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WebSphere Extended Deployment V5.1のご紹介

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レベル: 初級

WebSphereテクニカル・セールス, , IBM

2004年 10月 06日

WebSphere Extended Deployment V5.1のご紹介

2004年7月にWebSphere Extended Deployment V5.1(以下WebSphere XD)がプレス・リリースされ、2004年第4四半期に出荷が予定されています。WebSphere XDはWebSphere Application Server Network Deployment V5.1(以下WAS ND)上で稼働し、大規模なアプリケーション・サーバー環境においてパフォーマンス、スケーラビリティー、可用性の向上と運用のしやすさをコンセプトに機能がデザインされています。その機能は以下の3つになります。

  • Dynamic Operations
  • Extended Manageability
  • High Performance Computing

ここではこれらの機能の概要を製品リリースに先駆けてご紹介します。なお、当製品は出荷前のBeta版の情報を元に作成しています。一部機能名などが出荷版では変更される場合がありますのであらかじめご了承ください。

Dynamic Operations

今回リリースされるWebSphere XD V5.1のメイン機能がこのDynamic Operationsです。Dynamic
OperationsではWAS NDをオンデマンド環境に対応させるランタイム機能を提供します。XDでは従来のJ2EEアプリケーションとサーバーの固定的関係をなくし、アプリケーションをデプロイするターゲット・サーバーを仮想化し、アプリケーションの実行時に動的にサーバー・リソースを割り当てることが可能となります。このDynamic Operationsを実現するために、XDでは既存のWAS NDのトポロジーに新たに下記を導入しています。

  • Node Group
    リソース・プールのことで、XDではノード(マシン)はいずれかのNode Groupに所属します。Node Groupに対しては後述のDynamic Clusterを複数作成することができ、ノード・グループ内のリソース(処理能力)はDynamic Clusterのメンバーに対して動的に配分されます。複数アプリケーション間でリソースを共有し、IT資源を有効活用することが可能となります。
  • Dynamic Cluster
    WAS NDのクラスターを拡張したもので、後述の運用ポリシーや実際のパフォーマンス状況に応じてメンバー(Application Server)の数を自立的に拡張、縮退することができます。これによって、特定のアプリケーションへの突発的なリクエストの集中にも対応が可能となります。
  • 運用ポリシー
    XDでは仮想化されたインフラの運用(リソースの拡張および縮退)方針を規定するために運用ポリシーという概念を導入しています。運用ポリシーでは、リクエスト・タイプ(URIパターンで定義)を定義するトランザクション・クラスと、パフォーマンス目標として平均レスポンス・タイムとビジネス上の重要度(7段階で指定)を定義するサービス・クラスの2つを定義します。作成したトランザクション・クラスをサービス・クラスにマッピングすることで運用ポリシーが決定されます。XDはこのポリシーにしたがって各リクエスト・タイプのパフォーマンス目標を達成すべくリソースの拡張と縮退を動的に行います。また、アクセス数がNode Group全体の処理能力を超えた場合には、重要度にしたがってよりビジネス上重要なリクエストのパフォーマンスを維持するように、リソースの再配分が行われます。これにより、従来のIT視点のみでなく、業務の重要性を考慮して、より重要なリクエストに高品質なサービスを維持させることが可能となります。
  • On Demand Router(ODR)
    ODRはWebSphere XD環境において、WASのフロントに位置し、インテリジェントなリバース・プロキシーとして稼働するコンポーネントで、バックエンドのWASに対してリクエスト・フローの制御を行います。ODRは3つの機能を持ちます。
    図1

    1. リクエストのクラス分けとキューイング
      リクエストをトランザクション・クラスで定義したURIパターンに基づいて識別し、サービス・クラスを特定します。次にリクエストをサービス・クラス単位でキューイングします。
    2. 流量制御
      バックエンド・システムを過負荷状態から守るために、ODRは同時に処理するリクエスト数を制限します。また、各キュー内のリクエスト数、サービス・クラスで定義された重要度に応じて、この最大同時リクエスト数のうちいくつを各リクエスト・タイプに配分するかが動的に決定されることで、パフォーマンスと重要度を考慮した流量制御が行われます。
    3. 動的ワークロード管理
      動的ワークロード管理機能では、各サーバーの相対的なキャパシティーに応じて動的に重み付けをアサインします。ODRはこの重み付けに応じてバックエンド・システムにリクエストを分散することで、全体のスループットとレスポンス・タイムを最適化します。



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Extended Manageability

WebSphere XDでは、大規模で複雑なシステムを容易に管理するために、WAS ND管理機能に対する拡張を提供します。XD V5.1では主に管理コンソールの拡張として、仮想化され自動運用されるXDトポロジーのビジュアル化、パフォーマンス・レポートの表示や管理コンソールの操作性の拡張機能が含まれます。


図2

XDのコンソールでは図2のようなXD環境の稼働状況や発生しているアクティビティーを瞬時に把握しやすくするための、トポロジー・ビューとチャート表示をサポートします。トポロジー・ビューではXDの状態をビジュアルに表示し、CPU使用率や各アプリケーション・サーバーのプロセスID、動的ワークロード管理のウェイトを確認することができます。また、XDによって実行されるアクティビティー(自動運用によるクラスターの拡張、縮退)が起きていることがインディケーター表示されるため、管理者は瞬時に状況を把握することができます。チャート表示では、現在のランタイム・データをグラフ形式で表示することができます。表示できるデータには平均レスポンス・タイム、リクエスト数、平均スループットなどが含まれ、表示するデータやデータのスコープ(例:セル、Node Group、サービス・クラス単位など)を選択できるようになっています。さらにXDの管理コンソールではTreeMap表示をサポートします。


図3

TreeMapは階層化されたデータを表示する技法で、WebSphereの各リソースは長方形で表現されます。一番外側の長方形がセルを表し、次の長方形がNode Group、その次がDynamic Cluster・・・というように各リソースが細分化され表現されます。長方形の大きさはトランザクションのボリューム、色彩は目標への到達度を表します。このTreeMapにより、特に大規模な環境では素早く全体の状況を把握することができ、またこの画面から問題箇所を割り出して粒度を変えて表示したり、ログやチャート表示に飛ぶことも可能です。




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High Performance Computing

証券、金融、予約システムやオンライン・オークションといったハイ・ボリュームOLTPアプリケーションでは、データベースへの頻繁な書き込み/読み込みや、データの整合性や可用性を保証する仕組みを取り入れることで、データベース・アクセスがボトルネックとなりえます。これを解消するソリューションとしてXDのHigh Performance Computingでは新しいデザイン・パターンであるパーティショニング・パターンとその実行環境としてWebSphere Partition Facility(以下WPF)をサポートします。パーティショニング・パターンではアプリケーションはデータにあわせてパーティション化され、クラスター内に分散されます。パーティションは、例えばオークション・サイトのカテゴリーや証券システムでの株の銘柄など、アプリケーションによって作成できるラベルのリストということができます。WPFはこのパーティションをクラスター内の各メンバーにアサインしたり、パーティションを意識したワークロード管理をランタイムでサポートします。パーティションニング・パターンの最大の利点は特定のデータにアクセスするアプリケーション・サーバーを1箇所に限定(つまりシングルトンとして稼働)できるため、アプリケーション・サーバー層でデータをキャッシュしてデータベースの「バッファ」として使用することで、現在のハイ・ボリュームOLTPシステムが抱えるデータベース・アクセスのボトルネックを解消し、ハイ・パフォーマンスでスケーラビリティーのあるシステム構成を組むことが可能となります。WPFでは、さらにパーティションの可用性を保証するためにHigh Availability Manager(以下HA Manager)という仕組みを利用しています。HA Managerはプロセスの稼働状況を管理し、サーバー・プロセスの障害時にはそのサーバーで実行されていたパーティションを別のプロセスにフェールオーバーさせます。このようにWPFは新しいデザイン・パターンとそれをサポートするランタイムによって、アプリケーションのパフォーマンス、スケーラビリティー、可用性を高めます。

WebSphere XDは、以上の3つの機能によって、複雑かつ大きな処理能力を求められることの多い企業やサービス業界において、お客様へのサービスレベルの向上、システムの柔軟性の向上、コスト削減といった課題を解決することをサポートします。



参考文献



著者について

WebSphereテクニカル・セールス,IBM




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