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IBM FileNet P8 機能概説: Part 3 – コンプライアンス管理機能

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レベル: 初級

善家 直己 (zenge@jp.ibm.com), ソフトウェア開発研究所, IBM

2007年 12月 21日

この連載ではこれまでIBM FileNet P8の3つの主要な機能のうち、コンテンツ管理機能、ビジネス・プロセス管理機能について紹介しました。本稿では、残る最後の機能、コンプライアンス管理機能について説明します。これまでの機能と同様に、コンプライアンス管理機能も他の2つの機能と相互に連携しながら、企業規模のコンプライアンス管理を実現します。

IBM FileNet P8とコンプライアンス

米国におけるエンロン事件やワールドコム破綻、その後のSOX法制定以降、「コンプライアンス(法令順守)」の考え方は、近年の企業活動における最も重要な経営課題となりました。日本でも日本版SOX法に伴う内部統制が強化され、IT全般において統制が整備されつつあります。

こうした流れの中、IBM FileNet P8でもコンプライアンス管理を主要な機能として位置付け、製品シリーズの整備を行っています。IBM FileNet P8のコンプライアンス管理機能の大きな特徴は、単体でコンプライアンスを実現するのではなく、IBM FileNet P8のコンテンツ管理機能、ビジネス・プロセス管理機能と一体となって実現する点にあります。

IBM FileNet P8では、コンプライアンス管理において次の2つを重要な要素として位置付けています。

  1. 内部統制が行えるよう、ビジネスの正しいコントロールを手助けすること(プロセス)。
  2. そして、その記録が正しく残されること(エビデンス)。

また、これに直行する形で次の3つのステップが機能的に求められます(図1)。


図 1. IBM FileNet P8のコンプライアンス・プラットフォーム

コンプライアンスのアーカイブ

日々のビジネスにおいては大量のドキュメントが作成されます。電子メールなど内部のコミュニケーションで使用されるツールも大量のドキュメント、あるいはドキュメントに類するものを作製します。これらの情報はすべてセキュリティ的に安全な場所で正しく保存し管理されるか、外部からトラックできなければなりません(図1左)。

コンプライアンスの実証

作成されたすべての情報は、そのメディアやフォーマットに関わらず、ビジネス・レコードの形式で収集され、コンプライアンスが実証されます。すでにアーカイブ・ステップでシステム内部に保持されている情報だけでなく、ネットワーク共用ドライブ上に保存されたスキャン画像やオフィス文書ファイルなども対象にしなければなりません(図1右)。

コンプライアンスの維持

最後に、図1中央のビジネス・プロセス管理機能がワークフローを正しく実行し、他のすべてのコンポーネント間の動作を自動化することで、ビジネス活動におけるコンプライアンスを促進します。

以上のすべてのステップの活動において監査可能な情報がログとして残され、いつ、誰が、どのような操作を行ったのかが証拠とともに保全されます。またモニターツールを使用することでボトルネックとなっている箇所や、異常な動作をしている箇所を特定し、必要であれば調査を開始します。




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コンプライアンス機能概要

IBM FileNet P8ではコンテンツ管理機能やビジネス・プロセス管理機能にもそれぞれコンプライアンス要素が含まれています。コンテンツ管理機能から見たコンプライアンス要素は次の通りです。

  • IBM FileNet P8内で管理されるすべてのコンテンツは、適切なバージョン管理、セキュリティ管理が行われます。
  • コンテンツに対し、誰が、いつ、どのような操作を行ったかをログに残し、監査の際には変更を追跡できます。

ビジネス・プロセス管理機能から見たコンプライアンス要素は次の通りです。

  • 個々人に備わっているビジネス・プロセスを「見える化」し、最適化、自動化できます。
  • プロセスデザイナで構築し、実行するワークフロー定義は、自動的にコンテンツとしてIBM FileNet P8内で保存され、コンテンツ管理の対象となります。標準でバージョン管理、セキュリティ管理が行われ、上書きされても元のバージョンを取り出せます。ソースコード管理システムなどを使用する必要はなく、また、別システムを利用することにより発生する人的エラーを防ぎます。
  • ビジネス・プロセスのすべての流れをログに残し、最適化、解析、追跡可能です。
  • eFormsやBPF (Business Process Framework。迅速なBPMアプリケーション作成を実現するカスタマイズ可能なフレームワーク)の入力チェックにより、入力値の妥当性を保証できます。また入力のアシストにより、データの品質を向上できます。

IBM FileNet P8のコンプライアンス管理機能は、これらの機能をベースとして、ビジネス全体におけるコンプライアンスの実証を担います。「Records Manager」は内部統制を確実に行うため、FileNet P8アーキテクチャーと完全に融合し、コンテンツ管理機能とプロセス管理機能とを統合したレコード管理を実現します。「Records Crawler」及び「Email Manager」は、自動的にFileNet P8内外のレコードを認識し、必要に応じてRecords Managerの管理下へ移動、コピーした後、コンプライアンスに必要な動作を行います。




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Records Manager

コンプライアンスにおけるさまざまな課題を解決し、企業規模の基盤を構築するにあたり、まず求められるのが、企業活動におけるさまざまな生成物を保管する強固なベース機能です。「Records Manager」は、ドキュメントや電子メールなど、コンプライアンス上重要なコンテンツを格納するリポジトリーです。

企業内には大量のコンテンツが生成され、保管され、削除されますが、Records Managerではこれらコンテンツのライフ・サイクルをポリシーベースによって自動化します。あらゆるコンテンツに対して、ユーザーが意識することなく一貫してポリシーが適用され、自動的に管理されます。

たとえばコンテンツがレコード管理となった瞬間に、階層構造の形で保管された文書はポリシーに従って分類され、あらかじめ設定された保持期間を経過後は自動的に削除できます。すべての操作に対するログも残され、Records Managerの活動自体をも監査の対象とすることができます。




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Records Crawler

「Records Crawler」は自動的にファイル・システムをモニターし、特定の条件に合致したドキュメントをRecords Managerの管理下に置きます。必要に応じてワークフローを起動することもできます(図2)。


図 2. Records Crawler概要

「Records Crawler」の主な機能はモニター、アクション、分類、実施に分けられます。

モニター

Records Crawlerは、プロファイル内に定義されたビジネス・ポリシーやルールに従って、自動的にファイル・システムをモニターします。このときFileNet P8システム内で管理されたコンテンツだけでなく、共有ネットワーク・ドライブや、ローカル・ドライブ上のドキュメントも含めてモニターできます。モニターの対象は、オフィス製品で作成された文書や、PDFドキュメントのほか、ビジネス・プロセスやバックオフィス、レガシー・アプリケーションで必要とされるXMLファイルやCSVファイルなども含まれます。またファイル単位の指定だけでなく、たとえばスプレッドシート内に「予算」の語を含むものなどのルールも指定可能です。

アクション

ドキュメントが特定されると、プロファイルに指定された内容が実行されます。実行には、Records Managerが管理するFileNetリポジトリーへのコピーや移動、削除、ワークフローの実施などがあります。

分類

Records Managerのファイル・プランと統合されているため、ファイル・プランに基づいた確実な運用が行われます。ドキュメントは階層化され、自動的にライフ・サイクルを管理されます。

実施

FileNet P8の管理下におかれたドキュメントは、ポリシーに基づいて、セキュリティ、プライバシー、コンプライアンスと監査が行われます。




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Email Manager

「Email Manager」は、ユーザーの電子メールをモニターし、自動的にメールを取得すると、事前に定義されたルールやプロファイルを適用し、必要なアクションを実行します。


図 3 Email Manager概要

Email Managerの動作は、Records Crawlerの動作と似ており、特にRecords Manager格納後の特徴は両者とも同じです。Email Manager固有の機能としては、メールの添付ファイルに対する処理が挙げられます。

Email Managerの添付ファイル処理

添付ファイルは、Records Managerへの取り込み時に、メール本体にそのまま添付することもできますし、添付ファイルのみのコピーや削除もできます。またユーザーの受信トレイ内にあるメール本体、又は添付ファイルのみを、Records Manager内のメール本体や、添付ファイルへのリンクで置換することもできますし、当初は受信トレイ内に実体を残しておき、1ヵ月後にリンクで置換することも可能です。これらの機能はディスク容量の削減にも貢献します。




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まとめ

IBM FileNet P8ではコンテンツ、プロセス、コンプライアンスを融合したプラットフォーム上に企業規模のコンテンツ管理ソリューションを構築し、迅速なアプリケーション展開、オペレーションの柔軟性向上、TCOの削減を達成します。本稿ではコンプライアンス管理機能のうち、基礎となる「Records Manager」、IBM FileNet P8内外からレコードを収集する「Records Crawler」、企業内の電子メールを管理する「Email Manager」を紹介しました。

IBM FileNet製品には、この連載で触れたP8製品以外にも、従来から使用されているコンテンツストア製品であるImage Servicesや、FileNet Captureなどのコンテンツ取り込み製品、eFormsを利用した帳票ツール等がラインナップされ、企業規模におけるコンテンツ管理を強力にバックアップします。

注意: 本文で触れた製品中には、一部、日本語化されていないものも含まれます。詳細については次の参考文献のリンク先文書を参照してください。



参考文献



著者について

善家直己はソフトウェア開発研究所のエンジニアです。Enterprise Content Management分野、特にFileNetにおけるプロジェクトでの開発、支援業務を担当しています。




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不充分・不完全である大変素晴らしい
 


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