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第2回 WebSphereパートナー・テクニカル・コミュニティ 技術情報交換会 開催報告

概要:  2007年11月30日開催の「秋の文化祭」に続き、「第2回 WebSphereパートナー・テクニカル・コミュニティ 技術情報交換会」が2008年6月18日渋谷のソフトウェア・コンピテンシー・センターにて開催されました。この技術交換会は、WebSphereの技術者や開発者の間で様々な技術情報の交換を行うことを目的とし、今後も継続開催の予定です。(第3回は9月に実施予定です)

日付:  2008年 7月 30日
レベル:  初級
アクティビティー: 971 ビュー
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2007年11月30日開催の「秋の文化祭」に続き、「第2回 WebSphereパートナー・テクニカル・コミュニティ 技術情報交換会」が2008年6月18日渋谷のソフトウェア・コンピテンシー・センターにて開催されました。この技術交換会は、WebSphereの技術者や開発者の間で様々な技術情報の交換を行うことを目的とし、今後も継続開催の予定です。(第3回は9月に実施予定です)

今回は、株式会社 ユーフィットの入山様をゲスト・スピーカーにお招きして、ユーフィット様のSOAの取り組みを事例を交えてお話をいただきました。パートナー様限定ということで通常のセミナーでは聞くことのできない裏話的な話もあり、大変有意義な技術交換会になったと思います。

WebSphere 最近の話題 日本アイ・ビー・エム 清水 敏正


日本アイ・ビー・エム株式会社清水 敏正DE
清水 敏正DEの写真

オープニングとして、日本アイ・ビー・エムの技術理事である清水敏正DE(*1)よりWebアプリケーションを囲む技術の最新動向の説明が行われました。最近になってやっと本気でSOAをやりたいという強い意思とリーダーシップを持ったお客様がでてきました。ただし、BPELやWebサービスを使ったSOAは日本全国的には未開拓。Webアプリケーションを取り巻く技術エリアとして、今最も活気があるのはRich Client、アジャイルなWebアプリケーション開発のエリア(ROR)です。また、ミッション・クリティカル系も、大規模トランザクション処理をサポートするObject Grid製品WebSphere Extreme Scaleが提供され、実際にWall Streetの投資銀行でサービスインされています。他社も同様の製品としてOracleは「Oracle Coherence」を提供、MicroSoftの「Velocity(開発コードネーム)」もリリース予定になっています。 リッチ・インターネットアプリケーション(RIA)を作るためのREST系Project ZeroがWebSphere sMashとして製品化されましたが、リッチなインターネットアプリケーションをマッシュアップして作る、プラス、アジャイルなアプリ開発ができるという両方のエリアにまたがった製品になります。

いろいろ技術は提供しているが、SOA全体としてなかなか進まない。そこで、IBM Fellow、WebSphereブランド全体のCTO Jerry Cuomoがブログの中で今年のトレンドとして"RESTfull SOA"というキーワードをあげています。つまり、今まではTopDown、BottomUpで最終的にWSDLを作るというSOAのアプローチをとってきましたが、インターネット上に溢れてきたREST形のサービスをマッシュアップしてアプリケーションを作成する方法は小さく始めやすく、SOAの入り口("SOA 0.5")としてふさわしいかも知れない、という考え方です。

Web2.0とWebサービスをSOAという観点で比較した場合に、大きな技術の流れとしては同じで、レベルは違うにしても必要な機能はそろっています。開発スピード重視のLightweightな開発はRESTを、信頼性が重視されるHeavyweightの開発はWebサービスを利用というように適材適所に使い分けて幅を広げることでSOAを促進することができると考えられます。イベントやデモ用に簡単に作ってみたければ、外部のREST部品を取り込んでアジャイルに開発。社内で利用するクリティカルなアプリケーションでは、システムのプロセス中にREST部品をとりこんで付加価値をつけ、さらにセキュリティやトランザクションと言った非機能要件を付け加えて社内に公開することができます。

最後に、SOAは単純な1つの技術ではなく映画の製作と同じ総合技術です。俳優、カメラマン、シナリオ、監督 等・・・バランスよくそろってうまくいくもので、1つの技術をキャッチアップすれがよいものではなくバランスのとれた体制が必要であり、"RESRfull SOA"RESTの世界をうまく利用していくことが重要なことです、というメッセージが参加者に伝えられました。

セッション資料はこちらをご参照ください:最新技術動向 (219KB)

(*1)DEとはDistinguished Engineerの称号で、IBMコーポレーションから最も優秀と認められた技術者に与えられる職位です。

WebSphere sMashのご紹介 日本アイ・ビー・エム 樽澤 広亨


日本アイ・ビー・エム株式会社樽澤 広亨
樽澤 広亨氏の写真

続いて、IBM主導のCDCD(Community Driven Commercial Development)で進められていた、新しいコンセプトのアプリケーション・プラットフォーム開発プロジェクト「Project Zero」が、5月28日WebSphere sMashとして製品化されました。1年半の間Raleighの研究所でProject Zeroの開発に携わったハイ・バリュー・ソリューション・センター樽澤から、WebSphere sMashについての説明とデモがありました。

そもそもWebSphere sMashは、WebのテクノロジーをつかったSOAの具現化、RESTfull SOAを具現化したものです。登場の背景としては、JavaEEのアプリケーションサーバーはクオリティは高いが、基幹システムを支え得る技術を実装すべくかなり高いスキルが必要となります。アジャイルなWebアプリケーションの開発環境と稼動環境をWebSphere sMashは提供します。アジャイルなWebアプリケーションプラットフォームは沢山ありますが、"Why IBM?"というと意味でバックエンドのサービスの統合という"Lightweight ESB"的な機能も提供しているということです。

WebSphereと冠はついていますが、sMashはWebSphere Applicaiton Serverとは異なる新しいアーキテクチャのもとに実装されており、J2SEと基本ライブラリーのみで動くJavaベースのアプリケーション・プラットフォームです。開発は、もちろんJavaでもできますが、PHPまたはGroovyというスクリプト言語を使用します。なぜ、PHPかといえば開発者の数が多いからです。ただし、php.netとは違うということを理解しておいてください。sMashはJVMの上でうごくPHPランライムです。最終的なゴールはphp.netの全てのAPIをサポートすることですが、現在はまだその作業が全て完了しているわけではありません。つまりsMashでPHPをサポートするという意味は、php.netのアプリを取り込んで動かすのではなく、PHPでアプリケーションが書けるということにあります。 もうひとつのGroovyは、Javaとの親和性の高さ(スクリプトの中からjavaのクラスが呼べる(アセット再利用)、スクリプト内にJavaのコードが書ける)があげられます。Javaのアセットを再利用したければGroovyを、開発者の確保という意味ではPHPをという使い分けができます。

クライアント実装のツールとして、DOJO Toolkit(部品のDrag&Dropで画面の開発が可能)を提供。また、サービスを組み合わせてワークフロー的な部分をGUIで作成できるBrower上で動くツールも提供されます。

もともとsMashはWeb2.0の技術戦略に則って開発されました。Web2.0の技術戦略を簡単にご紹介すると Step1)エンタープライスシステムへの容易なアクセスI/F:WebSphere製品(WAS,MQ,DataPower等)にRESTのI/Fを提供 Step2)RESTのI/Fをもった製品の上でうごくサービスを組み合わせてアジャイルのアプリ(サービス)開発:sMashの提供 Step3)アジャイルアプリケーションのホスティング(大量のリクエストを安定稼動:WebSphere XDをsMash用に最適化 現在はStep2)の段階で、Step3)は今後の予定になります。

理解すべきは、アジャイル開発というと2~3ヶ月で使い捨ててしまうようなアプリケーションの開発をイメージされがちですが、そのようなライフタイムの短いアプリケーションだけをターゲットとしているわけではなく、既存のサービスを組み合わせて新たなアプリケーションを素早く構築することも視野にいれているということです。

デモでは (1)ZRM(Zero Resource Model)をつかった、アジャイルなDBアプリケーションの開発。 DBスキーマの作成と、ZRMにDBアクセスの処理を依頼の2ステップのみでアプリケーションの作成完了 (2)アセンブル・フローをつかった素早いサーバー・サイド・マシュアップ開発 (3)sMash上のREST Webサービスと、Tomcat上のSOAP/WSDLサービスのアセンブル・フローを使ったマッシュアップが実演されました。

WebSphere sMashの概要および機能/特徴については、以下のURLから参照いただけます。ご興味のあるかたは、是非ご参照ください。

セッション資料はこちらをご参照ください:sMashご紹介 (1.64MB) 注)資料の中に「この資料は、Project Zero Milestone 6に基づいて記述されております」という記述がありますが、製品版WebSphere sMashと同じレベルになります。

NGN(次世代ネットワーク)とは 日本アイ・ビー・エム 塩谷 充


日本アイ・ビー・エム株式会社塩谷 充
塩谷 充氏の写真

日本アイ・ビー・エム WebSphereテクニカル・セールスの塩谷からは、「NGN(New Generation Network:次世代ネットワーク)ってなに-SOA,WAS6.1との密接な関係」ということで紹介がありました。次世代ネットワークという言葉は耳にするが、実際どんなものなかよくわからないのが実態です。その技術的コアのSIP(Session Initiation Protocol)がWebSphere Application Server V6.1でもサポートされているがどんなものか?またNGNとWebサービスにどんな関係があるのかの説明がありました。

NGN(次世代ネットワーク)とは一般的に「IP技術をベースとした次世代ネットワーク」のことを指します。この技術的コアとしてSIP(Session Initiation Protocol)が使われることで、NGNは音声の伝達のみでなく、様々のタイプのデータを交換することができます。IBMもNGN製品戦略ということで積極的に製品の投入を行っています

IBMのNGN製品戦略を聞く

では、SIPとはなんでしょう?IPネットワーク上で音声、動画などのリアルタイムメディアの通信を行うために複数の通信アプリケーションの関連づけ、通信の開始、通信の終了(例、通信切断)を行うためのプロトコルです。SIP自体はメディア制御や転送機能をもたないので、セッションが確立されたあとの通話は交換するデータのタイプに応じたプロトコルまかせることができます。SIPの機能をアプリケーションを組み合わせ、(1)発信者側で通信可能なデバイスの優先順位を登録できる「コーラープリファレンス機能」(2)受けた側が自分の通信状態表示、自分の状態に応じた最適の通信方法を相手に知らせる「プレゼンス機能」を提供できます。さらに(1)(2)の組み合わせで、使用可能なデバイスの状態(話中、圏外など)に合わせて最適なメディアでコミュニケーションすることを可能にする「コミュニケーションポータルサービス」も提供できます(どうしても連絡をとらなくてはいけない状況の場合、発信者側にとっては便利な機能ですが受信者にとっては少し迷惑な機能かもしれませんが)。 NGNとSOA、Webサービスの関係としては、従来の電話網はキャリアが提供したサービスだけであったが、NGNの場合、エンドユーザー、ソフトウェア開発者、企業がSIP上で新たなサービスを提供することが可能になること。また、その開発手法もSOAベース(既存サービスの組み合わせによる開発)になります。 具体的には、SIPアプリケーションの作成に際して、SIP servlet APIが用意されており、基本的にはHTTP上のservletと同様の手法でSIP対応アプリケーションを作成することが可能である。Servletの継承、メソッド、セッション管理も通常のServletと同じである。(SIPの性質上リクエストが一対一でない部分が異なる。) 大手キャリア主導の開発ソリューションとしてParlay-Xという手法もあります。Parlay-Xは、キャリアで要求されるサービス(課金、QoS、ショートメッセージ等)を手早く実現する開発手法です。ワールドワイドで既に開発されているといった事例もあります。

最後に、Rational Application Develperの上で開発されたSIPアプリケーションのデモを実施しました。GPS機能で位置情報を取得し、かつそのデバイスのステータスを確認し通信を行う・・・という内容です。

日本でNGNが進まない理由の一つとして、キャリア毎に独自拡張による相互接続性の問題がありますが、標準化のプロセスが動きつつあります。具体的には、先程上がったParlay-X,日本ではKairos(国際的にはまだ認知されていない)と呼ばれるものがそうです。これからHotなエリアとして、ウォッチしていただきたいと思います。

セッション資料はこちらをご参照ください:NGNとは (3.21MB)

UFITにおけるSOAビジネスへの取り組み 株式会社ユーフィット 入山 秀樹様


株式会社 ユーフィット コンサルタント入山 秀樹氏
入山 秀樹氏の写真

株式会社 ユーフィット 入山様からは、ユーフィット様での

  • SOAに関する取り組み
  • SOA関連ソリューションのご紹介
  • ソリューションご活用事例のご紹介

のお話をいただきました。

SOAの取り組みについては、2005年9月頃からWebSphere製品を選択していただき、コンサルティングということでまずはModeler(WebSphere Business Modeler),WID(WebSphere Integration Developer),WPS(WebSphere Process Server) のIBM主催勉強会や社内検証を通してスキルの習得をされました。2006年からはソリューション開発および営業活動の方法を検討し、2007年からは実際の顧客導入をはじめていらっしゃいます。主な事例は、最近いろいろな場で発表されているセガ様をはじめ山形県庁様、HARP様、その他にも進行中の案件があるとのことです。 WebSphere製品もWSRR(WebSphere Service Registry and Repository),Monitor(WebSphere Business Monitor)についても勉強会参加、社内検証を実施で、上流から下流まで、さらにMonitorした結果をモデルに反映して業務改善というサイクルを実装できるスキルの幅を広げられています。 まだまだSOAについては「まわり状況を見ながら」ということで、二の足を踏まれるお客様がほとんどという現状で、IBMとの共同セミナー実施などで認知度をあげることで、SOAを導入されるお客様を獲得していかれたということです。お客様へのアプローチとしては「SOAをやりましょう」ではなく、まずはお客様のかかえる課題を解決する方法としてSOAを提案することで受け入れていただけることが多いそうです。ユーフィット様の提供するサービス「IT Plannning SOA」のメニューとして、経営戦略としてTopDownでシステム設計をおこなう「システムプランニングサービス」がありますが、やはり大々的にSOAをはじめるお客様は少なく、「SOA検証支援サービス」で「まずはちょっとやってみて」から本格導入というサービスは非常に引き合いが多いということでした。 ユーフィット様のSOAシステム開発の経験をもとに「よく出る議論」についての、実装経験者ならでは貴重なご意見をいただきました。

1)既存システムとの融合という点で考えなくてはならない問題として、UI(ユーザーインターフェース)に関する考慮があげられます。SOAの導入シナリオとして、技術的な視点だけではダメで、利用ユーザーの評価がよくなければSOAを推進することは難しいです。
2)サービスの「粒度」がよく問題にされますが、現行業務を分析して共通の処理を取り出そうと思っても共通化できるとこは意外と少ないケースが多い。また、業務として横展開してみなければその効果は実感できないが、まだそこまでできるお客様は少ない。インフラよりの機能(認証系、ログ関連)からはじめるとサービスとして切り出しやすく、情報システムの人にはその効果を実感してもらいやすいメリットがあります。ということで、サービスの粒度の議論はとりあえず置いておき、どのようにサービスを管理するかを決めるほうが良いというお話でした。
3)BPELでBO(ビジネス・オブジェクト)の中にデータをどこまで持たせるか?というのも、議論の対象となります。BOの中にデータを持たせすぎると、障害時の対応、UIとのつなぎで問題になることが多くなります。SOA実装の経験から、データはあまりもたせずに必要なときだけサービスのInvokeでとりにいくのがよいのではないかという意見が多く聞かれました。

最後に、BPELの記述方針というお話がありました。BPELを書くことはいたって簡単ですが、先ほどのBOの持たせ方の問題もふくめ、BPELの記述方針を決めることが重要だということです。入山様のご意見としては「BPELの標準仕様では実運用で必要となる人の介入を表現しきることはむずかしい。またサービスは疎結合でもBPEL自身が密結合で、プロセスの入れ替えなどが実際には簡単にできないために工夫が必要になります。BPELに期待しすぎず、利用範囲は狭めにとっておくほうが良いでしょう」と言うことでした。

技術だけ勉強しても、いかにその技術を使っていくか。まず、作ってみて実際の問題に対応しながら、その使い方を確立していくことが重要であることが大変よくわかりました。

セッション資料の公開はございません。

最後に

今後もWSDDでは技術情報の提供だけでなく、エンジニアの方々の交流の場の提供をひき続き行っていきたいと考えております。今回ご出席いただいた方も、残念ながら出席できなかった方も、次回の会で皆様にお会いできることを楽しみにしております。今後ともWSDDをよろしくお願いいたします!


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sMashご紹介02.pdf1.64MBHTTP
NGNとは03.pdf3.21MBHTTP

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参考文献

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Zone=WebSphere
ArticleID=342835
SummaryTitle=第2回 WebSphereパートナー・テクニカル・コミュニティ 技術情報交換会 開催報告
publish-date=07302008