レベル: 中級 Mark Luchini, Staff Software Engineer, IBM Dana Duffield, Senior Software Engineer, IBM Rongzhong (Alex) Guo, Staff Software Engineer, IBM
2008年 12月 17日 IBM® WebSphere® Application Server V7は、以前のバージョンのWebSphere Application ServerからV7へ移行するための、単純で簡単なツールを持っています。
このマイグレーション・プロセスの概要では、マイグレーションをできるだけすばやく簡単に行うために、何が必要で何を予期すべきかを明らかにします。
はじめに
この文書はWebSphere Application Server V5.1.xと6.xからV7へのマイグレーションを始めるのに役立ちます。
この文書はWebSphere Application Server V7へのマイグレーション・ツールとその使い方についての大まかな概要と、シングル・サーバーと被管理セルの双方に適用されうるいくつかの特別な考慮点についての概要を示します。
マイグレーション・プロセスの詳細については、WebSphere Application Server V7 Information Center を参照して下さい。
この文書で使用する用語
まず、この文書で使用する用語の定義を示します。
| 用語 | この文書での定義 |
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バックアップ・ディレクトリ
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以前のバージョンのWebSphere Application Serverからマイグレーションを行うために必要な情報をすべて含んだ、WASPreUpgredeツールによって生成されるディレクトリ構成。
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セル
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単一のデプロイメント・マネージャーによって管理される一つ以上のノードの集合。
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convertScriptCompatibility
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V7の構成を、スクリプト互換性がサポートされるモードから、サポートされないモードへ変更するコマンド。
例えば、V5のトランスポートはチャネルに変換される。
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デプロイメント・マネージャー・プロファイル(dmgr)
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このプロファイルはデプロイメント・マネージャーとして振る舞い、V5.1とV6.xのデプロイメント・マネージャーのマイグレーションのマイグレーション先となる。
各セルにはデプロイメント・マネージャーはただ一つだけ存在することができる。
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フェデレートまたはフェデレーテッド
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セルにノードを追加する操作、または既にセルの一部であるノード。
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ファースト・ステップ
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新規にインストールされたシステムで便利な、たくさんの初期操作を単純化、整理する、V6とV7で提供されるツール。
各プロファイルのfirstsetpsディレクトリ内にあり、マイグレーション・ウィザードの起動に使用できる。
(IBM i と z/OS® では使用できない。)
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マイグレーションされた <アイテム>
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WebSphere Application Serverの構成要素を記述するために使用された場合、 このアイテムはマイグレーションの際に元のプロファイルからターゲット・プロファイル内へ移行されたことを示す。
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マイグレーション
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ここでは マイグレーション は、Java™ 2 Enterprise Edition (J2EE) アプリケーション (EARファイル) とWebSphere Application Serverの構成データ(リソースやセキュリティの設定など)を、以前のバージョンのWebSphere Application ServerからV7へ移行する操作に限定する。
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マイグレーション・ウィザード
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対話的にマイグレーションを行うグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(GUI)。このGUIはWASPreUpgredeとWASPostUpgradeの両方の手順を実行する。
(IBM i と z/OS® では使用できない。)
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新しい <アイテム>
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WebSphere Application Serverの構成要素を記述するために使用された場合、このアイテムはターゲット(またはマイグレーションされた)プロファイル内に存在することを示す。
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以前の <アイテム>
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WebSphere Application Serverの構成要素を記述するために使用された場合、このアイテムは元のプロファイル内に存在することを示す。
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プロファイル
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このコンセプトはV5のインスタンスの考えを拡張し、WebSphere Application Server V6とV7におけるすべての構成データの集合を示す。
WebSphere Application Server V7はバイナリーの単一のインストールで複数のプロファイルを提供する。
以前のバージョンからマイグレーションされるデータの行き先として、単一のプロファイルが必要となる。
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ソース・プロファイル
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情報がV7へ移行される、WebSphere Application Server V5.1またはV6.xの構成。
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スタンドアロンまたはアプリケーション・サーバー・プロファイル
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単一ノードのWebSphere Application Serverインストールに類似したプロファイル。
この種類のプロファイルはセル内、セル外双方のマイグレーション先となる。フェデレートされたノードについてはカスタム・プロファイルが推奨される。
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ターゲット・プロファイル
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構成がマイグレーションされる先のV7プロファイル。WebSphere Application Server V7構成に類似している。
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V6, V5 など
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この形式の記述は様々なバージョンのWebSphere Application Serverを示す。
例えば、V6.0.2とV6.1の双方に適用される情報に対してはV6が使用される。
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WASPreUpgrade
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二つのマイグレーション・プロセスの一つ目を実行するツール。
このステップは以前のバージョンのWebSphere Application Serverから情報を抽出し、バックアップ・ディレクトリへ格納する。
このツールはコマンドラインから単独で起動できる他、マイグレーション・ウィザードの一部として実行することができる。
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WASPostUpgrade
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2ステップのマイグレーションの二つ目のステップを実行するツール。
このステップはWASPreUpgredeツールで生成されたディレクトリから情報を取得し、V7プロファイルへインポートする。
このツールはコマンドラインから単独で起動できる他、マイグレーション・ウィザードの一部として実行することができる。
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プラットフォーム別WebSphere Application Serverのマイグレーション・サポート
マイグレーション・サポートとツールの基本はWebSphere Application Server V7でサポートされるすべてのOSに共通です。
このツールの根本は コマンドライン・ツールの実行 で述べられています。
しかし、いくつかのOSについてはどのインターフェイスが利用可能かが異なり、いくつかのOSには固有の特徴があります。
下にこのサポートの大まかな概要を示します。
z/OS
WebSphere Application Server for z/OSからV7へのマイグレーションには、バッチ・ジョブのカスタマイズと、ノードをマイグレーションするためにそれらのジョブを実行することが含まれます。
カスタマイズはWebSphereカスタマイゼーション・ツール for V7に含まれるz/OSマイグレーション管理ツールを使用することで達成されます。
セル内の各ノードはそれぞれのカスタマイズ済みジョブを持ち、セルはノードごとにマイグレーションされます。初めはデプロイメント・マネージャー・ノードです。
z/OSマイグレーション管理ツールはz/OS上のマイグレーションをサポートする唯一のインターフェイスです。
z/OSに固有の特徴についてはマイグレーション・ステップとともに、ホワイトペーパー Migrating to WebSphere z/OS V7 by Don Bagwell で網羅されています。
WebSphere Application Server V7 Information Center にある情報と関連するこのホワイトペーパーは、z/OS上のマイグレーションのサポートについて卓越した記述がなされています。
我々はこの記事にある情報を繰り返すことはしません。
IBM i
WebSphere Application Server for IBM i からV7へのマイグレーションは コマンドライン・ツールの実行 セクションで記述されているツールの呼び出しを含みます。
これらのコマンドライン・ツールを使用することはIBM i上のマイグレーション・サポートへの唯一のインターフェイスです。
この記事をIBM iでのマイグレーションに利用することは可能ですが、マイグレーション・ウィザード セクションで記述されているサポートはIBM iでは適用できないことに注意して下さい。
また、マイグレーションCDもIBM iでは利用することができません。
分散系プラットフォーム
分散系プラットフォームとはz/OSとIBM iを除く、WebSphere Application ServerでサポートされるすべてのOSを含みます。
それらのOSの完全なリストとシステム要件についてはList of supported software for WebSphere Application Server V7を参照して下さい。
これらのOSは コマンドライン・ツールの実行 または マイグレーション・ウィザード の使用がサポートされています。
1. マイグレーションの準備
このセクションでは、以前のバージョンのWebSphere Application ServerからV7へマイグレーションを試みるのに先だって点検すべき、重要な問題について扱います。
特に記さない限り、ここでのすべての議論はV5.1とV6.xのいずれにも適用されます。
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前提条件ソフトウェアのバージョンを確認する
List of
supported software for WebSphere Application Server V7 を参照し、利用予定のOSと関連するソフトウェアのバージョンと修正レベルについて、最低の要件を確認します。
既存のV5.1またはV6が、V7の前提条件を満たさない (例えば AIX® 5.1 や Sun™ Solaris™ 8) 場合、WebSphere Application Server V7の導入の前にOSのアップグレードが必要となります。
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情報収集
コマンドライン・ツールを使用したマイグレーション手順を開始する前に、V5.1またはV6セルのセル名とすべてのノード名を書き留めておきましょう。
これらの値は、セル内で各ノードのV7プロファイルを作成する際に使用されます。
プロファイルについては 次のセクション で議論します。
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バックアップを取る
マイグレーションを始める前に、WebSphere Application Server 環境のバックアップを取得します。
このことは特に、インクリメンタルなセルのアップグレードを試みる際に重要です。
現行の環境を保存するために、WebSphere Application Server バックアップ・ツールを使用することができます。
ツールについて詳しくは、V5.1 または V6.x インフォメーション・センターの backupConfig ユーティリティについての記載を参照して下さい。
(リソース をご覧下さい。)
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現存する WebSphere Application Server 環境をそのままにしておく
この項目はいくら強調してもしきれないほど重要です。
現存する WebSphere Application Server V5.1 または V6 の構成を削除せず、そのままにしておいて下さい。
WebSphere Application Server V7 は、一度にいずれかのバージョンのみを稼働させる限りにおいて、これらの現存する環境と安全に共存できます。
加えて、現存する環境をそのまま取っておけば、必要な場合には元に戻すことができます。
2. WebSphere Application Server V7 のインストール
V7 のインストール手順は V5 のものから変更されています。
一つの重要な変更点は、マイグレーションがインストールから分離されたことです。
先に触れましたように、マイグレーション・ウィザード(分散系OSでのみ利用可能)は、インストールの後で使用することができます。
もし、以前のジージョンでインストールとマイグレーションにサイレント・オプションを使用していた場合、インストールのみをサイレントに行うことができ、その後、手動でマイグレーションのためにコマンドライン・ツールを使用する必要があります。
WebSphere Application Server V7 では、V6 で導入された、WebSphere Application Server の構成とアプリケーション・ファイルのセットの独立したインスタンスであるプロファイルの考え方を使用します。
端的に言えばプロファイルとは、WebSphere Application Server の核となるバイナリー・ファイルの単一のコピーで、V7 の複数の構成を可能にするものです。
プロファイルは V5.1 インスタンスを改良し、V7 ではこれらのプロファイルを作成し、管理するためのツールを使用することができます。
図1. に示すプロファイル管理ツールを起動するには、ファースト・ステップ・ツールを使用します。
図1. プロファイル管理ツール
WebSphere Application Server Network Deployment V7 (以降 Network Deployment とします) では、5種類のプロファイルを使用することができます。
- デプロイメント・マネージャー
- ジョブ・マネージャー
- 管理エージェント
- カスタム
- アプリケーション・サーバー
WebSphere Application Server V7の他のエディションでは、アプリケーション・サーバー・プロファイルのみが使用可能です。
図1は Network Deployment のプロファイル管理ツールで、環境と呼ばれる、あらかじめ定義されている4つのプロファイル・レイアウトから選択することができます。
マイグレーション・ウィザードを実行する前にプロファイルが存在する必要はありません。
しかし、マイグレーション・コマンドライン・ツールを使用する場合は、プロファイルを作成しておく必要があります。
以前のリリースからのマイグレーションのためにプロファイルを作成する場合、以前のバージョンと新しいバージョンでいくつかの値が一致している必要があります。
特に、デプロイメント・マネージャーをV7へマイグレーションする場合、V7 プロファイルのセル名はV5.1またはV6のセル名と一致しなくてはなりません。
V7 フェデレーテッド・セルへマイグレーションする場合、V7プロファイルのノード名は V5.1またはV6のフェデレーテッド・セルのものと一致している必要があります。
スタンドアロン・システムなどセルの一部でないノードについては、V7 プロファイルにおいてこのような命名の要件はありません。
すべての場合において、もしも新旧のプロファイル間でノード名とセル名の有効な不一致があった場合、新しいプロファイルの値が使用され、マイグレーションはWebSphere Application Serverのすべての構成情報を新しいプロファイル名を用いるように更新します。
プロファイルの作成と更新にマイグレーション・ウィザードまたはz/OSのカスタム・ジョブを使用する場合は、これらの値は自動的に記入されます。
Network Deploymentのマイグレーションでは、プロファイルは以下に示す特定の順序に従う必要があります。
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デプロイメント・マネージャー・プロファイル
セルをマイグレーションしようとする場合は常に、このプロファイルを最初にマイグレーションしなければなりません。
マイグレーションされたV7デプロイメント・マネージャー・プロファイルは、セル内のすべてのV5.1とV6ノードを管理することが可能です。
WebSphere Application Server V7では、マイグレーションされたデプロイメント・マネージャーを、マイグレーション前のセル内に存在したV5.1ノードのみを管理するように設定することが可能です。
特に、V5.1ノードはV7デプロイメント・マネージャーへフェデレートすることはできませんが、V6.0.2とそれ以降のノードはV7デプロイメント・マネージャーへ追加することができます。
V5.1ユーザーにとって、デプロイメント・マネージャー・プロファイルはWebSphere Application Server Network Deployment V5.1とデプロイメント・マネージャーの導入に似ています。
それぞれのセルは、ただ一つのデプロイメント・マネージャーを持たなくてはなりません。
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ジョブ・マネージャー・プロファイル
このプロファイルはV7で初めて導入されたため、以前のバージョンに類似のプロファイルを持ちません。
そのため、V7ジョブ・マネージャーへマイグレーションが可能な構成は存在しません。
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管理エージェント・プロファイル
このプロファイルはV7で初めて導入されたため、以前のバージョンに類似のプロファイルを持ちません。
そのため、V7管理エージェントへマイグレーションが可能な構成は存在しません。
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カスタム・プロファイル
このプロファイルはフェデレートされたノードのマイグレーションに有用です。
このプロファイルにはデフォルトのアプリケーションまたはアプリケーション・サーバーが存在しません。
以前のリリースのそれぞれのノードはただ一つのカスタム・プロファイルへマイグレーションすることができます。
それらのノードはV7混合セルのメンバーとなることも可能であり、またいつでもV7ノードへマイグレーションされることができます。
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アプリケーション・サーバー・プロファイル
このノードはV5またはV6の単一ノード・インストールに似ています。
このプロファイルはserver1と呼ばれるアプリケーション・サーバーと、いくつかのデフォルト・アプリケーションと共に作成されます。

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3. マイグレーションを実施する
選択した方法に従ってマイグレーションを実施します。
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マイグレーション・ウィザードの実行、または
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コマンドライン・ツールの実行.
3a. マイグレーション・ウィザードの実行
マイグレーション・ウィザードはV7で新しくなり、改善されました。
V5.1のアプリケーション・サーバー・インストーラーの一部であったマイグレーション・パネルを置き換えるものです。
マイグレーション・ウィザードはIBM iとz/OSプラットフォームでは使用できません。
マイグレーション・ウィザードはファースト・ステップ・パネルに見つけることができます。
マイグレーション・ウィザードを実行するには、
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プロファイル・ディレクトリ (例えば、C:\WebSphere\AppServer\profiles\default\) が存在する場合、そのディレクトリからファースト・ステップを起動します。
Windows® では、プロファイル・ディレクトリのfirststepsフォルダ、またはスタートメニューのいずれからでも起動できます。
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ファースト・ステップが起動したら、マイグレーション・ウィザードを選択してマイグレーションを開始します (図2)。
図2. ファースト・ステップ・パネル
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ウェルカム・パネルが表示されたら、検出されたバージョンのリストからマイグレーション対象を選択します(図3)。
以前のバージョンのインストール・ルート・ディレクトリフィールドに表示されるロケーションが正しいことを確認することが重要です。
もしもマイグレーション対象のバージョンがウィザードで検出されなかった場合は、現存の製品がリストされない場合にインストール・ロケーションを指定するをチェックし、このフィールドにロケーションを指定します。
図3. WebSphere Application Serverの掲出されたバージョン
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マイグレーション対象のバージョンを選択します(図4)。
V5では一般的にデフォルト・インスタンスをマイグレーションします。
しかしながら、一つを超える数のインスタンスを作成している場合には、他のV5インスタンスのいずれかを選択することができます。
V6ではマイグレーション対象のプロファイルを選択できますが、デプロイメント・マネージャーは常にフェデレーテッド・ノードより先にマイグレーションしなければならないことに留意して下さい。
図4. ソース・プロファイルの選択パネル
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同一のシステム上に一つ以上のプロファイル、例えばV7デプロイメント・マネージャーとV7ノード・プロファイルを定義した場合、ターゲットとするプロファイルを選択する必要があります(図5)。
V7プロファイルをまだ作成していない場合には、<新規プロファイルの作成> を選択すれば、マイグレーション・ウィザードがプロファイルを作成してくれます。
図5. ターゲット・プロファイルの選択パネル
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マイグレーション・ウィザードにプロファイルを作成させる場合は、図6に示すパネルが表示されます。
マイグレーション・ウィザードは必須のフィールドに適切な値を記入してくれます。
例えば、デプロイメント・マネージャーをマイグレーションしようとしている場合には、マイグレーション元のセル名をウィザードが判別してくれる、などです。
図6. プロファイル作成パネル
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マイグレーション・ウィザードは以前のバージョンのWebSphere Application ServerをV7へマイグレーションするために、バックアップ・ディレクトリを使用します。
バックアップ・ディレクトリの場所を指定するか、存在しない場合はどこに作成するかを指定します(図7)。
図7. マイグレーション・バックアップ・ディレクトリー・パネル
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図8と9はアプリケーションのマイグレーション設定です。
これらのパネルにより、V7マイグレーション・ウィザードがWASPostUpgradeコマンドの新しいパラメーターを使用できるようになります。
これらのパネルで、アプリケーションをマイグレーション、インストールするかどうか、または後でアプリケーションをマイグレーションするためのスクリプトを生成するかを選択できます。
また、アプリケーションのインストール先を選択することも可能です。
図8. アプリケーション・インストール・マイグレーション設定パネル
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次のパネル (図9) で、アプリケーションのインストール先を変更することができます。
デフォルトでは、WebSphere Application Server V7のconfigディレクトリにインストールされます。
アプリケーションをWebSphereディレクトリ構造の外にインストールした場合には、以前のバージョンと同様のアプリケーション・ディレクトリを保存するオプションを選択できます。
また、アプリケーションをインストールする新規の、または別のディレクトリを入力することもできます。
アプリケーションのインストール先ディレクトリが重要でなければ、デフォルトの値を受け入れて下さい。
図9. アプリケーション・ディレクトリ・マイグレーション設定パネル
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デフォルトでは、V5とV6デプロイメント・マネージャーはマイグレーションの間、無効に設定されます。
しかし、必要な場合には、以前のバージョンのデプロイメント・マネージャーを無効にしないを選択することができます(図10)。
これにより、マイグレーションの進行中に以前のバージョンのデプロイメント・マネージャーを使用することが可能となります。
しかし、これはサポートされない構成であり、このオプションは非常に注意深く使用する必要があります。
複数のデプロイメント・マネージャーが同一の被管理ノードで稼働することを防止するために、以前のデプロイメント・マネージャーは停止、無効化されます。
ここで以前のデプロイメント・マネージャーを無効化しないのであれば、新しいデプロイメント・マネージャーが稼働を始める前までに、以前のデプロイメント・マネージャーを無効化し使用しないようにしなければなりません。
図10. デプロイメント・マネージャーの無効化パネル
-
ポート値割り当てパネルで、使用するポートの値を指定します(図11)。
マイグレーション元のポート値を使用するように設定することが可能であり、この場合、マイグレーションに先だって V7 Webコンテナー・ポートが除去され、マイグレーションされようとしているWebコンテナー・ポートの競合を防ぎます。
また、マイグレーション・プロセスの間に作成されるすべてのポートのための、ポートのブロックを選択することも可能です。
図11. ポート値割り当てパネル
カスタマイズされた管理コンソールであるマイ・タスクはV6.1の新機能であるため、図12はV6.1からのマイグレーションの場合にのみ表示されます。
デフォルトのワークスペース・ユーザー・ルート・ロケーション(V6.1のプロファイル・ルート下のwstempディレクトリ)か、ユーザー指定のワークスペース・ルート・ロケーションのいずれかを選択することができます。
図12. カスタマイズされた管理コンソール マイ・タスク パネル
管理セキュリティ・パネルではユーザー名とパスワードを提供する必要があります(図13)。
このパネルは以前のバージョンでグローバル・セキュリティが有効で、security.xmlが対応するユーザー名とパスワードを含んでいない場合に表示されます。
典型的にはV6.1からのマイグレーションで発生します。
図13. 管理セキュリティ・パネル
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図14にて示されるパネルで、スクリプト互換性をサポートするようにマイグレーションするかを指定します。
例えば、構成の定義を生成または変更するためのスクリプトやプログラムを持っていれば、スクリプト互換性をサポートするようにマイグレーションするをチェックします。
このオプションを選択しなければ、マイグレーション・ツールは、例えばトランスポートではなくV7チャネルを作成します。
convertScriptCompatibilityコマンドについて、詳しくは次のセクションで扱います。
図14. スクリプト互換性パネル
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マイグレーション・サマリー・パネル (図15) は、コマンドが実行される前に表示される最後の画面です。
これまでの選択をここで確認し、必要であれば変更のために前に戻ります。
図15. マイグレーション・サマリー・パネル
-
新規プロファイルの作成を選択した場合は、図16に似たパネルが表示されます。
プロファイルの作成が成功すれば、マイグレーションは続行されます。
プロファイルの作成に問題があれば、ウィザードは終了します。
図 16. プロファイル作成結果の出力パネル
-
マイグレーション・サマリー・パネル (またはプロファイル作成出力パネル) で次へを選択し、マイグレーションを実行します。
WASPreUpgredeコマンドが実行され、WASPostUpgradeコマンドが続きます。
これらのコマンドが実際にマイグレーションを実行するもので、次のセクションで議論します。
-
WASPreUpgredeとWASPostUpgradeが完了すると、マイグレーション・ステータス・パネル(図17)が表示され、マイグレーション・コマンドからの出力の状態の要約が提供されます。
図 17. マイグレーション・ステータス・パネル
3b. コマンドライン・ツールの実行
以前のバージョンをWebSphere Application Server V7へ手動でマイグレーションするために、WASPreUpgredeとWASPostUpgradeコマンドを使用することができます。
マイグレーション・ウィザードは自動化されたマイグレーション・プロセスの一部として、これらのツールを呼び出します。
コマンドはリリースごとに変更されるため、これらのコマンドはV5.1やV6ディレクトリではなく常にV7プロファイル・ディレクトリから呼び出されます。
コマンドはV7プロファイルのbinフォルダ内に見つけることもできますが、このディレクトリからコマンドを実行した場合は、どのV7プロファイルに対してコマンドを実行するかを指定する必要があります。
-
WASPreUpgrade
WASPreUpgredeコマンドはすべての関係するV5とV6 WebSphere Application Server構成情報のバックアップを作成します。
バックアップの内容はバージョンと構成に依存します。
WASPreUpgradeコマンドの文法
WASPreUpgrade バックアップ・ディレクトリ
現在のWebSphereディレクトリ
[-traceString トレース仕様]
[-traceFile ファイル名]
[-machineChange true | false]
[-oldProfile 旧プロファイル名]
[-workspaceRoot ユーザー・ワークスペース・フォルダ] |
初めの2つのパラメーターだけが必須です。V5.1に対しての実行例を示します。
C:\IBM\WebSphere\AppServer7\profiles\default\bin\WASPreUpgrade.bat
C:\IBM\WebSphere\Backupv51Config
C:\IBM\WebSphere\AppServer51 |
WASPreUpgredeの出力の最後の2行は、成功した場合は次のようになります。
MIGR0303I: The existing WebSphere Application Server environment is saved.
MIGR0420I: The first step of migration completed successfully. |
WASPreUpgredeコマンドについて詳しくは
WebSphere Application Server V7 Information Center
参照するか、WASPreUpgrade コマンドをパラメーターなしで起動するとコマンド文法が表示されます。
マイグレーションにおける問題を解析するには、WASPreUpgradeログを参照して下さい。
-
WASPostUpgrade
WASPostUpgradeコマンドは、WASPreUpgredeコマンドで作成されたバックアップを使用して、以前の構成をV7へ移行します。
WASPostUpgradeコマンドの文法
WASPostUpgrade バックアップ・ディレクトリ
[-profileName プロファイル名]
[-oldProfile プロファイル名]
[-backupConfig true | false]
[-username ユーザー名]
[-password パスワード]
[-traceString トレース仕様
[-traceFile ファイル名]]
[-portBlock 開始ポート番号]
[-replacePorts true | false]
[-includeApps true | false | script]
[-scriptCompatibility true | false]
[
[-appInstallDirectory ユーザー指定のディレクトリ]
|
[-keepAppDirectory true | false]
]
[-keepDmgrEnabled true | false]
|
最初のパラメーターのみが必須です。実行例を示します。
C:\IBM\WebSphere\AppServer7\profiles\default\bin\WASPostUpgrade.bat
C:\IBM\WebSphere\Backupv51Config |
二つ以上のV7プロファイルが存在する場合、プロファイル名 パラメーターを使用して、どのプロファイルをアップデートするかを指定します。
プロファイル・ディレクトリではなく、WebSphere Application Serverのメイン・ディレクトリからコマンドを実行する場合、このことは特に重要です。
(例えば、 C:\IBM\WebSphere\AppServer7\profiles\default\bin と C:\IBM\WebSphere\AppServer7\bin のように。)
コマンドがWebSphere Application Serverのメイン・ディレクトリから実行され、プロファイル名 が使用されない場合、コマンドは デフォルトのプロファイル(プロファイル名が "default" である必要は必ずしもありません)を使用します。
WASPostUpgradeコマンドは成功はしても warnings を出力することがあり、その場合は警告の原因を探るためにログ・ファイルを参照し、追加の操作が必要かどうかを確認します。
WASPostUpgradeコマンドの最終的な出力は、下のいずれかのようになります。
MIGR0259I: The migration has successfully completed. |
または
MIGR0271W: Migration completed successfully, with one or more warnings. |
WASPostUpgradeツールは変更を加える前にV7環境のバックアップを作成し、下のようなエラーが発生した場合にすべての変更をロールバックしようと試みます。
MIGR0272E: The migration function cannot complete the command. |
WASPostUpgradeコマンドについて詳しくは
WebSphere Application Server V7 Information Center を参照するか、またはコマンド文法を表示するためにWASPostUpgradeコマンドをパラメーターなしで起動します。
マイグレーションの問題を解析するには、WASPostUpgradeのログを参照して下さい。
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convertScriptCompatibility
convertScriptCompatibilityコマンドは、スクリプト互換性がサポートされるモードからサポートされないモードへV7構成を変換します。
スクリプト互換性モードは -scriptCompatibility true としてWASPostUpgradeを実行するか、デフォルトの値を用いることで起動されます。
convertScriptCompatibilityの文法
convertScriptCompatibility [-help]
[-backupConfig true | false]
[-profileName プロファイル名]
[-nodeName ノード名 [-serverName サーバー名]]
[-traceString トレース仕様
[-traceFile ファイル名]] |
必須のパラメーターはありません。実行例を示します。
C:\IBM\WebSphere\AppServer61\profiles\default\bin\convertScriptCompatibility.bat |
二つ以上のV7プロファイルが存在する場合、プロファイル名 パラメーターを使用して、どのプロファイルをアップデートするかを指定します。
プロファイル・ディレクトリではなく、WebSphere Application Serverのメイン・ディレクトリからコマンドを実行する場合、このことは特に重要です。
(例えば、 C:\IBM\WebSphere\AppServer7\profiles\default\bin と C:\IBM\WebSphere\AppServer7\bin のように。)
コマンドがWebSphere Application Serverのメイン・ディレクトリから実行され、プロファイル名 が使用されない場合、コマンドは デフォルトのプロファイル(プロファイル名が "default" である必要は必ずしもありません)を使用します。
この変換をフェデレーテッド・ノードに対して行う場合は、特別の考慮が必要です。
コマンドは、-nodeName パラメーターを使用して、変換元のフェデレーテッド・ノードを指定する dmgr プロファイルに対して実行されなくてはなりません。
convertScriptCompatibilityを実行した後、これらの変更をノードへダウンロードするために、フェデレーテッド・ノードを手動で同期する必要があります。
convertScriptCompatibilityが成功すれば、下のメッセージで終了します。
MIGR0259I: The migration has successfully completed. |
convertScriptCompatibilityツールは変更を加える前にバックアップを作成し、下のようなエラーが発生した場合には、すべての変更のロールバックを試みます。
MIGR0272E: The migration function cannot complete the command. |
convertScriptCompatibilityの使用の詳細は
WebSphere Application Server V7 Information Center
を参照するか、コマンド文法を表示するために -help を指定してconvertScriptCompatibilityコマンドを実行します。
マイグレーションに関するトラブルを解析するには convertScriptCompatibilityのログ を参照して下さい。

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4. ログ・ファイルをレビューする
手動でのマイグレーションまたはウィザードによるマイグレーションのいずれにおいても、何らかの操作を必要とするエラーや警告を見つけるためにログ・ファイルをレビューすることはよいアイディアです。
トレース・ファイルはz/OSを除くすべてのプラットフォームでデフォルトで生成されます。
しかしながら、それらのファイルは必要に応じ、IBMサポートにより使用されるものです。
WASPreUpgradeのログ
WASPreUpgredeコマンドを手動で実行した場合、下のログ・ファイルが生成されます。
<バックアップ・ディレクトリ>/logs/WASPreUpgrade.<日付-時刻>.log
<バックアップ・ディレクトリ>/logs/WASPreUpgrade.trace
マイグレーション・ウィザードによってマイグレーションした場合、これらのログとトレース・ファイルが生成されます。
<バックアップ・ディレクトリ>/logs/preMigrationOutput.log
<バックアップ・ディレクトリ>/logs/WASPreMigrationSummary.log
WASPostUpgradeのログ
WASPostUpgradeコマンドを手動で実行した場合、下のログ・ファイルが生成されます。
<バックアップ・ディレクトリ>/logs/WASPostUpgrade.<プロファイル>.<日付-時刻>.log
<バックアップ・ディレクトリ>/logs/WASPostUpgrade.<プロファイル>.trace
<プロファイル・ディレクトリ>/logs/<CloudscapeDB名><Log|Debug><日付-時刻>.log
マイグレーション・ウィザードによってマイグレーションした場合、これらのログとトレース・ファイルが生成されます。
<バックアップ・ディレクトリ>/logs/WASPostMigrationSummary.log
<バックアップ・ディレクトリ>/logs/<CloudscapeDB名><Log|Debug><日付-時刻>.log
convertScriptCompatibilityのログ
convertScriptCompatibilityコマンドを手動で実行した場合、以下のログ・ファイルが生成されます。
<プロファイル・ディレクトリ>/logs/convertScriptCompatibility.<日付-時刻>.log
<プロファイル・ディレクトリ>/logs/ConvertScriptCompatibility
相違と例外
マイグレーションを手動で実行した場合でもウィザードで実行した場合でも、新旧の構成間に相違があることに気づくでしょうし、-scriptCompatibility false (デフォルトでない) オプションを指定したりconvertScriptCompatibilityツールをした場合には、より多くの相違があるでしょう。
ここでは注意すべきいくつかのよくある事柄を扱います。
新規ポートとポートの変更
新しいリリースのWebSphere Application Serverには通常、新しいサービスが存在し、そのため新しいエンドポイントが存在します。
これらのサービス・エンドポイントはネットワーク・アドレスをバインドすることがあります。例えば、IPC_INBOUND_CONNECTOR があります。
これらの新規ポートはマイグレーションされた構成と競合しないように更新されますが、同一の物理ハードウェア上の複数のプロファイル間では、ポートの競合を解決するように更新されません。
このため、プロファイルの作成の際か、マイグレーション・ツールでプロファイルを作成した場合はマイグレーションの後に、ポートの競合を手動で解決する必要があります。
加えて、ポート競合の解決をどう設定したか (WASPostUpgradeツールでの -portBlock と -replacePorts) によって、いくつかのポート値は以前の構成からも、V7プロファイル作成の一部として生成されたものからも変更されていることがあります。
ポートをバインドするすべてのサーバーにおいて、マイグレーション・コンポーネントはポートの更新を、WASPostUpgradeのタイム・スタンプ付きのログ・ファイルに記録します。
このログを見つける方法については前のセクションを参照して下さい。
標準形式の要約ビューを以下に示します。
MIGR0446I: Port conflicts were resolved during migration as shown below for
document: C:/workarea/WebSphere/v7/profiles/profile/config/cells/cellName/
nodes/nodeName/servers/dmgr/server.xml
Port Identifier Port Value
--------------- ----------
dmgr@transport_9090 9090
dmgr@transport_9043 9043
MIGR0446I: Port conflicts were resolved during migration as shown below for
document: C:/workarea/WebSphere/v7 /profiles/profile/config/cells/cellName/
nodes/nodeName/serverindex.xml
Port Identifier Port Value
--------------- ----------
dmgr@CSIV2_SSL_MUTUALAUTH_LISTENER_ADDRESS 9402
dmgr@SAS_SSL_SERVERAUTH_LISTENER_ADDRESS 9401
dmgr@WC_adminhost_secure 9044
dmgr@DRS_CLIENT_ADDRESS 7989
dmgr@DCS_UNICAST_ADDRESS 9352
dmgr@WC_adminhost 9060
dmgr@IPC_CONNECTOR_ADDRESS 9632
dmgr@DataPowerMgr_inbound_secure 5555
dmgr@CSIV2_SSL_SERVERAUTH_LISTENER_ADDRESS 9403
dmgr@CELL_DISCOVERY_ADDRESS 7277
dmgr@ORB_LISTENER_ADDRESS 9100
dmgr@BOOTSTRAP_ADDRESS 9809
dmgr@SOAP_CONNECTOR_ADDRESS 8879 |
ノード名とセル名の変更
以前のリリースからマイグレーションした際にノード名とセル名の不一致がある場合には、なぜこのことが起こったかに注意しなければなりません。
デプロイメント・マネージャーのマイグレーションでは、V7デプロイメント・マネージャーのノード名はV5.1またはV6のノード名を置き換えます。
スタンドアロンのマイグレーションでは、V7ノード名とセル名はV5.1とV6の値を置き換えます。
フェデレーテッド・ノードのマイグレーションでは、V7セル名はV7デプロイメント・マネージャーから取得したセル名で置き換えられます。
このことは、ノード名とセル名はV5.1またはV6構成でのそれらの値と常に等しいことを意味します。
CloudscapeのDerbyへの変換
WebSphere Application Server V7に先だって、CloudscapeのサポートはDerbyに取って代わられました。
マイグレーション・ツールは構成内にCloudscapeを検出し、データをDerbyデータベースへマイグレーションします。
非互換性のため、いくつかのデータベースは自動的にアップグレードすることができません。
そのようなケースでは、データベースがマイグレーションされなかったことがWASPostUpgradeのログに表示されます。
Derbyデータベースを構成から削除するか、CloudscapeからDerbyへデータを手動で変換するかして、この状況を手動で解決しなればなりません。
Cloudscapeデータベースは実働環境ではサポートされていないため、Cloudscapeデータベースのマイグレーションの失敗はマイグレーション・ツールの失敗または終了を引き起こすことはありません。
データベースがマイグレーションされない時でも、マイグレーションの実行は継続され、構成は保存されます。
アプリケーションのインストールの失敗
マイグレーションの際にアプリケーションのインストールに失敗した場合、そのアプリケーションはWebSphere Application Server V7でサポートされていないか、手動での更新またはマイグレーションを必要とするWebSphere以外の構成情報が存在することがあります。
アプリケーションのインストールの失敗はマイグレーションの失敗や終了を引き起こすことはありません。
WASPostUpgradeの要約ログへメッセージが送られ、遭遇したエラーの詳細がタイム・スタンプ付きのログに記録されます。
マイグレーション・ツールはまた、問題を解決しアプリケーションをインストールするために手動でスクリプトを起動したりできるようにするため、マイグレーションされたアプリケーション・ファイルとインストール・スクリプトを保存します。
マイグレーションされたアプリケーションはV7プロファイルのinstallableAppsディレクトリに、インストール・スクリプトはマイグレーション・バックアップ・ディレクトリーのルートにあります。
WebSphere Application Serverのバージョン間マイグレーションの完全な情報は、Knowledge Collection: Migration planning for WebSphere Application Server を参照して下さい。
結論
この概要はWebSphere Application Server V7のマイグレーション・ツールについて、その使い方とオプションについて十分な知識を入手し、マイグレーション・プロセスを開始する助けとなるよう作成されました。
プロセスは大幅に自動化されて以前より簡単になりましたが、この記事は単一サーバーから被管理セルへマイグレーションする際の特別な考慮点も含んでいます。
私たちはこの情報が有用で、読者のみなさまのマイグレーションが成功し、新しく改良されたWebSphere Application Server V7の利用を楽しんで下さることを願っています。
参考文献
著者について  | |  | Mark Luchini は米国ミネソタ州ロチェスターのIBMに勤務するスタッフ・ソフトウェア・エンジニアです。現在のマイグレーション開発チームの仕事の前には、彼はWebSphere Application Serverのシステム・ベリフィケーション・テスト(SVT)マイグレーション・チームに4リリースに渡って所属し、またv6.0のJDBC 3.0テストのチーム・リード、6.0.2のマイグレーション・フォーカル・ポイント、v6.1の既存のお客様のSVTチーム共同創設者とリードを努めました。Markはミシガン州立大学において工学(コンピューター・サイエンス)の学士号を取得し、テキサス州の南メソジスト大学においてソフトウェア・エンジニアリングの修士号を取得しました。 |
 | |  | Dana Duffield はIBMロチェスターのシニア・ソフトウェア・エンジニアであり、WebSphere Application Serverのマイグレーションと相互運用性のアーキテクトです。彼はIBMロチェスター研究所において様々な開発プロジェクトに24年間以上携わったソフトウェア・エンジニアです。彼はイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校において理学(コンピューター・サイエンス)の学士号を取得しました。彼はオブジェクト指向と分散システム開発のアーキテクチャー、開発とリーダーシップ・ポジションにおいて顕著な経験を持ちます。IBMに勤務する以前、彼はイリノイ州ネーパービルのベル研究所に勤務していました。 |
 | |  | Rongzhong (Alex) Guo は米国ミネソタ州ロチェスターのIBMに勤務するスタッフ・ソフトウェア・エンジニアです。現在のマイグレーション開発者とレベル3サポート責任者の仕事の前には、WebSphere Application Serverのファンクショナル・ベリフィケーション・テスト(FVT)チームに4リリースに渡って所属し、国際化、スケジューラー、非同期Beanの開発にも携わりました。Alexはノースカロライナ州立農工大学においてコンピューター・サイエンスの修士号を取得しました。 |
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