これまで技術の標準とアーキテクチャーの標準の両方で、大々的な進歩が遂げられました。ミドルウェア製品に焦点を絞った技術標準が相互運用性と移植性を実現する一方、SOA アーキテクチャーの標準は、業界で検証された、ベンダーに依存しない手法、タクソノミー、用語などを使用して SOA ソリューションを設計、デプロイする上での指針を提供します。
さまざまな企業が SOA を採り入れて柔軟で再利用可能な資産を作成し、エンド・ツー・エンドのビジネス・ソリューションを実現するにつれ、SOA 標準の必要性が一層明確になってきました。The Open Group からは 4 つの非常に重要な SOA アーキテクチャー標準が公開されています。これらの標準は、ビジネスが SOA ソリューションを作成する上での土台となります。以下にこの 4 つの標準を挙げます。
- SOA Reference Architecture (SOA リファレンス・アーキテクチャー: SOA RA)
- The Open Group Service Integration Maturity Model (The Open Group サービス統合成熟度モデル: OSIMM)
- SOA Governance Framework (SOA ガバナンス・フレームワーク)
- Service-Oriented Architecture Ontology (SOA オントロジー)
The Open Group による SOA Reference Architecture (SOA リファレンス・アーキテクチャー: SOA RA) 標準は、クラウド・ソリューションのアーキテクチャーを含め、サービス指向ソリューションのアーキテクチャーにおける、アーキテクチャー上、設計上、そして実装上の決定を下すためのガイドラインおよび選択肢を提供します。SOA Reference Architecture 標準の目標は、アーキテクチャーを作成、評価する際の青写真を示すことです。また SOA Reference Architecture 標準はソリューション、つまりエンタープライズ・アーキテクチャーに SOA の基本要素を統合するための洞察、パターン、ビルディング・ブロックも提供します。
The Open Group Service Integration Maturity Model (OSIMM)
国際標準として承認されている The Open Group Service Integration Maturity Model (The Open Group サービス統合成熟度モデル: OSIMM) 標準は、組織がサービスの使用状況を評価し、SOA によるビジネス目標達成へのロードマップを作成するための手段を提供します。SOA を導入するシナリオはそれぞれ非常に大きく異なる場合が多く、組織が明確なロードマップ (SOA 導入に至るまでの道筋についてのビジョン) を持たない場合はなおさらです。SOA への移行は 1 つのプロジェクトを開始して終了するというものではありません。IT 戦略の基礎としてサービス指向の採用を進める組織の数が増えるにつれ、それらの組織にとって、いくつかの次元で (ビジネスの次元からインフラストラクチャーの次元まで) 現在の状態を評価し、SOA への移行によって得られるビジネス上のメリットを最大にする手段を見つけることが次第に重要になってきています。
IBM の SOA ガバナンス・メソッドに関する業界との協力の結果として、The Open Group によって SOA Governance Framework (SOA ガバナンス・フレームワーク) が標準化されました。このフレームワークではガバナンスのことを、組織の目標を実現するために人とソリューションとが連携する方法を確立して実施する手段であると定義しています。組織はガバナンスのおかげで確実に、適切なサービスを適切な方法と適切なタイミングで構築し、それらのサービスを効果的に管理、再利用することができます。SOA ガバナンスはそれを、価値の高い (つまり最大の投資利益率が得られる) ビジネス・サービスやビジネス・ソリューションを積極的に特定、評価、構築、管理するプロセスを監督することによって実現します。これはつまり、ビジネスと IT の管理機能においてサービスの再利用を図り、アジリティーを実現するということです。
表 1. 仕様と関連資料の入手先
| 資料名 | 日付 | アクセス方法 |
|---|---|---|
| The
Open Group による SOA Reference Architecture (SOA RA) 標準 「SOA リファレンス・アーキテクチャー標準に対する IBM のアドバンテージ」 | 最新 | HTTP で Web ページへアクセス |
| OSIMM V2 標準 「サービス成熟度モデル標準で優位に立つ IBM」 | 2011年 11月 04日 | HTTP で Web ページへアクセス |
| SOA Governance Framework 標準 「SOA ガバナンス標準に対する IBM のアドバンテージ」 | 2009年 8月 20日 | HTTP で Web ページへアクセス |
| Service-Oriented Architecture Ontology 標準 「The Open Group による技術標準 SOA Ontology Framework バージョン1.0」 | 2010年 10月 | HTTP で Web ページへアクセス |
- 「SOA
リファレンス・アーキテクチャー標準に対する IBM のアドバンテージ」(developerWorks、2012年1月) は、IBM がどのように SOA
リファレンス・アーキテクチャーを開発、使用し、お客様のビジネスと IT の柔軟性の向上を支援しているかを解説しています。
- developerWorks の SOA
ゾーンを訪れ、皆さんのスキルを磨くためのリソースを入手してください。
- IBM の SOA ソリューションについて学んでください。
Heather Kreger は、IBM Software Group で SOA 標準の国際標準化最高技術責任者兼主任アーキテクトを務めています。標準化に 15 年間取り組んできた彼女は、これまで ISO/IEC、W3C、OASIS、DMTF、および The Open Group で SOA、クラウド、Web サービス、管理、および Java を対象とした標準の開発を主導してきました。数々の記事を執筆するとともに、仕様の作成にも携わっています。著書には『Java and JMX, Building Manageable Systems』があります。また、『Navigating the SOA Open Standards Landscape Around Architecture』では編集を手がけました。