表示されますので、WYSIWYGスタイルで編集することができます。また、編集モードを切り替えることにより HTML のソース形式で編集を行うこともできます。ページの中テキストにはフォントや色の指定ができ、テキスト以外にもイメージの貼り付け、テーブルの作成、ハイパーリンクの埋め込みといったことが可能です。また、Google Gadget のような Widget を貼り付けることも可能ですので、チーム内で共有したいWeb 上の情報やサービスをひとつのページ内に集約してプレース内に用意することで、チーム・メンバーのより迅速なタスク実行をサポートできます。
フォームの作成
チーム内で共有したい情報にはさまざまな種類のものがあります。その中にはアンケートや各種伝票といったような定型フォーマットの情報もあるでしょう。フォームを使うことでそのような定型の情報を扱うことができます。新しいフォームを定義するには、プレースのトップ・ページ左側の「Customize this place」ボタンを押して表示されるプレース全体のカスタマイズ機能のうち、「Forms」機能を選択して行います。表示されたページの「New Form」ボタンを押すことで新規フォームの定義を開始します。フォームの定義は、Lotus Quickr が標準で用意しているさまざまなタイプのフィールドを選択して生成する「Simple Form」以外に、Microsoft Office ファイルを雛形に用いたり、HTML を外部からインポートしたりすることもできます。
図 9. フォーム定義のタイプ
「Simple Form」 の定義は、入力タイプを選択しながら必要なフィールドを一つ一つ追加してゆくことにより行います。
図 10. Simple Formの定義例
このようにして定義したフォームは、「New Page or Folder」から新規作成して実際の情報入力に使用します。
図 11. 作成したフォームの入力例
注:「Simple Form」以外のフォームを定義するためには、ブラウザーに IE を用いる必要があります。
ステップ3:独自テーマの作成
ステップ2までで機能的な観点からのプレースのカスタマイズが完了しました。次にプレースのルック&フィールのカスタマイズを行います。プレースのルック&フィールは、テーマを選択して適用することで変更します。テーマとは、プレースを構成するタイトルやメニュー、TOC (Table Of Contents: 目次)、ヘルプやサーチ・ボタン、パンくずリスト、ロゴ、各種ボタンといった構成要素を、Web ページ上のどこに、どのような並びで、どのような色やフォントで表示するかを決めるものです。プレースの機能は同じでも、テーマを切り替えることによりプレースの印象や使い勝手を大きく変えることができます。Lotus Quickr は標準でいくつかのテーマを用意しています。プレースのテーマを切り替えるには「Customize this place」を選択して表示されたリストから「Choose a Theme」を選択します。
図 12. テーマの選択 (一部)
標準のテーマ以外にも、独自のテーマを作成して適用することが可能です。たとえば、プレース全体のデザインを自社標準のものに揃えたいといった場合には、カスタム・テーマを作成することになります。テーマを新しく生成する具体的な作業としては、5つの HTML ファイルと1つの CSS ファイルを作成します。HTML ファイルでは HTML の構文を利用して各種ページ構成要素のレイアウトを行います。プレースを表示する際には「標準」、「編集」、「リスト表示」、「ヘッドライン表示」、「スライドショー表示」といった表示モードがあるため、それぞれに対して1つずつ HTML ファイルを対応させ、レイアウトの定義を行います。HTML 内でレイアウト可能なページ構成要素の例を図13に示します。
図 13. ページ構成要素の例
これらのページ構成要素は HTML 内では <QuickPlaceSkinComponent> タグを用いて表現されます。このタグには以下のような様々な属性が指定可能です。
| 属性 | 意味 |
|---|
| name=”構成要素名″ | 構成要素を指定します。 | | format=”<format html>” | 構成要素のフォーマットを指定するHTML 構文を指定します。 | | selectedFormat=”<format html>” | 構成要素が選択されている場合に利用されるフォーマットを指定します。 | | emptyFormat=”<html>” | 構成要素が空の場合に利用されるフォーマットを指定します。 | | delimiter=”<html>” | 繰り返し要素の間にはさむ HTML 構文を指定します。 | | prefixHTML=”<html>” | 繰り返し要素の開始前に挿入される HTML 構文を指定します。 | | postfixHTML=”<html>” | 繰り返し要素の終了後に挿入される HTML 構文を指定します。 | replaceString=<”STRING1=値1
&& ... && ...” > | 構成要素内で利用されている文字列を置き換える場合に指定します。 |
具体的な利用例として、logo要素を表現するには
<QuickPlaceSkinComponent name=logo format={<Item class="ga_placeName">}>
|
といった形で指定します。もう少し複雑な例としては TOC (Table Of Contents: 目次) を表示するためのものがあります。デフォルト・テーマの TOC を表示するための記述は以下のようになります。
<QuickPlaceSkinComponent name=TOC
format={<li><Item></li>}
selectedFormat={<li class="lotusSelected"><Item></li>}
replaceString={Customize=&&Room Options=}
prefixHTML={<div class="lotusMenu">
<div class="lotusBottomCorner"><div class="lotusInner"><ul>}
postfixHTML={</ul></div></div></div>}
>
|
この構文によりデフォルト・テーマの TOC が表示されます。
図 14. Lotus Quickr 8.1のデフォルト・テーマのTOC
CSS ファイルでは、各構成要素で利用されるフォントや文字サイズ、色や背景イメージといったスタイルを定義します。たとえば先ほどのlogo要素で用いられているスタイルは
.ga_placeName {
margin: 0px;
white-space: nowrap;
font-size:large;
font-weight: normal;
color: #295500;
padding: 0px;
vertical-align: middle;
border-style: none;
text-align: center;
line-height: normal;
width: 100%;
}
|
のように定義されます。これらの HTML ファイルおよび CSS ファイルを、テキスト・エディターや HTML エディターなどを利用して作成します。作成はゼロから行ってもかまいませんが、Lotus Quickr が標準で用意しているテーマの定義ファイル群をベースとして、必要な場所を部分的に編集してゆくことで作業が容易になります。標準のテーマを定義しているファイル群は
<Lotus Domino データ・ディレクトリー>\domino\html\qphtml\skins
の下にあります。
作成した6つのファイルを使ってカスタム・テーマを作成するには、「Customize this place」を選択して表示されたリストから「Custom Themes」を選択します。そこから更に「Create a Custom Theme」ボタンを押すことにより、作成が開始されます。作成するテーマの名前や説明文を入力し、用意した HTML や CSS ファイルをドラッグ&ドロップ操作で登録することで、カスタム・テーマが作成されます。
図 15. カスタム・テーマの作成
作成されたカスタム・テーマは Lotus Quickr 標準のものと同様に表示され選択可能になりますので、上述のテーマの選択操作を行い、作成したカスタム・テーマに切り替えます。
ステップ4:テンプレートとしての登録
完成したプレースは、テンプレートとして Lotus Quickr に登録することができます。それにより、以後ユーザーが新規プレースを作成する際にテンプレートとして選択可能になります。プレースをテンプレートとして登録するためには以下の手順を実行します。
プレースをテンプレートとして登録可能に設定
最初に、完成したプレースをテンプレートとして登録可能なように設定を変更します。「Customize this place」をクリックして表示されるカスタマイズ機能から「PlaceType Options」を選択します。(PlaceType はテンプレートと同じ意味です。) 表示された「PlaceType Options」の中から「Allow PlaceTypes to be created from this place?」に対して、「Yes」を選択します。それ以外にもテンプレートの説明やアイコンなどを設定することもできます。
図 16. PlaceType オプションの設定
この操作はプレースの管理者が行います。
テンプレートとして登録
次にシステム管理者の ID でログインし、トップ・ページ下の「Work with Templates」を選択します。現在利用可能なテンプレート一覧が表示されますので、その下の「Create PlaceType」ボタンを押します。「Create PlaceType」のページが表示されますので、新しいテンプレートの名前を入力し、元となるプレースの URL を選択して設定します。
図 17. 新規テンプレートの作成
最後に「Next」ボタンを押して作成が完了します。これ以降プレースを新規に作成しようとする際、登録したテンプレートが選択肢として表示されるようになります。
ステップ5:サーバー間でのテンプレートのデプロイメント
作成した新しいテンプレートは、簡単な方法で他の Lotus Quickr サーバーへデプロイすることができます。これにより、自社内で運用されている複数の Lotus Quickr サーバー間で利用可能なテンプレートのやり取りを行ったり、新規テンプレートを公開して広く一般に利用してもらったりすることが可能です。テンプレートのデプロイは以下の手順で行います。
テンプレートの取り出し
作成されたテンプレートは以下の場所にディレクトリーとして保存されています。
<Lotus Domino データ・ディレクトリー>\LotusQuickr\AreaTypes
ディレクトリーの名前はテンプレートの名前と同じです。その中には Main.nsf や Contacts1.nsf といったファイルが含まれていますので、ディレクトリーごと ZIP 形式などの圧縮ファイルとしてパックして取り出します。
テンプレートの組み込み
取り出した圧縮ファイルを、テンプレートをデプロイする先のサーバーにコピーし、上述のテンプレート保存先ディレクトリーに元と同じように展開します。
テンプレート・リストの更新
テンプレートを構成するファイルをコピーしただけでは、プレース作成時の選択肢として表示されるようにはなりません。これを表示されるようにするには、システム管理者の ID でログインし、トップ・ページ下の「Work with Templates」を選択します。現在利用可能なテンプレート一覧が表示されますので、その下の「Refresh List」ボタンを押します。これで、コピーしたテンプレートがリスト内に表示されるようになります。
まとめ
Lotus Quickr 8.1 は、チーム内で円滑なコンテンツ共有を行うための「場」であるプレースを提供するサーバー・ソフトウェアです。プレースはテンプレートを元に作成されるため誰でも簡単に作成することができ、システム管理者の手を煩わせることなく、すぐにチーム・コラボレーションを始められます。既存のテンプレートだけではなく、運営がうまくいったプレースをテンプレートとして登録して利用することができ、コンテンツ共有の成功体験を他のチームでも再利用することが可能です。
参考文献
著者について  | |  | 著者は日本アイ・ビー・エムのソフトウェア開発研究所に勤務。日本アイ・ビー・エムに入社後、長らくOS/2関連の仕事に関わり、その後はさまざまな製品の開発やお客様案件を経て、現在はIBM Lotus Quickr や IBM Lotus Connections、IBM Lotus Notes、IBM Lotus Expeditor といった、各種 Lotus 製品の技術支援を行なっています。春には毎年、横浜海の公園の潮干狩りに出没しています。子供たちが喜ぶからと家族連れで出かけていきながら、砂遊びに興じる子供たちを横目に、最後まで熱中してアサリを取っているのは大人ばかりになるのはなぜでしょうか? |
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