IBM Blueworks LiveからのIBM BPM v7.5へのビジネス・プロセスの取り込み: 第2回

IBM Blueworks Live(以下Blueworks Live)とIBM Business Process Manager v7.5(以下IBM BPM v7.5)の連携機能についての第2回連載です。Blueworks LiveおよびIBM BPM v7.5はBusiness Process Modeling Notation(BPMN)2.0形式をサポートしており、ビジネス・プロセスのモデリングから実行までより効率的に行うことが可能となります。事前にIBM Blueworks LiveからのIBM BPM v7.5へのビジネス・プロセスの取り込み 第1回IBM Blueworks Live 日本語ガイドIBM Business Process Manager v7.5 概要およびサンプルから始めてみようIBM BPM v7.5を一読することをお勧めします。

針原 英克, WebSphere BPMテクニカル・セールス, IBM

針原 英克
日本アイ・ビー・エム(株) ソフトウエア事業にてBPM製品のプリセールスを担当しています。2001年よりJava EE、SOA、BPM領域の技術支援を一貫して担当しています。



2012年 4月 26日

はじめに

BPMN 2.0ではビジネス・プロセスのモデリングに加えIT実装を進める上での様々な仕様拡張が行われています。Blueworks Liveは業務ユーザーによるビジネス・プロセスのモデリング機能を提供し、IBM BPM v7.5によるITシステム開発を効率化します。Blueworks LiveおよびIBM BPM v7.5はBPMN 2.0形式をサポートしています。本記事では、BPMN 2.0仕様の概要および、単純なビジネス・プロセスのサンプルを用いたIBM BPM v7.5とBlueworks Live間でのBPMN 2.0連携イメージを説明します。

BPMN 2.0の概要

BPMN 2.0は2011年にOMGにて採用された、BPMN仕様の最新版です。これまで主なBPM製品で対応していたBPMN 1.1仕様はビジネス・プロセスのモデリングおよび分析に必要な標準は定義されていましたが、モデリングされたビジネス・プロセスを実行可能なものとしてIT実装を進める上では不足する定義や仕様に曖昧な点がありました。BPMN 2.0ではIBMを始めとするBPM製品ベンダーが主導で仕様を策定し、ビジネス・プロセスのIT実装時における仕様が拡張されています。主な強化ポイントは以下の2点です。

1.IT実装を意識した、BPMN表記方法の拡張

BPMN 2.0では、モデリングしたビジネス・プロセスをそのままITシステム上で実行できることを目標にしています。そのために、アクティビティの種類を標準化し、例えばヒューマン・ワークフローやビジネス・ルール、システム処理といったアクティビティが仕様として規定されました。また、実行環境としてのBPEL(Business Process Execution Language)仕様へのマッピングもBPMN仕様として規定されています。

2.BPMNモデルのBPM製品間での相互運用性の向上

BPMN 2.0では、異なるベンダーのBPM製品間でのモデル交換、モデル実行が実現できます。ビジネス・プロセス定義のフォーマットをXMLとして規定しており、BPM製品からのビジネス・プロセスの取り出しおよびBPM製品への取り込みはzip形式として規定されています。


BPMN 2.0形式ビジネス・プロセスのBlueworks Liveからのエクスポート

Blueworks LiveおよびIBM BPM v7.5ではBPMN 2.0形式をサポートしています。本記事では、IBM Blueworks LiveからのIBM BPM v7.5へのビジネス・プロセスの取り込み 第1回にてサンプルとして取り上げたビジネス・プロセスをBPMN 2.0形式にて記述したものを利用します。図1.のような生命保険金の査定業務を例に機能を紹介します。申請された保険金の査定において、保険金の額が10万円未満であれば一般査定担当者による簡易な査定が実施され、保険金の額が10万円以上であれば、より経験のある上級査定担当者による詳細な査定が実施されます。詳細査定アクティビティはサブプロセス化されています。

図1.BPMN 2.0形式サンプル・プロセス
図1.BPMN 2.0形式サンプル・プロセス

第一回の記事にて用いたビジネス・プロセスと比較すると、アクティビティの左上に種類を現す表記が追加されていることがお分かり頂けると思います。「申請データの投入」、「承認」、「顧客へ通知」アクティビティは人によるオペレーションを表すユーザータスク、「簡易査定」アクティビティはビジネス・ルールを表すデシジョンタスク、「申請内容の確認」アクティビティはシステムによる自動実行を表すサービスタスクとして表記しています。Blueworks Liveでは図1.のように、各アクティビティを選択して右クリックでアクティビティの種類を指定することが可能です。

Blueworks Liveからのエクスポートは、ビジネス・プロセス単位で行うことが可能です。エクスポート形式をBPMN 2.0に指定し、Exportボタンを押すことで、zipファイル形式でビジネス・プロセスを保存することが可能です。

図2.Blueworks LiveからのBPMN 2.0形式ビジネス・プロセスのエクスポート
図2.Blueworks LiveからのBPMN 2.0形式ビジネス・プロセスのエクスポート

BPMN 2.0形式ビジネス・プロセスのIBM BPM v7.5へのインポート

BPMN 2.0形式のビジネス・プロセスは、IBM BPM v7.5の開発環境である、IBM Process Designer(以下Process Designer)経由でIBM BPM v7.5に取り込むことが可能です。Process Designerのトップページである、Process Appタブにて「Process Appをインポート」を選択し、zipファイルのBPMN 2.0形式のビジネス・プロセスを指定します。(図3.)

図3.BPMN 2.0形式ビジネス・プロセスのProcess Designerへのインポート
図3.BPMN 2.0形式ビジネス・プロセスのProcess Designerへのインポート

次へボタンを押すと、Process DesignerにおけるBPM開発単位であるProcess App(プロセス・アプリケーション)の情報を入力する画面になるので、Process App名および頭文字を入力します(図4.)。次へボタンを押すと、BPMN 2.0形式のビジネス・プロセスがインポートされます。

図4.Process Appの作成
図4.Process Appの作成

Process DesignerのDesignerビューにて「プロセス」を選択すると、「ビジネス・プロセス定義」にBlueworks Liveでモデリングした「保険金申請2」プロセスが取り込まれ、「参加者グループ」にBlueworks Liveでモデリングした、「業務担当」「一般査定担当」「上級査定担当」の3つのロールが取り込まれたことが確認できます。(図5.)

図5.ビジネス・プロセスおよびロールの取り込み結果
図5.ビジネス・プロセスおよびロールの取り込み結果

Process DesignerのDesignerビューにて「保険金申請2」プロセスをクリックしてみましょう。Process Designer 上でBPMN 2.0形式のビジネス・プロセスが確認できます(図6.)。「申請データの投入」、「顧客へ通知」アクティビティは人によるオペレーションを表すユーザータスク、「簡易査定」アクティビティはビジネス・ルールを表すデシジョンタスクとして表記されていることが確認できます。

図6.Process Designer上でのBPMN 2.0形式ビジネス・プロセス
図6.Process Designer上でのBPMN 2.0形式ビジネス・プロセス

Blueworks Live上でサブプロセス化されていた「詳細査定」アクティビティがサブプロセスとしてProcess Designer上でも表示されています。「詳細査定」アクティビティをダブルクリックすると、サブプロセスへドリルダウンすることができます(図7.)。「承認」アクティビティは人によるオペレーションを表すユーザータスク、「申請内容の確認」アクティビティはシステムによる自動実行を表すサービスタスクとして表記されていることが確認できます。取り込まれたBPMN形式のビジネス・プロセスはProcess Designer上でさらに詳細なモデリングが可能ですし、ヒューマン・ワークフローの画面設計やシステム連携ロジックの実装、ビジネス・ルール定義を追加することも可能です。

図7.BPMN 2.0形式サブ・プロセス
図7.BPMN 2.0形式サブ・プロセス

最後に

2回の連載で、IBM BPM v7.5とBlueworks Live間のビジネス・プロセス・モデルの連携機能であるBPMN 1.1の自動取り込み機能およびBPMN2.0のエクスポート/インポート機能をサンプルを用いて紹介しました。

参考文献

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