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歴史に残るコンポーネント

OOPからWSへ、コンポーネントのルーツを探る

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レベル: 初級

James Durham (jdurham@ion1.com), Multimedia consultant, Independent

2001年 4月 01日

この年表では、コンピューターの一般的な歴史という大きな観点から、最近50年間におけるオブジェクト指向プログラミングとコンポーネントに関する重要な出来事のいくつかを探ってみます。

この年表では、最近50年間のコンポーネントおよびオブジェクト指向プログラミングの重要な出来事のいくつかを探ります。私たちは、1946年、コンピューター・アーキテクチャーを永遠に変えることになったJohn von Neumannの提案にさかのぼることも、さらにENIAC、BabbageまたはPascalへさかのぼることさえできます。しかし、私たちは、1951年 から始めることにしました。この年には、世に広く知られたUNIVACが誕生しているからです。UNIVACは、オブジェクト指向プログラミングおよびオブジェクト指向開発に関する探求のきっかけとなったコマーシャル・エンジンを起動したものと考えられています。このコンピューターの商業革命は、10年後の1961年IBM 1400シリーズに後押しされ、オブジェクト指向の概念を内包するプログラミング言語の開発にとって追い風となりました。また、この年表を1951年から始めれば、本稿が網羅する年の区切りもちょうど良いことになります。今後の版では、もっと多くのことに言及することになるでしょう。

お願いリスト:

次の「お願いリスト」に列挙した項目は、この年表に入れたかったけれども、締め切りまでに正確な日付や、記録すべき出来事を確認できなかったものです。記載したほうが良いと思われる他のイベントを推薦してくださったり、以下に挙げる項目の重要な情報をお知らせくださる方がおられれば、大歓迎いたします。

  • XP (eXtreme Programming)
  • OO-COBOL
  • 主要なOOオペレーティング・システムの画期的出来事
  • その他の主要なOOのイベントおよび発表
  • 主要なOO会議
  • 学術的な新しいOO概念および理論

この年表には、ハードウェア、オペレーティング・システムおよびインターネット開発における重要な出来事を、これらがいかにオブジェクト指向プログラミングおよびコンポーネント技術に影響を与えたかという観点から取り入れました。幾つかは、OO開発にとっての背景を加えるに止めたものもあります。

今日、「オブジェクト指向」概念は、多くの点でコンピューター・サイエンスのあらゆる局面に浸透しています。たとえば、OOデータベースで議論された概念は、今日、論点の中心ではないにしても、これらの考えは、CORBAや最新のSQLベースのデータベースなど他のテクノロジーに、かなり取り込まれています。事実、最新のリレーショナル・データベースは、発展したオブジェクト指向システムです。徐々に発展する思想を日付で表すことは難しいため、この年表でこれらの関係を追跡するのは困難であることはわかっています。これらの関係を、もっと上手に示す方法があれば、ぜひご提案ください。

私たちは、この年表を、包括的でわかりやすい出発点にするよう努力しましたが、本来ここに取り入れるべき出来事や事件で、見逃しているものもあると思います。誤りや記入漏れが見つかりましたらお知らせ下さい。後世のためにこの年表を改良したいと思います。また、年表の「お願いリスト」には、追加したかった項目で、年表バージョン1.0の出版締め切りまでに調べられなかったものも入っています。補足記事にリストされている(または、そこででも言及できなかった) 項目のいくつかについて情報をお持ちで、当方と共有しても良いとお考えの方は、そうして頂ければ幸いです。

年表およびIBM DeveloperWorks Componentsゾーンに時間を割いてくださり、ありがとうございました。皆さんのご意見を期待しています。

年表

オブジェクト指向 (OO) のイベントは、ライト・イエローの背景で示されています。

1951
J. Presper EckertおよびJohn Mauchlyが、広く注目を集めた最初の汎用商業向けコンピューターUNIVACを製造。
1953
IBMが同社初の電子計算機701を出荷。
1954
IBMが最初の大量生産コンピューターIBM 650磁気ドラム式計算機を出荷。
1956
John McCarthyが、人工知能に関するDartmouth Summer Research Projectに参加、LISPプログラミング言語 (「LISt Processing」、後に「Lots of Idiotic、Silly Parentheses(たくさんの、ばかげた、おかしな括弧たち)」の略であるとされた) の基礎を開発。Lispは、プログラミングおよびコンピューター・サイエンスを形作る主要な基礎言語の1つとなる。これは、元来、オブジェクト指向でなかったが、1988年にCLOS(Common Lisp Object System) の出現に伴い、結果的にオブジェクト指向となった。
1957
米国が、Advanced Research Projects Agency (ARPA) を創設。
IBM社のJohn Backusとそのチームが、最初のFORTRANコンパイラーを開発。FORTRANは、最初の (仮に最初でないにしても) 高水準プログラミング言語であり、C++ のようなOO言語が考案された理由の1つとなる。そのような言語と手を切りたいという人も多かったためである。
1958
IBMは、スイッチング機構にトランジスターを利用した最初のコンピューター、IBM 7090を発表。コンピューターにおける真空管テクノロジーの滅亡を早めた。
Seymour Crayは、すべてをトランジスター化した最初のコンピューター、CDC 1604をControl Data Corporationのために製造。
1959
Doug Englebartが、ウィンドウ、マウス、マルチタスキングおよびリモート・プロシージャー・コールなどの理論的概念を最初に開発。
L. R. Johnsonが、1959年に発表されたIBM 7000シリーズ・メインフレームに関して「アーキテクチャー」という用語を案出。
1960
最初に標準化されたビジネス・コンピューター・プログラミング言語としてCOBOLが開発される。COBOLは、1980年まで最も一般的で、普及した言語である。
1961
IBMは、高い成功を収めたメインフレーム1400シリーズを発表。これは、特殊なシステムよりも汎用コンピューターが成功した事例となる。
1962
Ole-Johan DhalおよびKristen Nygaardが、1962年から1967年の間にオスロのNorwegian Computing Center (NCC) でSimulaプログラミング言語 を開発。Simulaは、いくつかの点でALGOL 60プログラミング言語を基礎としている。あらゆる点で、これがすべての出発点と言える。Simulaは、かつてなかったオブジェクト指向の最初のプログラミング言語である。1960年代のAIを代表するシステム(後にフレーム・ベースの知識の表現を誕生させる) と共に、現代のOO開発技法の大部分がSimulaから生み出されている。
1964
John KemeneyおよびThomas Kurtzは、Dartmouth CollegeでBASIC (Beginner's All-purpose Symbolic Instruction Code) プログラミング言語を最初に開発。
IBMが、集積回路を利用した最初のコンピューターを発表。
1965
DECが、商業的に初めて成功したミニコンピューター、PDP-8を発表。
1967
Advanced Research Projects Agency Network (ARPANET) について最初の論文が発表される。
1968
Edsger Dijkstraが、その有名な書簡「GO TO Statement Considered Harmful (GO TO文は有害である) 」を著述。これは、おそらくスパゲッティー・コードに対する戦いの最初の里程標である。
Doug Englebartが、San FranciscoのJoint Computer Conferenceにおいて、革命的概念を公表する。
1969
米国国防総省がARPANETに関与する。
1970 (cca)
Alan Kayが、「オブジェクト指向」および「オブジェクト指向プログラミング」という用語を案出する。
1971
最初の電子メール・プログラムが開発される。
Technical University of ZurichのNiklaus Wirthが、Pascalプログラミング言語を発表する。Pascalは、これ以降の言語Modula-2、Modula-3や、広く普及しているBorland社Delphiのオブジェクト指向言語、Object Pascalなど多くの言語の基礎となった。Wirthおよび他の構造化言語の父 (Edsger Dijkstraのような人たち。1968年の項を参照) の業績が、現代のソフトウェア・エンジニアリングの基礎を作る。
最初の商業用に使用できるマイクロプロセッサーと最初のフロッピー・ディスクが発表される。
1972
Bell研究所のDennis Ritchieが、Cの初期バージョンを開発。
Bell研究所が、Cを使用したUNIXオペレーティング・システムの開発を開始。
Nolan Bushnellが、PONGを開発。
1973
Xeroxが、Xerox's Palo Alto Research Center (Xerox PARC) におけるLearning Research Groupで最初のオブジェクト指向言語の1つであるSmalltalkを開発。互いに交信し合う「セル」のような生物学的概念に基づいた理論をもつSimula、LISPおよびSketchPadを基にしたこの言語の主要な要素の創始者として、Alan Kayが認められる。
Robert Metcalfeが、Xerox Palo Alto Research Centerで、ネットワーク通信におけるEthernet方式に関して構想を発表。ここに「インターネット」の基礎となる構想が誕生する。
Donald Knuthが、いまや古典的となった多くの業績のうち、近代ソフトウェア・エンジニアリングの基礎 を規定。
1974
伝送制御プログラム (TCP) の最初の論文が出版される。
最初の公衆パケット交換ネットワークが展開される。
1975
最初のマイクロコンピューター、Altairが発表される。(同年、Bill GatesとPaul Allenが、Altair向けのBASICコンパイラーを作成する)。
最初のスーパーコンピューターCray-1が発表される。
Marvin Minskyが、人工知能 (AI) プログラミングにおいて、後のC++ などの言語における現代の「オブジェクト」の先祖にあたる「フレーム」を取り入れる。
Massachusetts州FraminghamでVery Large Data Bases (VLDB) の最初の国際会議が開催される。この会議で、リレーショナル・データベースに関するデータベースの抽象化およびマルチ・レベル・アーキテクチャーなどの概念が議論され、現代のクライアント/ サーバー・データベースの基礎が築かれる。
MITでGuy Lewis Steele Jr. とGerald Jay SussmanがSchemeプログラミング言語 (LISPに基づく) を発明。
1976
Digital Equipment Corporationが、普及版ミニコンピューターVAX 11/780を発表。
Steve WozniakとSteve Jobsは、ガレージの中でAppleコンピューターの製作を開始。非常な成功を収めたAppleIIが出荷されるのは、このすぐ後である。
1977
USENETが確立される。
同年、価格が手ごろなAppleII、Commodore PET (Personal Electronic Transactor)および Tandy Radio Shack TRS-80が出荷され、パーソナル・コンピューター革命が始まる。
1978
Brian W. KernighanとDennis M. Ritchieが、数年間の開発後「The C Programming Language」を出版。オブジェクト指向自身ではないとはいえ、Cは、C++、Objective C、JavaおよびC# など多くの最新のOOプログラミング言語に強い影響を与えるか、あるいはそれらの基盤となった。
Dan BricklinとBob Frankstonが、VisiCalcというAppleコンピューター向けの最初の電子スプレッドシートを開発。VisiCalcは、おそらく世界で初の「キラー・アプリケーション」である。
Niklaus Wirthが、彼のPascalプログラミング言語を強化・拡張し、Modula-2を発表。
1979
米国政府が、Adaプログラミング言語の暫定仕様を公表。最初、この言語は、論文の表紙の色を取って「グリーン」と名付けられたが、後に最初のプログラマー、 Ada Augusta King の名前にちなんでAdaと命名された。
IBMのMike Cowlishawが、最初のREXX (Restructured Extended Executor)プログラミング言語を開発。
1980
Bell研究所のBjarne Stroustrupが、Cに対するオブジェクト指向の拡張を発明、新たな言語「C with Classes」と命名。このオブジェクト指向機能は、部分的にSimula-67など初期のオブジェクト指向言語の影響を受けている。
Grady Boochが、Booch Diagramsと呼ばれる、Ada向けの設計プロセスを開発。これは発展して、後日他のオブジェクト指向言語にも応用された。
Winchester hard driveが発表される (今日、これは「ハード・ドライブ」と呼ばれている)。
1981
IBMが、4.77 MHzで動作するIntel 8088マイクロプロセッサーを基にしたIBM Personal Computerを発表。
IBMが、IBM PCにPC-DOS 1.0を搭載して出荷。その後まもなくMicrosoftは、MS-DOSを出荷し、MS-DOSをライセンスする。
1982
Sun Microsystemsが、同社初のワークステーションSun 100を発表。
TCP/IPプロトコルが、「インターネット」の標準になる。
Computerが、TimeマガジンのMan of the Yearに挙げられる。
MexicoのMexico Cityで開催されたEighth International Conference on Very Large Data Bases (VLDB) で議論されたように、データベースにおけるオブジェクト指向の概念が脚光を浴びる。
1983
米国規格協会 (ANSI) が、Cを標準化するための委員会を設立。
Stroustrupの「C with Classes」が、「C++」と改名される。
米国政府および米国規格協会 (ANSI) が、Ada言語標準を採用。
1984
Appleが、グラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) を採用した、初めての主流コンピューター、Macintoshを発表。
Richard Stallmanが、GNUプロジェクトを設立。
Domain Name Server (DNS) が発表される。
インターネットのホスト数が1000を超える。
1985
Digital Researchは、市場でWindowsに打ち勝つためGEM (Graphics Environment Manager) をリリース。
Microsoftは、Windowsの最初のバージョン (version 1.0) をリリース。
Commodore AmigaおよびAtari STが出荷される。両者は、先進的GUIとマルチメディア能力を備え、「カラー・マッキントッシュ」として宣伝された。
SonyおよびPhilipsのテクノロジーを基にした最初の商用CD-ROMドライブが出荷される。
Bjarne Stroustrupが、「The C++ Programming Language」を出版。C++ は、Objective-Cや他の競合言語に勝るようになる。C++ は、コンピューター業界で、支配的なオブジェクト指向言語として登場した。
Bertrand Meyerが、Eiffelプログラミング言語を発表。
1986
ネットワーク接続のバックボーンを整備するNational Science Foundation Network (NSFNET) が設立される。このネットワークに、世界中の類似する複数のネットワークを結び付けた結果、現在のインターネットの基盤が作られた。
Intel社が、80386チップを出荷。
Network News Transfer Protocol (NNTP) が発表される。
国際標準化機構 (ISO) が、Standard Generalized Markup Language (SGML) を開発し、標準化する。
Oregon州Portlandでオブジェクト指向プログラミング、システム、言語およびアプリケーション (OOPSLA) に関する最初の会議が開催される。
California州Pacific GroveでObject-Oriented Database Systems (OODBS)に関するInternational Workshopが開催される。
1987
IBMとMicrosoftがOS/2 1.0を発表。
MicrosoftがWindows 2.0を出荷。これは、Intel 80286プロセッサーのプロテクト・モードを使用できるのでDOSでのメモリーの制約を受けない。
AppleのエンジニアであるWilliam Atkinsonが、HyperCardを設計。これは、言語を基盤とせず、対話的であり強力なユーザー・インターフェースを持つプログラミング・ツールである。この革新的な概念は、ビジュアル・コンポーネント・ベースのプログラミングおよびrapid application development (RAD) の基礎を築くきっかけとなった。
Larry Wallが、Perl 1.0 (Practical Extraction and Report Language)スクリプト言語を開発し、リリースする。
Digital Equipment CorporationとOlivettiが、PascalとModula-2に不足する機能を補足した言語、Modula-3プログラミング言語を開発。
インターネットのホスト数が、10,000を超える。
1988
KernighanとRitchieの著作、「The C Programming Language」第2版が出版される。最新のANSI C仕様規格案が取り入れられた。
カリフォルニア大学、バークレー校のJohn Ousterhoutが、Tcl (Tool Command Language) を開発。
Journal of Object-Oriented Programming (JOOP) の創刊号が出版される。
Presentation Managerを持つIBM OS/2 1.1が出荷される。これは、GUIを持つ最初のOS/2である。
1989
情報管理およびネットワークに関するTim Berners-Leeの提案が発表され、CERN (the European Particle Physics Laboratory) で配布される。
Object Management Group (OMG) が設立される。このグループは、ソフトウェア産業に向けて、ベンダーから独立した仕様を開発するために活動する。(2000年現在、約800の会員が加盟)。OMGが、Common Object Request Broker Architecture(CORBA) の仕様の開発を開始。CORBAは、本質的にシステムとデータ間の相互運用性を提供するため、アプリケーションと通信の間に位置するミドルウェアである。
ANSI C標準が最終的に採用される。
Internet Engineering Task Force (IETF) が設立される。
インターネットのホスト数が、100,000を超える。
1990
Microsoftが、Windows 3.0オペレーティング・システムをリリース。広範囲に普及したWindowsの最初のバージョンである。プログラム・マネージャー、ファイル・マネージャーおよび安定性改善など重要な改良が行われた。このWindowsは、瞬く間に市場を占有した。
Microsoftが、Visual Basicの最初のバージョンをリリース。Rapid Application Development (RAD) として知られるようになる概念のさきがけとなる。ビジュアルなオブジェクトを持つプログラミングが主流の概念となる。
Berners-Leeの1989年の提案に基づくプロジェクトが始まる。World Wide Webという名前が考案され、最初のWWW WYSIWYG(What You See Is What You Get)ブラウザー/エディターがNeXTコンピューター上で作成される。Berners-Leeが、HTMLの最初のバージョンとその他のWWWの重要な概念を開発する。
ARPANETが、その存在を終える。
Object Management Group (OMG) が、オブジェクト管理アーキテクチャー(OMA) を定義する。OMAは、オブジェクト指向の概念に基づきアプリケーションを相互運用する方法について記述するためのものである。OMAは、CORBAのインストールを構築するための主要な部分を定義する。「ORB」(Object Request Broker) という用語が定着する。
Guido van Rossumが、インタープリター形式かつ対話的なオブジェクト指向言語Pythonを開発。
Baezner、LamoeとUngerが 分散的、かつ離散的イベント・シミュレーション言語、Sim++ を作成。
1991
Sun Microsystemsが、Javaプログラミング言語を開発。これは、TVやVCRなど一般消費者向け電子装置用のソフトウェア作成のための研究プロジェクトの一部として行われた。Javaには、C++ と似たオブジェクト指向プログラミング機能の多くが採用されている。
WWW上で、初のCERNセミナーが開催される。
CERNニュースレターでWWWが発表され、Texas州、San AntonioのHypertext '91でWWWブラウザーのデモンストレーションが行われる。
Wide Area Information Server (WAIS) およびGopherが発表される。
Trojan Room Coffee Pot camera が、ケンブリッジ大学コンピューター研究所に設置される。これは、当研究所の、当時最新のRPCメカニズムを利用して作成された最初のクライアント/サーバー・アプリケーションである。
Guido van Rossumが、PythonをUSENETにリリース。
1992
Common Object Request Broker Architecture (CORBA) バージョン1.1の最初の主要な仕様が、DEC、HP、Hyperdesk、NCR、ODIおよびSunSoft合同の提案に基づき利用可能になる。
IBMのOS/2 2.0が出荷開始される。このリリースには、マルチ・プラットフォームやCORBA 1.1に準拠する、言語に中立なオブジェクト・モデル、Systems Object Model (SOM) が含まれる。
Apple、IBMおよびLotusなどの企業連合によりOpenDocの開発が開始される。OpenDocは、IBMのSOMを基盤とする、マルチ・プラットフォームかつ言語に中立なオブジェクト・モデルである。
Microsoftが、Windows 3.1オペレーティング・システムをリリース。
Xの最初のGUIクライアントが完成。
インターネットのホスト数が、100万を超える。
1993
Marc AndreessenのMosaicが、National Center for Supercomputing Applications (NCSA) で公開される。
WWWが、ペンシルベニア州、Pittsburghで開催されたOnline Publishing '93で発表される。
MicrosoftとIBMが、OS/2の共同開発を止めた後、Microsoftは、Windows NTの最初のバージョンをリリース。
Microsoftが、Component Object Model (COM) の最初のバージョンを出荷。COMは、OpenDocおよびCORBAと競合するが、CORBAに準拠していない。COMは、Object Link and Embedding (OLE)、ActiveX、Distributed COM (DCOM) その他のMicrosoftテクノロジーの基礎を成すか、または直接関連がある。
Microsoftは、市場の要望に基づく似通ったテクノロジーをネーミングとリネームで混乱させているとの評判を得る。
Component Integration Laboratories (CILabs) が、OpenDocのライセンスを取得。Apple、IBM、Novell、Oracle、SunSoft、Taligent、WordPerfectおよびXeroxが最初にCILabを支援する。各社の目的は、あらゆる主要なプラットフォーム間のオブジェクト指向の相互運用性を確保することにあった。
IONA (以前はTrinity Collegeの一部) が、分散コンピューターおよびソフトウェア・システムを協調して動作させるORBIX製品を出荷。他の主要なObject Request Broker (ORB) ソフトウェア開発会社も、自社製品を市場に投入。
Trojan Room Coffee Pot が、Webに置かれる。WWWにおける最初のイメージであると考えられている。
1994
C++ のANSI推薦規格に関する最初の原案がリリースされる。
現在の「オープン・ソース」活動の先駆けとなるLinux 1.0がLinus Torvaldsによってリリースされる。
Marc Andreessen、James Clarkその他が、Mosaic Communcation Corp. (後のNetscape) を創立。
GenevaのCERNで最初のInternational WWW Conferenceが開催される。
HotJavaブラウザーがリリースされ、SunのJavaが注目される。
Perl 5がリリースされる。これは、旧バージョンに対する大幅な書き換えであり、この普及しているスクリプト言語にOO能力を初めて追加したものである。
Rasmus Lerdorfが、Cに似たオープン・ソースのサーバー用スクリプト言語、Hypertext Preprocessor (PHP) の最初のバージョンを作成。
最初のCORBA 2.0の仕様がリリースされる。これは、異なるベンダーからのORB で相互運用を行う方法を規定している。
IBMが、OS/2 Warp 3.0をリリース。
主にオブジェクト指向設計と分析の方法論学者 (Grady Booch、Ivar Jacobson、Jim Rumbaugh) が、オブジェクト指向システムの要素を規定、視覚化および文書化する方式を定義する共同作業を進めるにつれて、統合モデル化言語 (UML) が、初期の形を取り始める。UML標準は、Booch、OMTおよびOOSE方式に基づいて構築され、Open Management Group(OMG) の支援の元に開発された。
W3 Consortium が設立される。12月にMITで初会合が開かれる。
1995
NSFNETが、米国の主要なバックボーンとしての役目を終了し、ネットワーク・プロバイダーに置き換わる。
WWWは、膨大なトラフィックを扱うサービスへ成長する。
Apache Group が組織される。Apache HTTP Server Projectは、NCSA httpdサーバーを基盤とするオープン・ソースのWebサーバー・ソフトウェアを開発するために設立された。Apacheは、コンポーネントではなくモジュールを使用するが、両者の思想は、多くの点で似ている。
Sun Microsystemsが、Javaをフリー・クライアント・ソフトウェアと共に一般向けに正式に立ち上げる。
Micosoftが、32ビットWindows 95オペレーティング・システムをリリース。Windows 95は、Windowsの大きなマイルストーンであり3.xの顕著なアップグレードである。Windows 95およびNTのAPIであるWin32は、もともとMicrosoftのCOMを基にしたOLEのさらなる拡張も含んでいる。
MicrosoftのVisual Basicが、VBX (Visual Basic Custom Control)テクノロジーと共に広く使われるようになる。VBXコンポーネントは、結果的に、発展するCOMテクノロジーに基づくActiveXコントロールとコンポーネントに置き換わることになる。
Microsoftが、DirectXソフトウェア開発キットの最初のバージョンをリリース。
Borlandは、Rapid Application Development (RAD) プログラミング環境、Delphi 1をリリース。これは、最適化ネイティブ・コード・コンパイラーとスケーラブルなデータベース・エンジンを備えており、オブジェクト指向ビジュアル開発ツールの最初の主流となった。Delphiは、「Object Pascal」と呼ばれるPascalのオブジェクト指向バージョンに基いている。Borlandは、素早くWindows 95向けDelphi 32ビット版をリリースし、これが最初の32ビットRADツールとなった。http://www.borland.comを参照。
Microsoftは、短い期間しか使われなかった用語Network OLEに代わり、Distributed COM (DCOM) を発表。DCOMは、ネットワーキング能力を持つOLE/COMに基づいている。
IBMがSOMobjectを発表。
1996
SunがJava開発キット (JDK) 1.0をリリース。
最初のJavaOne developer conferenceが開催される。JavaBeansテクノロジーを基盤とするコンポーネントが、Java Media API、サーブレット、その他類似のテクノロジーと共に発表される。
Microsoftは、3月に開催されたInternet Professional Developers Conference (Internet PDC) においてActiveX という用語を案出する。
Microsoftが、Windows NT 4.0を出荷。これは、Windows 95のユーザー・インターフェース、数多くのバンドルされたサーバー・プロセス、優れたInternet Information Server (IIS) Webサーバーを備える。
Microsoftが、ActiveXと密接に結び付いているDistributed Component Object Model (DCOM) の仕様を発表。
Sunが、Java Objects Everywhere (JOE) が使用可能であることを発表。これは、複雑なWebベース・アプリケーション向けの、Java/WebフロントエンドとCORBAアプリケーション・サービス間のインターフェース・テクノロジーである。
Sunが、Java Database Connectivity (JDBC) APIの仕様を発表。リレーショナル・データベースとJavaプログラムの統合についての標準化に向けた最初の成果である。
Microsoftが、Netscape Navigatorの基盤で十分に対抗できるInternet Explorer 3.0を発表。
IBMが、開発者が インターネットを介してNotesアプリケーションを迅速に開発、展開、管理できるDomino (Notesサーバー製品のバージョン4.5) をリリース。
Allaire が、ColdFusionをリリース。これは、Cold Fusion Markup Language (CFML) を備えるアプリケーション・サーバーであり、サーバー・サイドのWeb指向スクリプトを統合する。これにより、開発者は、先進的なWeb/ データベース・アプリケーションを構築することができる。ColdFusionは、多数のベンダーが、アプリケーション・サーバー・ツールを出すきっかけとなった。
KDEプロジェクトが設立される。
NeXTは、Web Objectsを推進。
1997
Sunが、JavaBeans開発キットを出荷。
Sunが、JDK 1.1を出荷。これには、Javaオブジェクトと他のJavaオブジェクトがリモートで通信できるプロトコルの集合、Remote Method Invocation (RMI) が含まれる。これは、CORBAおよびDCOMと共通性を持つが、Javaオブジェクト間でのみ協働する比較的単純なプロトコルである。
Sunが、Enterprise JavaBeans (EJB) テクノロジーを発表。
Sunが、Java Web Server 1.0製品を出荷。
IBMが、Object REXXと呼ばれるREXXプログラミング言語のオブジェクト指向バージョンをリリース。
Microsoftが、Internet Explorer 4.0をリリースし、ブラウザー・テクノロジーで優位を占める。
Microsoftは、Internet Information Server (IIS) 3.0を、統合Active Server Pages (ASP)と一緒に出荷。ASPは、オブジェクト指向であり、VB Script、JavaScriptを備えたサーバー・サイドのスクリプト能力を持ち、COMコンポーネントとの統合によりWebアプリケーションの開発を行う。
GNOME プロジェクトが発足する。
1998
SunがJava SDK 2.0をリリース。
W3Cが、Extensible Markup Language (XML) 1.0の勧告を公表。
MicrosoftがWindows 98を発表。
Microsoftは、Internet Information Server (IIS) 4.0と一緒にActive Server Pages (ASP) 2.0および統合Microsoft Transaction Server (MTS) 2.0を出荷。MTSは、オブジェクト指向のミドルウェア・テクノロジーであり、特に、大規模ユーザーをサポートするため、アプリケーションが複数のシステム間でスケールできるようにする。
Microsoftが最初のCOM+を発表。
ANSI C++ 規格が公表される。
BEAが、初のオブジェクト・トランザクション・モニター、BEA ME (WebLogic Enterpriseとして知られるようになる) を発表。
Netscapeが、Navigator Webブラウザーのソース・コードを発表し、一般に無料で利用できるようにする。Mozilla Organization は、Navigatorのソース・コードをどのように開発して行くかを調整する。Mozilla Projectには、XPCOMが含まれる。これは、「軽量なクロス・プラットフォーム型COM相当技術」である。
K Develop Environment (KDE) for Linuxの 安定版 (1.0) が年頭にリリースされる。
GNOME 0.99が年末にリリースされ、1.0のコードはフリーズ に入る。
EiffelBase ライブラリーが、オープン・ソースとしてリリースされる。
1999
Sunのオブジェクト指向分散コンピューティング・アプリケーション、Sun Jiniがリリースされる。
Sun JavaServer Pages (JSP) テクノロジーを公開し、JavaServer PageフレームワークをApacheにライセンス供与する。
Sunは、J2EE (Java 2 Platform Enterprise Edition) を出荷。Java 2プラットフォームは、RMI (Remote Method Invocation) over IIOP (Internet Inter-ORB Protocol)、Java IDL (Interface Definition Language)、Java ORBおよびCORBAサポートを統合する。
GNOME 1.0が、初めてのLinuxworld ConferenceおよびSan Joseで開催されたExpoでリリースされる。作業は、GNOMEコンポーネント・アーキテクチャー、Bonobo上で始められた。
2000
AMDおよびIntelのCPUを装備する1 GHzメインストリーム・コンピューターが、広範囲に利用可能となる。
Microsoftが、Windows 2000およびASP 3.0と一緒にInternet Information Server (IIS) 5.0をリリース。
Microsoftが、混乱を避けるため同社の中間層、ランタイム環境の名前をMTSからCOM+ へと正式に変更。Windows 2000のリリースに伴い、COM/DCOMおよびMTSの重要な要素は、この新しいランタイムに統合される。
Sunは、J2SE (Java 2 Platform Standard Edition) v.1.3プラットフォームをリリースし、Mac OS Xを製造するAppleから業界サポートを得る。
Sunが、StarOfficeを買収し、UNO (Universal Network Objects) と名付けた新しいコンポーネント・アーキテクチャーを用いてStarOfficeを「コンポーネント化」する。計画では、OpenOfficeをGNOMEのBonoboと統合する予定。
KDE 1.90 Betaが、KDEコンポーネント・オブジェクト・モデル、KPartsを組み込む。KDE 2.0が、リリースされる。
SOAP (Simple Object Access Protocol) がりリースされる。
業界全体を通じてWebサービス・イニシアチブが発表される。IBMはWebサービス、HPはe-speak、SunはONE、Microsoftは .NETを発表する。
MicrosoftがC# を発表。
IBMは、Javaサーブレット、JavaServer Pages、XML、EJBコンポーネントおよびCORBAをサポートするWebSphereを出荷。これは、最新のオブジェクト指向テクノロジーと標準を利用したWebサーバー・アプライアンスおよびWebアプリケーション・サーバーの成長を表す良い例である。
Microsoftが、Windows Meを出荷。
公式のCORBA 2.4仕様がリリースされる。
Larry WallとNathan Torkingtonが、Perl 6を完全に書き直す計画を発表。
StarOfficeのソースが、OpenOffice.orgのサイトでインターネットに登場。
InterwovenがAjuba Solutionsを買収。Ajuba Solutionsは、Tclの開発は継続しないことを決定。Tclの開発は、Tclコア・チームへ戻り、Interwovenは、TclProをオープン・ソースとしてリリース。
Mozilla 0.6がリリースされる。
2001
Borlandが、Kylixを出荷。これは、Linux用の最初のネイティブなRADツールである。DelphiとC++ Builderをモデルとしており、CLXコンポーネント/オブジェクトを備え、ビジュアル、非ビジュアル、データベース、ネットワーキングなどのコンポーネントを多く含んでいる。
Trojan Room Coffee Pot が解散。
CORBA 3.0が公開予定。
Bonoboが、GNOME 1.4の最後のリリースに含まれる予定。


参考文献

他のヒストリーおよび年表

以下は、この年表で最も頻繁に言及されている企業および組織のいくつかです。

その他の関連資料または 原資料は以下のとおりです。



著者について

James Durham氏は、マルチメディアに関する権威です。Cを利用してプログラミング始めた経験を持ち、最初のSunワークステーションおよびオリジナルのPIXAR Image Computerで先進的なコンテンツ開発に携わりました。現在、Linux、Windows、MacOS を対象に開発を行い、特にC++、Delphi、PHPを専門に扱っています。同氏は、ビデオやアニメーションなどのマルチメディア・コンテンツを製作し、「最もオープン・ソースでクロス・プラットフォーム」なメディア、すなわち音楽を伴うものを得意とします。同氏の問題解決への4段階のアプローチは、以下のものから成ります。すなわち、1) 偉大なる創作力、2) 技術への十分な理解力、3) 少々のお金 および4) ユーモアの感覚です。著者には、jdurham@ion1.com で連絡をとることができます。




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