NIEM IEPD を作成する: 第 4 回 IEPD のアセンブル

米国政府機関の間での XML 情報交換を設計する

この連載の最初の 3 回の記事では、NIEM 情報交換モデルを作成し、このモデルを実装するサブセットおよび拡張スキーマを定義する方法を学びました。今回は最後のステップとして、スキーマ、文書、そしてこの情報交換のその他すべての成果物をアセンブルして NIEM 準拠の IEPD を完成させます。この記事では、IEPD を検証および公開するプロセスについても説明します。

Priscilla Walmsley, Managing Director, Datypic

Photo of Priscilla WalmsleyPriscilla Walmsley は、Datypic の取締役兼シニア・コンサルタントです。彼女の専門は XML 技術、設計、および実装で、最近では (Trusted Federal Systems を通じて) 米国司法省に協力し、NIEM ベースの IEPD フレームワーク、LEXS に取り組みました。著書には『Definitive XML Schema』(Prentice Hall、2001年)、『XQuery』(O'Reilly Media、2007年) があります。また、『Web Service Contract Design and Versioning for SOA』(Prentice Hall、2008年) の共著者でもあります。



2010年 5月 18日

IEPD (Information Exchange Package Documentation) とは、特定の NIEM (National Information Exchange Model) 情報交換を記述する文書一式のことです。通常、IEPD にはスキーマ、サンプル、各種文書、そしてレンダリング命令が含まれます。さらに、NIEM 準拠の情報交換で必要となるメタデータ文書やカタログ・ファイルなど、NIEM に固有の成果物も含まれます。

この連載ではこれまで、単純な Theft Report IEPD を例に作業を進めてきました (前の 3 回の記事へのリンクについては「参考文献」を参照してください)。現時点で UML モデル、CMT (Component Mapping Table)、そしてスキーマは完成していますが、IEPD を仕上げるためには、まだ以下のステップが残っています。

よく使われる頭字語

  • CMT: Component Mapping Template
  • HTML: Hypertext Markup Language
  • IEPD: Information Exchange Package Documentation
  • NIEM: National Information Exchange Model
  • UML: Unified Modeling Language
  • XHTML: Extensible Hypertext Markup Language
  • XML: Extensible Markup Language
  • XSLT: Extensible Stylesheet Transformations
  1. 文書関連のさらなる成果物を作成して、この情報交換をさらに詳しく説明すること。具体的には、以下の成果物を追加する必要があります。
    • 情報交換の概要を説明するマスター文書
    • 実際のメッセージ構造を明らかにするとともに、スキーマをテストするためのサンプル文書
    • 人間が読める形でサンプル文書を表示するためのレンダリング命令
  2. NIEM に準拠するように IEPD をアセンブルすること。それには、NIEM の「Work With IEPDs」ツールを使用して成果物をアップロードし、追加の文書ファイルを生成します。
  3. NIEM の Conformance Validation ツールを使用して、IEPD の完全性および NIEM 適合性を検証すること。
  4. IEPD を公開して他のユーザーが見つけられるようにすること。

IEPD 文書

NIEM 準拠の IEPD に最小限含まれていなければならない文書は、何らかの形のマスター文書と、最終バージョン以降に行われた変更を記述する変更ログです。この 2 つの他に、IEPD にはソフトウェア・アプリケーションに通常付属しているようなあらゆる文書を (マスター文書の一部として、あるいは別個のファイルとして) 含めることができます。以下に挙げるのはその例です。

  • UML モデル (シーケンス図、ユース・ケース、クラス図)
  • CMT
  • ビジネス・ルール (スキーマやモデルには表現されない、データに関する制約)
  • 要件の定義
  • テストや適合性に関する宣言書
  • 覚書および推薦状

Theft Report IEPD では、すでに UML モデルと CMT を開発してありますが、一般的な言葉で情報交換の目的と構造を記述するマスター文書を追加しなければなりません。さらに変更ログを追加する必要もあります。ただし、ここで作成するのはこの情報交換の最初のバージョンなので、変更ログは基本的に空となります。これらの文書がすべて揃った完成版の IEPD については、「ダウンロード」セクションを参照してください。


サンプル文書の作成

サンプル XML 文書は、IEPD の重要な部分です。複雑に相関するスキーマ文書について説明する場合はもちろんのこと、スキーマだけに基づいて XML 文書を概念化するのは簡単なことではありません。サンプル文書を使用すると、指定された文書タイプでどの要素がルート要素になるのかが明らかになるとともに、要素ごとのデータの代表的な例を示すことができます。

交換スキーマで使用されているルート要素のそれぞれについて、少なくとも 1 つのサンプルを含めます。1 つの文書タイプに複数の用途がある場合には、用途ごとのサンプルを提供する必要があります。スキーマをテストしたり、その文書を処理する目的で作成されたソフトウェアをテストしたりするためには、考えられるすべての要素が含まれる 1 つのサンプルを作成すると役立ちます。複雑な情報交換の場合には、指定された文書に含まれる可能性がある内容で構成された典型的なサンプル文書を作成するのも有益です。

多くの XML エディターはサンプル文書を自動的に生成しますが、自動生成されたサンプル文書には、意味のないデータが含まれていたり、ID 値と IDREF 値が正しく関連付けられていなかったりするのが常です。生成されたサンプル文書は、より標準的で意味のある文書となるように編集してください。さらに、複数のプロセッサーを使用してサンプルを検証することもお勧めします。プロセッサーによって、スキーマが配置されている場所のヒントを処理する方法が異なるためです。

Theft Report IEPD の場合、ルート要素として考えられる要素は 1 つ (tr:TheftReport) しかありません。リスト 1 に、私が作成した完全なサンプル文書の先頭部分を記載します。このサンプル文書には、情報交換で使用できる各要素の型が少なくとも 1 つあり、それぞれのデータの代表的な値が含まれています。

リスト 1. サンプル文書の先頭部分
<?xml-stylesheet type="text/xsl" href="theftreport.xsl" ?>
<tr:TheftReport xmlns:tr="http://datypic.com/theftreport/exchange/1.0"
 xmlns:nc="http://niem.gov/niem/niem-core/2.0"
 xmlns:trext="http://datypic.com/theftreport/extension/1.0"
 xmlns:j="http://niem.gov/niem/domains/jxdm/4.1"
 xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
 xmlns:s="http://niem.gov/niem/structures/2.0"
 xsi:schemaLocation="http://datypic.com/theftreport/exchange/1.0
                     ../schema/exchange/1.0/theftreport-exchange.xsd">
    <tr:TheftReportDate>2006-05-05</tr:TheftReportDate>
    <trext:Theft s:id="T1">
        <nc:ActivityDate>
            <nc:DateTime>2006-05-04T08:15:00</nc:DateTime>
        </nc:ActivityDate>
    </trext:Theft>
    <trext:Theft s:id="T2">
        <nc:ActivityDate>
            <nc:DateTime>2006-05-04T09:14:00</nc:DateTime>
        </nc:ActivityDate>
    </trext:Theft>
        <nc:ActivityConveyanceAssociation>
            <nc:ActivityReference s:ref="T1"/>
            <nc:ConveyanceReference s:ref="V1"/>
        </nc:ActivityConveyanceAssociation>
        <nc:ActivityConveyanceAssociation>
            <nc:ActivityReference s:ref="T2"/>
            <nc:ConveyanceReference s:ref="B1"/>
        </nc:ActivityConveyanceAssociation>
        <trext:Vehicle s:id="V1">
            <nc:ItemDescriptionText>2001 Subaru Outback</nc:ItemDescriptionText>
            <nc:ItemSerialIdentification>
                 <nc:IdentificationID>123455234234</nc:IdentificationID>
            </nc:ItemSerialIdentification>
            <nc:VehicleColorPrimaryCode>SIL</nc:VehicleColorPrimaryCode>
            <nc:ConveyanceRegistrationPlateIdentification>
                 <nc:IdentificationID>BGE112</nc:IdentificationID>
            </nc:ConveyanceRegistrationPlateIdentification>
            <trext:VehicleTaxClassCode>4</trext:VehicleTaxClassCode>
        </trext:Vehicle>
    ...

レンダリング命令の作成

IEPD のユーザーと実装者が情報交換を概念化できるようにする上では、レンダリング命令も役に立ちます。複雑な XML 文書を調べて内容を理解するのは容易なことではありません。特に、標準的な NIEM 文書には文書の各部分を結び付ける構造要素と関連付けが溢れているため、その内容を理解するのは至難の業です。肝心の内容よりも、構造の複雑さと要素の名前に気を取られてしまうユーザーもいます。

こうした問題は、XML データを人間が読んで理解できる HTML に変換するレンダリング命令を作成することで軽減することができます。レンダリング命令によって、関連するオブジェクトをページ上で再結合して表示し、関係のない構造を無視し、不可解なコード・リストの値を理解しやすい形に変換できるからです。

XML 文書をレンダリングするために使用される一般的な手段は、XSLT スタイルシートです。HTML のレンダリングを単純にするには、主要なブラウザーでサポートされている XSLT バージョン 1.0 を使用することをお勧めします。XSLT スタイルシートをサンプル文書と同じディレクトリーに置くと、ユーザーがサンプル文書をダブルクリックするだけで (あるいはサンプル文書を XML エディターで開くと)、レンダリングされた HTML バージョンを見ることができます。どの XSLT スタイルシートを使用するかは、リスト 1 の最初の行にある処理命令 (<?xml-stylesheet で始まる命令) が指定します。

Theft Report IEPD には、Theft Report をユーザーが読み易い形で表示する (図 1 を参照)、ごく単純な XSLT 1.0 スタイルシートを作成しておきました (「ダウンロード」の IEPD に含まれています)。この XSLT はデータを論理的に提示するために、各盗難事件をそれぞれに関連する場所、車両、被害者、目撃者に結合します (図 1 をテキストのみで表現したものを見るには、ここをクリックしてください)。

図 1. レンダリングされたサンプル報告書
レンダリングされたサンプル報告書のスクリーン・キャプチャー

IEPD のアセンブル

NIEM では、IEPD 成果物を収集して完全なパッケージをアセンブルするための「Work With IEPDs」ツールを用意しています (リンクについては「参考文献」を参照)。手作業で IEPD をアセンブルすることもできますが、通常はこのツールを使用したほうが作業は簡単になります。それは、このツールを使用することで、NIEM に準拠するために必要な 2 つの NIEM 固有の成果物、メタデータ文書および、目次の役割を果たすカタログ・ファイルを自動的に生成できるからです。また、IEPD のファイル構造がより統一されるという結果にもなります。

このツールを使用するには、ページ左側のメニューにある「Create/Upload IEPD (IEPD の作成/アップロード)」をクリックします。この操作によって、図 2 のページが表示されます。

図 2. 「Create/Upload IEPD (IEPD の作成/アップロード)」ページ
Work With IEPDs ツールに表示された「Create/Upload IEPD (IEPD の作成/アップロード)」ページのスクリーン・キャプチャー

Begin (開始)」をクリックすると、アップロードしたい既存の IEPD zip ファイルがあるかどうかが尋ねられます。IEPD 成果物をまとめて 1 つに圧縮したファイルがある場合は、「Yes (はい)」をクリックして、その zip ファイルをアップロードします。私がサンプル Theft Report でこのツールを使用したときには、「No (いいえ)」をクリックして各ファイルを個別にアップロードしました。

No (いいえ)」をクリックすると、図 3 のページが表示されます。このページでは、ルート・ディレクトリー名を指定することができます。Theft Report のルート・ディレクトリーには、TheftReport を指定しました。個々の成果物を IEPD に追加するには、同じくこのページで「Add Artifact (成果物の追加)」リンクをクリックします。

図 3. 「Upload Artifacts (成果物のアップロード)」ページ
Work With IEPDs ツールに表示された「Upload Artifacts (成果物のアップロード)」ページのスクリーン・キャプチャー

このページを使用して、拡張スキーマと交換スキーマ、wantlist.xml、サブセット、サンプル文書、レンダリング命令、CMT、UML モデル、変更ログ、マスター文書のそれぞれを追加します。サブセット・スキーマについては、まとめて 1 つに圧縮したファイルを追加してください。この圧縮ファイルは、ツールが IEPD を再生成するときに解凍されます。

追加する成果物ごとにタイプを選択しますが、これは重要な点です。選択するタイプによって、カタログ・ファイルの生成方法と、コンポーネントに使用されるデフォルト・ディレクトリーが変わってくるためです。このページではディレクトリー・パスを選択することもできますが、一貫性を維持するため、いずれの成果物に対しても「use recommended path (推奨されるパスを使用)」をクリックして、ツールがパスを入力するように指定してください。ただし、私は推奨されるパスに対する唯一の変更として、交換スキーマと拡張スキーマ用の 1.0 サブディレクトリーを含めました。これは、ディレクトリー構造に名前空間の名前を反映させるためです。さらに、各成果物の説明も追加しました。図 4 に、結果を示します (図 4 をテキストのみで表現したものを見るには、ここをクリックしてください)。

図 4. 追加された成果物
成果物の一覧が表示された「Edit Artifacts (成果物の編集)」ページのスクリーン・キャプチャー。追加した成果物が示されています。

成果物を追加し終わったら、「Next (次へ)」をクリックして「Enter Metadata (メタデータの入力)」ページに進みます (図 5 を参照)。このページでは、IEPD に関するメタデータ (名前、説明、バージョン、組織、連絡先など) を入力します。ツールはこの情報を使用して metadata.xml という名前の XML 文書を生成し、IEPD に含めます。

図 5. 「Enter Metadata (メタデータの入力)」ページ
Work With IEPDs ツールに表示された「Enter Metadata (メタデータの入力)」ページのスクリーン・キャプチャー

このページで少し混乱しやすい点は、NIEM に準拠するために必要なフィールドのすべてに黄色のアスタリスクのマークが付けられているわけではないということです。必要なメタデータを入力しなかった場合には、後で IEPD を検証する際に通知されますが、一般に、関連するフィールドはすべて入力しておくことが最善策です。メタデータの入力が終わったら、「Next (次へ)」をクリックして「IEPD Details (IEPD 詳細)」ページに進んでください (図 6 を参照)。

図 6. 「IEPD Details (IEPD 詳細)」ページ
Work With IEPDs ツールに表示された「IEPD Details (IEPD 詳細)」ページのスクリーン・キャプチャー

このページで「Validate IEPD (IEPD の検証)」をクリックすれば、IEPD に必要なすべてのメタデータが含まれているかどうかを判断することができます。IEPD の有効性が検証されたら、「Upload IEPD (IEPD のアップロード)」をクリックしてプロファイルに IEPD を保存します。これで、後から「My IEPDs (マイ IEPD)」メニューからこの IEPD を取得できるようになります。ただし、ここで IEPD をアップロードしても、Web サイトの他のユーザーに自動的に表示されることにはなりません。

最後のステップは、実際に IEPD を生成するために、「IEPD Successfully Uploaded (IEPD のアップロード完了)」ページで「Download (ダウンロード)」をクリックすることです。ツールのページ左側に表示されたメニューのなかから「My IEPDs (マイ IEPD)」をクリックすることで、いつでも任意の IEPD をダウンロード、変更、または削除することができます。

生成された IEPD を調べてみると、アップロードしたすべての成果物ファイルのコピーに加え、新しく 2 つのファイルが生成されていることがわかります。そのうちの 1 つ、metadata.xml 文書 (リスト 2 を参照) には、この交換に関する情報用に標準化された IEPD 共通のフォーマットが記載されています。

リスト 2. メタデータ文書
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<Metadata>
    <URI>http://www.datypic.com/theftreport</URI>
    <Name>Theft Report</Name>
    <Summary>Exchange to report thefts of motor vehicles and bicycles in the state
                on a daily basis</Summary>
    <Description>Contains information about a theft of a motor vehicle or bicycle,
                including the theft date, location, description and identifiers of
                the stolen property, and victim and witness information.</Description>
    <Version>1.0</Version>
    <URL>http://www.datypic.com/theftreport</URL>
    <CreationDate>03/01/2010</CreationDate>
    <LastRevisionDate>03/01/2010</LastRevisionDate>
    <NextRevisionDate>06/01/2010</NextRevisionDate>
    <NIEMVersion>2.0</NIEMVersion>
    <Security>Public</Security>
    <Maturity>2</Maturity>
    <Status>Final</Status>
    <Schedule/>
    <Lineage/>
    <Relationships/>
    <Keywords/>
    <Domain>Justice, </Domain>
    <ExchangePartners/>
    <Process/>
    <TriggeringEvent/>
    <Conditions/>
    <Endorsements/>
    <Sponsors>Datypic</Sponsors>
    <Purpose>Report thefts of motor vehicles and bicycles to interested parties</Purpose>
    <MessageExchangePatterns>publish/subscribe</MessageExchangePatterns>
    <CommunicationsEnvironment/>
    <ExchangePartnerCategories>Law Enforcement, DMV,
                                  Department of Revenue</ExchangePartnerCategories>
    <AuthoritativeSource>
        <Category>none</Category>
        <Organization>
            <Name>Datypic</Name>
            <Address1/>
            <Address2/>
            <City/>
            <State/>
            <Zip/>
            <Country/>
            <URL>http://www.datypic.com</URL>
        </Organization>
        <PointOfContact>
            <Name>Priscilla Walmsley</Name>
            <Address1/>
            <Address2/>
            <City/>
            <State/>
            <Zip/>
            <Country/>
            <Phone>231-555-1212</Phone>
            <Fax/>
            <Email>pwalmsley@datypic.com</Email>
        </PointOfContact>
    </AuthoritativeSource>
</Metadata>

新規に生成されたもう一方の catalog.html ファイルは、IEPD に含まれる成果物の目次としての役割を果たす XHTML 文書です。図 7 に、このカタログ・ファイルを人間が読める形でレンダリングしたものを示します。XHTML に組み込まれた rddl:purpose のおかげで、コンピューターもこのカタログを読み取ることができます (図 7 をテキストのみで表現したものを見るには、ここをクリックしてください)。

図 7. レンダリングされた IEPD カタログ・ファイル
レンダリングされた IEPD カタログ・ファイルのスクリーン・キャプチャー

IEPD の検証

IEPD の作成が完了した後は、NIEM の Conformance Validation ツール (リンクについては「参考文献」を参照) を使用して IEPD の適合性をテストすることができます。このプロセスにより、必要なすべての成果物が IEPD に含まれていることが確実になります。このツールはまた、NIEM NDR (Naming and Design Rules) 文書に定義された NIEM に準拠したスキーマのルールと照らし合わせてスキーマを検証します。

Conformance Validation ツールのメイン・ページで「Begin (開始)」をクリックすると、図 8 に示すページが表示されます。このページでアップロードするファイルが、zip ファイルとして 1 つの完全な IEPD になります。ツールはカタログ・ファイルを使用して、すべての成果物の場所とタイプを判断します。成果物が目的を果たしていることを検証するように求めるページをクリックすると、「My Validations (マイ検証)」という新しいページ・セクションが表示され、そこに IEPD の適合性レポートが提供されます。

図 8. 適合性ツール
Work With IEPDs ツールに表示された Conformance Validation ツールのスクリーン・キャプチャー

図 9 に、適合性レポートの要約ページを示します。このレポートは Microsoft® Office Excel® 形式をしており、以下のワークシートがあります。

  • Summary: 図 9 に示す基本統計情報です。
  • NDR – All Rules: NDR のすべてのルールが一覧として提供されます。自動的にチェックできるルールに関しては、IEPD に含まれるスキーマの合否が示されます。自動的にチェックできないルールに関しては、それぞれのドロップダウン・リストを使用して、手動でチェックを行ったかどうかを示すことができるようになっています。
  • NDR – Schemas: すべてのスキーマ文書の要約と、それぞれのスキーマ文書が NIEM に準拠しているかどうかが記載されます。
  • NDR – Rules Auto Failed: NDR ルールに違反している各インスタンスの一覧が提供されます。
  • IEPD – Metadata: すべてのメタデータ・フィールドの一覧が提供されます。欠落している必須メタデータについては、エラーが示されます。
  • IEPD – Catalog: すべての成果物タイプが一覧として提供されます。欠落している必須タイプについては、エラーが示されます。

(図 9 をテキストのみで表現したものを見るには、ここをクリックしてください)。

図 9. 適合性レポートの要約
適合性レポートの要約のスクリーン・キャプチャー

Theft Report IEPD に関する適合性レポートの完全なコピーは、「ダウンロード」から入手することができます。


公開リポジトリーへの IEPD のサブミット

IEPD は共有されるためにあります。NIEM では相互運用性を支援するために共通の定義と手法を規定してはいるものの、2 つの IEPD が異なる NIEM のサブセットを使用していたら、それぞれの IEPD から作成された XML 文書を互いに対応させることはできません。したがって、IEPD を再利用することが、相互運用性を実現するためには欠かせません。

作成した IEPD を他のユーザーが使用できるようにするには、他のユーザーが見つけられるように IEPD を公開する必要があります。既存の IEPD のディレクトリーを提供している主要な Web サイトは 2 つあり、これらのサイトに IEPD をサブミットするのは簡単です。

それらのサイトの 1 つである NIEM の Web サイトでは、IEPD を掲載することができ、さらに Work With IEPDs ツールの「Search (検索)」機能を使ってその IEPD を検索することができます。そのためには、Work With IEPDs で IEPD 要約ページを表示し、右上にある「Edit (編集)」リンクをクリックします。次に「Edit Visibility/Sharing (表示/共有の編集)」をクリックして、「Edit Artifact Visibility (成果物の表示状態の設定)」ページを表示します (図 10 を参照)。

図 10. IEPD の表示状態の設定
Work With IEPDs ツールに表示された IEPD の表示状態を設定するページのスクリーン・キャプチャー

このページで「Shared (共有)」を選択し、IEPD が表示されるようにします。IEPD 自体は表示されても、個々の成果物は表示されないように設定することも可能です (それには、成果物の横にあるチェック・ボックスのチェック・マークを外します)。こうすれば、個々の成果物は機密扱いにされているとしても、ユーザーが IEPD を認識することができます。操作が完了したら、「Update Visibility (表示状態の更新)」をクリックしてください。

IEPD をサブミットできるもう 1 つの場所は、OJP (Office of Justice Programs) IEPD Clearinghouse です。サブミットするには、この情報センターの Web サイト (リンクについては「参考文献」を参照) にアクセスして、「Submit IEPD Information (IEPD 情報のサブミット)」をクリックし、IEPD をアップロードするためのフォームを入手します。


LEXS: IEPD のすべてを作成する代わりとなる手段

NIEM IEPD の開発プロセスを理解できたところで、もう一度、このタスクに取り組むべきかどうかを考えてください。連載の第 1 回で、独自の IEPD を一から作成する前に、既存の IEPD を再利用できないかどうかを検討するように提案しました。既存の IEPD を再利用すれば、他のアプリケーションとの相互運用性が改善されるだけでなく、かなりの作業を省けることにもなります。

その一方、要件をすべて満たす IEPD を見つけるのは時として困難です。そのような場合には、LEXS (Logical Entity Exchange Specification) を使用するのが賢い解決法となります。LEXS は、文書をダイジェストと構造化ペイロードに分割することによって、相互運用性と柔軟性という 2 つの重要な目標をバランスよく実現させる NIEM IEPD フレームワークです。最もよく使用される NIME コンポーネントが含まれるダイジェストには、一定の決まった構造があり、LEXS をベースとするすべての IEPD で相互運用することができます。そして構造化ペイロードにより、LEXS をベースとした IEPD は、それぞれに LEXS ベースのモデルを拡張してカスタマイズできるようになっています。LEXS はさらに、メッセージ交換、検索、購読、添付、およびレンダリングのソリューションも提供しています。LEXS Web サイトへのリンクについては、「参考文献」を参照してください。


まとめ

この記事は、NIEM IEPD を作成するプロセスについて説明する連載の最終回です。この連載を通して、情報交換モデルを作成する方法、モデルに適切な NIEM サブセットを作成する方法、そして NIEM の拡張を独自に作成する方法を説明してきました。今回、最終ステップとして説明したのは、スキーマと文書、そしてその他の成果物を IEPD にアセンブルする方法です。連載でこれまでに説明した、NIEM 準拠の情報交換に関するガイドラインに従うことで、NIEM の可能性を最大限に活かし、公共および民間部門の組織間での情報共有を促進することができます。


ダウンロード

内容ファイル名サイズ
Complete IEPDniem4iepd.zip157KB
IEPD Conformance Reportniem4confreport.zip26KB

参考文献

学ぶために

  • NIEM IEPD を作成する: 第 1 回 NIEM 情報交換モデルの作成」(Priscilla Walmsley 著、developerWorks、2010年1月): この 4 回の連載では、米国政府が後援する、公共および民間部門の組織間での情報共有を促進するためのイニシアチブ、NIEM (National Information Exchange Model) を使用して、包括的な情報交換ソリューションをセットアップします。
  • NIEM IEPD を作成する: 第 2 回 NIEM のマッピングとサブセットの作成」(Priscilla Walmsley 著、developerWorks、2010年2月): 連載の第 2 回では、第 1 回で作成したモデルを NIEM モデルにマッピングし、情報交換で NIEM のどの部分を再利用できるかを判断します。さらに、IEPD に組み込む NIEM モデルのサブセットを作成する方法も説明します。
  • NIEM IEPD を作成する: 第 3 回 NIEM の拡張」(Priscilla Walmsley 著、developerWorks、2010年3月): 連載の第 3 回では、拡張スキーマと交換スキーマを作成する手順を通して、モデルのなかで NIEM に直接対応していない部分をどのように処理するかを学びます。
  • NIEM: NIEM の目的およびその手法についての詳細は、NIEM の Web サイトを参照してください。
  • IEPD の要件: NIEM 準拠の IEPD を規定する全ルールが記載されています。
  • LEXS: 独自の IEPD を作成する代わりに LEXS を使用する方法について詳しく学んでください。
  • The NIEM Practical Implementer's Course: 無料で参加できるこのオンライン・コースで、NIEM のマッピングおよびサブセットの作成について詳しい指導を受けてください。
  • My developerWorks: developerWorks のエクスペリエンスを自分流にカスタマイズしてください。
  • IBM XML 認定: XML や関連技術の IBM 認定技術者になる方法について調べてください。
  • XML Technical library:広範な技術に関する記事とヒント、チュートリアル、標準、そして IBM Redbooks については、developerWorks XML ゾーンを参照してください。
  • developerWorks の Technical events and webcasts: これらのセッションで最新情報を入手してください。
  • Twitter での developerWorks: 今すぐ登録して developerWorks のつぶやきをフォローしてください。
  • developerWorks podcasts: ソフトウェア開発者向けの興味深いインタビューとディスカッションを聞いてください。

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Zone=XML, Industries
ArticleID=495794
ArticleTitle=NIEM IEPD を作成する: 第 4 回 IEPD のアセンブル
publish-date=05182010