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XML的思索 第2回: XMLと意味体系の出会い

新参者たち、および古い隣人の1人との出会い

Uche Ogbuji (uche@ogbuji.net), Principal Consultant, Fourthought, Inc.
Photo of Uche Ogbuji
Uche Ogbuji は、次世代の Web 技術を専門とするサービスの会社である、Uli, LLC の代表者です。Ogbuji 氏は XML、RDF、およびナレッジ管理アプリケーション用のオープン・ソース・プラットフォームである 4Suite の開発リーダーであり、Versa RDF 照会言語の開発リーダーでもあります。ナイジェリア出身のコンピューター・エンジニア兼ライターで、米国コロラド州ボールダー在住です。彼に関して詳しくは、彼のブログである Copia を見てください。

概要: Uche Ogbujiはこの記事でXMLおよび意味体系の紹介を完結させ、この後のさらに実践的なコラムのための準備を整えます。XML的思索 は、メタデータ、意味体系、Resource Description Framework (RDF)、トピック・マップ、および自動走行式エージェントを含む、XMLのナレッジ管理の側面を対象としています。このトピックに実践的な視点から取り組むことで、哲学者の方よりプログラマーの方にメッセージを送りたいと思います。

日付:  2001年 5月 01日
レベル:  初級 この記事の原文:  英語
アクティビティー: 2610 ビュー
お気軽にご意見・ご感想をお寄せください: 


XML的思索 というコラムの第1回で、私は、意味の透明性という考え方を紹介し、XML関連の開発のためにそれが重要であることを説明しました。意味の透明性は非常に重要なものであり、最近はこの分野での動きがあわただしくなっているため、1回の記事では紹介しきれません。今回の記事では、XMLおよび意味体系の分野に新しく登場したプレーヤーのいくつかを紹介します。しかし、まず始めに、第1回で触れなかった、伝統勢力による興味深いプレーについて述べることにします。

EDI規格のためのXMLマークアップ

Implementation Guide Mark Up (IgML) 作業グループでは、電子データ交換 (EDI) ベンダーのグループにより、EDI実装のガイドラインと規格をXML形式で表現するための作業が行われています。彼らは、標準テキストを高度に構造化し、最大限のインターオペラビリティーを発揮できるようなEDIへの実装パスを示すことを目指して、このような表現を行うためのDTD (文書タイプ記述) を開発中です。

IgMLのWebサイト (参考文献を参照) からは、DTDの現行の草案、およびANSI X12とUN/EDIFACT (EDIの2つの主要な「方言」) の各種サブセットのサンプルをダウンロードすることができます。IgML自体は、意味の透明性のためのフレームワークを提供することはありませんが、EDIを操ったり、EDI規格で提供される意味体系のインフラストラクチャーを利用したりするための、実装用XML企業間取引 (B2B) システムのための便利なツールを備えています。


UN + OASIS = ebXML

SGMLおよびXMLのゲームにおける草分け的なプレーヤーの1つとして、Organization for the Advancement of Structured Information Standards (OASIS) があります。この組織は、XMLのニュースと注釈に関するRobin Coverのすばらしい概説のホストとして、また、より新しいところでは、XMLテクノロジーに関するオープンな研究のための、さまざまな技術委員会のホストとして知られています。1999年にOASISは、EDI開発の主要組織である、United Nations Centre for Trade Facilitation and Electronic Business (貿易簡易化と電子ビジネスのための国連センター; UN/CEFACT) と協力して、電子取引XML (ebXML) の提唱活動を始めました。

ebXMLの目標は、組織の規模、使用するツール、および地理的な位置の制約を受けずに組織間の取引を簡素化できるように、XMLを使用するインフラストラクチャーを開発し、規則を策定することです。この作業は、EDIの開発に長い時間を必要としたことを意識してか、かなりのハード・スケジュールで進められています。全体的な構造に関する文書を含む最初の成果は、昨年の終わりに現れ始めました。

ebXMLのうち、XML交換の意味の透明性に最も関連の深い部分は、Registry Information ModelおよびRegistry Servicesに関する仕様の草案で記述されているRegistry Serviceです。これは、オブジェクト指向エンティティーの管理および交換を取り扱うものです。これらのレジストリーは、前回の記事で触れたInternational Organization for Standards Basic Semantic Registry (ISO BSR) よりも、構造的に高いレベルを対象としています。これらのレジストリーは、Uniform Modeling Language (UML) を使用するビジネス情報のオブジェクト・モデルを提供し、Object Management Group (OMG) のメタ・オブジェクト仕様と似ていなくもない、メタデータおよび設計機能を追加します。

また、これらのレジストリーは、オブジェクトをメタデータによって照会するためのXMLボキャブラリーを定義し、さらに、最も興味深いものとして、準拠するオブジェクト・モデルのインスタンスに関するXML表記を定義しています。この表記に従った文書は、商取引のように当事者間で交換することができます。最近、このような取引のためのトランスポート・プロトコルとしてSimple Object Access Protocol (SOAP) が採用されました。

ebXML技術アーキテクチャーは、ebXMLシステム開発のために、実装フェーズ、発見および検索フェーズ、および実行時フェーズ の3つのフェーズを用意しています。発見および検索フェーズについて、仕様では次のように定めています。「このフェーズでは、取引当事者が、相手側の取引当事者によって要求されているビジネス情報の意味を理解する。」この「意味」は、ebXMLレジストリーが設定するメタデータ・モデルによって提供されることになります。


不満についての注

商取引の意味を解明しようとするebXMLの親切な努力に対する不満の1つに、分かりきったことを蒸し返している、という意見があります。これが政治的な理由によるものなのか、技術的な理由によるものなのかは、はっきりしません。ebXML.orgは、初期のころに、ebXMLに特化したメッセージング・トランスポート・プロトコルを開発しようと考えて多くの政略的な動きを見せたあげくに、最近になって、ebXMLにSOAPを適用することを決定しました。ただし、ebXMLは、RDF、XMI、およびその他のXMLベースのメタデータ仕様によってすでに使用可能になっている多くの機能を、依然として無視しているようです。そして、ebXMLがISO BSRの成果を活用しているという証拠はほとんどありません。

もう1つの不満は、レジストリーのやり方が、第2世代のXMLによる提唱に見られる、一般的で誤った傾向とそっくりで、オブジェクト指向システムから一般的なXMLのシステムに、概念を丸ごと移し替えようとしているというものですこの傾向は、特に、半構造化されたデータが重要な意味を持つ場合、XMLの拡張性と表現力に深刻な打撃を与える可能性があります。おそらく、このような逸脱が最も危険な形で現れるのは、W3CのXML Schema仕様のデータ型の指定および継承機能です。ebXMLやW3C Schemaなどのイニシアチブは、XMLの中核的なニーズに照準を合わせ、オブジェクト指向アーキテクチャーについては、OMGや他の類似の団体に任せています。


eCo戦士

CommerceNet組織は、eCo Framework (意味体系を交換するためのオープン・レジストリーを開発するプロジェクト) などの活動を介して、エレクトロニック・コマース (電子商取引) を使用可能にするための規則制定やテクノロジーを促進させるために行われる、産業界、政府、および学界の諸作業を調整しようとしています。その狙いは、こうしたレジストリーにより、エレクトロニック・コマースにおける自律性の程度を大幅に向上させ、最終的には完全に自動走行式エージェントによって調達処理が行われるようにすることです。

eCoレジストリーを使用すると、正式なデータ・モデル、および各種のXML商取引仕様によって提供されるエレメント・タイプと属性定義にアクセスできるようになります。eCo作業グループは、Open Buying on the Internet (OBI)、RosettaNet、およびXML/EDIなどのXML形式仕様の開発に大きくかかわったことを誇りにしています。これらの作業のいくつかは、すでにebXMLと蜜月状態になっていますので、eCoとebXMLの仕事の間に強固な関係が築かれることも考えられます。

残念なことに、これまでのところ、開発者が使用可能なリソースは、eCoサイトで提供された、当たり障りのないデモンストレーションだけです。


RosettaNetによるサプライ・チェーンの判読

XMLは、TLA (おや、3文字の頭字語になってしまいました) やビジネス・コンソーシアムの、最も重要な生みの親であるのかもしれません。コンソーシアムの1つであるRosettaNetは、標準化されたサプライ・チェーン・マネージメントのプロセスの定義に着手しました。

RosettaNetは、サプライ・チェーンの対話で使用される用語や、こうした用語のフレームワークを構成するビジネス・プロセスや交換プロトコルを定義する、「マスター辞書」の作成を計画しています。当然ですが、この辞書の性質に私が最も強い興味を持ったのは、ナレッジ管理の視点からです。しかし、辞書とプロトコルの組み合わせは、RosettaNetがいうところのPartner Interface Process (PIP) の基礎になるものです。それぞれのPIPは、ビジネス・パートナー間の特定のプロセスを、XMLメッセージを使用して同調させるための仕様です。完全なRosettaNet対応サプライ・チェーンには、数十あるいは数百のPIPが含まれる可能性があります。

RosettaNetはおそらく、XMLが生んだセマンティック・レジストリーおよび交換の企ての中で、最も先を行ったものであり、すでにBEA WebLogic Collaborateなどの製品に実装されています。2001年の2月に、RosettaNetのEConcert Readiness Dayに集まった発言者たちは、彼らの業界でPIPの使用が成功していると主張していました。

このような成熟は、開発者にとってはありがたいことです。RosettaNetサイトはすでに、RosettaNet Business Dictionary、RosettaNet IT Technical Dictionary、およびRosettaNet EC Technical Dictionaryの3つの辞書を提供しています。これらの辞書には、数百の用語 (たとえば、"DigitalCertificateSignature") の定義、データ型、および表記制約事項がHTMLの表やXML+DTD形式で定義されています。これは貴重なコレクションです。特に、前回の記事で述べた試験的なISO BSRリストに比べてはるかに磨きがかかっている点で価値があります。


知識のためのアセンブリー言語

今月の意味体系の話の締めくくりは、RDFです。これはおそらく、意味の参照およびXML文書に隠された知識の管理に関するタスクのための、最も重要なツールです。RDFについては、今後のコラムで何度も触れることになると思いますので、ここでは、XML関連のメタデータを効果的に管理する能力を備えたRDFが、用語同士の関係、および用語の基礎になる抽象概念同士の関係をモデル化するツールとして重要であることを指摘するにとどめます。事実、RDFは、関係、定義、および特性を柔軟にモデル化できることから、「知識のためのアセンブリー言語」と呼ばれるようになっています。

私は、意味の透明性が重視される、いくつかのプロジェクトで仕事をしてきました。その中には、顧客のフリー・フォームの照会に応じられるように、クライアントがRDFを使用してシノニムおよび基本的な変換のためのフレームワークを実装したものもあります。私は常に、RDFを使用するとこうしたシステムが簡単にセットアップでき、しかも良好なパフォーマンスが得られることに、非常に感銘しています。

したがって、私は多くのXMLプロセスでRDFが蒸し返されるのを目の当たりにして、ひどくがっかりしました。しかし、Web Services Description Language (WSDL) に関するdeveloperWorksの記事で述べたように、非常に多くのXMLアプリケーションがRDFの威力を見過ごしています。RDFツールの堅実な成長 (およびRDF Site Summary (RSS) のような成功物語) によって、この状況が変化することを願っています。


今後の予定

XMLの上部にある層としてのセマンティック・フレームワークの重要性について、ひととおりの概略を示しましたので、この後のコラムでは、これらの高レベル・フレームワークで表現された知識を管理するための実践的な方法の検討に移る予定です。次回の記事では、RDFを使用して、XMLデータ・リポジトリーのための価値ある検索および参照システムを開発する方法を説明します。


参考文献

  • このコラムの第1回XMLと意味体系の出会い: その現状 では、意味の透明性およびメタデータを定義し、いくつかのプレーヤーを紹介しています。

  • ebXML は、is an international effort driven UN/CEFACTおよびOASISによって推進されている、情報交換のためのオープンなXML規格により、貿易を簡素化するための、国際的な作業です。

  • UN/CEFACT は、特にコンピューター・テクノロジーによる貿易の簡素化に関するプロセスとテクノロジーを扱う、国際連合の機関です。

  • OASIS は、異なる情報システムが相互に操作し合えるようにするエレクトロニック・コマース・ソリューションを推進する、国際的なコンソーシアムです。

  • ebXMLのThe XML Cover Pagesセクションは、このイニシアチブに関連するニュースおよびリソースの、最も信頼できる情報源です。また、RosettaNetセクションも参照してください。

  • RosettaNet は、XMLを使用してサプライ・チェーン・プロセスの自動化を向上させることに関心を持つ組織のコンソーシアムです。RosettaNetのホーム・ページからは、HTMLおよびXML形式によるサプライ・チェーン用語のいくつかの辞書を無料でダウンロードすることもできます。

  • Uche OgbujiによるRDFによるWSDLのスーパー・チャージ は、Webベースのサービスの説明を表現するためのRDFの使い方を示しています。

  • James LewinのRSSニュース・フィードの紹介 は、Perl XML::RSSモジュールを使用するサンプル・コードを使って、RDFサイト要約のアプリケーションについて説明しています。

著者について

Photo of Uche Ogbuji

Uche Ogbuji は、次世代の Web 技術を専門とするサービスの会社である、Uli, LLC の代表者です。Ogbuji 氏は XML、RDF、およびナレッジ管理アプリケーション用のオープン・ソース・プラットフォームである 4Suite の開発リーダーであり、Versa RDF 照会言語の開発リーダーでもあります。ナイジェリア出身のコンピューター・エンジニア兼ライターで、米国コロラド州ボールダー在住です。彼に関して詳しくは、彼のブログである Copia を見てください。

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ArticleTitle=XML的思索 第2回: XMLと意味体系の出会い
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