IBM Worklight でモバイル・アプリケーションを開発する 8 つのステップ

モバイル戦略を開始する方法

この記事では、IBM Worklight モバイル・アプリケーション・プラットフォームを使用して、クロスプラットフォームのモバイル・アプリケーションを開発する場合に、何を準備する必要があるのかについて説明します。具体的には、計画、開発、そして本番まで、といったモバイル・アプリケーション開発の各フェーズで、組織が検討して実行する必要がある主要なステップについて説明します。従来のアプリケーション開発とは大幅に異なるこのプロセス全体を理解することで、企業はクロスプラットフォームのモバイル・アプリケーションを開発する際のライフサイクル全体にわたって、組織プロセスを適切に構成することができるようになります。この記事の内容は IBM WebSphere 開発者向け技術ジャーナルの一部です。

Gang Chen, Senior Certified Consulting I/T Specialist, IBM

Gang Chen は、IBM Software Services for WebSphere の、モバイルおよび WebSphere プログラミング・モデルに関する、ワールドワイドな技術プラクティス・リーダーです。彼は、分散システム、SOA、メッセージング、クラウド・コンピューティング、Web 2.0、およびモバイル技術に関する、アーキテクチャー、設計、開発、およびデプロイメントに深く広範な経験を持っています。彼は、IBM 認定シニア IT スペシャリストです。最近では、クラウド・コンピューティングやモバイル・アプリケーション開発など、いくつかの新興技術で注目を集めています。



Fang Wang, IBM Certified IT Specialist, IBM

Fang Wang は、IBM Software Services for WebSphere (ISSW) の、コンサルティング IT スペシャリスト兼シニア・ソフトウェア・エンジニアです。彼女は、特に自己完結 IVR (Interactive Voice Response) アプリケーションやコール・ルーティング、CTI (Computer Telephony Integration) など、コールセンターで使用する、消費者向けアプリケーションやシステムを扱う企業顧客の支援を専門としています。彼女は IBM 認定 IT スペシャリストです。最近では、モバイル・アプリケーション開発などの新興技術で注目を集めています。



Anton Aleksandrov, Worklight R&D lead, IBM

Anton は、IBM Worklight 研究開発のチーム・リーダーです。



2013年 3月 05日

はじめに

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モバイル・アプリケーションはビジネスを行う上で、また個人的な生活の上でも、不可欠な存在となっています。そのため、ほとんどすべての分野の多くの組織で、業績を伸ばすために、また外出中でも顧客、パートナー、従業員に関与できるように、モバイル・アプリケーションが使用されています。スマートフォンの市場シェアは増加しているため、モバイル・アプリケーションの採用は今後も急増し、定型的な日常業務を行ったり、情報にアクセスしたり、ビジネスの取引を行ったりする上で、ユーザーが使用する主要なチャンネルの 1 つとなる、と多くの人々が予想しています。

モバイル・アプリケーションの開発には、従来のエンタープライズ・アプリケーションの開発とは大幅に異なる要素があります。そのため、包括的にモバイル戦略を進めようとする組織は、モバイル・アプリケーションの開発に必要な上位レベルのプロセスに関して、事前に計画を立て、必要な利害関係者全員に確実に理解させる必要があります。この記事では、そのための指針として、iOS や Android などのモバイル・プラットフォーム用のアプリケーションを、IBM Worklight モバイル開発プラットフォームを使用して開発、デプロイ、公開する際に必要となる 8 つの主なステップについて、その概要を説明します。

1. 発見プロセス

ステップ 1 ではまず、モバイル・ビジネスの要件を理解し、企業のモバイル戦略を規定します。発見フェーズは、モバイル・アプリケーションの開発ライフサイクル全体の中で重要な役割を果たします。このフェーズでは、モバイルに関する課題、目標、制約を分析することにより、モバイルのビジョンと戦略を規定します。

例えば、どのようなタイプのモバイル・アプリケーションを開発する必要があるのかを、このステップで特定する必要があります。アプリケーションのタイプとしては、モバイル Web アプリケーション、ネイティブ・アプリケーション、ハイブリッド・アプリケーション、またはこれらの組み合わせなどが考えられます。また、どのモバイル・プラットフォームをサポートするのかを決定する必要があります。プラットフォームには、iOS、Android、Blackberry、Windows Phone などがあります。図1 は、モバイル戦略を規定する際に、検討する必要がある事項をまとめたものです。

図1. モバイル戦略に必要な検討事項
図1. モバイル戦略に必要な検討事項

発見フェーズのもう 1 つ成果は、ビジネスにとってモバイルが重要となる場合や、アプリケーションを活用するユース・ケースを特定することです。これらユース・ケースやアプリケーションのアイデアを、プロトタイプ、ワイヤーフレーム、およびモバイル・アプリケーションのストーリーボードに概念化する必要があります。


2. サポート対象のモバイル・プラットフォームの登録開発者となる

さまざまなモバイル・アプリ・ストア (Apple の App Store や Google Play など) を通じて、アプリケーションをデプロイまたは公開できるようになるためには、どのモバイル・プラットフォームの場合であっても、組織または個人として、そのプラットフォームの登録開発者になる必要があります。あるプラットフォームに関連するアプリ・ストアにアプリケーションを申請できるのは、登録開発者だけです。したがって、開発サイクルの初期段階で、これらプラットフォームのプログラムに登録する必要があります。

  • iOS: 実際の iOS 機器でアプリケーションをテストしたり、アプリ・ストアでリリースするアプリを準備したりするためには、個人の開発者または会社として、Apple の iOS Developer Program に登録する必要があります。この登録は有料です。
  • Android: Android アプリケーションを Google Play に公開する前に、個人または組織は Google Play アカウントをセットアップする必要があります。このプロセスは、開発者プロファイルの作成、Android マーケット・デベロッパー販売/配布契約書への同意、Google Checkout を使用した登録料の支払い、という 3 つのステップからなります。
  • Blackberry: Blackberry アプリケーションを、Blackberry App World に公開するためには、最初にベンダー・アカウントを持つ必要があります。開発者はベンダー・アカウントを持っていないと、BlackBerry App World にアプリケーションを申請して公開することができません。
  • Windows Phone: 同様に、Windows Phone マーケットプレイスにアプリケーションを申請するためには、登録Windows Phone 開発者になる必要があります。登録は、Microsoft App Hub で行うことができます。

3. Worklight モバイル・アプリケーション開発環境を準備する

モバイル・アプリケーションを開発、テストするためには、Worklight 開発環境を適切にセットアップすることが不可欠です。一言で言えば、Worklight モバイル・アプリケーションのための開発用 IDE として、Eclipse と IBM Worklight Studio をインストールするということです。サポート対象のモバイル・プラットフォームの SDK もインストールする必要があります。またオプションとして、ソース管理のためのチーム開発環境もセットアップする必要があるかもしれません。

Worklight Studio は、Eclipse ベースの IDE です。Worklight Studio をインストールする前に、まずワークステーションに Eclipse をインストールする必要があります。Worklight Studio は、Windows、Mac OS、Linux オペレーティング・システムでサポートされています。iOS 環境用の Worklight アプリケーションを開発しようとする場合、どのオペレーティング・システムを使用しても開発を行うことはできますが、Apple が設定した制約により、Mac OS マシンでないと iOS プロジェクトをコンパイルすることはできません。

  1. Eclipse をインストールする

    最新バージョンの Worklight Studio には、Eclipse Indigo (3.7.2) もしくはEclipse Juno (4.2) が必要です。Eclipse IDE は無料でダウンロードすることができます。

  2. IBM Worklight Studio をインストールする

    Eclipse をインストールすると、IBM Worklight Studio をインストールすることができます。Worklight Studio には 3 つのエディションがあります。Developer エディションは無料でダウンロードすることができ、このエディションで作業を開始することができます。その他に Consumer、Enterprise エディションがあります。Worklight Studio は、Eclipse Marketplace から、IBM Installation Manager を使用して、または Eclipse プラグインとしてインストールすることができます。インストールの詳細については、IBM Worklight の製品ライブラリーを参照してください。

  3. モバイル SDK をインストールする

    Worklight でハイブリッドまたはネイティブなモバイル・アプリケーションを開発する予定がある場合は、サポート対象のモバイル・プラットフォームに対応する SDK (そして開発用 IDE) をインストールして構成する必要があります。そのための手順はプラットフォームによって異なりますが、よく使用されるモバイル・プラットフォームで接する可能性があるステップを以下に挙げておきます。

    • iOS: Xcode をダウンロードする必要があります。Xcode は、iOS アプリケーションや Mac アプリケーションを開発するための Apple の IDE です。Xcode を使用すると、テスト機器を管理したり、iPhone や iPad のシミュレーターを使用したり、iPhone 機器や iPad 機器にアプリケーションをインストールしたりすることができます。
    • Android: Android SDKEclipse の ADT (Android Development Tools) プラグインをインストールする必要があります。Android SDK には、Java プログラミング言語を使用して Android プラットフォームでアプリケーションを開発するために必要なツールや API が用意されています。Eclipse の ADT プラグインは、リッチな Android アプリケーションを開発することができる統合環境です。
    • BlackBerry: WebWorks アプリケーション開発では、Blackberry Ripple Emulator、Blackberry WebWorks SDK、Blackberry Simulator をダウンロードしてインストールする必要があります。
    • Windows Phone: Microsoft Visual Studio 2010/2012 と Windows Phone SDK をダウンロードしてインストールする必要があります。また、Windows Phone 携帯電話でアプリケーションを実行するためには、Zune ソフトウェアを開発環境にダウンロードしてインストールする必要があります。
  4. チーム開発環境を準備する

    高度に動的なモバイル・アプリケーションの開発を管理する上で、例えば IBM Rational Team Concert を使用して、チーム開発環境を用意することは素晴らしいアイデアです。ただし、ソース管理システムを使用して Worklight アプリケーションを管理する場合、Worklight プロジェクトによって生成されるファイルの一部は、ソース管理システムに追加してはならないことに注意してください。(「参考文献」を参照。)


4. モバイル・アプリケーションを設計、開発する

さて、いよいよ楽しい部分です。このステップでは設計者と開発者が協力し、Worklight モバイル・プラットフォームとネイティブのモバイル開発ツールを使用して、モバイル・アプリケーションを作成します。

Worklight を利用したWorklight Studio でのアプリケーション開発に加えて、HTML、CSS、JavaScript など、おなじみの Web 技術を使用して開発を行うこともできます。また、最新の HTML5 標準と CSS3 標準もサポートしています。Worklight のクライアント・サイド SDK を使用すると、クロス環境の UI サービス (モバイル機器のタブ・バーやタブ・メニューへのアクセスなど) を作成することができます。また、開発者はお好みの JavaScript ライブラリーや UI ツールキットを使用することもできます。

Worklight は、開発プロセスを Web 技術のコーディングのみに限定してはいません。Worklight は、ネイティブ・パッケージをコンパイルしてアプリ・ストアで配布できるように、対象となるモバイル・プラットフォームに対するネイティブのアプリケーション・プロジェクトを生成します。これら生成されたネイティブのアプリケーション・プロジェクトに、機器特有のネイティブ・コードを追加し、Web 技術を使用して作成されたコードと組み合わせることもできます。


5. 開発環境でユニット・テストを行う

開発の早い段階で、そして開発中は頻繁に、モバイル・アプリケーションのユニット・テストを計画する必要があります。理由は単純で、たとえアプリケーションが 1 つだけの場合でも、対象となり得る機器やプラットフォームは非常に多様であることから、モバイル・アプリケーションのテストは簡単ではないためです。開発環境内の Worklight アプリケーションで使用できる、テスト方法とテスト・ツールの一部を以下に挙げます。IBM Worklight Studio には、組み込みのテスト・サーバーが用意されているため、ユニット・テストを簡単に行うことができます。

  1. モバイル・ブラウザー・シミュレーターとアプリ・プレビュー

    IBM Worklight Server には、モバイル Web アプリケーションの成果物を、デスクトップ Web ブラウザーでシミュレートできる、アプリ・プレビュー・サービスが用意されています。また、アプリ・プレビューを使用して、Worklight クライアントの API をシミュレーションすることもできます。アプリ・プレビューは、Worklight Studio のテスト・サーバーのコンソールから利用することができます。

    Worklight Studio 開発環境では、モバイル・ブラウザー・シミュレーターを使用して、モバイル・アプリケーションのプレビューやテストを行うことができます。このシミュレーターには、対象機器をエミュレートするフレームが含まれています。このフレームを切り換えることで、Android、iPad、iPhone、Blackberry、その他のモバイル機器用に、さまざまな画面解像度や画面サイズ、画面の縦横の向きをエミュレートすることができます。このプレビュー機能は、com.ibm.imp.worklight.simulation.ui プラグインが有効な場合にのみ利用することができます。モバイル・ブラウザー・シミュレーターには、Apache Cordova API シミュレーションのユーザー・インターフェースがパッケージ化されています。Cordova API を使用すると、機器特有の機能 (ジオロケーション、コンパス、バッテリーなど) の多くをシミュレートすることができます。

    モバイル・ブラウザー・シミュレーターでアプリケーションをユニット・テストすると、機器ベンダーからネイティブ SDK をインストールする必要がなく便利です。また、アプリケーションを素早く更新できるため、効率的に繰り返しテストを行うことができます。ただし、UI のシミュレーションは、エミュレート対象の物理的な機器の実際の UI 表示と、常に正確に同じであるわけではなく、特にテキストやその他の要素の間隔に関しては同じとは限りません。したがって、このタイプのユニット・テストは、全体としてのフレームやウィジェットの位置を確認するための、初期段階の UI テストに最も適しています。また、モバイル・アプリケーション内でのロジックのフローをテストするツールとしても効率的です。

    デスクトップ Web ブラウザー環境でテストを行う場合には、Chrome に組み込みのデバッグ・ツールや Firefox の Firebug など、よく使用されるさまざまなデバッグ・ツールを使用することができます。これらのツールにより、JavaScript に対するブレークポイントの設定、生成された HTML コードに適用される CSS ルールの表示、ローカル・アプリケーションとサーバーとの間のネットワーク・トラフィックの表示などが可能となります。また、Chrome や Safari など、webkit ベースのブラウザーを使用することを強くお勧めします。別の役立つモバイル Web アプリケーション・デバッグ・ツールとして、オープンソース・ツールである Weinre も検討の価値があります。

  2. モバイル SDK シミュレーター

    このタイプのユニット・テストでは、ネイティブのモバイル SDK シミュレーターを使用します。モバイル・プラットフォーム用に Worklight が生成したネイティブ・プロジェクトを (Worklight Studio またはベンダーの開発ツールのいずれかによって) 起動すると、ネイティブ OS のウィンドウがポップアップし、このウィンドウの中で、シミュレーターが最新のモバイル・アプリケーション・コードを使用して実行されます。多くの機器の特性をシミュレートしようとするモバイル・ブラウザー・シミュレーターとは対照的に、モバイル SDK シミュレーターがシミュレートしたUIは、実際の機器とほとんど同じです。ただし、タッチに対する応答時間など、アプリケーションのパフォーマンスは実際の機器とは少し異なるかもしれません。これは実際の機器と開発ワークステーションでは、計算処理能力が異なるためです。最も現実的なユーザー・エクスペリエンスをテストするためには、実際のモバイル機器でアプリケーションをテストする必要があります。

  3. 実際の機器

    モバイル・アプリケーションの最終的なテストとして、このタイプのテストは対象の機器で実行され、アプリケーションの UI とパフォーマンスが、すべての対象機器で一貫していることを確認する必要があります。実際の機器が、Worklight Studio に組み込まれた Worklight テスト・サーバーにアクセスできるように、その機器は、開発ワークステーションと同じワイヤレス・ネットワーク上にあることを確認する必要があります。

    • Android 機器が USB ケーブルでコンピューターに接続されていると、Eclipse ADT プラグインはそれを自動的に認識し、その機器にアプリケーションをデプロイしようとします。

      ドライバーが一覧にない Android 機器の場合 (Kindle Fire など) には、Worklight が生成したネイティブの Android プロジェクトに組み込まれている .apk ファイルを USB 接続で機器にインストールすることができます。その機器に .apk ファイルをインストールするためには、その機器のインストール・ユーティリティーを使用します。

    • iOS アプリケーションを実際の iOS 機器にデプロイするためには、Apple の iOS Developer Program に登録した際に取得したプロビジョニング・プロファイルが必要です。通常、最初は開発用のプロビジョニング・プロファイルを使用します。このプロファイルにより、Xcode は USB ケーブルで接続された iOS 機器を認識し、その機器にアプリケーションをインストールします。後半のフェーズ (統合テストフェーズや本番など) では配布用のプロビジョニング・プロファイルを使用します。そのプロファイルを使用することで、適切な署名を付けてアプリケーションを .ipa ファイルにビルド、アーカイブ、パッケージ化し、そしてその .ipa ファイルを iTunes または Application Center を使用して iOS 機器にデプロイすることができます。

Worklight に含まれている Application Center については、「参考文献」を参照してください。


6. リモートの Worklight サーバー環境で統合テストを実行する

バックエンドの完全なエンタープライズ・システムと統合して、モバイル・アプリケーションをテストするためには、権限のあるテスターが利用できる統合環境または QA 環境に、そのアプリケーションをインストールする必要があります。

IBM Worklight Server を利用できるのは、Worklight Consumer エディションと Enterprise エディションのみです。

  1. 統合環境を用意する

    通常、統合テストや QA テストは、リモートの Worklight サーバー環境で実行されます。IBM Worklight Server は、プッシュ通知の情報や、レポートや分析のための統計情報、サーバーが実行時に必要とするメタデータを格納するために、データベースを使用します。したがって、テスト環境を準備するためには Worklight サーバーのセットアップとデータベースのセットアップの両方が必要です。

    IBM Worklight Server のインストールは、IBM Installation Manager によって実行されます。(インストールの際にインターネットに接続されていると、IBM Installation Managerが最新のフィックスパックをすべてダウンロードしてくれます。) サーバー・インストール・ウィザードによって、アプリケーション・サーバーとデータベースが自動的に構成され、完全に機能する IBM Worklight Server がインストールされます。ここで、使用するデータベース・サーバーとアプリケーション・サーバーを選択する必要があります。データベースの選択肢は以下のとおりです。

    • IBM DB2 V9.7 またはそれ以降
    • MySQL v5.1 またはそれ以降
    • Oracle v11g またはそれ以降
    • Apache Derby (インストール・イメージに含まれていますが、テストにのみ使用できます)

    アプリケーション・サーバーの選択肢は以下のとおりです。

    • WebSphere Application Server Liberty Profile V8.5 またはそれ以降 (インストール・イメージに含まれています)
    • WebSphere Application Server V7.0 またはそれ以降
    • Apache Tomcat v7 またはそれ以降

    インストールの詳細については、Worklight Administration Guide を参照してください。

  2. デプロイメント用の Worklight プロジェクトを準備する

    通常、ローカルの開発環境と統合環境には、構成の違いがいくつかあります。統合環境用にプロジェクトをビルドする前に、構成を調整し、リモート環境での設定を反映させる必要があります。通常、調整が必要な設定は以下のとおりです。

    • worklightServerRootURL (リモートの Worklight Server のプロトコル、ホスト、ポート、コンテキストの設定を反映する必要があります)
    • データベースのタイプ、JDBC、URL、ユーザー名とパスワード
    • セキュリティー機能など、ローカルの開発環境とは異なる可能性のある、その他すべてのプロパティー

    Worklight プロジェクトの構成に必要なすべての変更を終えると、アプリケーション、アダプター、またはその両方をビルドすることができます。ビルドすると WAR ファイルが作成され、その WAR ファイルを使用してプロジェクトの構成をリモート・サーバーにデプロイすることができます。Worklight アプリケーションと JavaScript ベースのアダプターのコードは、それぞれ .wlapp ファイルと .adapter ファイルにパッケージ化されます。

  3. Worklight アプリケーションとアダプターを統合環境にデプロイする

    選択されたアプリケーション・サーバーにエンタープライズ・アプリケーションをインストールする標準的な手順に従って、生成された WAR ファイルを、リモートの統合サーバーにデプロイすることができます。WAR ファイルをデプロイした後、ブラウザーで http://your-remote-server:server-port/<context-root-name>/console にアクセスすると、Worklight コンソールを開くことができます。このコンソールの中で、生成された .wlapp ファイルと .adapter ファイルを、Worklight のプロジェクトのディレクトリーから直接アップロードしてデプロイすることができます。これで、モバイル・アプリケーションを統合環境でテストする準備が整いました。

  4. 統合環境または QA 環境でテストを行う

    ステップ 5 で説明した 3 つのタイプのテスト方法とツールを使用することで、統合環境にデプロイしたモバイル・アプリケーションをテストすることができます。ただし、リモートの Worklight Server ではモバイル・ブラウザー・シミュレーターを利用できないため、モバイル・アプリケーションのさまざまな環境を Worklight コンソールでプレビューする場合、機器特有の表示はできません。すべての環境は、モバイル Web アプリケーションとしてプレビューされます。したがって、このタイプのテストは統合テストではあまり使用されません。

    モバイル SDK シミュレーターを使用する場合にせよ、実際のモバイル機器を使用する場合にせよ、そのモバイル・アプリケーションを最初にインストールするためには、権限のあるテスターがネイティブのパッケージ化ファイル (.apk ファイルまたは .ipa ファイル) を使用する必要があります。これらネイティブ・パッケージ化ファイルは、手作業で配布することも、あるいは Worklight 製品に含まれている Application Center を通して配布することもできます。

    テストを繰り返した後、モバイル・アプリケーションのネイティブ・コードに更新がない場合には、新しい .apk ファイルや .ipa ファイルを機器にインストールする必要はありません。Worklight Server のダイレクト・アップデート機能により、そのアプリケーションが機器上でリジュームまたは再起動する時に、新しいバージョンのアプリケーションが自動的に機器にダウンロードされます。

    別のリモート・サーバーを指定する必要がある場合には、以下のようにして機器上またはシミュレーターでサーバーのルート URL を変更することができます。

    • Android: アプリの実行中に「Menu (メニュー)」キーを押すと、この設定にアクセスすることができます。
    • iOS: アプリケーションのエントリーの下にある iOS の一般設定の中で、この設定にアクセスすることができます。

7. 本番にデプロイする

Worklight サーバー・サイドのコンポーネントの場合、本番環境へのデプロイメントは、統合環境へのデプロイメントと非常によく似ています。手作業のビルド・プロセスを Ant スクリプトで置き換え、ビルド・プロセスを効率化することができます。(Worklight Administration Guide を参照)

図2 は、本番環境の Worklight インスタンスの典型的なトポロジーを示しています。

図2. 本番での Worklight インスタンス
図2. 本番での Worklight インスタンス

数台の Worklight Servers がクラスター環境にセットアップされ、同じデータベースを共有していることに注意してください。クラスター内の 1 台のサーバーに .wlapp ファイルまたは .adapter ファイルがデプロイされると、そのサーバーは他のサーバーと自動的に同期がとられます。これはクラスター内のサーバーからアプリケーションまたはアダプターを削除する場合も同じです。ただし .war ファイルはアプリケーション・サーバーをカスタマイズするファイルの一部であるため、クラスター内の各サーバーに手作業で .war ファイルをデプロイする必要があります。

Worklight モバイル・アプリケーションを本番環境にデプロイするのと同時に、ネイティブのアプリケーションをパッケージ化して公開し、一般に配布できるようにする必要があります。iOS 機器の場合には、Apple による App Store 用のレビューと承認のプロセスがあるため、公開プロセスは他の場合よりも通常は長くかかります。したがって、ネイティブ・パッケージの申請には、十分な時間的余裕を見込む必要があります。

Android 機器の場合には、レビューや承認のプロセスがないため、公開は非常に短時間で終了します。

各プラットフォームに公開するためのガイドラインについては、「参考文献」を参照してください。

Apple の公開プロセスに関するガイドラインは https://developer.apple.com/jp/appstore/guidelines.html にあります。Android の公開プロセスに関するガイドラインは http://developer.android.com/distribute/googleplay/publish/preparing.html にあります。


8. Worklight モバイル・アプリケーションを管理する

Worklight モバイル・アプリケーションの管理は、以下の 2 つの部分から成ります。

  • プラットフォームのアプリ・ストアで管理されるネイティブ・パッケージ
  • Worklight コンソールでパッケージ化されてデプロイされるアプリケーションの Web リソース

ネイティブ・パッケージの更新管理については、各アプリ・ストアに独自のガイドラインがあります (「参考文献」を参照)。Worklight アプリケーションの Web リソース管理については、Worklight が便利な機能を非常に豊富に提供しており、これらの機能を利用してアプリケーションのバージョンを、ユーザーと共に管理することができます。

  • ダイレクト・アップデート: アプリの更新をモバイル機器にプッシュする

    ダイレクト・アップデートを使用すると、組織はデプロイした HTML5 アプリケーションやハイブリッド・アプリケーションの Web コンテンツを、アプリケーションの起動時に、Worklight Server からダイレクト・アップデートすることができます。アプリケーションが Worklight Server に接続されると、アプリケーションは新しい更新を自動的に検出し、ユーザーが承認すると、新たにデプロイされたリソースのダウンロードを開始します。このオプションは iPhone、iPad、Android のアプリで利用することができます。

  • アプリをロックする: アプリに Web リソースが再度デプロイされるのを防ぐ

    開発者や管理者が誤ってアプリケーションを更新してしまうのを防止したい場合には、そのアプリケーションを Worklight のコンソールでロックすることができます。このオプションは iPhone、iPad、Android のアプリで利用することができます。

  • 古いバージョンのアプリへのアクセスを拒否する

    古いバージョンのフェーズアウト・ポリシーにより、または古いバージョンに存在するセキュリティーの問題により、特定のバージョンのアプリケーションへのユーザー・アクセスを拒否できると便利な場合があります。コンソール上で、特定のモバイル・オペレーティング・システムの特定のバージョンのアプリケーションへのアクセスを拒否し、ユーザーにカスタム・メッセージを表示することができます。メッセージと共に、新しいバージョンのアプリの URL (通常は該当するアプリ・ストア内の URL) を指定することもできます。ユーザーはメッセージを受信すると、アプリを終了するか、または最新バージョンにアップグレードするよう指示されます。

  • アプリ起動時に通知メッセージを表示する

    同様に、アプリケーションの起動時に通知メッセージはユーザーに表示するものの、アプリケーションを終了しないように設定することもできます。このタイプのメッセージは、アプリケーションのユーザーに対して一時的なメッセージを通知したい場合に便利です (予定されているシステム停止時刻の通知など)。

  • アプリの真正性テストを管理する

    あるアプリケーションが初めて Worklight Server に接続されると、サーバーはそのアプリケーションの真正性をテストします。このテストにより、一部のマルウェア攻撃やリパッケージ攻撃からアプリケーションを保護することができます。このオプションは iPhone、iPad、Android のアプリで利用することができます。このテストを行うには、真正性テストを許可するようにアプリケーションを構成する必要があります。


まとめ

この記事では、IBM のモバイル・アプリケーション開発プラットフォームを使用して、クロスプラットフォームのモバイル・アプリケーションを開発するための基本的なステップについて説明しました。また、モバイル・アプリケーション開発者が一般的に遭遇する特定の課題の多くと、そうした課題への対応を特に考慮して設計された IBM Worklight 製品のさまざまな機能についても説明しました。この記事ではモバイル・アプリケーション開発プロセスのスナップショットを紹介しましたが、皆さんのモバイル戦略の適切な立案に役立つだけでなく、立案の迅速化にも役立つことを願っています。

参考文献

学ぶために

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ArticleTitle=IBM Worklight でモバイル・アプリケーションを開発する 8 つのステップ
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