レベル: 中級 Rick Robinson, IT Architect, IBM
2008年 2月 07日 この 4 回連載の記事では、営利団体と公共団体の双方が現世代のインターネット技術をどのように活用しようとしているかについて概説しています。連載第 1 回では、これらの組織にますます広がっている、大々的な Web 2.0 によって特徴付けられる成熟したインターネットの影響について探りました。今回の記事で取り上げるのは、Web 2.0 によって可能になる基本的なビジネス機能です (私はこれを、エンタープライズ Web 2.0 ソリューション・パターンと呼んでいます)。組織はビジネス、製品、そしてサービスのイノベーションを探求するなかで、これらのエンタープライズ Web 2.0 ソリューション・パターンを適用することができます。
はじめに
過去 10 年ほどの間に、インターネットが及ぶ範囲はそのユーザーの数とともに拡大しました。基礎技術についても完成度を極め、信頼性が向上しています。そのなかで、私たちはインターネットの長所を生かすとともに、このような公開された媒体を使用する際に付き物のリスクを管理する効果的なアプリケーションとビジネス・モデルを作成する方法を学びました。現在世界中で数百万の人々がブログや製品レビューなどのキラー・アプリケーションを使って、それぞれの意見や経験を分かち合っています。そしてオンライン・コマース、オンライン・バンキング、ソーシャル・ネットワーキングによって、人々が物を購入する方法、生活を管理する方法、そして互いにコミュニケーションを取る方法が変化してきています。
この連載は、以下の内容で構成されています。
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第 1 回
では、Web 2.0 の背後にあるビジネスおよび技術の駆動力、Web 2.0 が企業に提示する課題と可能性、そして Web 2.0 と SOA との関係を検証します。
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第 2 回では、企業が Web 2.0 を活用する方法として新たに登場したソリューションのなかから、代表的なソリューションのタイプを紹介します。
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第 3 回では、第 2 回で取り上げたソリューションを採り入れることが可能な産業およびビジネスでの一連のシナリオを紹介し、それによってもたらすことのできる価値について説明します。
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第 4 回ではさらに専門的な内容として、IBM® CICS®、IMS (Information Management System™)、IBM DB2® などのコア情報処理システムのコンテンツと機能を公開する際の Web 2.0 ソリューションの選択肢に焦点を当てます。
エンタープライズ Web 2.0 ソリューション・パターン
企業 (営利団体あるいは公共団体) による Web 2.0 の活用法は、技術の使い方によって次の 5 つの基本パターンに分類されます。そのうちのいくつかは、サービス指向アーキテクチャー (SOA) の適用範囲と使用可能性を拡大する方法と見なすことができます。この 5 つのパターンとは以下のとおりです。
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配信: 配信によって、アプリケーションや情報、サービスにアクセスできるようにすることによって、サード・パーティー・チャネルを介した SOA サービスの適用範囲を拡大します。
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エンタープライズ・マッシュアップ: コンテンツおよびサービスにアクセスして操作するためのアプリケーションを素早く作成、共有、評価し、アプリケーション・コンポーネントを組み合わせるという手段で SOA サービスの価値を強化します。
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対話によるマーケティング: ソーシャル・コンピューティングによってエンド・ユーザーと顧客にじかに関わり、マーケティングを大まかなコミュニケーションから数千人の個人との会話という形に変えます。
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コミュニティーの有効活用: 多額の費用をかけずに個々の人と接触し、共通の関心を見つけ、価値あるコミュニティーでの相互のやりとりに参加したり、それを活用したりします。
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リッチ・インターフェース: リッチ・メディア UI によって、実世界に照らしたメタファーをわかりやすいものにし、また複雑なデータをよりわかりやすく視覚化するとともに、改善されたユーザー・エクスペリエンスによって SOA サービスを使いやすさを向上させます。
以降のセクションでは、上記のパターンのそれぞれについて、その実装に使用する技術と併せて詳しく見ていきます。
パターン 1: 配信
情報、サービス、製品の市場範囲を、それぞれのインターフェースへのアクセスを配信することによって広げます。
配信パターンの目的は、営利目的の機能、コンテンツ、情報をサービスとして公開し、他の組織や個人がインターフェースを作成してその内容にアクセスできるようにすることです。このような手法は、製品やサービスを利用する手段を増やすと同時に、ニッチ市場の専門家が彼らのアプリケーションまたは Web サイトにサービスを組み込めるようにもします。それによって、直接手が届かないニッチ市場でも、専門家の手によって販売が促進され、製品、サービスをより広い範囲に提供できるようになります。
図 1. パターン 1: 配信
実装
このシナリオでコアとなるサービスとデータは、(例えば IBM WebSphere® Application Server、CICS、IMS、DB2 などで実行される)、多種多様なアプリケーションおよびレガシー・システムに保持することが可能です。IBM WebSphere MQ HTTP Bridge と同じく、WebSphere Application Server Web 2.0 Feature Pack にはこのようなアプリケーションおよびデータを RESTful なサービスとして公開できるようにする機能が含まれています (REST とは Representational State Transfer の略です)。あるいは、IBM WebSphere DataPower® SOA アプライアンスのようなアプライアンスを使用して Web サービス、ネイティブ XML フィード、そして RESTful なプロトコル間での変換を行うこともできます。
応用: ウィジェット・プロバイダー
配信パターンの興味深い応用 (SOA のアプリケーションであるだけでなく、Web 2.0 の典型的な構成部分となっているもの) は、ウィジェット・プロバイダーによる配信です。ウィジェットとは HTML やJavaScript などの技術で構成された再利用可能な UI コンポーネントのことで、サービスに固有の UI、グラフィックを含められるインターフェース、ブランディング、あるいは特定のコントロールを提供します。ウィジェットに特に高い関心を寄せるのは、情報あるいはサービスへのアクセスを配信によって行う必要がある一方、サービス・プロバイダーとしての認知度を保ち、ユーザーに対してどのコンテンツを提供するかを管理したいという組織です。
さらに、数多くの組織が配信によるサービスを直接商品化するために、ウィジェットを使用しています。ウィジェットは、ライセンス・キーがないと機能しないようにセットアップすることが可能です。ライセンス・キーは試用あるいは個人的な利用のために無料で提供されることもあるため、商業目的、または詳細なコンテンツや拡張機能にアクセスするための階層化サブスクリプション価格設定モデルと関連付けることができます。
WebSphere Application Server Web 2.0 Feature Pack には、JSON (JavaScript Object Notation) プロトコルのランタイム・サポート、そしてウィジェットを簡単に実装するための Dojo ツール・キットが含まれています。また、IBM Rational Application Developer または IIBM Rational Software Architect のプラグインが含まれているため、開発環境にもなります。
図 2. パターン 1 の応用: ウィジェット・プロバイダー
パターン 2: エンタープライズ・マッシュアップ
フィード、ウィジェット、サービスを利用して、複数のソースからのコンテンツを組み合わせた複合アプリケーションを素早く組み立てます。
マッシュアップは、組織の内外で再利用可能な形で作成されたフィード、サービス、ウィジェット、そしてその他のコンテンツを組み合わせ、情報およびコンテンツに基づくアプリケーションを素早く組み立てるための新しい手法です。マッシュアップ・プラットフォームは、技術分野以外の専門家が新しい要件や短期間のみ有効な要件に対処するために、再利用可能な複数のコンポーネントを組み合わせてアプリケーションを作成することを可能にします。これらのプラットフォームはマッシュアップに含まれるウィジェットが動的に情報を交換できる軽量のイベント・インフラストラクチャーとなり、サーバー・ベースのページ更新を必要としません。
マッシュアップでは、以下をはじめとするさまざまな情報を取り込んで組み合わせることができます。
- 地図および地理空間データ
- 運用データベースおよびアプリケーションからの情報
- 写真やビデオなどのデジタル・コンテンツ
- ニュース・フィード
- 目の前のタスクに適用可能なその他すべてのコンテンツ
マッシュアップで編集可能なテーブルまたは注釈を付けられる地図を組み込むと、知識労働者は便利なスプレッドシートのようなキャンバスでビジネス・データを操作して組み合わせ、新しいアプリケーションを素早く作成することができます。
マッシュアップ・アプリケーションが役立つシナリオには、知識労働者と意思決定者がより完全、かつより柔軟に情報にアクセスできるようにするというもの、そして提案された新しいアプリケーションや製品を最小限の開発投資あるいは時間でプロトタイプ化するというものがあります。マッシュアップは SOA の投資を活用して、基礎となるサービスから素早く複合アプリケーションを組み立てます。この連載の次回の記事では、商業分野および公共部門でのさまざまな場合におけるマッシュアップのアプリケーションの例を紹介します (エンタープライズ・マッシュアップについての詳細は、「参考文献」を参照してください)。
図 3. パターン 2: エンタープライズ・マッシュアップ
実装
配信パターンの場合と同じく、マッシュアップ環境を有効にする上での第 1 段階は、コアとなる情報とサービスを CICS や WebSphere Application Server などの環境から適切なフィードとサービスを介して公開することです。使用するフィードとサービスは、Web サービスやその他の典型的な SOA の要素、あるいは Atom やその他の Restful なサービスをはじめとする Web 2.0 プロトコルにすることができます。後者の場合、ネイティブ・システムは Web 2.0 フォーマットを直接サポートしませんが、WebSphere Application Server Web 2.0 Feature Pack、WebSphere MQ HTTP Bridge、あるいは WebSphere DataPower SOA Appliances を使用すれば Web 2.0 フォーマットへの変換を行うことができます。
マッシュアップ環境そのものとして IBM が提供しているのは、マッシュアップを作成して使用するための QEDWiki マッシュアップ・ツール、さらにマッシュアップで組み合わせることができるウィジェット、フィード、サービスをカタログ化して配置するための Mashup Hub サーバーです (IBM alphaWorks から IBM Mashup Starter Kit をダウンロードすることができます)。
応用: マッシュアップとモバイル機器の連携
このパターンを、コミュニティーを活用するパターン 4 と組み合わせれば、新しい複合アプリケーションを素早く作成できるようにするための手段をユーザーに提供するだけでなく、さらに幅広いメリットを生み出すことができます。つまりマッシュアップを仲間たちのネットワークで共有することによって、個人が実現したイノベーションをすべての仲間が活用できるようにするということです。このような活用の仕方は組織的に行われることもあれば (例えば、知的財産アナリストのチームが先行技術の例を探すためのツールを共有するなど)、全体的なソリューション設計の一環として直接行われることもあります (救急サービスが緊急事態に関連する情報源を集約したマッシュアップを作成し、このツールを現場で応対する機関の携帯機器に配布するなど)。
これは、一般に普及した機器を使ってマッシュアップにアクセスできると便利な場合の一例であり、他にも位置を認識できる機能の付いた携帯電話で特定の場所に固有のコンテンツと機能にアクセスするなど、使用事例は数多くあります。
IBM Lotus® Connections と IBM WebSphere Portal には Web 2.0 ソリューションに統合可能な連携機能が用意されています。それと同時に、広く普及している IBM のソフトウェア (「参考文献」を参照) がこれらの機能をモバイル機器で利用するさまざまな方法を提供します。さらに、IBM Innovation Factory (「参考文献」を参照) オファリングでは、マッシュアップと連携機能を 1 つにパッケージ化して提供しています。
パターン 3: 対話によるマーケティング
従来のブロードキャスト媒体を通じての宣伝効果の下落に対抗し、ソーシャル・ネットワーキング技術を活用して個々の消費者と細かいところまで意見を交わします。
対話によるマーケティングのパターンには、消費者に合わせた個別の対話を行うために Web 2.0 の概念と技術が関わってきます。個別の対話では、例えば Web サイトに製品やサービスのレビューおよびフィードバックという形で消費者自身の満足度と意見を送信するよう促す場合があります。その一方、マーケティングの専門家が、製品情報やイベントをソーシャル・ネットワーキングのサイトに公表したり、製品ビデオを動画共有 Web サイトに投稿するというように、顧客やその他の利害関係者と接触する手段として既存のソーシャル・コンピューティング・サイトと既存の媒体を使用するという場合もあります。このように、このパターンは新しい技術を採用しますが、それよりも既存の技術とアプリケーションを活用する場合の方が多くあります。
さらにこのパターンを実現する手段としては、配信パターンを適用することによってサード・パーティーのソーシャル・サイトやアプリケーションに組み込むことができるマーケティング用のフィードおよびウィジェットを作成し、新たな使用者とコミュニティーにコンテンツを (おそらく大々的にカスタマイズ可能な形で) 配信する新しいコミュニケーション・チャネルを提供するという方法もあります。
ただしこのパターンを実装する目的は、組織がエンド・ユーザーや顧客と直接コミュニケーションを取れる媒体を通じて、その組織が提供している製品やサービスについて彼らと直接対話する機会を持つことです。ソーシャル・コンピューティングを利用して安価に数多くの個々の顧客と接触してコミュニケーションを取ることにより (そして、いずれインターネットの範囲が広がってアクセシビリティーが改善されたときには、おそらくすべての顧客とコミュニケーションを取ることで)、顧客の好みを大まかなカテゴリーに分類するのではなく、個々の好みを非常に細かく把握できるようになるはずです。簡単に作成して配布できるデジタル・コンテンツや、この連載の第 1 回で説明した大幅にカスタマイズした商品をますます安価に生産するための機能と組み合わせることにより、多数のニッチ市場に参入し、それぞれの市場に適ったニッチな製品とサービスで対応するというロングテール経済の目標を実現することが可能になります。
図 4. パターン 3: 対話によるマーケティング
実装
技術的な点から言うと、このパターンは既存のソーシャル・ネットワーキング・サイトを販売、マーケティング、そして関連アクティビティーに利用するという方法によっても、主要なインターネット技術に統合されたソーシャル・コンピューティング・ソフトウェアをデプロイし、ユーザー自身のコンテンツを送信および作成するよう促すという方法によっても、利用することができます。
Lotus Connections および WebSphere Portal はいずれも Web サイトへのユーザー参加を可能にする機能を提供します。さらに、IBM WebSphere Commerce には Web コマース・サイトでのユーザーの対話動作を可能にすることを目的とした機能も追加されています (フィードおよびウィジェットの実装オプションについては、「配信パターン」のセクションを参照してください)。
パターン 4: コミュニティーの有効活用
人が集まることによる価値を掘り起こし、活用します。
インターネットの成熟によって実現した広範な人間同士の繋がりを利用して、個々の人から構成される新しいコミュニティーを見つけて相互にやりとりすることを意味するこのパターンは、おそらく最も広く適用可能なソリューションでしょう。実際このパターンは、Web 2.0 の新しい機能を活用して最大限の価値を引き出すため、他のすべてのパターンと組み合わせられることがよくあります。
コミュニティーの有効活用にはさまざまな形がありますが、多くの場合は従業員、パートナー、顧客からなるコミュニティーでの自然発生的なイノベーションを可能にし、似たような関心事を持つ個人同士あるいは組織同士の繋がりを作ることによって新しいアイデアを生み出したり、活用したりするために使用されます。こうして生み出されたアイデアは通常、エンタープライズ・マッシュアップのパターンを使うことによって製品またはサービスへのプロトタイプ・インターフェースを素早く組み立てるために利用することができます。したがって、このようなコミュニティーを使用すればエンタープライズ・マッシュアップを共有し、その価値をコミュニティーのみんなで評価することができるというわけです。
商業的には、さまざまな方法で直接コミュニティーを利用することができます。ブランドや製品での経験と利益を分かち合えるコミュニティーを作れば、関連製品および関連サービスの保持あるいは販売の向上につながります。あるいは、価値あるコミュニティーへの参加や関係者同士の取引を容易にするためにソーシャル・コンピューティングを利用し、そこから利益を得ることもできます。
図 5. パターン 4: コミュニティーの有効活用
実装
IBM Lotus Connections および IBM WebSphere Portal は、Web サイトでコミュニケーションを形作れるようにするための機能を備えています。また、IBM Innovation Factory オファリングにはエンタープライズ・マッシュアップを連携して生成および活用することを可能にする機能がすべて揃っている一方、IBM WebSphere Commerce にはコマース環境でのコミュニティーの有効活用に特化した機能が用意されていいます。
パターン 5: リッチ・インターフェース
コンピューターのインターフェースをより使いやすく、直観的にすることで、コンピューターと対話動作を行ったり、コンピューターを使って処理を行ったりする際の障壁を減らします。
インターネットが成熟期を迎えたのと同時に、ブラウザー環境で UI を作成するための技術も利用できるようになりました。Ajax (Asynchronous JavaScript + XML) のような手法とそれをサポートする Dojo フレームワークなどの技術によって、Web ページ全体をサーバーへ要求するという方法を使わない、応答性に優れた豊富な機能を持つ新しいスタイルのブラウザー・アプリケーションが可能になっています。
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Ajax Resource Center にアクセスしてください。ここには記事、チュートリアル、ディスカッション・フォーラム、ブログ、ウィキ、イベント、そしてニュースなど、Ajax プログラミング・モデルに関する情報が豊富に用意されており、ワンストップ・ショップになっています。新しい情報もここに記載されます |
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これらのアプリケーションはドラッグ・アンド・ドロップなどのデスクトップ同様の UI 機能を使用します。その背後では、サーバーとの通信でデータの取得が非同期で行われるため、ユーザーはページ内のどこででも自由に作業することができます。さらに、高度なグラフィック手法を使用して、より視覚的に魅力のあるフォームや一層動的なフォームで情報を表示します。
このような手法は、複雑なデータをよりわかりやすく視覚化し、そのデータをブラウザーで操作しやすくするツールを提供します。あるいは、ブラウザー (あるいは仮想世界などの補完技術で) の高度なグラフィック機能を使えば、実世界の物体および特質に照らしたメタファーを改善することも可能です。その一例として、プロトタイプの作成に費用をかけずに、新しい製品のリッチ・モデルを仮想世界で安価に作成するという場合が挙げられます。
図 6. パターン 5: リッチ・インターフェース
実装
これまでのパターンのように、このパターンでもコアとなる情報とサービスは SOA での典型的なサービスおよび情報プロバイダー、つまり WebSphere Application Server で実行する CICS、IMS、および J2EE (Java™ 2 Platform, Enterprise Edition) アプリケーションによって公開されます。RESTful なサービスと JSON のように、Web 2.0 プロトコルで情報とサービスを公開することにより、Ajax に実装されたブラウザー機能を使用して極めて対話性に優れたインターフェースを作成することができます。WebSphere Application Server Web 2.0 Feature Pack、WebSphere MQ HTTP Bridge、そして WebSphere DataPower SOA アプライアンスはいずれも Web 2.0 プロトコルをサポートします。さらに、WebSphere Application Server Web 2.0 Feature Pack では、Dojo フレームワークを使って Ajax UI を実装できるように Rational Software Architect and Rational Application Developer での開発サポートを提供しています。
応用: コマース
このパターン特有の応用は、リッチ・インターフェース技術を e-コマース・サイトに適用することです。製品カタログで製品の説明と写真をユーザーに表示する代わりに、高度な技術を使って 3 次元で操作できるグラフィック・モデルを表示したり、あるいは製品カタログを色や形で検索できるようにすることによって、製品の見栄えと品質により良い印象を与えることができます。WebSphere Commerce ではこのような目的で Ajax を使用するためのサポートを提供しています (詳細は、「Using Ajax with WebSphere Commerce」(developerWorks、2006年7月) を参照してください)。
まとめ
この記事では、Web 2.0 の概念と技術が可能にする 5 つの基本機能 (ソリューション・パターン) について説明しました。この 5 つのパターンはいずれも、そのパターンで使われている技術と組織的行動の両方を含んだものです。これらのパターンが Web 2.0 を包括的に説明することは決してありませんが、営利団体と公共団体がとりわけ盛んに利用しようとしている最も一般的な機能のいくつかを明らかにしています。
次回の記事では、この記事で紹介したソリューション・パターンについて検討を行った産業およびビジネスでのシナリオを紹介し、そのソリューションによってもたらされるメリット、そして実現に至るまでに持ち上がる可能性のある課題について説明します。
参考文献 学ぶために
製品や技術を入手するために
議論するために
著者について  | 
|  | Rick Robinson は、IBM Emerging Technologies チームの IT アーキテクトとして顧客と IBM 製品開発チームが Web 2.0 の新しいビジネスと技術的影響を理解し、利用できるように協力しています。この任務の前は、ヨーロッパの IBM Software Services で SOA and BPM Architecture Practise のリーダーを務めていました。世界各国の IBM で SOA と Web 2.0 の専門家として知られている彼は、技術戦略、ビジネス・デプロイメント、ソリューション・アーキテクチャー、組織改革、業務提携管理、そして技術的販売に取り組んでいます。 |
記事の評価
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