IBM®
本文へジャンプ
    Japan [変更]    ご利用条件
 
 
検索範囲検索:    
    ホーム    製品    サービス & ソリューション    サポート & ダウンロード    マイアカウント    
skip to main content

developerWorks Japan  >  WebSphere  >

ビジネス・アクティビティー・モニタリング (BAM) の新機能を活用する(パート1): WebSphere Business Monitor 6.1の新機能

developerWorks
ページオプション

JavaScript を要するドキュメントオプションは表示されません

原文はこちら

原文はこちら


レベル: 初級

Eric Wayne (ewayne@us.ibm.com), WebSphere Business Monitor Overall Lead, IBM
John Alcorn (jalcorn@us.ibm.com), Senior Software Engineer, IBM
Victor Chan (victor@ca.ibm.com), Senior Technical Staff Member, IBM Japan

2007年 12月 21日

IBM® WebSphere® Business Monitor 6.1は、大幅な変更によって機能を拡張し、ビジネス・システムのパフォーマンスのモニターと管理の方法を簡略化したメジャー・リリースです。この記事では、Web 2.0のダッシュボードのビジネス・ユーザー・エクスペリエンスのハイライトと、イベントをモニターするための柔軟性の高いアーキテクチャーを取り上げます。さらに、反復処理による開発、および簡略化されたインストールと管理機能についても見ていきます。このシリーズの続編では、ローンの貸し出しのシナリオを使いながら、新しい機能を実際に活用する方法を詳しく取り上げる予定です。パート2では、WebSphere Business Monitorのインストールの改良点について説明します。

はじめに

WebSphere Business Monitorは、IBMのビジネス・プロセス管理(BPM)ポートフォリオの中心的な存在であり、ビジネス・パフォーマンスをほぼリアルタイムで表示できる総合的なビジネス・アクティビティー・モニタリング(BAM)ソリューションです。BAMを活用すれば、以下のことが可能になります。

  • イベントを処理し、ビジネス・メトリックを計算し、ビジネス・ダッシュボードに重要業績評価指標(KPI)を表示することによって、ビジネス・アクティビティーのパフォーマンスを可視化できます。ユーザーは、予想値に照らして現在のビジネス・パフォーマンスを追跡管理し、時間別のトレンドを分析することが可能になります。
  • パフォーマンスが低下したり、予想値に達しなかったりする状況で威力を発揮します。
  • 組織として、より早い時期に潜在的な問題を認識できます。明確な方向性を持った対策を計画し、実行できます。つまり、適切なタイミングで適切な対策を講じることが可能になります。

WebSphere Business Monitorを使用すれば、ビジネス・パフォーマンスを確認し、そのパフォーマンスと予想値を比較することができます。ダッシュボードでは、KPIが目標値に到達しているかどうか、ビジネス・プロセスに予想外のボトルネック(ヒューマン・タスクに関するアクティビティーなど)がないかどうかを確認できます。さらに、実際の履歴情報を他のツール(WebSphere Business Modelerなど)で処理することによって、変更に関する推奨事項をより厳密にシミュレーションしながら、ビジネス・プロセスを改善することも可能になります。

この記事では、BAMへの対応を強化し、価値実現までの時間を短縮するための新機能を搭載したメジャー製品リリースであるWebSphere Business Monitor 6.1で加えられた大幅な変更点の概要を取り上げます。具体的には、以下のような内容です。

  • Web 2.0のダッシュボードで実現した新しいビジネス・ユーザー・エクスペリエンス
  • イベントをモニターするための柔軟性の高いアーキテクチャー
  • 反復処理による開発と、オペレーティング・システムおよびデータベースのサポートの拡張
WebSphere Business Monitorのインフォメーション・センター、その他のリソースには、詳細情報および参照資料が用意されています。

この記事では、新しい機能を取り上げてから、製品の操作性を改善するための変更点について説明します。インストールに必要なスペースが低減され、製品のインストールおよびモニター・モデルのデプロイなどの一般的な作業を短時間で(より少ない手順で)実行できるようになりました。旧バージョンのWebSphere Business Monitorを使用していたユーザーにとっても魅力的な変更点です。




上に戻る


ビジネス・ユーザーのための機能強化:ダッシュボード

通常、BAMソリューションをデプロイするのは、ビジネス・ユーザーがビジネス・パフォーマンスを可視化して把握し、その情報に基づいて対策を実行しやすくするためです。BAMによる自動的な対応処理が可能な場合もありますが、モニターと対応処理のための主なユーザー・インターフェースになるのは、WebSphere Business Monitorのダッシュボードです。

WebSphere Business Monitor 6.1には、ダッシュボードのデプロイ方法として ポータル・ベースのダッシュボードと、ポータルを必要としない Webダッシュボードの2つの選択肢が用意されています。どちらのダッシュボードにも同じモニター機能が用意されていて、これから取り上げる内容は、ポータル・ダッシュボードとWebダッシュボードの両方にあてはまります。

「入門」ガイド

WebSphere Business Monitor 6.1では、エンド・ユーザー・エクスペリエンスと外観が改善されており、即応性が高く、個人設定が容易になっています。ダッシュボード環境には、新しい「入門」ガイドがインストールされるようになりました。ビデオと操作手順の説明をまとめたこのガイドは、ダッシュボードで何を実行できるのかを学習するための便利なツールです。図1に「入門」ガイドのメイン・ページを示します。このページは、対象項目を調べるための目次区域になっています。


図1 新しい「入門」ガイド
図1 新しい「入門」ガイド

「入門」ガイドには、ビジネス業務を実行するエンド・ユーザーの8種類の最も一般的なタスクを取り上げた学習モジュールが含まれています。さらに、パワー・ユーザーによるBAMの操作性のカスタマイズ方法、および新しいKPIの作成方法も確認できます。ユーザーは、ページ上部にある各タブまたは目次領域にある各アイコンをクリックすることによって、「入門」ガイドの各項目にナビゲートできるようになっています。

図2にKPIのゲージ表示を学習するための例を示します。画面はアクティブになっていて、ダッシュボードの動きを示す動画が表示されています。この動画によって、表示モード、詳細情報へのアクセス方法、個人設定など、KPIの表示に関するさまざまな機能を確認できます。


図2 「KPI」-「入門」
図2 「KPI」-「入門」

「入門」ガイドでは、ユーザーが段階的に学習を進めることができるようになっています。KPIを使い始めて、基本的な機能に慣れてきたら、「入門」ガイドに戻ってさらに詳しい内容を学習できます。

Web 2.0を基盤にしたビジュアル・コンポーネントの強化

WebSphere Business Monitor 6.1では、新しいWeb 2.0を基盤にして、ダッシュボードに組み込まれている個々のビジュアル・コンポーネントが再設計されました。Monitor Serverがイベントを処理すると、ダッシュボードは一連のRepresentational State Transfer(REST)サービスによって動的に更新されます。ダッシュボードのビジュアル・アイテムは、DojoとAjaxのテクノロジーで実装されていて、見た目の美しさも応答性も向上しています。例えば、イベントが処理されると、ダッシュボード・ページのKPIとメトリックの表示は自動的に更新されます。ページのリフレッシュが最小限で済むため、新しいWeb 2.0ダッシュボードでのユーザー・エクスペリエンスが快適になります。

ダッシュボード・ページは、ダッシュボード・ビューのパレットを使って構成します。WebSphere Business Monitor 6.1では、簡単なポイント・アンド・クリック操作とドラッグ・アンド・ドロップ操作でダッシュボードを作成できます。例えば、Webダッシュボードを作成する場合は、Webダッシュボード・マネージャーで「新規」を選択します。空のダッシュボード・レイアウトが表示されたら、ダッシュボード・レイアウトの中で「ダッシュボードに追加」をクリックするか、ドロップダウン・リストからダッシュボード・ビューを選択するか、パレットからダッシュボード・ビューをドラッグしてレイアウトの中の目的の場所にドロップします。

ダッシュボード・ビューをダッシュボード・ページに追加したら、そのビューの個人設定を行うことができます。ダッシュボード・ビューの個人設定では、WebSphere Business Monitorの対象データをバインドし、ダッシュボード・ビューの外観を構成します。

ダッシュボード・ページは、作成者だけが参照できる個人用として作成することもできます。また、ユーザー・グループの中でダッシュボードを共用することも可能です。Webダッシュボード・マネージャーには、ダッシュボード・ページを共用にするか個人用にするかを設定するための簡単なユーザー・インターフェースが用意されています。ポータル環境では、ポータル管理ユーティリティーを使用して、ページを共用として設定できます。

WebSphere Business Monitor 6.1には、以下のダッシュボード・ビューが用意されています。

KPI
それぞれのビジネス環境に対して定義した範囲とターゲットに照らして、個々のKPIの値が比較表示されます。ゲージ、棒グラフ、テーブルなど、さまざまな形式でKPIを表示できるようになっています。
インスタンス
アクティビティーとプロセスのインスタンスの詳細が表示されます。個別表示とグループ表示が可能です。各種のメトリック・フィルターを使用して、アクティブなインスタンスと完了したインスタンスの両方を表示できます。フィルターとして時間メトリックを使用すれば、特定の時間間隔でインスタンス・データを表示するように制御できます。
ヒューマン・タスク
プロセスの中で人が実行する作業のメトリックが表示されます。ボトルネックの確認に役立てれば、作業負荷の再分散などの対策を実施できるようになります。「ヒューマン・タスク」ビューでは、選択したヒューマン・タスクについて、タスクの要求、ほかのユーザーへのタスクの移行などの一連の操作を実行できます。
ダイアグラム
マップ、プロセス・フロー・モデルなどの形で、アクティビティーのフローや状況がグラフィカルに表示されます。実質的にすべての種類のビジュアル・ダイアグラムを作成でき、メトリックおよびKPI値を追加することも可能です。さらに、イベントの処理に応じてダイアグラムの形状を視覚的に変更することもできます。
アラート
ビジネス・シチュエーションが発生したときに、特定のユーザーに通知が表示されるか、送信されます。
レポート
時間区分(四半期、月、日、時)ごとにビジネスの各ディメンションのパフォーマンスを分析したテーブルとグラフが表示されます。
ディメンション
ビジネスの重要な側面の実行状況に関する詳細が表示されます。各ディメンションからのドリルアップとドリルダウンによって、ビジネス・パフォーマンスの特定の側面を把握できます。

図3に示すのは、ヒューマン・タスク・インスタンスとビジュアル・ダイアグラムを組み合わせたダッシュボードの例です。「ヒューマン・タスク」ビューの「アクション」ドロップダウンでは、作業項目の転送、中断、再開の操作を実行できます。ダイアグラムは、ビジネス・イベントの処理に応じて動的に更新され、メトリックおよびKPIの表示、および形状の変更が行われます。ユーザーは、右側のパレットから項目をドラッグして自分のページにドロップすることによって、新しいダッシュボードを作成できます。


図3 操作ダッシュボードのレイアウト
図3 操作ダッシュボードのレイアウト

KPIゲージ(左)とKPIテーブル(右上)とレポート(右下)を組み合わせた例を図4に示します。このダッシュボードは、アクティビティーの集約情報(平均値、合計値など)を把握し、時間ごとの値の変化を追跡管理するために有効です。


図4 集約ダッシュボードのレイアウト
図4 集約ダッシュボードのレイアウト

図5に示すのは、特殊なダイアグラム・ビューを組み込んだダッシュボード・ページの例です。このダイアグラムでは、WebSphere Business Monitorサーバーによって処理された情報に基づいて、KPI値ごとにカナダの地図がアノテーションによって色分けされています。オレンジ色になっているカナダのブリティッシュコロンビア州、アルバータ州、サスカチュワン州の地域は、計画の51%になっていることがその地域の前面にあるテキスト・ボックスで確認できます。各地域の色とKPI値は、イベントが処理されるにつれて自動的に更新されます。


図5 アノテーションによって色分けした地図のダイアグラムを組み込んだダッシュボード
図5 アノテーションによって色分けした地図のダイアグラムを組み込んだダッシュボード

組み込まれている分析機能

図3、4、5 は、ビジネス・ユーザーがインスタンス・レベル(インスタンス・ビューとダイアグラム・ビュー)と集約レベル(KPIビューとダイアグラム・ビュー)で自分のビジネス・パフォーマンスを確認するためのダッシュボードの例でした。一方、ビジネス・マネージャーの側でも、さまざまな角度(ディメンション)から集約ビジネス結果情報を分析することが必要になります。例えば、銀行のマネージャーであれば、ローンの申し込みに関する情報(申し込みの総数、ローン総額)をローンの取り扱い担当者ごとに、あるいはプロセスの状態ごとに確認する必要があります。また、担当者ごと、さらにプロセスの状態ごとに、ドリルダウンによるマルチディメンション分析を実行し、各担当者について、さまざまな状況におけるローンの申し込みに関する値を調べることも必要です。そのような分析結果のレポートは、ExcelスプレッドシートまたはPDFファイルの形で作成できます。

WebSphere Business Monitorには、DB2® Alphabloxとの統合による分析機能が組み込まれています。BAMデータをパブリッシュしたりキャッシュに入れたりするのは、Alphabloxキューブ・サーバーの役割です。これにより、ビジネス・ユーザーは、ディメンション・ビューとレポート・ビューを組み込んだダッシュボードを作成することによって、分析結果と必要なレポートを生成できます。

WebSphere Business Monitorに用意されているディメンション・ビューとレポート・ビューから結果を表示する例を図6に示します。


図6 組み込まれている分析機能
図6 組み込まれている分析機能

KPIの追加と変更

WebSphere Business Monitor 6.1の主要な改善点の1つは、ビジネス・ユーザーが日常の業務を実行するときに、IT部門の手を借りることをはるかに少なくすることができる、という点です。ビジネス目標を定義するのは、業務管理者およびエグゼクティブの役割です。WebSphere Business Monitorでは、KPIを使用して、そのようなビジネス目標の達成度をリアルタイムで測定できます。WebSphere Business Monitor 6.1では、KPI Managerという新しい機能が用意されました。この機能には、「ユーティリティー」メニューからアクセスできます(図7を参照してください)。

KPI Managerでは、許可ユーザーがIT部門の手を借りずに、実動システムでKPIを作成および変更できるようになっています。WebSphere Business Monitor 6.1が登場する前は、モデル・エディターでKPIの作成や変更を行ってから、対応するWebSphere Business Monitorアプリケーションを組織内のIT部門がデプロイまたは再デプロイする必要がありました。ビジネス・ユーザーがKPIを定義することには多くのメリットがあります。例えば、開発のライフ・サイクルを大幅に短縮できます。さらに、ビジネス目標に関する情報をビジネス・ユーザー内部に留めることも可能になります。


図7 KPI Manager
図7 KPI Manager

KPI Managerからは、開発者が定義したすべてのKPIが元のモニター・モデルに組み込まれていることを確認できます。そのモニター・モデルのことをモデルKPIといいます。モデルKPIについては、表示名、ターゲット、範囲、および各範囲に関連付ける色とアイコンを変更できます。

さらに、ダッシュボードKPIという新しいKPIを定義することもできます。ダッシュボードKPIについては、デプロイメント作業がありません。ダッシュボードKPIを定義すると、そのダッシュボードKPIはすぐにアクティブになり、ダッシュボードで使用できます。ダッシュボードKPIは個人用として作成できます。この場合、組織内のほかのユーザーにはそのダッシュボードKPIが表示されません。KPIの所有者がKPI管理者であれば、そのKPIを共用として設定することも可能です。新しいモニター・モデルをデプロイすると、ダッシュボードKPIはその新しいバージョンのモニター・モデルに自動的にマージされます。WebSphere Business Monitor 6.1には、ダッシュボードKPIを別のWebSphere Business Monitorデータベースに転送するためのユーティリティーも用意されています。

ビジネス・ユーザーがKPI Managerによってモニター機能を拡張する一例として、グローバル・ヒューマン・タスクというモニター・モデルに新しいKPIを追加することが挙げられます。このモニター・モデルは、WebSphere Business Monitor 6.1のサーバーに組み込まれています。このモニター・モデルには、すべてのヒューマン・タスクに対して20以上の一般的なビジネス・メトリックが含まれています。ビジネス・ユーザーは、それらのメトリックを使用して、特定のヒューマン・タスクに特定のKPIを追加できます。

アラートとアクション

ビジネス・ユーザーが注目するか、ほかの外部システムに通知する必要がある状況のことをアラートといいます。WebSphere Business MonitorのIT管理者は、各種のアラートの処理方法を定義するためのテンプレートを設定できます。アラートの種類には、ダッシュボード、Eメール、携帯電話、ポケットベル、Service Component Architecture(SCA)サービス、Webサービスなどが考えられます。ビジネス・ユーザーは、サブスクリプションを設定して、ダッシュボード、Eメール、携帯電話、およびポケットベルでアラートを受け取るように登録できます。

WebSphere Business Monitor 6.1が登場する前は、WebSphere Application Server管理者だけがビジネス・ユーザーのためにアラート受信を登録できました。WebSphere Business Monitor 6.1では、ビジネス・ユーザーがビジネス・アラート受信を登録し、通知方法を1つ以上選択できるようになっています。

図8に示すとおり、アラートがダッシュボードでビジネス・ユーザーに通知されると、ビジネス・ユーザーは「アラート」ビューでそのアラートを確認できます。ビジネス・ユーザーは、各アラートを既読または未読に設定でき、さらにアラートの転送または削除もできます。

役割ベースのダッシュボード・アクセス

WebSphere Business MonitorのIT管理者は、ビジネス・ユーザーの役割に基づいて、ダッシュボードへのアクセスを制御できます。アクセス権限は、モデル・レベルで指定できます。例えば、1つのモニター・モデルのKPI管理者であるユーザーが、別のモデルにはアクセスできない可能性があります。モニター・モデルをダッシュボード・ビューにバインドするときに、ビジネス・ユーザーが使用できるのは、許可されているモニター・モデルだけです。共用KPIの変更などの操作は、無許可のビジネス・ユーザーには使用不可になります。

WebSphere Portalとの統合の強化

WebSphere Business Monitorの各ダッシュボード・ビューは、WebSphere Portalのポートレットとしてデプロイすることもできます。WebSphere Business Monitorのすべてのポートレットは、ポートレット・パレットに組み込まれています。Portal 6.01では、ページ作成インターフェースが大幅に改善されていて、ビジネス・ユーザーは、パレットからWebSphere Business Monitorのポートレットをドラッグし、ページの目的の領域にドロップするだけで、ポータルのダッシュボード・ページを作成できます。ここで、各ポートレットを個人設定できます。これには、データのダッシュボード・ビューへのバインド、ダッシュボード・ビューの表示形式の構成などがあります。ポータル環境では、ビューにアクセスするユーザーを制限して、それ以外のユーザーによるダッシュボード・ビューの変更または個人設定を禁止できます。

上の図3から6までのすべてのダッシュボードは、ポータル・ダッシュボードとして作成することもできます。ポータル・ダッシュボードには、WebSphere Portalに用意されている視覚化機能(ポートレット)だけでなくカスタム・ポートレットも組み込むことができます。Portal Serverを使用する場合は、KPI Manager、値のエクスポートなどのダッシュボード・ユーティリティーもポートレットとしてインストールされます。

WebSphere Business Monitorのアラート・ビューとKPIビューが組み込まれたポータル・ダッシュボード・ページを図8に示します。このページには、World ClockポートレットとPerson Finderポートレットも組み込まれています。WebSphere Portalには、カスタム・モニター視覚化機能の作成、またはほかのソースの視覚化機能の結合をする必要があるユーザーのために、ダッシュボードをカスタマイズするための豊富な機能を搭載したプラットフォームが用意されています。


図8 ポータル・ベースのダッシュボード
図8 ポータル・ベースのダッシュボード



上に戻る


ビジネス・イベントとデータの柔軟な処理:Monitor Server

観察し、モニターできるアクティビティーが増えるにつれて、ビジネス・アクティビティーをモニターするメリットも大きくなります。WebSphere Business Monitor 6.1には、より多くのイベントとデータにアクセスし、KPIとダッシュボードによってビジネス・パフォーマンスをより包括的に視覚化するための新しい方法が用意されています。ここでは、モニター対象のビジネス・アクティビティーの4つのカテゴリーに関連したWebSphere Business Monitor 6.1の変更点について取り上げます。これらのカテゴリーは、しばしば組み合わせて使用されます。

WebSphere Business Monitor 6.1の2つの基本的な変更点によって、イベント処理の柔軟性が大幅に向上しました。

イベント・スキーマとランタイム・コンテンツに対するXMLのベスト・プラクティス
WebSphere Business Monitor V6.1が登場する前は、イベントは、Common Event Infrastructure(CEI)のイベント・カタログ形式で記述する必要がありました。このXML文書は、イベント構造とフィールド・タイプを記述し、必須フィールドとオプション・フィールドを指定するための便利な方法です。このカタログXMLは目的に適していましたが、イベント・スキーマのためだけに特殊なXMLの書き方を使用する必要がありました。WebSphere Business Monitor 6.1では、イベント・スキーマのためにXSD(XMLスキーマ定義)を使用するオプションが用意されました。これには多くのメリットがあります。イベントは、SOAおよびBPMのほかの面で既に使用しているのと同じツールで記述できるようになりました。ビジネス・イベントの本体の中で渡すビジネス・データのXSDが既に定義済みの場合、ビジネス・モニター用にもそのXSDを単純に再利用できます。

例えば、顧客オーダーを表すビジネス・オブジェクトを組み込んだBPELアプリケーションをWebSphere Integration Developerで作成済みの場合、そのビジネス・オブジェクト定義をモニター・モデルで再利用できます。2つの形式の定義を同期させる必要はなくなりました。1つの形式で両方の用途に対応できます。これは、WebSphere Service Registry and Repositoryを使用してビジネス・オブジェクト定義などのガバナンスを実施している場合にもあてはまります。WebSphere Service Registry and Repositoryは、XSDをネイティブでサポートしているため、そのEclipseプラグインをWebSphere Business Monitor 6.1ツールキットと組み合わせて使用して、モニター・モデルの作成時にリポジトリーから該当のXSDを抽出し、インバウンドとアウトバウンドの両方のイベント定義にそのXSDを使用できます。

WebSphere Business Monitor 6.1では、XML文書のフラグメントをビジネス・イベントの本体またはペイロードとして使用することも可能です。以前は、実行時に送信するイベントをextendedDataElementsとして親子階層に「分断」する必要があったため、ソース・アプリケーションからイベントを送出する前に特別な変換手順が必要になることがしばしばありました。WebSphere Business Monitor 6.1では、既にXML文書の形式になっているビジネス・イベントのペイロード・データを分断処理なしでビジネス・イベントの中に配置できます。この柔軟性によって、「XML対応」のアプリケーションおよびミドルウェアでは、より便利なオプションを使用できるようになりました。

イベントの順序付けのサポート
非同期処理とネットワーク待ち時間のために、ビジネス・アクティビティー処理の元の順序と、イベントがWebSphere Business Monitorに到達する順序とが一致しない場合もあります。例えば、単純な注文アクティビティーには、発注を表すイベントと受注を表すイベントの2つのイベントがあります。場合によっては、発注イベントよりも受注イベントの方が先に到達する可能性があります。WebSphere Business Monitor 6.1が登場する前は、モニター・モデルの開発者と管理者が、通常、イベントの送出を同期処理として設定して、イベントの送出順序を定義する必要がありました。WebSphere Business Monitor 6.1には、モニター・モデルによってイベントを処理する前に、ある程度の順序付けを実行して、イベントの取り込みを調整する機能が用意されています。

イベントの順序付けのサポートによって、イベント送出のための新しい多くのオプションが使用できるようになりました。イベントの送出を非同期処理として実行できるようになったため、非同期で処理するメリットがあるイベント・ソース(Enterprise Service Bus(ESB)など)をビジネス・イベントでソースとして使用するのが、当たり前のことになりました。イベントの生成者は、WebSphere MQなどの代替JMSプロバイダーのキュー接続を指定して、CEIの入力JMSキューにイベントを直接配置するというオプションを使用できるようになりました。さらに、管理者は、そのような非同期送出イベントの場合でも、CEIとメッセージング・エンジンを必要に応じてクラスター化する、というオプションを使用できるようになりました。

ビジネス・プロセスのモニター

WebSphere Business Monitorは、さまざまな実行時環境で実行されるビジネス・プロセス向けのBAM機能を提供する、より大規模なBPMソリューションの一部として使用されることがよくあります。WebSphere Business Monitor 6.1には、モニター対象のアプリケーションに合わせてモニター・モデルを同期させるための新しい機能が追加されています。例えば、ビジネス・プロセスのモニター方法を定義するために既に作業した後で、ビジネス・プロセス自体を変更する必要がある場合があります。WebSphere Business Monitorツールキットの新しい機能を使用すると、モニター対象のアプリケーションに合わせて、モニター・モデルのリファクタリングと同期化を自動的に実行できます。WebSphere Business Monitor 6.1でサポートされているビジネス・プロセス・インフラストラクチャーを表1に示します。

表1. WebSphere Business Monitor 6.1でサポートされているビジネス・プロセス・インフラストラクチャー
インフラストラクチャー説明
WebSphere Process ServerWebSphere Business MonitorをWebSphere Integration DeveloperおよびWebSphere Process Serverと統合すると、WebSphere Process Serverで実行するすべてのコンポーネントのアクティビティーを追跡管理できます。旧リリースでは、WebSphere Process Serverでサポートされている各種のコンポーネントのサブセットだけをモニターできましたが、WebSphere Business Monitor 6.1では、ビジネス・ステート・マシンとビジネス・ルールに対する新しいサポートをはじめとする各種のService Component Architecture(SCA)コンポーネントすべてをサポートしています。

ヒューマン・タスクをモニターするためのサポートも改善され、WebSphere Process Serverで実行するヒューマン・タスクの状況と対応アクションに特化した新しいダッシュボード・ビューが用意されています。

WebSphere Business Services Fabric元になっているWebSphere Process Serverの機能を利用して、ビジネス・イベントをWebSphere Business Monitorに送信します。WBSFを使用して複合的なビジネス・アプリケーションを動的に組み立ておよび管理でき、ほかのWebSphere Process Serverアプリケーションの場合と同様にBAM機能を使用できます。
FileNet P8FileNet P8 v4.0の資料(「関連情報」を参照)では、イベント送出とビジネス・モニターに対してFileNet P8のプロセスを使用可能にする方法を説明しています。FileNet P8には、メトリックを計算し、P8のプロセスのフローを追跡管理するために使用できるモニター・モデルが用意されています。このモニター・モデルは、WebSphere Business Monitorツールキットにインポートし、必要に応じてカスタマイズできます。
WebSphere MQ WorkflowWebSphere Business Monitorに、WebSphere MQ Workflowのプロセスをモニターするための高品質なサポートが組み込まれました。WebSphere Business Monitor V4.2.4を使用しているユーザーのために、マイグレーション・ツールも用意されました。WebSphere Business Monitor 6.1には、WebSphere MQ Workflowをモニターするためのサポートが組み込まれているため、そのようなユーザーはアップグレードを実行することによって、この新しいリリースのメリットをすべて活用できるようになります。以前のv4.2.4のモニター・モデルとそのモデルで収集したデータの両方を6.1環境にマイグレーションできます。

ビジネス・アプリケーションのモニター

SOA環境では、1つの複合的なビジネス・ソリューションに集約するサービスの多くがリモートの非WebSphereベースのインフラストラクチャーでホスティングされていることが少なくありません。その場合は、しばしばWebSphere Adaptersを使用してそういう環境と通信することが有効です。WebSphere Adaptersには、多種多様なアプリケーション・ホスティング環境に対するさまざまなコネクターが用意されています。通常、アダプター・ベースの対話式処理は、ESBでサービスとして公開することをお勧めします。この手法の例を次に示します。

WebSphere ESBとWebSphere Adapters
WebSphere Business Monitorには、WebSphere Adaptersを使用してWebSphere ESBまたはWebSphere Process Serverのいずれかと統合することによって、SAPなどのビジネス・アプリケーションでアクティビティーをモニターするための図解および入門サンプルが用意されています。WebSphere ESBでは、SCAプログラミング・モデルでサービスを公開することが推奨されていて、SCAサービスの入力パラメーターと戻り値を組み込んだイベント送信を使用可能にするためのサポートがWebSphere ESBに組み込まれています。

WebSphere Business Monitor 6.1には、ビジネス・シチュエーションの検出時に、SCAプログラミング・モデルで公開されているサービスを呼び出すための新しいサポートも用意されています。

WebSphere Message BrokerとAdapters
SupportPac IA9Vには、ビジネス・イベントをWebSphere Business Monitorに送信するための再利用可能なMessage Brokerサブフローが用意されています。
WebSphere DataPower Integration Appliance XI50
DataPower XI50 Applianceには、WebSphere Business Monitorがコンシュームするビジネス・イベントを送出するための統合機能が組み込まれています。

その他のビジネス・アクティビティーのモニター

場合によっては、ビジネス・アクティビティーがProcess ServerまたはESBと自然に接続されないことがあります。WebSphere Business Monitor 6.1には、さらに多くの接続オプションが用意されています。

  • WebSphere Business Monitorのイベント・インフラストラクチャーにイベントを送信するための入り口としてWebSphere MQを使用できます。WebSphere MQは、これまで何年もの間、アプリケーション統合、B2B、SOA接続などのさまざまなソリューションに幅広く使用されてきました。したがって、多くの企業では、WebSphere MQの環境とスキルを既に持っています。WebSphere Business Monitor 6.1では、ビジネス・イベントをWebSphere MQのキューに配置し、WebSphere Business Monitorで処理できるようになりました。
  • WebSphere Business Monitorにイベントを送信するための別の新しい手段は、WS-Notificationを使用する環境です。Webサービスによってビジネス・イベントを通知メッセージとしてパブリッシュし、アプリケーション・サーバーによってそのメッセージをCEIの入力JMSキューに転送できます。CEIでWS-Notificationを使用する方法については、WebSphere Application Serverのインフォメーション・センターを参照してください。
  • モニター・ソリューションのIBM Tivoli®ポートフォリオは、対応範囲が広く、ITアーキテクチャーのさまざまな層を可視化できます。例えば、ITCAM for SOAを使用してボトルネックや障害のソースを突き止め、多くの時間やリソースを消費しているサービスを特定できます。この種のモニター・ソリューションは、ビジネス・レベルのパフォーマンスにターゲットを絞り、ビジネス・ユーザーが使用するビジネス・インターフェース(SAP、WebSphere Portalのアプリケーションなど)と一緒に実行するように設計されている WebSphere Business Monitor を補完するものです。

    ITCAMとWebSphere Business Monitorには、製品間の統合ポイントが用意されていて、新しいメリットを提供します。例えば、ITリソースの問題またはサービスの問題をITCAMが検出すると、ITCAMからWebSphere Business Monitorにイベントを送信して処理できます。そのイベントがビジネスのパフォーマンスに関連している(パフォーマンスの低下によって保険請求処理が滞り、コール・センターの担当者を増員する必要があるなど)ことが判明すると、その問題についてのアラートを、該当するビジネス・ユーザーにWebSphere Business Monitorから送信できます。

  • その他の場合には、単純なJavaイベント・エミッター・インターフェースが用意されています。既に見たとおり、WebSphere Business Monitor 6.1では、イベントのペイロードで使用するイベント・スキーマとXML文書を記述するためにXSDを使用できます。これは、カスタムJavaイベント・エミッターに対してもサポートされます。

ユーザー定義関数によるビジネス・データの抽出と補強

旧リリースでは、環境をモニターする唯一の方法は、その環境からWebSphere Business Monitorにイベントをプッシュすることでした。WebSphere Business Monitor 6.1の主要な新機能は、データ抽出機能です。この機能では、マップ式やトリガーなどのWebSphere Business Monitorのプログラミング・モデルのXPath使用箇所で、ユーザー定義のXPath関数を使用します。ユーザーは、モニター対象のシステムと通信するために、必要なAPI(JDBC、JCA、SCA、RESTなど)を使用したJava™メソッドを作成し、XPath式で使用できる新種の関数としてそのメソッドを呼び出す方法(そのようなユーザー定義関数を作成するときに、コンテンツ・アシストで利用できるようにすることを含む)を記述したJava 5のアノテーションをそのメソッドに追加できます。

この新しい機能の主な用途は、次の2つです。

  • イベントから送られてくるデータをその時点で拡張すること。例えば、社員番号は含まれているが、その社員の時間給という機密性の高い情報は含まれていないイベントがあるとします。ユーザー定義XPath関数を使用すると、特定のアクティビティーに関する作業コストを計算してメトリックに格納できます。
  • 時間ベースの反復トリガーの一部として使用すること。例えば、特定のビジネス・シチュエーションが発生したかどうかを確認するためのシステム・ポーリングが考えられます。そのようなユーザー定義XPath関数は、インスタンス・レベルのモニター・コンテキストでも、集約レベルのKPIコンテキストでも使用できます。



上に戻る


反復処理によるBAMの設計と開発:Monitorツールキット

BAMのメリットは、ビジネス・ユーザーが現状を把握し、機会に対応するアクションおよび改善するアクションを実施することによって実現します。BAMプロジェクトは、プロジェクト要件の収集、モニター・モデルの設計と開発、そのモデルのテストとデプロイなどのアクティビティーを通じて有効にする必要があります。バージョン 6.1のWebSphere Business Monitorツールキットでは、これらのプロジェクト・アクティビティーによる価値実現までの時間を短縮するために、大幅に機能強化されています。

WebSphere Business Monitorモデルの作成

WebSphere Business Monitor 6.1では、モニター・モデルの作成作業が大幅に簡略化されました。エディター・サポートの範囲が広がり、一般的なタスクの手順が削減され、生成機能が改善されています。WebSphere Business Monitor 6.1にはモニター・モデル作成機能の改善点が多数ありますが、ここでは、そのうちの3つだけを取り上げます。

WebSphere Business Monitorは、WebSphere Integration Developer、WebSphere ESB、およびWebSphere Process Serverと組み合わせて使用することが多いため、バージョン 6.1では、統合のレベルがさらに深化しています。最も目立つ変化は、一般的なモニター・シナリオに対応したモニター・モデル・テンプレートが追加されていることです。テンプレートは、WebSphere Integration Developerコンポーネント(BPELプロセス、ヒューマン・タスク、WebSphere ESBのメディエーション・モジュールなど)に適用できます。テンプレートをBPELプロセスのモニターに適用する例を図9に示します。処理の経過時間を計算するためのメトリックとKPIを追加することも、プロセスやアクティビティーの現在の状態を追跡管理することもできます。


図9 WebSphere Business Monitorモデルの作成
図9 WebSphere Business Monitorモデルの作成

開発者または開発者のチームがWebSphere Integration Developerを使用して、アプリケーションとそのアプリケーションのモニター・モデルを同時に作成するときは、WebSphere Business Monitor 6.1は、新しいリファクタリングと同期のための機能を提供します。WebSphere Integration Developerアプリケーションを変更すると、それに対応するモニター・モデルの変更が発生する場合が多いためです。

WebSphere Business Monitorツールキットの別の新機能として、ビジュアル・モデル・エディターがあります。図3と図5では、アノテーションを使用したダイアグラムがあるダッシュボードの例を取り上げました。この新エディターでは、一連の形状と一連のアクションをダイアグラムに関連付ける方法を定義し、メトリックまたはKPIの値に基づくダイアグラムの変更方法およびそのタイミングを記述します。ビジュアル・モデル・エディターの使用例を図10に示します。ここでは、開発者がサンプル・データ・セットを使用して表示の単体テストを行っています。ビジュアル・モデルを変更したら、WebSphere Business Monitorツールキットの中から直接サンプル・データを追加してダイアグラムをテストできます。さらに、ビジュアル・モデル式の戻り値をチェックして、意図したとおりに動作することを確認できます。


図10 ビジュアル・モデル・エディター
図10 ビジュアル・モデル・エディター

統合Monitor Serverによる単体テスト

WebSphere Business Monitorツールキットには、以下の機能も用意されています。
単体テスト・サーバー
Monitorツールキットには、モニター・モデルのXMLファイル用エディターだけでなく、単体テスト環境も用意されています。単体テスト環境では、埋め込みサーバー環境でモニター・モデルをテストし、モニター・モデルがイベントに適切に対応すること、つまり正しいデータを格納し、正しいアクションを実行することを確認できます。

単体テスト・サーバーは、実際には完全なWebSphere Business Monitorサーバーです。ただし、server.xmlでdevelopmentMode=trueと設定して特別に作成されたプロファイルで実行されます。テーブルの自動作成およびキューブの自動登録などの「早道」オプションも用意されています。このモードでは、前に実行した処理から無効である可能性があるデータをすぐに消去することによって、複数バージョン環境でも作業が複雑にならないようにします。(反復的な開発作業では、データベース管理者またはWebSphere管理者の関与なしに、変更点をテストしてすぐに次に進む必要があるためです。)

単体テスト・サーバーでは、WebSphereに組み込まれているDerby Embeddedデータベースを使用します(モニター・モデルの基本的なテストのために、別個にインストールされたデータベースは必要ありません)。単体テスト・サーバーは、Rational® Application Developer V7またはWebSphere Integration Developer V6.1に用意されているような標準的なメカニズムで制御されます。プロジェクトの追加と削除のためのウィザード、ワークスペースからプロジェクトを実行する機能、および変更を加えたプロジェクトをリパブリッシュする機能が組み込まれています。

統合テスト・クライアント
重要な新機能は、IDE中でイベントを構成して送信する機能です。モニター対象のアプリケーションを実際に実行しなくても、モニター・モデルがイベントを正しく処理していることをテストできます。フォーム・ベースの基本的なグラフィカル・インターフェースを使用して、XSDに基づいてイベントの各フィールドに値を入力できます。これにより、各フィールドへの正しい型のデータ入力を確保し、入力支援機能(dateTimeタイプのフィールドでのポップアップ・カレンダーなど)を活用できます。

図11に示すとおり、統合テスト・クライアントでは、イベントのスクリプト(一時停止を含む)の作成、そのスクリプトのエクスポートとインポート、およびスクリプト内のイベントの再配列と再編集ができます。モニター・モデルの変更点をテストするときなどに簡単に再送信できるイベント・データのライブラリーを簡単に作成できるようになりました。


図11 統合テスト・クライアント
図11 統合テスト・クライアント
統合ダッシュボード
この重要な新機能では、非ポータル・ベースのダッシュボード・オプションを使用して、すべてのダッシュボード・ビューをIDEの組み込みブラウザーで完全にサポートします。単体テスト・サーバーのポップアップ・メニューから管理コンソールまたはCBEブラウザーを起動するのと同じようにWebダッシュボードを起動し、IDEの1つのタブとして実行できます。実稼働環境の場合と同様に、ディメンション分析ビュー、アノテーションを使用したSVGダイアグラム、アラートなど、WebSphere Business Monitorダッシュボードのすべての機能を活用できます。反復的な開発作業において、モニター・モデルを変更し、結果を単体テスト・サーバーにリパブリッシュし、ダッシュボードでその結果をすぐに確認する作業を短時間で行うことができます。

オプション:カスタムBAMインターフェースの開発

WebSphere Business Monitorには、広範なビジネス・ダッシュボード要件に向けて使用できるいくつかのダッシュボード・ビューが用意されています。このビューの外観および動作は個人設定できます。場合によっては、組織が、WebSphere Business Monitorサーバーで処理され、計算されたBAMデータのアクセスおよび使用について、非常に特殊な要件を設定していることがあります。こういう場合のより良いサポートのため、WebSphere Business Monitor 6.1には、BAMデータにアクセスする新しい方法が2つ用意されています。

  • 新しいアクセス・メカニズムの1つは、Web 2.0の方式に完全に基づいています。WebSphere Business Monitor 6.1は、メタデータとデータの値にアクセスする一連のRESTサービスをパブリッシュします。RESTのアーキテクチャー・パターンに従い、各サービスはURIで指定します。例えば、KPIのリストを取得するには、"/models/model_ID/versions/version_ID/kpis."という形式のURIを使用します。このRESTサービスでは、JavaScript Object Notation(JSON)というデータ交換形式を使用して、やり取りする情報のペイロードを表します。

    KPIリストに対する要求で返されるJSONオブジェクト・フィールドの例をリスト1に示します。



    リスト1
    		                
    		                
    [ --- KPI array
        { -- 1ST KPI
            "KPI ID":  "kpi id1",
            "Model ID": "model1",
            "Version": "1234556",
            "KPI Display Name": "kpi name",
            "KPI Origin": "modeled",
            "User ID": "user 1"
            "KPI Context ID": "context id1"
            "KPI Description": "sample KPI Data"
            "KPI Data Type": "duration"
            "Target": 123344
            "Target Localized": "xxxxxxxxxxxx"
            "KPI Calc Method": "aggregated"
            "Aggregated Metric ID": "metric ID"
            "Aggregated Metric Name": "metric name 1"
            "Aggregated Function": "avg"
            "Version Aggregation": "allVersions"
            "View Access": "public"
        },
        { -- 2nd KPI
        }
    ]

    WebSphere Business Monitorインフォメーション・センターの『参照』セクションには、各RESTサービスに対する詳細なリファレンス情報(URI、パラメーター、JSONオブジェクト出力サンプルなど)があります。

  • WebSphere Business MonitorからBAMデータにアクセスする新しい方法の2番目は、WebSphere Portlet Factoryという補完製品によって可能になる統合ポイントです。WebSphere Business Monitor Data Access Builder for Portlet Factoryは、IBM SOA Business CatalogのWebサイトからダウンロードできます。

    このData Access BuilderとPortlet Factoryとを組み合わせて使用すると、WebSphere Business Monitorのメタデータとデータの値を簡単に取得できます。Portlet Factoryの開発ツールにData Access Builderをインストールすると、Factoryの多様なビジュアル・ビルダーとWebSphere Business Monitorのデータとを組み合わせることができます。例えば、WebSphere Business Monitorによって計算されたKPIを視覚化するためのカスタム・ポートレットを作成し、そのポートレットを、WebSphere Business Monitorにインストールされているいずれかのポートレットと一緒にデプロイできます。Data Access Builderは、Portlet FactoryのスーパーセットであるWebSphere Dashboard Frameworkと組み合わせて使用することもできます。この場合、カスタマー・インターフェースを作成するためのツールボックスに高性能の図表機能を追加できます。




上に戻る


デプロイメントの簡略化:インストールと管理

WebSphere Business Monitor 6.1のインストールは、ほかの関連製品と整合性がとれています。管理タスクも合理化され、自動化されました。

整合性

WebSphere Business Monitor 6.1のインストーラーでは、インストール作業を快適にするために、整合性と信頼性に重点を置いています。

WebSphere Application Server 6.1と関連製品を使用すると、WebSphere Business Monitor 6.1の外観、ナビゲーション、パネル設計が、WebSphere Application Server 6.1と整合性がとれていることに気付きます。ようこそページからファースト・ステップ・ダイアログに至るまで、ユーザーは新しいインストール方法について学ぶ必要はありません。同様に、WebSphere Business Monitor 6.1サーバーの保守作業も、WebSphere Application Server 6.1で使用するのと同じ更新インストーラーで実行します。

WebSphere Business Monitor 6.1では、WebSphere Business Monitorサーバーの構成用に整合性のとれたWebSphereプロファイル管理をサポートしています。デプロイメント・マネージャー・プロファイルまたはスタンドアロン・アプリケーション・サーバー・プロファイルの作成、拡張などのタスクは、WebSphere Application Server 6.1で使用するのと同じWebSphereプロファイル管理ツールで実行します。

作成機能については、ほかの開発ツール(Rational Application Developer 7.0、WebSphere Integration Developer 6.1など)と整合性をとってWebSphere Business Monitorツールキットが設計されました。ほかの開発ツールはどちらも、IBM Installation Managerによる共通インストール方式を採用しています。その結果、外観、および問題判別とアンインストールの方法が統一されました。

インストール・シナリオの範囲

WebSphere Business Monitor 6.1におけるハイライトは、必要なソフトウェアの占有スペースの削減です。バージョン 6.0.2のWebSphere Business Monitorのサーバー・インストールでは、DB2、DB2 Alphablox、DB2 Cube Views、WebSphere Process Server、WebSphere Portal、およびLDAPサーバーが常に必要でした。このリリースでは、WebSphere Application Server 6.1のみが唯一の必須前提条件です。プロジェクトで高度な機能が必要な場合には、DB2、DB2 AlphaBlox、およびWebSphere Portalをインストールできます。DB2 Cube Viewsは、WebSphere Business Monitorで使用されなくなりました。したがって、インストール・オプションの中にも含まれていません。

6.0.2の場合と同じく、WebSphere Business Monitor 6.1のサーバー・インストールでも、基本インストール・パスまたは拡張インストール・パスを選択できます。基本インストールでは、インストール・プログラムが一般的なデフォルト・オプションを使用し、前提ソフトウェアを自動的にインストールします。単一サーバー・トポロジーのWebSphere Business Monitorをインストールする場合は、基本インストールが簡単で、作業も短時間で済みます。

拡張インストール・パスは通常の実稼働スタイルのトポロジーで、WebSphere Business Monitorコンポーネントを複数のサーバーに分散します。

より広範なオペレーティング環境のサポート

WebSphere Business Monitor 6.1では、オペレーティング・システムとデータベース・プラットフォームのサポートが拡張されました。サポートが追加された主要なオペレーティング・システムは、Red Hat Enterprise Linux™、SUSE Linux Enterprise Server、および HP-UX® Itanium です。

WebSphere Business Monitorサーバーでサポートされている主要なデータベース・プラットフォームは、DB2 for z/OS、Oracle 10gのStandardとEnterprise、Derby Embedded(実稼働以外の用途のみ)、およびバージョン 9.1のDB2ワークステーションです。

ファースト・ステップ

インストール後にすぐに使用できる人気の高い新機能はファースト・ステップ・コンソールです。図12に示すとおり、ファースト・ステップ・コンソールには、BAMプロジェクトを推進するためのアクションとリソースのリストが用意されています。


図12 WebSphere Business Monitorのファースト・ステップ
図12 WebSphere Business Monitorのファースト・ステップ

WebSphere Business Monitor 6.1では、まったく新しい2つのファースト・ステップ項目が追加されました。

  • インストール検査ユーティリティーによって、プロジェクトの作業を進める前にインストールに問題があったかどうかを確認できます。このユーティリティーは、モニター・モデルをデプロイし、そのモデルでイベントを処理することによって、WebSphere Business Monitorのほとんどのサーバー機能を実行します。この検査に合格すると、モニター・モデルのインストールとWebSphere Business Monitorサーバーの構成に進むことができます。
  • マイグレーション・ウィザードを使用して、WebSphere Business Integration Monitor V4.2.4とWebSphere Business Monitor 6.0.2のデータおよびモデルをマイグレーションできます。このウィザードにより、管理者は、リソースをWebSphere Business Monitor 6.1にマイグレーションし、更新後のリソースを検証する手順を実行します。



上に戻る


まとめ

WebSphere Business Monitor 6.1のハイライトを4つの主なカテゴリーに分けて表2に要約します。

表2. WebSphere Business Monitor 6.1のハイライト
 6.0.26.1のハイライト
ビジネス・ユーザー・エクスペリエンス限定的な範囲の個人設定オプション。以下の拡張機能による、一連の業務の強化
  • Web 2.0 テクノロジーによる視覚化機能の強化による、外観と即応性の向上と、より詳細な個人設定のサポート。
  • 「入門」と段階的な学習。
  • ヒューマン・タスクの新しい視覚化機能。
ビジネス・イベントとデータの処理WebSphere Process Server、WebSphere ESB、「ユーザー作成」のエミッター。ビジネス・アクティビティーに対する、以下のようなより簡単なアクセス方法
  • WebSphere ESB/Adapters、FileNet、WebSphere MQ Workflowの追加。
  • イベントの入り口としてのWebSphere MQのサポート。
  • ユーザー定義関数によるデータ抽出機能。
反復処理によるBAMの設計と開発単純化されたWebSphere Process Server用生成。モニター・モデルごとに1つのモジュール。

簡単なメトリック・ビューアーによる単体テスト。

以下のような、モニター・モデルのより迅速な作成
  • WebSphere Process Server、WebSphere ESB 用のパターン化された生成機能。モジュールとモデルの柔軟な関係。
  • SCA サポートの拡張、WebSphere Integration Developer のモデルに合わせたリファクタリングと同期化。
  • エディター・サポートの簡略化と拡張 (XML 編集不要)。
  • 統合テスト・クライアントによる、イベント送出処理のスクリプト化。
  • 手動手順不要の迅速なデプロイメント。ビジネス・ユーザーによるダッシュボード環境の KPI の追加/変更、デプロイメントの反復作業削減。
  • 単体テストですべてのダッシュボード・ビューを使用可能。
  • カスタム・ダッシュボードを使用可能にする、KPI とメトリックにアクセスするための REST インターフェース。
  • カスタム・ダッシュボード 用のWebSphere Dashboard Framework ビルダー。
インストールと管理PortalとAlphabloxが常に必要。 DB2のみのサポート。 WindowsとAIXのみ。以下のように、BAMのデプロイメントにかかるコスト全体を削減
  • ほかの関連製品との整合性が取れたインストール。
  • 軽量ダッシュボード構成、軽量ダッシュボード構成 + Alphablox(UTE)、ポータル・ダッシュボード、ポータル・ダッシュボード + Alphabloxという4つのトポロジーの選択肢。
  • Oracle、DB2 on z/OS、Linux x86のサポートの追加。
  • 管理タスクの合理化と自動化。

このシリーズの続編では、ローンの貸し出し業務のシナリオを使いながら、WebSphere Business Monitor 6.1の機能を実際に活用する方法を詳しく取り上げる予定です。その前に、パート2では、WebSphere Business Monitorのインストールの改良点について説明します。重要な変更点と操作性の大幅な向上に関する解説にご期待ください。

謝辞

WebSphere Business Monitor 6.1の開発リーダーなくしては、この記事の執筆は不可能でした。以下にそのお名前を記し、その技術革新と尽力に著者一同、心からお礼を申し上げます。Arvind Srinivasan、Christina Watkins、Clayton Sims、Curtis Miles、Dan Willey、David Enyeart、Jim Thorpe、Nick Metianu、Paritosh Patel、Ramiah Tin、Stephanie L Walter、Wilfred C Jamisonの各氏です。



参考文献

学ぶために

製品や技術を入手するために
  • IBM SOA Business Catalog(US)からWebSphere Business Monitor Data Access Builderをダウンロードできます。

  • SupportPac IA9V(US)には、ビジネス・イベントをWebSphere Business Monitorに送信するための再利用可能なMessage Brokerサブフローが用意されています。


議論するために


著者について

Wayne photo

Eric Wayneは、ビジネス・アクティビティー・モニタリング(BAM)のリード・アーキテクト、WebSphere Business Monitorの開発リーダー、そしてIBM Software Group Architecture Boardの中核メンバーです。
ewayne@us.ibm.com


author photo

John Alcornは、IBMビジネス・アクティビティー・モニタリング(BAM)プラットフォームのリード・アーキテクトです。これまで14年間、IBMのソフトウェア・エンジニアとして勤務し、そのうちの10年以上は、WebSphere製品の開発とソフトウェア・サービスの両方を担当してきました。最近の2年間は、IBM WebSphere Business Integration(WBI)チームと緊密に連携しながら、WebSphere Business Monitor製品の主任プログラマーとして活躍しています。WebSphere Application Server Network Deployment V6の管理に関するIBM認定技術者でもあります。
jalcorn@us.ibm.com


author photo

Victor Chanは、WebSphereビジネス・アクティビティー・モニタリング(BAM)のダッシュボードとWebインターフェースの開発を手がけるシニア・テクニカル・スタッフのメンバーで、リード・アーキテクトでもあります。BAMチームに加わる前は、WebSphere Commerce Serverの開発チームのリード・アーキテクトとして、Commerce ServerをC++実装からJ2EE実装に変換する作業を主導していました。これまでに、J2EE、SOA、BPM、BAMの各分野を経験しています。流通部門のソリューションでの豊富な経験もあります。現在は、BAMのビジネス・ユーザーの、Web 2.0を使用する高度なツール処理、およびBAMの拡張機能(予測分析BPM、人中心のBPMなど)に取り組んでいます。
victor@ca.ibm.com




記事の評価


サイト改善のため、ご意見をお寄せください。こちらのフォームからお願いいたします。



 


 


不充分・不完全である大変素晴らしい
 


この記事を共有する

del.icio.us del.icio.us newsing newsing FC2ブックマーク FC2ブックマーク
Choix! Choix! ニフティクリップ ニフティクリップ Yahoo!ブックマーク Yahoo!ブックマーク
MM/memo MM/memo CZブックマーク CZブックマーク livedoorクリップ livedoorクリップ
はてなブックマーク はてなブックマーク Buzzurl(バザール) Buzzurl(バザール)




上に戻る


    日本IBMについて プライバシー お問い合わせ