RSS Generator を利用して、Lotus Domino の資産を RSS 化する

RSS Generator テンプレートと、Lotus Notes 8 の RSS リーダー機能の紹介

Lotus Domino で管理しているデータベースの情報は、原則的には Lotus Notes クライアントや Web ブラウザを利用して参照します。しかしそれ以外の方法がないわけではありません。今回は RSS Generator テンプレートを利用して、Domino の資産を RSS 化する方法を紹介します。なお、以下で紹介する内容は全て Lotus Notes/Domino 8.0.1 を利用しています。

RSS とは?

このコンテンツをご覧になっているほとんどの方がご存知だと思いますが、復習の意味をこめて RSS を簡単に説明しておきます。ニュースやブログなど、各種ウェブサイトの更新情報を特定の XML フォーマットにまとめて配信するための仕組み、およびそのフォーマットのことを "RSS" と呼びます。

ブログの更新情報の配信の仕組みとして利用されていることを目にする機会が多くありますが、他にもニュースサイトではリアルタイムに近い最新のニュースを RSS によるヘッドライン情報として配信するなど、様々な使われ方としています。同時にこの RSS を利用するための各種 RSS リーダーも用意され、ウェブサイトの一部として RSS を表示したり、PC だけでなく携帯電話や PDA などモバイル端末で RSS を利用するためのアプリケーションも提供されています。ニュースやイベントなどの情報をより早く簡単に入手するための仕組みとしての地位を築いています。

RSS の仕組みそのものにはウェブの技術が使われています。つまりウェブサーバーを通じて、HTML ではなく XML(RSS) で情報を配信する仕組みといえます。


Lotus Domino サーバーの設定

この後で説明する Lotus Domino サーバーに標準装備されている RSS 機能を利用する場合は、Lotus Domino の HTTP サーバーが UTF-8 を利用するよう事前設定が必要になります。サーバー文書を開き、"インターネットプロトコル" タブを選択し、"Domino Web Engine" タブ内の「出力に UTF-8 を使用(Use UTF-8 for output)」欄の値を "はい(Yes)" に設定する必要があります。必要であればこの値を変更し(図1)、Domino サーバーを再起動させてください。

図 1. UTF-8 を利用するための設定
UTF-8 を利用するための設定

RSS Generator データベースの用意

Lotus Domino サーバーには、Lotus Domino データベースの内容を RSS 化するためのテンプレート: rss_generator.ntf が用意されています。このテンプレートからデータベースを1つ作成し、RSS で配信する Lotus Domino データベースおよびビューを指定します。以下にその手順を紹介しますが、比較的簡単に Lotus Domino の情報を RSS 化することを可能にするツールです。

まず準備段階として、RSS 化するデータベースを決めておきます。ここで対象とするデータベースは Lotus Domino の標準テンプレートから生成されたデータベース(メール、ディスカッション、文書ライブラリなど)でも、ゼロから独自に作成したデータベースでも構いません。ただし以下2点の制限があります:

  1. RSS Generator データベースのある Lotus Domino サーバーと同じサーバー上にあるデータベースであること
  2. そのデータベースの ACL 設定において、デフォルトで読者権限が与えられていること

1. はこの後 RSS Generator データベースを Lotus Domino サーバー上に作成するのですが、RSS Generator データベースと同じサーバー上にある Lotus Domino データベースのみが RSS 化の対象にできる、ということです。つまり RSS 化するデータベースのある Lotus Domino サーバーでは HTTP タスクが起動しており、そのサーバー上に RSS Generator データベースが作成されている必要があります。

2. は対象データベースの ACL の問題です。RSS を利用する人に対して ID とパスワードで制限をかけることは可能ですが、対象となる情報を含む Lotus Domino データベースそのものにはデフォルトで読者権限が必要になるという点に注意してください。

図 2. ACL の設定
ACL の設定

以下の例では標準ディスカッションテンプレート(discsw7.ntf)から作成した Lotus Domino データベースを RSS 化する手順を紹介していきます。他の設計を持つデータベースの場合もほぼ同様ですので参考にしてください。

では RSS Generator データベースをテンプレートから作成します。Lotus Domino サーバーを起動し、Lotus Notes クライアントのメニューから ファイル→アプリケーション→作成 を選択し、データベース名やファイル名と適当に入力してサーバー上に新規データベースを作成します。その際にテンプレートとして Lotus Domino サーバー上の rss_generator.ntf を指定します。

図 3. テンプレートを指定して新規データベースを作成
テンプレートを指定して新規データベースを作成

この手順によって以下のようなデータベースが作成されます。Lotus Domino サーバー上にあるデータの RSS 化は全てこのデータベースを介す形で行っていきます。

図 4. テンプレートから作成されたデータベース
テンプレートから作成されたデータベース

RSS Generator データベースへの RSS の登録

次にこのデータベースを使って、どの Domino データを RSS 化するのかを定義していきます。まずはこのデータベースを開き、"RSS Feed Definitions" ビューの "New Feed" アクションを実行します。

図 5. 新規フィードの作成
新規フィードの作成

すると以下のような画面が現れます。

図 6. 新規フィードの設定画面(前半)
新規フィードの設定画面(前半)

この中身を以下のように埋めていきます:

表 1. 新規フィードの設定内容
項目内容
1. Choose a database and view to serve up as an RSS feed:
Database Type"Other, common database" を選択
Database"Pick from list" ボタンをクリックして、RSS としてフィードするデータベースを選択
View"Pick from list" ボタンをクリックして、フィードの対象とするビューを選択
2. Describe the RSS feed:
<title>フィードのタイトルとなる文字列を入力
<description>(optional)フィードタイトルの説明文を入力
<language>フィードで用いる言語を指定(Japanese)
<encoding>"UTF-8" を指定
3. Optional items to describe the RSS feed(特に変更の必要はありません。省略します)
4. Choose how to render each view-entry.
<title>"Columns"ボタンをクリックして "$122" を選択(ディスカッション以外のデータベースを使っている場合は、タイトルとなるビュー列を選択)
<author>Value 欄に "*Author" を指定
<pubDate>Value 欄に "*LastModified" を指定
<link>そのまま、指定なし
5. Add optional items for each view entry(特に変更の必要はありません。省略します)
図 7. 新規フィードの設定画面(後半)
新規フィードの設定画面(後半)

入力し終わったら画面上部の "Save & Exit" ボタンをクリックして保存します。


登録した RSS の動作確認

では作成した RSS フィードが正しく動作するかを確認してみましょう。Web ブラウザ(以下の例では FireFox を使っています)を開いて、Lotus Domino サーバー上の RSS Generator データベースにアクセスしてみます。今回の例であれば URL としては "http://(Dominoサーバー)/rsssample.nsf" を指定してアクセスすると、自動的に URL の最後に "/AvailableFeeds" が付加された URL にリダイレクトされ、以下のような画面になります:

図 8. RSS Generator データベースをブラウザで開いた所
RSS Generator データベースをブラウザで開いた所

先程 RSS Generator データベースに登録した1つのフィードが表示されています(複数のフィードを登録した場合はここに複数表示されます)。この "XML" と書かれた部分をクリックすると、目的の RSS フィードにアクセスして、以下のような表示になります(この時の URL が RSS リーダーに登録する際の URL になります)。

図 9. データベースが RSS 化された様子
データベースが RSS 化された様子

ちなみにこのデータベースを Lotus Notes クライアントで表示するとこのようになっています。図9 と見比べて、正しく RSS フィードが実現できていることが確認できます。

図 10. RSS 化される前のデータベースビューと比較
RSS 化される前のデータベースビューと比較

また RSS の各アイテムのリンクをクリックすると、対応する各 Notes 文書にジャンプしてブラウザ内で表示できることを確認してください。

図 11. RSS 化されたデータベースのリンクを確認
RSS 化されたデータベースのリンクを確認

Lotus Notes 8 クライアント付属の RSS リーダーからの利用

ここまでに Lotus Domino サーバーに標準装備される RSS Generator テンプレートを利用することで、簡単に Lotus Domino データベースが RSS フィード化できることを紹介しました。このように RSS 化できてしまえば、Lotus Notes クライアントを利用しなくても各種 RSS リーダーによって情報を取得することが可能になり、更新情報や最新情報をより手軽に取得できるようになりますが、最後に作成した RSS フィードを Lotus Notes 8 クライアントに付属の RSS リーダーを使って取り込む手順を紹介します。

クライアント側の手順を紹介する前に、まずは作成した RSS Generator データベースのアクセス権の問題をクリアする必要があります。RSS を利用する上ではこのデータベースの ACL に従ったアクセス制御がなされます。つまりこのデータベースにアクセスするためには (1)データベースが誰でもアクセスできるように設定されているか、(2) データベースへの ID &パスワードを事前に設定しておく、のいずれかの設定が必要になります。

(1) は RSS Generator データベースのアクセス権の設定だけで済むので Lotus Domino の管理をされたことのある方であれば簡単だと思います。ワークスペース上でデータベースを右クリックし、 アプリケーション→アクセス制御 を選択して Anonymous ユーザーに対して読者以上の権限を与えます。これによって誰でもこのフィードを参照できるようになります。

図 12. Anonymous ユーザーに読者権限を設定
Anonymous ユーザーに読者権限を設定

(2)あるいは同フィードを無制限に提供するのではなく、特定のユーザーだけに提供するのであれば、(1) の設定は行わずに(もし Anonymous ユーザーに読者以上の権限が設定されていた場合は「なし」に変更し)、各利用ユーザーごとに Lotus Notes クライアント内でアカウントの設定を行う必要があります。手順は Lotus Notes 8 クライアントを起動し、メニューから ファイル→プリファレンス を選択、そして「アカウント」プリファレンスで新規アカウントボタンをクリックして、以下のように RSS Generator データベースにアクセスするための情報(Lotus Domino サーバー名、および名前とパスワード。アカウント名は必須だが適当な名称で大丈夫)を入力して OK ボタンをクリックしてください。

図 13. Lotus Domino サーバーにアクセスするための設定
Lotus Domino サーバーにアクセスするための設定

(1), (2) いずれかの設定ができれば RSS フィードを購読する準備ができました。Lotus Notes 8 クライアントのサイドバーについている RSS フィードアプリケーションのメニューバーの左端のアイコンをクリックします。

図 14. RSS フィードの追加
RSS フィードの追加

「新規サブスクリプションの追加」ダイアログボックスが表示されたら、RSS フィードの URL を入力して、「進む」ボタンをクリックします。正しい URL が指定されていると、画面下部にこの RSS フィードの名前やを購読に関する情報が表示されますので必要に応じて変更し、最後に OK ボタンをクリックします。

図 15. 追加する RSS フィードの URL を指定
追加する RSS フィードの URL を指定

すると RSS フィードにこの情報が追加され、以下のように RSS リーダー内に表示されます。各アイテムをクリックするとより詳しい情報が表示され、またここから実際の Notes 文書を開くことも可能です。

図 16. RSS フィードが追加された様子
RSS フィードが追加された様子

まとめ

ここまでに RSS Generator テンプレートを利用して Lotus Domino データベースを RSS 化し、またその RSS フィードを Lotus Notes 8 クライアントのサイドバーに表示するまでの手順を紹介しました。 RSS リーダーを利用することで、特に更新や新着情報の多いデータベースの更新情報を、ほぼリアルタイムに、わざわざデータベースを開かなくても知ることができるようになる、というのがメリットです。Lotus Notes/Domino 環境をより便利に利用することができるこの方法を是非ご活用ください。

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