Atom 1.0 Syndication Formatの概要

Webコンテンツ・シンジケーション・フォーマットの人気の秘密

人気のAtom Syndication Formatの技術的概要を把握しましょう。この記事では、他のシンジケーション・フォーマットに比べたAtomの技術的長所について述べ、それらの長所を示す魅力的な使用事例をいくつか紹介します。

James Snell, Software Engineer, Emerging Technologies, IBM

James SnellJames Snellは、IBMのEmerging Technologies Toolkitチームの一員です。過去2年間は、新興のWebサービス技術や標準などに焦点を当てており、またAtom 1.0仕様にも貢献しました。新興技術に焦点を当てた ウェブログ を維持管理しています。



2005年 8月 02日

Webコンテンツ・シンジケーションは、インターネット上とファイアウォールの内側で重要性を増している分野です。かつてはブロガーとオンライン・ニュース・サイトの独壇場だったものが、次世代のWebベース・サービスとコンテンツ配信のプラットフォームに進化しつつあります。シンジケーション技術の採用は異様なペースで広がっている一方、これらの技術には長い間、技術的な問題、あいまいさ、相互運用性の課題がつきまとい、これらの最新トレンドを利用したいソフトウェア開発者と消費者に困難をもたらしていました。これらの問題を解決するために、シンジケーション技術コミュニティーのメンバーが集まり、知識を結集して、Atom Syndication FormatおよびAtom Publishing Protocol標準を定義しました(参考文献を参照)。2005年7月15日、これらの仕様の最初のものとしてAtom Syndication Formatが実装のために世界に公開されました。

この記事では、読者にコンテンツ・シンジケーションと既存の仕様ファミリーについて、少なくとも基本的な理解があることを前提としています。この概要を読むときには、解説されているさまざまな要素のクロスリファレンスとして、Atom 1.0フォーマット仕様のコピーを手元に用意しておくことをお勧めします。

この解説は、いかなる意味でもRSSを批判することが趣旨ではありません。既存のシンジケーション・フォーマット・ファミリーと比較してAtomフォーマットがもたらす改良の種類を解説し、Atomフォーマットの本質的な長所を明らかにすることが目的です。

簡単な例

コンテンツ・シンジケーションを行うためにRSS仕様ファミリーを使用したことがある人なら誰でも、Atom 1.0をすぐに使いこなせます。しかし、Atomは多くの重要な点でRSSと違います。リスト1は、簡単なAtom 1.0フィードを示しています。

リスト1. 簡単なAtomの例
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom"
xml:lang="en"
xml:base="http://www.example.org">
<id>http://www.example.org/myfeed</id>
<title>My Simple Feed</title>
<updated>2005-07-15T12:00:00Z</updated>
<link href="/blog" />
<link rel="self" href="/myfeed" />
<entry>
<id>http://www.example.org/entries/1</id>
<title>A simple blog entry</title>
<link href="/blog/2005/07/1" />
<updated>2005-07-15T12:00:00Z</updated>
<summary>This is a simple blog entry</summary>
</entry>
<entry>
<id>http://www.example.org/entries/2</id>
<title />
<link href="/blog/2005/07/2" />
<updated>2005-07-15T12:00:00Z</updated>
<summary>This is simple blog entry without a title</summary>
</entry>
</feed>

Atomでは、すべてのフィードとエントリーが、3つの要素を含んでいる必要があります。

  • 一意識別子。ブログ・エントリーやエントリーによって表される他のWebリソースのURIのように単純なもの、または、真に一意な128ビットのグローバル一意識別子(GUID)のように複雑なもの。
  • タイトル。人間が読める形式の、エントリーの短い件名行。空の文字列にすることもできます(<title />など、空のtitle要素によって表されます)。
  • タイムスタンプ。最終更新日時を示します。

さらに、Atomは時間をかけて、堅牢性、柔軟性、および一貫性を備えたコンテンツ・モデルを入念に記述しています。このモデルは、プレーン・テキスト、エスケープ付きHTML、整形式XHTML、独自XML、base-64でエンコードされたバイナリー・コンテンツ、およびフィードに直接含まれないコンテンツに対するURIポインターをサポートすることができます。これとは対照的に、RSSは、非標準で一貫性のない実装の名前空間拡張を使用しなければ、プレーン・テキストとエスケープ付きHTMLコンテンツしか扱えません。

Atomは、詳しく定義された拡張性モデルも提供し、RSSによってサポートされるのと同じ種類の、新しいメタデータとコンテンツを追加するための分散的で動的なメカニズムを備えていますが、実装間の中核的な相互運用性を保護する形でこれを行います。たとえば、Atomは、ドキュメントの中で拡張要素を使える場所と使えない場所、言語に依存する(したがって、xml:lang属性の影響を受ける)拡張、およびAtom実装が未知の拡張要素を検出したときの反応を明確にしています。

最後に、Atomは、中核的な名前空間内のさまざまな必須および任意のメタデータ要素について、厳格に定義しています。たとえば、Atomは、名前、メール・アドレス(RFC 2822によって定義)、および何らかの方法で著者に関連付けられているリソース識別子(著者のホーム・ページのURIなど)を含んだ複雑な構造のauthor要素を定義しています。

フィードまたはエントリーは複数のauthor要素とゼロ個以上のcontributor要素を持つことができます。これらの要素は、フィードまたはエントリーの制作に貢献したが、その入力レベルが著者として認められるほどではない個人を識別します(オーディオ・エンジニア、編集者、ソフトウェア開発者など)。author要素とcontributor要素は、どちらも完全に拡張可能なので、コンテンツ制作者は著者または貢献者に関して、適切と思われるレベルの詳細を記述することができます。これに対して、RSSでは、author要素がかなり制限されていて、項目内に一度しか現れてはならず、メール・アドレスを表すことしかできません。

リスト2. FOAF拡張付きのpersonおよびcontributorの例
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom"
xmlns:foaf="http://xmlns.com/foaf/0.1"
xml:base="http://www.example.org">
...
<author>
<name>James M Snell</name>
<foaf:homepage rdf:resource="/blog" />
<foaf:img rdf:resource="/mypic.png" />  
</author>
<contributor>
<name>Jane Doe</name>
<foaf:homepage rdf:resource="/janesblog" />
<foaf:image rdf:resource="/janespic.png" />
</contributor>
...
</feed>

Atom 1.0に含まれるその他の標準機能としては次のものがあります。

  • 個別のエントリーをフィードに依存せずに存在させることができるので、シンジケートされるコンテンツの集約と配布のための新しい重要なオプションを提供できます。
  • ISO-8601およびXML Schema互換のタイムスタンプ。
  • xml:baseによる相対URIのサポート。
  • Internationalized Resource Identifier(IRI)とxml:langの使用による多国語対応の強化。
  • 障害を持ったユーザーによるフィードの使用を容易にするアクセシビリティー機能。
  • フィードまたはエントリーを外部リソースにリンクする、HTMLに似た動的拡張可能なリンク・メカニズム。
  • 購読プロセスを容易にする自己参照フィード。
  • Atom 1.0ドキュメントを識別できるMIMEメディア・タイプ。
  • XML Digital SignaturesとXML Encryptionの組み込みサポート。
  • Atom 1.0ドキュメント・インスタンスを検証する非標準RELAX NGスキーマ。
  • RDFと互換性のある中核サブセット。

Atomに組み込まれているさまざまな機能はすべて、このフォーマットがより幅広い範囲のシンジケーションの使用事例をサポートすると同時に、既存のシンジケーション標準ファミリーに共通の技術的弱点の多くを解決することをめざしています。


エンクロージャーのサポート

ウェブログとニュース・コンテンツのシンジケーション以外で、シンジケーション技術の新しい用途として人気を集めているのは、ポッドキャスティングの分野です。ポッドキャストは、記録されたデジタル・オーディオ・ファイルを配信するデータ・フィードであり、ファイルは自動的にダウンロードされて、ユーザーのポータブル・メディア・デバイスにコピーされます。現在、ポッドキャスティングはリスト3に示されているように、RSS 2.0のenclosureタグの使用によって可能となっています。

リスト3. RSS 2.0のポッドキャスティングの例
<rss version="2.0">
<channel>
<title>My Podcast Feed</title>
<link>http://example.org</link>
<author>some.email@example.org</author>
<item>
<title>Podcasting with RSS</title>
<link>http://www.example.org/entries/1</link>
<description>An overview of RSS podcasting</description>
<pubDate>Fri, 15 Jul 2005 00:00:00 -0500</pubDate>
<guid isPermaLink="true">http://www.example.org/entries/1</guid>
<enclosure url="http://www.example.org/myaudiofile.mp3"
length="12345"
type="audio/mpeg" />
</item>
</channel>
</rss>

ポッドキャスティングの人気は急上昇していますが、RSS 2.0のenclosureタグには、ポッドキャスターにとって頭痛の種となることがわかっている、少なくとも1つの非常に重大な制約があります。すなわち、RSSでは、1つの項目について1つのenclosureタグしか許されません。これは、オーディオ・ダウンロードを複数の形式(MP3、BitTorrent、WMAなど)で使用可能にしたいポッドキャスト制作者は、提供したい形式ごとにフィードを用意しなければならないことを意味します。一方、Atomでは、1つのエントリーに複数のenclosureを含めることができ、それぞれにメディア・タイプ属性を関連付けることができるので、ポッドキャスターは配信するすべての形式を含んだ単一のフィードを制作することができます。

これを例を挙げて説明するために、IT Conversations(参考文献参照)から入手できるポッドキャスト・フィードのリストを考えてみましょう。IT Conversationsのポッドキャストは複数の形式が用意されているので、潜在的な購読者はenclosureを含んだ少なくとも73の個別のRSSフィードから選択しなければなりません(テキスト専用フィードも37個リストされていますが、これらは除きます)。Atomのenclosureを使用すると、IT ConversationsはAtomエントリーに2個のenclosureリンクを含めるだけで、フィードの合計数を半分に減らすことができます。フィード数が少なくなれば、コンテンツ発行者にとっても、コンテンツ購読者にとっても、複雑さが軽減されます。

リスト4. Atom 1.0のポッドキャスティングの例
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom">
<id>http://www.example.org/myfeed</id>
<title>My Podcast Feed</title>
<updated>2005-07-15T12:00:00Z</updated>
<author>
<name>James M Snell</name>
</author>
<link href="http://example.org" />
<link rel="self" href="http://example.org/myfeed" />
<entry>
<id>http://www.example.org/entries/1</id>
<title>Atom 1.0</title>
<updated>2005-07-15T12:00:00Z</updated>
<link href="http://www.example.org/entries/1" />
<summary>An overview of Atom 1.0</summary>
<link rel="enclosure" 
type="audio/mpeg"
title="MP3"
href="http://www.example.org/myaudiofile.mp3"
length="1234" />
<link rel="enclosure"
type="application/x-bittorrent"
title="BitTorrent"
href="http://www.example.org/myaudiofile.torrent"
length="1234" />
<content type="xhtml">
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml">
<h1>Show Notes</h1>
<ul>
<li>00:01:00 -- Introduction</li>
<li>00:15:00 -- Talking about Atom 1.0</li>
<li>00:30:00 -- Wrapping up</li>
</ul>
</div>
</content>
</entry>
</feed>

Atomのenclosureを使用すると、オーディオ・コンテンツの配信以上のことができます。enclosureリンクは、あらゆるタイプのリソースを参照することができます。たとえば、リスト5では、1つのエントリーの中で複数のenclosureを使用して、FTPからアクセス可能な単一のPDFドキュメントの複数の翻訳版を参照しています。hreflang属性は、各PDFドキュメントの翻訳後の言語を識別します。

リスト5. 複数言語のenclosureを含んだAtom 1.0フィード
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom" xml:lang="en">
<id>http://www.example.org/myfeed</id>
<title>My Feed</title>
<updated>2005-07-15T12:00:00Z</updated>
<author>
<name>James M Snell</name>
</author>
<entry>
<id>http://www.example.org/entries/1</id>
<title>Blogging Guidelines</title>
<updated>2005-07-15T12:00:00Z</updated>
<summary>New Corporate Blogging Guidelines</summary>
<link rel="enclosure"
xml:lang="en-us"
title="Blogging Guidelines -- English"
type="application/pdf"
hreflang="en-us"
href="ftp://www.example.org/en/bloggingguidelines.pdf" />
<link rel="enclosure"
xml:lang="de"
title="Richtlinien Blogging - Deutscher"
type="application/pdf"
hreflang="de"
href="ftp://www.example.org/de/bloggingguidelines.pdf" />
<link rel="enclosure"
xml:lang="fr"
title="Directives De Blogging - Francais"
type="application/pdf"
hreflang="fr"
href="ftp://www.example.org/fr/bloggingguidelines.pdf" />
</entry>
</feed>

リスト5の例では、非標準の名前空間拡張をフィードに導入しなければ、RSS 2.0ではサポートされません。これには多くの重要な理由があります。

  • RSSでは、1つのエントリー内に複数のenclosureを含めることはできません。
  • RSSには、エンクローズされるリソースに言語を関連付ける手段がありません。
  • HTTP URLを使用するにはRSSのenclosureが必要です。
  • RSSには、参照されるリソースに、人間が読めるタイトルを任意に関連付ける手段がありません。

もうひとつの重要な点として、エンクロージャーを可能にするAtomのlink要素では、ダウンロード可能なファイルをエントリーに関連付けるだけでなく、それよりはるかに多くのことができます。linkは、他のタイプのリソースへのわかりやすいリンクを指定することもできます。

  • <link rel="alternate" /> ? フィードまたはエントリー(たとえば、ウェブログのホーム・ページ)の代替版を識別します。
  • <link rel="related" /> ? エントリーの内容によって何らかの方法で記述されているリソースを識別します。
  • <link rel="self" /> ? フィードまたはエントリーと等価のリソースを識別します。一般に、これによってフィードまたはエントリーを自己参照にして、柔軟な自動発見メカニズムが可能になります。
  • <link rel="via" /> ? フィードまたはエントリーに含まれる情報を提供したリソースを識別します。たとえば、エントリーがオンライン集約サービスを通じて配信された場合、viaリンクはaggregatorを識別します。これは、aggregatorがRSSのlink要素をオーバーライドするという現在の一般的な動作に代わるものです。

これらの組み込みリンク関係は、フィードとともに使用される最も一般的な汎用タイプのリンクに対処することを目的としてします。完全修飾URIを使用して、新しいタイプの関係を動的に定義することができます。link要素の拡張性については、この記事のもう少し後でさらに詳しく説明し、簡単な例も示します。


Content-by-reference

リンクとエンクロージャーのサポートに加えて、AtomはURIによってエントリーの内容を参照する機能も備えています。たとえば、リスト6は、写真ウェブログのAtomフィードの表示方法を示しています。content要素は、ブログ内の個別の写真を参照します。summary要素は、画像のキャプションを提供します。

リスト6. Atom 1.0を使用した簡単な画像リスト
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom"
xml:base="http://www.example.org/">
<id>http://www.example.org/pictures</id>
<title>My Picture Gallery</title>
<updated>2005-07-15T12:00:00Z</updated>
<author>
<name>James M Snell</name>
</author>
<entry>
<id>http://www.example.org/entries/1</id>
<title>Trip to San Francisco</title>
<link href="/entries/1" />
<updated>2005-07-15T12:00:00Z</updated>
<summary>A picture of my hotel room in San Francisco</summary>
<content type="image/png" src="/mypng1.png" />
</entry>
<entry>
<id>http://www.example.org/entries/2</id>
<title>My new car</title>
<link href="/entries/2" />
<updated>2005-07-15T12:00:00Z</updated>
<summary>A picture of my new car</summary>
<content type="image/png" src="/mypng2.png" />
</entry>
</feed>

このcontent-by-referenceメカニズムは、Atomを通じて配信できるコンテンツのタイプを拡張するための非常に柔軟性の高い手段となります。

たとえば、シンジケーション・モデルを使用してソフトウェア・アップデートを配信するというアイデアをよく聞きます。その際、ソフトウェア・アップデートを含んでいるダウンロード・ファイルとアップデートを説明したWebページへのリンクがあると便利です。Atomではlink要素とcontent要素の役割が明確に分けられているので、このようなフィードを作成するには、中核的なAtom名前空間の拡張を必要としません。

リスト7. Atom 1.0を使用したソフトウェア・アップデート・フィード
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom"
xml:base="http://www.example.com">
...
<entry>
<id>tag:update:20050718</id>
<title>Update: 20050718</title>
<updated>2005-07-18T12:00:00Z</updated>
<link rel="alternate"
type="text/html"
href="/updates/2005/07/18/readme.html_20050718" />
<content type="application/zip" 
src="/updates/2005/07/18/update_20050718.zip" />
</entry>
<entry>
<id>tag:update:20050717</id>
<title>Update: 20050717</title>
<updated>2005-17-17T12:00:00Z</updated>
<link rel="alternate" 
type="text/html"
href="/updates/2005/07/17/readme_20050717.html" />
<content type="application/zip" 
src="/updates/2005/07/17/update_20050717.zip" />
</entry>
</feed>

content-by-referenceのもうひとつの用途として、一般にはフィードへの静的埋め込みに適さないデータのシンジケーションがあります。このようなコンテンツの例としては、ライブ・オーディオまたはビデオのブロードキャスト・ストリーム、機密性の高いアカウント情報または取引へのリンク、大規模なデータ・ストリームなどがあります。

リスト8. ライブ・ストリーミング・オーディオ・フィードを宣伝するAtom 1.0フィード
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom"
xml:base="http://www.example.com">
...
<entry>
...
<link rel="alternate"
type="text/html"
href="/shows/aboutshow1.html" />
<content type="audio/x-mpegurl"
src="/streams/show1.mpu" />
</entry>
<entry>
...
<link rel="alternate"
type="text/html"
href="/shows/aboutshow2.html" />
<content type="audio/x-mpegurl"
src="/streams/show2.mpu" />
</entry>
</feed>

Atomの拡張

現在のシンジケーション技術の重要な長所は、アプリケーション開発者が新しいタイプのメタデータでフィードを動的に拡張できる点にあります。Atomワーキング・グループの主要な目標の1つは、詳しく定義された拡張性モデルでした。それは、コンテンツ発行者とシンジケーション・アプリケーション開発者が期待するようになった分散された動的拡張メカニズムを残しつつ、Atom実装間の中核的な相互運用性を守るものです。

Atomの拡張には2種類あり、その両方について説明します。

  • 名前空間で修飾された新しい拡張要素および属性
  • 新しいlink要素関係タイプ

名前空間拡張には、新しいXML要素および属性を中核的なAtom要素と混在させる必要があります。たとえば、Atomでは、エントリーの作成日時とエントリーの発行日時を記述する要素が定義されています。しかし、コンテンツが一定の時点で期限切れになるエントリーを生成するアプリケーションを考えてみましょう(たとえば、特別セールや週間トップ10リストを表すフィードなど)。Atomには、有効期限を指定できる中核要素はありません。ただし、リスト9のように、そのような要素を別の名前空間で宣言して、Atomフィードに含めることは可能です。有効期限拡張要素を認識しないフィードの消費者は、それを無視すればよいだけです。

リスト9. 簡単な名前空間によるexpires拡張
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom"
xmlns:s="http://www.snellspace.com/atom/extensions/proposed/"> ...
<item>
<id>http://www.example.com/offers/1</id>
<title>A limited time offer!</title>
<updated>2005-07-20T12:00:00Z</updated>
<s:expires>2005-08-01T12:00:00Z</s:expires>
<summary>Take advantage of this limited time offer!</summary>
<link href="http://www.example.com/offers/1" />
</item>
</feed>

拡張要素および属性は、2、3の基本的な例外を除いて、Atomドキュメントのどこにでも含めることができます。たとえば、atom:updated要素など、Atomのdateコンストラクトは拡張属性を含むことができますが、拡張要素を含むことはできません。

ちなみに、Atomは正式なIETF標準化プロセスによって定義されているので、リスト9のs:expires要素のような拡張も同じように正式な中央集権的なプロセスによって定義され、承認される必要があると思われているようですが、これは誤解です。まったくの事実無根です。Atom拡張は、IETFの関与を必要とせずに、完全に分散的でオープンな非公式な方法で定義でき、そのような方法でも相互運用性を保つことができます。

リンク関係の拡張には、新しいタイプのリンク関係を識別するlink要素のrel属性の新しい値を作成する必要があります。link要素は、外部リソースとフィードまたはエントリーを関連付けます。rel属性は、リンクの目的を識別します。新しいリンク関係を作成することによって、link要素で表現できる関係のタイプを拡張することができます。

たとえば、ほとんどのウェブログ・ソフトウェア・パッケージでは、読者はブログのエントリーにコメントを投稿することができます。これらのコメント自体をフィード内のエントリーとして表示することができます。リスト10は、エントリーと関連コメントの間の双方向リンクを可能にするために私が提案したリンク拡張です。

リスト10. コメント・フィード拡張の提案
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom">
...
<link 
title="Link to the comments feed"
rel="http://purl.org/syndication/thread/1.0/comments"
href="http://www.example.com/feed/comments" 
type="application/atom+xml" />
<entry>
<id>urn:entry:1</id>
<title>The original entry</title>
<updated>2005-12-20T12:00:00Z</updated>
<link href="http://www.example.com/entries/1" />
</entry>
</feed>

<!-- http://www.example.com/feed/comments -->
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom">
<link title="Link to the root feed"
rel="http://purl.org/syndication/thread/1.0/root"
href="http://www.example.com/feed"
type="application/atom+xml" />
<entry>
<id>urn:entry:1:comments:1</id>
<title>This is a comment</title>
<updated>2005-12-20T12:00:10Z</updated>
<link href="http://www.example.com/entries/1/comments/1" />
<link rel="http://purl.org/syndication/thread/1.0/in-reply-to" 
href="urn:entry:1" />
</entry>
</feed>

リスト10では、次の3つの新しいリンク関係が作成されています。

  • http://purl.org/syndication/thread/1.0/comments ? フィードまたはエントリーと、コメントを含んでいるAtomフィードをリンクします。
  • http://purl.org/syndication/thread/1.0/root ? コメント・フィードと、元のエントリーを含んでいるフィードをリンクします。
  • http://purl.org/syndication/thread/1.0/in-reply-to ? コメント・エントリーと元のエントリーをリンクします。

この拡張案はまだ活発な議論と開発の最中であり、時間とともに進化していくものと思われます。

フィードの履歴を表す拡張、ライセンスを関連付ける拡張、リストの順序を指定するメカニズムとなる拡張などが提案され、作業中のものも数多くあります。これらの拡張のなかには、最終的にIETFインターネット・ドラフトやRFCになるものもあるでしょうし、そうならないものもあるでしょう。時間が経ち、開発者が新しい興味深いアプリケーションを公開するにつれて、多くの有用な拡張が登場するものと思われます。また、既存の一般的なRSS拡張が多数ありますが、それらをAtomと組み合わせて使用するのも簡単です。


まとめ

2004年5月、Uche OgbujiはAtomを定義するための作業を紹介する記事をdeveloperWorksに掲載しました。その記事の中でUcheは、Atomの目的の1つは「新しいフォーマットをアーキテクチャーだけでなくWebの文化にも調和させるために、多くのRSSユーザーが行った現実的な設計上の妥協という実践的知識を活用して、RSSの多くのフレーバーよりも技術的に健全な設計を生み出すことである」と述べています。それなりの時間と、多くの慎重な討議、そしてIETFワーキング・グループ参加者による多大な努力により、Atom 1.0は、Webでのコンテンツ・シンジケーションのためのシンプルで詳しく定義された、あいまいさのないフォーマットを提供するという目標を今達成しようとしています。

参考文献

学ぶために

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SITE_ID=60
Zone=XML
ArticleID=239916
ArticleTitle=Atom 1.0 Syndication Formatの概要
publish-date=08022005