レベル: 初級 Marc Fasbinder, Consulting I/T Specialist, IBM
2008年 12月 04日 WebSphere® Business Modeler のエキスパート、Marc Fasbinder が、Modeler に関して最もよく聞かれる 10 の質問に答えます。
はじめに
IBM WebSphere Business Modeler (以降、Modeler) は、プロセス・モデルを作成するための強力なツールです。Modeler を使用すると、ビジネス・プロセスを文書化してシミュレートできるとともに、分析によってプロセスを改善することができます。さらにビジネス・モデルを WebSphere Process Server やその他の IBM ランタイム環境にエクスポートすることもできます。
長い間 Modeler に携わってきた私の元には、Modeler 特有の質問が E メールで寄せられてきますが、その多くは同じ質問だということにやがて気付きました。そこでこの記事を利用して、これらの質問のトップ 10 に対する答えを発表します。Modeler を初めて使う方にとっても、この記事は最初に遭遇するいくつかの疑問に対する答えになるはずです。Modeler を使い慣れている方は、いくつの質問に即答できるかをテストして自分の知識レベルを判断してください。
第 10 位: 複数の入力と出力があるプロセスは、どのようにシミュレートすればよいのか?
すべてのプロセスが 1 つの出発点から始まるわけではありません。ビジネス・ロジックによっては、1 つのプロセスが異なる複数の出発点から開始されることもあります。また、プロセスを実行するトリガーとなるチャネルが複数あるプロセスもあります。このようなプロセスをシミュレートするには、直線的なプロセスには必要のないステップをいくつか追加で行わなければなりません。例えば、図 1 に示すプロセスには 2 つの入力があります。1 つは書面でプロセスが要求される場合の入力、もう 1 つは Web で要求される場合の入力です。
図 1. 複数の入力があるプロセス
上記のプロセスでは、要求が書面で行われた場合には「受け付け」ロールの担当者がその書面のデータをシステムに入力します。Web から要求を受けた場合には、自動プログラムによってシステムにデータが入力されます。その後、要求は次のステップに移り、「処理」ロールによって要求が処理されると、プロセスは終了します。人材を利用できるのは、平日の通常勤務時間のみです。
このプロセスを 2 つの入力それぞれに対して合計 10 のトークンを使ってシミュレートすると、シミュレーションは上手く行ったように見えます。しかし、統計には、10 件のプロセスのインスタンスについての結果しか表示されません。期待されるのは 20 件の結果です。さらに、シミュレーションは終了したものの、すべてのタスクが正常に完了したわけではないことを示すエラーが表示されます。なぜこのような事態になるのかわかりますか?
プロセスには入力ロジックがあります。これは、中間モードまたはそれ以上のモードで表示されます。入力ロジックはプロセスをどのように開始するかを決定するために使用されます。プロセスに複数の入力がある場合、デフォルトでは複数の入力で AND 演算が行われます。プロセスを正しくシミュレートするには、以下のステップに従って、入力での AND 演算を OR 演算に変更しなければなりません。
- 中間モードまたは拡張モードに切り替えます。
- Attributes タブで、Input Logic タブをクリックします (図 2 を参照)。現行の基準 (Criterion) は Input AND Input:2 になっています。
図 2. 入力ロジックの設定
- AND を OR に変更するには、リスト内に入力ごとのエントリーが必要です。そこで Add をクリックし、入力ロジックにもう 1 つの行として Input Criterion:2 を追加します。
- Input Criterion の行で Input:2 のチェック・マークを外し、Input Criterion:2 の行で Input:2 にチェック・マークを付けます。この時点で、入力ロジックは図 3 のようになります。この設定がモデル内で意味するのは、プロセスを開始できるのは Input Criterion または Input Criterion:2 のいずれかであるということです。
図 3. 更新後の入力ロジック
- 厳密に言えば、プロセスのシミュレーションは開始ノードがなくても行えますが、開始ノードを使うことにした場合にはプロセス内の入力ごとに対応する開始ノードが 1 つ必要になります。
中間モードまたは拡張モードになっていることを確認した上で、開始ノードをクリックします。
- Attributes タブで、開始ノードとする入力を選択します (図 4 を参照)。
- プロセス内のすべての開始ノードについて、このステップを繰り返します。
図 4. 開始ノードの設定
プロセスに複数の出力がある一方、一度に 1 つの出力しか使用されない場合には、入力の場合と同じような問題に突き当たります。デフォルトの振る舞いでは、2 つの出力基準で AND 演算が行われるからです。シミュレーションを成功させるためには、以下のステップを行う必要があります。
- Output Logic タブで、各行につき 1 つの出力基準を選択して OR 演算が実行されるようにします。
- 停止ノードごとに適切な出力基準を関連付けます。開始ノードとは異なり、停止ノードは必ず必要です。
これで、複数の入力と出力があるプロセスをシミュレートできるようになります。
第 9 位: モデリングすると余分な入力と出力が追加されるのはなぜか?
今までモデルを作成した結果、決定やマージなどのゲートウェイ構造に余分な入力や出力が追加されていたことはありませんか?図 5 は、両方のブランチに余分な入力が追加され、さらに出力にも余分な 2 つの出力が追加されている例です。多数のパスがある大規模なモデルの場合、余分な入力と出力が大量にあると、場所を取るだけでなく、シミュレーションやモデルのエクスポートの際に問題になる可能性があります。
図 5. マージ要素に余分な入力と出力が追加されたモデル
大抵の場合、問題の原因はビジネス・アイテムと基本モードの組み合わせにあります。基本モードではユーザーの手間を省くために、他のモードでは行われないことが自動的に行われる場合があるからです。この振る舞いは時として役に立ちますが、余分な入力や出力が追加されてしまい、基本モードの振る舞いが望み通りの振る舞いにならない場合があります。その一例を以下に説明します。
- まず、1 つにマージされることになる 3 つのタスクがあります。基本モードになっていることを確認してから、最初のタスクをマージに接続し、次にこの新しい接続にビジネス・アイテムを追加します (図 6 を参照)。
図 6. 基本モードでのモデリング
- Task:2 をマージに接続します。
- マージの中央のポートに余分な入力が追加されてしまいました (図 7 を参照)。
図 7. 追加された接続
なぜこのようになったのかというと、基本モードが推測を行ったからです。しかしこの場合の推測は、望み通りのものではありませんでした。
- Task からマージへのリンクにビジネス・アイテム RequestData を追加したときに、マージの各入力は RequestData による入力を期待するように設定されました。
- しかし Task:2 をマージに接続したときには、リンク上にデータはありませんでした。
- そのため、基本モードはマージ上に新しい入力が必要であると判断したわけです。
追加したばかりの新しいリンクに RequestData ビジネス・アイテムを追加すると、ポップアップ・メニューが表示されてソース出力とターゲット入力を選択するように求められます (図 8 を参照)。この時点で、マージ内でどの入力を使用するかを選択することができます。つまり、ビジネス・アイテムが関連付けられていない現行の出力か、または RequestData が設定された既存の出力かのどちらかです。通常は、2 番目を選択することになりますが、デフォルトでは、ビジネス・アイテムが関連付けられていない入力を使用するように設定されてしまいます。
図 8. ソースとターゲットの選択
中間モードの使用
中間モードかそれ以上のモードでの Modeler の振る舞いは基本モードでの振る舞いとは少し異なります。これらのモードでは必要な作業を推測しないため、代わりにユーザーが直接制御することができます。以下に、これがどのように機能するかを説明します。
- 上記で行った作業を取り消して、プロセスが図 6 の状態になるまで戻します。
- 中間モードまたは拡張モードに切り替えます。ダイアグラムの表示が変更されて、入力と出力が表示されます。
- Task:2 をマージの 2 番目の入力 (図 9 の赤枠で囲った入力) に接続します。接続が作成されると、RequestData ビジネス・アイテムが関連付けられます。マージに余分な入力は追加されません。
図 9. 中間モードでのモデリング
- Task:3 からマージへの接続を作成します。この場合の接続先は、図 9 の青い楕円で囲んである一番下の入力です。作成される接続にはビジネス・アイテムが関連付けられることはなく、追加の入力が作成されます。
- 図 10 に、接続が追加された後のプロセスを示します。
図 10. 接続が追加されたプロセス
ご覧のように、中間モードあるいはそれ以上のモードでは、Modeler がユーザーの目的を推測することはしません。そのためユーザーが振る舞いを制御することができます。追加の入力が作成されるのは、ユーザーが必要とするときだけです。
第 8 位: Modeler の XML インポートとエクスポートはどのように機能するのか?
初めてモデリング・プロジェクトをセットアップする際によくある要望は、カタログに組織内にある既存の情報を入力し、手動ですべての情報を入力する手間を省きたいというものです。入力メニューには WebSphere Business Modeler XML というオプションがありますが、どんな XML でも有効なのでしょうか?またどのような制約があるのでしょうか?そしてどうやって XML に取り掛かればよいのでしょうか?
Modeler には、手掛かりとなるいくつかのサンプル XML ファイルが付属しています。これらのファイルが置かれている場所は、[Modeler install directory]\samples\xml です。ここには、types.xsd と wbimodeler.xsd というファイルがあります。XSD ファイルは、ファイルのフォーマット方法を指定する XML スキーマ定義です。しかし XML のエキスパートでない限り、XSD を調べるという作業は避けたいものです。
スキーマを扱わなくても Modeler XML を理解するための簡単な方法は、まずは単純なエクスポートを実践してみることです。一例として、組織内でのロールに関する情報をインポートするとします。まずは以下のロールを定義するところから始めます。
Data Processing というロールを作成します。必要な属性 (単価や可用性など) をすべて追加します。
- 新しく作成したロールを保存します。
- プロジェクト・ツリーで、ロールを右クリックして Export を選択します。
- Next をクリックします。
- ファイルのエクスポート先とするディレクトリーを選択します。Data Processing ロールだけが選択されていることを確認してから、Finish をクリックします。
- モデリング・プロジェクトと同じ名前のファイルが作成されます。このファイルの形式は XML 形式です (リスト 1 を参照)。
リスト 1. XML にエクスポートされたロール
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<wbim:model xmlns:wbim="http://www.ibm.com/wbim/bomSchema1.0" schemaVersion="6.1.2">
<wbim:catalogs>
<wbim:resourceCatalogs>
<wbim:catalog id="Rsrcs" name="Resources"/>
</wbim:resourceCatalogs>
<wbim:businessServiceCatalogs/>
<wbim:businessServiceObjectCatalogs/>
</wbim:catalogs>
<wbim:resourceModel>
<wbim:roles>
<wbim:role name="Rsrcs##Data Processing">
<wbim:costPerTimeUnit timeUnit="PT1H">
<wbim:costValue currency="USD">18.0</wbim:costValue>
</wbim:costPerTimeUnit>
</wbim:role>
</wbim:roles>
</wbim:resourceModel>
</wbim:model>
|
XML は上記のリストのようになっていなければなりません。このリストをテンプレートとして使用することで、他のロールをモデルに追加することができます。以下のステップに従ってこの機能を試してみてください。
- テキスト・エディターで XML ファイルを開きます。
- ロールの名前を
Data Processing から Quality Control に変更します。
costValue を 18.0 から 22.5 に変更します。
- 変更内容を保存します。
- Modeler で、モデリング・プロジェクトを右クリックして Import を選択します。
- WebSphere Business Modeler XML を選択して Next をクリックします。
- ソース・ディレクトリーまでブラウズし、リストのなかから前のステップで保存した XML ファイルを選択します。プロジェクトがターゲットとして選択されていることを確認した上で、Finish をクリックします。
- Resources フォルダー内には、時間単価が 22.5 USD に定義された Quality Control ロールが置かれているはずです。
Modeler V6.1.2 では、スプレッドシートからインポートすることも可能です。既存のデータをモデリング・プロジェクトに取り込む場合には、スプレッドシートを使うことも検討してください。
第 7 位: サブプロセスとループを展開してモデルを印刷するにはどうすればよいのか?
ビジネス・プロセスは多くの場合、サブプロセスに分割することができます。Modeler ではローカル・プロセスであるこれらのサブプロセスを呼び出してドリルダウンし、その詳細を定義できるようになっています。ローカル・プロセス内には別のローカル・プロセスをネストすることができ、ネストのレベルには制限がありません。Modeler ではループをドリルダウンすることも可能です。図 11 に、3 つのローカル・プロセスに分割されるプロセスの例を示します。
図 11. ローカル・プロセスで構成されるプロセス
プロセスをプリントアウトしたいという場合はよくあります。できれば WebSphere Business Modeler Publishing Server を使用して紙上にプリントアウトする必要をなくすのが理想ですが、それでも時として、ハードコピーは必要になります。図 11 のプリントアウトからわかるのは概要だけです。それぞれのローカル・プロセスまでドリルダウンしてプリントアウトすることも可能ですが、そうすると概要が見えなくなってしまいます。概要と各ローカル・プロセス内の詳細が両方とも表されているプリントアウトを作成するにはどうすればよいでしょうか。
概要と詳細両方のビューを示すプリントアウトを作成する秘訣は、シミュレーションのスナップショットを作成することです。それには、以下のステップに従います。
- プロジェクト・ツリーでプロセスを右クリックし、Simulate を選択してシミュレーションを開きます。
- シミュレーション・ダイアグラムの空白の部分を右クリックして、Expand All を選択します。プロセスのすべてのレベルが展開されて、プロセス内部の詳細が示されます (図 12 を参照)。
- シミュレーション・ダイアグラムの空白の部分を右クリックして Print を選択します。
図 12. 展開表示されたプロセスの部分的画面
上記のビューはシミュレーション・ビュー内に表示されるので、アニメーションをオンにしている場合には、プロセスに含まれるすべてのタスクを見ることができます。さらに、このビューは、すべてのコンテナー・アクティビティーを展開表示してプロセスをプリントアウトする場合にも役立つことがわかるはずです。
注: Modeler V6.2 ではループとローカル・プロセスをその位置で展開することができるので、この方法を使用する必要はありません。
第 6 位: 複数のタスクをまとめて一度に追加する方法は?
プロセスの初期モデルを作成するときに、ユーザーがタスクを追加するために使う方法は、大抵、パレットのタスク・アイコンをクリックし、それからプロセス・ダイアグラムをクリックしてタスクを追加するというものです。別のタスクを追加するには、タスク・アイコンをもう一度クリックし、ダイアグラムをもう一度クリックするという具合に、この操作が何度も繰り返されます。そこで質問です。タスクを追加するたびに 2 回クリックすることなく、複数のタスク (またはその他の構成要素) をモデルに追加するにはどうすればよいでしょうか。
その答えは簡単です。Shift キーを使ってください。
- パレットでタスク・アイコンをクリックし、マウスのポインターをプロセス・ダイアグラムまで動かします。するとポインターが追加アイコンに変わります。
- Shift キーを押したままにします。
- プロセス・ダイアグラムでタスクを挿入する場所をクリックします。これで、タスクが追加されます。
- マウスを動かしてダイアグラムの別の場所をクリックすると、さらに別のタスクが追加されます。
Shift キーを押し続けている限り、いくらでもタスクをモデルに追加することができます。タスクの追加が完了したら、Shift キーを放してください。これで、ポインターは通常の状態に戻ります。
第 5 位: Rational Software Architect にエクスポートする方法は?
ビジネス・モデルを作成した後に、作成する必要のあるサービスに対して再利用可能なサービスの候補が見つかることがあります。この場合、再利用可能なサービスの候補は、設計フェーズで使用する IBM® のUML2 モデリング・ツール、Rational® Software Architect (以降、Software Architect) で使用することになります。Software Architect では UML2 モデルをベースとしたコード・スケルトンを生成し、Rational Application Developer でコーディングを行ってテストすることができます。また、ビジネス・モデルの要素は、UML モデルの要素に変換されます。例えば、ビジネス・プロセスはビジネス・ユース・ケースとなり、ロールはビジネス・アクター (つまりインターフェースを持つビジネス・ワーカー) となり、ビジネス・アイテムはビジネス・エンティティーになるといった具合です。そこで質問です。Modeler の Export メニューには Software Architect 用のオプションがありませんが、それではどうやって、Software Architect にエクスポートするのでしょうか。
この質問はひっかけ問題です。実は、Software Architect へのエクスポートは必要ありません。Software Architect は直接、Modeler ワークスペースを読み取ります。Software Architect から Modeler ワークスペースにアクセスできるようにするだけで、ビジネス・モデルの要素を UML2 モデルにドラッグ・アンド・ドロップできるようになるため、エクスポートする必要はないのです。
注: Software Architect が別のマシンにインストールされている場合は、Rational Clear Case などのソース管理リポジトリーを使用して Modeler のプロジェクトを保管することで、Software Architect からアクセスできるようになります。
第 4 位: ドキュメント用のファイルはどのように添付するのか?
ビジネス・モデルがフローチャート図よりも勝っている点の 1 つは、モデルにはメタデータならびに視覚表現が含まれることです。しかしその他にも、モデルに組み込むと役立つドキュメントがあります。そこで質問です。既存のファイルをモデルに添付するにはどうすればよいでしょうか。
ファイル添付を追加するには、プロセスの Specification タブを使用します (図 13 を参照)。Add をクリックして、1 つ以上の添付を追加することができます。追加されたファイルはモデルに添付されるので、モデルを WebSphere Business Modeler Publishing Server にパブリッシュしたとしてもファイルを表示することができます。添付ファイルはプロセス・レベルで追加されます。つまり、ロール、ビジネス・アイテムといった他の構成要素にファイルを添付することはできません。
図 13. Specification タブ
第 3 位: WebSphere Integration Developer にエクスポートしたサービスが正常に機能するように WSDL をインポートするにはどうすればよいのか?
WSDL (Web Services Definition Language) ファイルを Modeler にインポートするには、Import メニューを使用することができます。WebSphere Service Registry and Repository を使用している場合には、ビジネス・サービス検索を行ってサービスをインポートすることもできます。いずれの場合も、ビジネス・サービス・カタログにはインポートされたサービスが取り込まれ、関連する XSD がビジネス・サービス・オブジェクト・カタログに組み込まれることになります。インポートしたビジネス・サービスを使用するとしたら、ビジネス・モデルにドラッグ・アンド・ドロップできるレベルはいくつもあります。そこで質問です。Integration Developer にエクスポートしたときにビジネス・サービスが正常に機能するためには、何をどこにドラッグ・アンド・ドロップすればよいのでしょうか?
その答えは、WSDL ファイル自体ではなく、ビジネス・サービスの操作をドラッグ・アンド・ドロップすることです。それには、以下のステップに従ってください。
- Modeler のプロジェクトを右クリックして Import を選択します。
- Business services and service objects (.wsdl, .xsd) を選択し、Next をクリックします。
- Browse をクリックして、.wsdl ファイルが置かれているディレクトリーまでナビゲートします。該当するディレクトリーを選択すると、そこに置かれている .wsdl ファイルおよび .wsdl ファイルがすべてリスト表示されます。インポートするファイルのチェック・ボックスをクリックしてから、Finish をクリックします。
- ファイルがモデリング・プロジェクトにインポートされます。
図 14 は、インポートされたサービスの一例です。この例では、ABCBankServices フォルダーが WSDL ファイル自体を表し、ABCBank フォルダーが WSDL ポートを表し、checkCompanyCredit および checkCompanyHealth が操作を表します。CompanyInfo は、WSDL ファイルが参照する外部 XSD です。
図 14 に、インポートされたビジネス・サービスを示します。
図 14. インポートされたビジネス・サービス
この例の場合、呼び出されるビジネス・サービスを表すためにプロセスにドラッグ・アンド・ドロップするのは、checkCompanyCredit または checkCompanyHealth のいずれかの操作です。WSDL と XSD は、プロセスが Integration Developer にエクスポートされるときにエクスポートに組み込まれます。ビジネス・サービスは BPEL 呼び出しとなります。SCA 図では、この呼び出し用の参照は、Web サービス・バインディングを持つインポートに接続されます。
注: すべての WSDL がサポートされるわけではありませんが、上記のプロセスはほとんどの WSDL に有効です。
第 2 位: インスタンスをタスク直前のキューに入れるにはどうすればよいのか?
アニメーションをオンにしてシミュレーションを実行すると、通常は以下のような動作をします。
- トークンがタスクに到達します。
- アクティブなタスクのインスタンス数 (シミュレーションがアクティブになっているときに、タスクの上に表示されるボックス内の数値) が増加します。
- タスクが完了すると、トークンが次のステップに進むにつれて数値は減っていきます。
ここで問題となるのは、限られた数のリソースしかない場合、アクティブなインスタンスのなかには処理が行われているものもあれば、リソースが解放されるまで待機中になっているものもあることです。そこで質問です。リソースを待機している間、キューに入れられているインスタンスを確認できるようにモデルをセットアップするには、どうすればよいでしょうか。
図 15 は、2 つのステップからなる単純なプロセスの例です。どちらのステップも複数の異なるロールを使用します。これらのロールは、リソース・プール内にそれぞれ 2 つ設定されています。Step 1 の上に表示された数値は、アクティブなインスタンスが 3 つあることを示しますが、そのうちの 1 つはリソースを待機中です。この図では、どのインスタンスがアクティブで、どのインスタンスが待機中なのかを確認する手段はありません。
図 15. 同時タスク数が制限されていない場合のシミュレーション
この質問の答えは、同時タスクの最大数を設定するパラメーターを使用することです。このパラメーターを制御することによって、シミュレーション・エンジンに対し、限られた数のタスクしか一度にアクティブにできないということを指示することができます。入ってくるトークンはタスク直前のキューに入れられ、順番を待つことになります。このパラメーターを設定する方法を以下に説明します。
- シミュレーション・スナップショットで Step 1 をクリックします。
- Attributes ビューの General タブで、同時タスクの最大数を 2 に設定します。デフォルトの 0 は、数に制限がないことを意味します。
- Step 2 について上記のステップを繰り返します。
- 変更内容を保存した後、シミュレーション・コントロール・パネルからシミュレーションを開始します。
図 16. 同時タスクの最大数が 2 に設定されている場合のシミュレーション
図 16 に示しているシミュレーションは前と同じものですが、今度は両方のタスクで同時タスクの最大数が 2 に設定されています。Step 1 のインスタンスは 2 つアクティブになっています。そのため、他の入力トークンはこのタスク直前のキューで待機しなければなりません。キューにタスクが蓄積されるにつれ、その深さがグラフと数値で示されます。キュー内に含まれるトークンが 20 を超えると、色が赤に変わり、大量の処理待ちのタスクが停滞していることを示します。
このように、同時タスクの最大数を設定することによって、タスクを停滞させている作業を視覚的に確認することができます。
Modeler に関する質問トップ 10 の第 1 位: 複数のシミュレーションはどうやって実行するのか?
図 17 の単純なプロセスの例を見てください。モデルを作成した後に、問題のあるプロセスをシミュレートすることにしたとします。その場合、複数のシミュレーションを実行するにはどうすればよいでしょうか。コントロール・パネルからシミュレーションを開始すると、1 つのトークンしかプロセスを流れません。それでは作業が停滞している場所やプロセスの事例、そして分析に必要なその他の重要な情報を理解するには不十分です。そこで質問です。どうすれば複数のシミュレーションを実行することができるのでしょうか?
図 17. 単純なプロセス
答えは、複数のシミュレーションを実行するには、プロセスの最初のタスクへの入力が必要だということです。図 15 の同様のプロセスでは、プロセスの入力が Step 1に入っていきました。この入力を作成するには、以下のステップを実行します。
- プロセス・エディターで、マウスのポインターが接続を追加していることを示すアイコンに変わるまでプロセスの左端に移動させます。クリックして接続を開始し、ポインターを Step 1 まで移動させてから、もう一度クリックします。
- プロセスの端から Step 1 までの接続が作成されます。デフォルトでは、データ・フローを示す Text タイプのビジネス・アイテムが接続に追加されます。
- オプションで、ビジネス・アイテムを新しい接続にドラッグ・アンド・ドロップすることで、Text を別の意味のあるものに置き換えることもできます。
- プロセス・ツリーでプロセスを右クリックし、Simulate を選択します。Add Elements ウィンドウで OK をクリックして続けます。
- シミュレーションの Attributes ビューで Inputs タブを選択します。Input をクリックして選択された状態にします (図 18 を参照)。
図 18. シミュレーション入力の属性
- Total number of tokens の Edit をクリックして、トークンの合計数を設定します。それぞれのトークンは、プロセスへの入力を表します。複数のプロセス入力がまとまって到着する場合には、Number of tokens per bundle の Edit をクリックしてバンドルごとのトークン数を設定してください。トークン・バンドルが表すのは、同時に到着する作業の集合です。プロセス入力ごとの単価が関連付けられている場合には、One-time cost per token の Edit をクリックしてトークンごとの単価を選択します。
- トークンは、時間トリガーによって作成することができます (デフォルトではそのように設定されています)。トークンを作成する時間間隔は、自分で設定するのでも、デフォルトの 1 分を使用するのでも構いません。
- トークンの作成間隔を変えるには、ランダム時間トリガーを使ってさまざまな間隔でトークンを作成できるように配分することができます。
- トークンの作成間隔を時刻によって変えるには、タイムテーブル・トリガーを使用します。1 日を時間間隔に区分し、それぞれの区分のトークン作成間隔を変えることができます。
- Save をクリックして変更内容を保存します。
コントロール・パネルからシミュレーションを開始すると、プロセスの複数のインスタンスが実行されるようになります。
成績発表
Modeler に関する質問トップ 10 のうち、いくつの質問に答えられましたか?
0 ~ 3 – 好調な滑り出しです。
4 ~ 6 – Modeler を使い慣れてきています。
7 ~ 9 – Modeler のエキスパートです。
10 – 完璧です!
参考文献
著者について  | 
|  | Marc Fasbinderは、ミシガン州サウスフィールドの WebSphere Technical Sales チームで IT スペシャリストとして活躍しています。 |
記事の評価
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