HTML5 の基礎: 第 3 回 HTML5 API の能力

通信を管理する

現在のビジネス手法は、Web およびクラウドを利用するように極めて大きな変化を遂げていますが、HTML5 はこの変化を反映したものになっています。HTML5 での変更内容にスポットライトを当てるこの 4 回連載では、まず新しいタグとページの編成について取り上げるのに続き、Web ページ設計、フォームの作成、API の活用法と価値、そして最後にキャンバスがもたらす独創的な可能性といった高度な話題へと話を進めていきます。3 回目となる今回の記事では、HTML5 API について紹介し、サンプル・ページを使ってその機能を具体的に説明します。

Grace Walker, IT Consultant, Walker Automated Services

イリノイ州シカゴにある Walker Automated Services の共同経営者である Grace Walker は、さまざまな経歴と幅広い経験を持つ IT コンサルタントです。IT 業界では、マネージャー、アドミニストレーター、プログラマー、インストラクター、ビジネス・アナリスト、テクニカル・アナリスト、システム・アナリスト、Web 開発者としての経歴を持ち、その分野は通信、教育、金融サービス、ソフトウェアなど多岐に渡ります。



2011年 7月 08日

そもそも、API とは何なのか

アプリケーション・プログラミング・インターフェース (API: Application Programming Interface) とは、あるソフトウェア・アプリケーションをプログラムで利用するための命令およびそれに関する決め事の集まりです。API を使用することで、API が提供するサービスを利用した製品を設計することができます。

HTML5 には新しい API がいくつも追加されています。例えば、以下の API です。

  • グラフや視覚的な表現を行う画像をレンダリングするために新規 canvas 要素で使用する 2 次元描画用 API
  • オフライン Web アプリケーションをサポートするキャッシング・メカニズム用 API
  • 新しい video 要素と audio 要素で使われる動画や音声を再生するための API
  • 閲覧履歴にアクセスできるようにして、そこにページを追加できるようにするための履歴用 API
  • draggable 属性とともに使用するドラッグ・アンド・ドロップ API
  • contenteditable 属性とともに使用する編集用 API
  • キーと値のペアおよび組み込み SQL データベースを扱うための、クライアント・サイドのストレージの JavaScript API

この記事では新しく追加された API のうち、上記には挙げていない Geolocation API と Web Worker API の 2 つに焦点を絞ります。それぞれの API について解説した後、この両方の API を組み込んだページを作成します。


ビジネスは至るところで行われています: ジオロケーション

Geolocation API は、地理的な位置 (ジオロケーション) を判断したり、共有したりするために使用する API です。この API は、緯度と経度の座標を返します。ビジネスでは、この緯度と経度の情報を利用して、その座標近辺のエリアにサービスを提供することができます。これらのサービスは一般に、位置情報サービス (LBS: Location-Based Services) と呼ばれます。

LBS は地理データ・ソースを参照することによって、モニタリング対象としている機器の物理的な位置を特定し、さらにその位置と関連付けられる個人を特定します。この機能によって、その個人の関係者には、ジオロケーションを利用した何らかのサービスを介してその個人と接触する機会がもたらされます。

ビジネスとはまさに、顧客に対しては高いクオリティー、有用性、そして価値をもたらす一方で、利害関係者、債権者、株主、従業員、ベンダーに対しては経済および金融面でのメリットをもたらすことです。ジオロケーションを利用した LBS では、ブラウザー非搭載の機器もしくはブラウザーを使用して、荷物や人を追跡あるいはモニタリングするのは極めて容易です。

商業的な面から言えば、ジオロケーションとは地理情報に関する資産を利用して個人または機器の現在位置を判断し、その特定の情報を社会的な用途や、商業的な用途、あるいはその他の用途で必要とする相手に販売することです。その際、該当する用途で情報を使用することを、その情報の所有者が法的に許可することが前提となります。

Geolocation API が機能する仕組み

Geolocation API のベースは、グローバル navigator オブジェクトに新しく追加されたプロパティーである navigator.geolocation です。JavaScript の navigator オブジェクトは、訪問者のブラウザーとシステムに関する有用な情報を提供します。Geolocation API は、IP アドレス、Web ベースのデータベース、ワイヤレス・ネットワーク接続、そして三角測量または GPS 技術を使用して、緯度と経度を判断することができます。Geolocation API によって提供される情報の正確さは、その情報を取得する手段によって異なることに注意してください。場合によっては、明確なジオロケーション測定値を取得できない位置、あるいはデータをまったく取得できない位置もあります。

スクリプトでは、navigator.geolocation オブジェクトを利用してユーザーのホスト機器に関する位置情報を取得することができます。位置情報が取得されると Position オブジェクトが作成され、このオブジェクトにデータが取り込まれます。

navigator.geolocation オブジェクトには、以下の 3 つのメソッドがあります。

  • getCurrentPosition()
  • watchPosition()
  • clearWatch()

getCurrentPosition() メソッド

getCurrentPosition() は、ユーザーの現在位置を取得するメソッドです (ただし 1 度しか試行されません)。スクリプトによって呼び出されると、このメソッドは非同期でホスト機器の現在位置を取得しようと試みます。非同期通信とは、送信側と受信側が同時に通信に携わらないことを意味します。したがって、非同期通信を使用すればブラウザーが他のアクティビティーを続行できることから、受信側エンティティーからのレスポンスを待機する必要がなくなります。

getCurrentPosition() メソッドには、以下の 3 つの引数を指定することができます。

  • geolocationSuccess: 現在位置が返されるコールバック (必須)。
  • geolocationError: エラーが発生した場合のコールバック (オプション)。
  • geolocationOptions: ジオロケーションのオプション (オプション)。

navigator.geolocation.getCurrentPositon() メソッドは、Position オブジェクトをパラメーターとして、ホスト機器の現在位置を geolocationSuccess コールバックに返します。エラーが発生した場合は、PositionError オブジェクトを使用して geolocationError コールバックが呼び出されます。geolocationOptions に設定できるプロパティーには、enableHighAccuracytimeout、および maximumAge の 3 つがあります。これらのオプション・プロパティーによって、高い精度を指定することや (機器がサポートしている場合)、現在位置が返されるまでの時間制限を指定すること、そしてキャッシュされた位置情報の最大有効時間を指定することができます。

getCurrentPosition() メソッドは、以下のようにして呼び出されます。

void navigator.geolocation.getCurrentPosition(
          geolocationSuccess, geolocationError, geolocationOptions);

watchPosition() メソッド

watchPosition() メソッドは定期的にユーザーの位置をポーリングして、ユーザーの位置が変更されているかどうかを監視します。このメソッドには 3 つの引数を指定することができます。

watchPosition() メソッドが呼び出されると、このメソッドによって非同期で監視プロセスが開始されます。監視プロセスには、新しい Position オブジェクトの取得と watchID の作成が含まれます。Position オブジェクトの取得に成功すると、watchPosition() メソッドはそのオブジェクトを引数として、関連付けられた geolocationSuccess を呼び出します。一方、null 以外の geolocationError 引数を指定して呼び出したメソッドが失敗すると、そのメソッドは PositionError オブジェクトを引数として設定した geolocationError を生成します。機器の位置が変更された場合は、新しい Position オブジェクトによって適切なコールバックが呼び出されます。

watchPosition() メソッドは、以下のようにして呼び出されます。

long navigator.geolocation.watchPosition(
          geolocationSuccess, geolocationError, geolocationOptions);

clearWatch() メソッド

clearWatch() メソッドは、継続中の watchPosition() を終了します。このメソッドが使用できる引数は、1 つだけです。このメソッドは呼び出されると、以前に開始された watchID 引数を見つけて即時に監視を停止します。

clearWatch() メソッドは、以下のようにして呼び出されます。

void navigator.geolocation.clearWatch(watchID)

ジオロケーション・データ: Position オブジェクト

Geolocation API は地理に関する Position オブジェクトを返します。このオブジェクトには、timestampcoords という 2 つのプロパティーがあります。timestamp は、ジオロケーション・データの作成時刻を示すプロパティーです。もう一方の coords プロパティーには、以下の 7 つの属性があります。

  • coords.latitude: 推定される緯度。
  • coords.longitude: 推定される経度。
  • coords.altitude: 推定される高度。
  • coords.accuracy: 推定される緯度と経度の精度 (メートル単位)。
  • coords.altitudeAccuracy: 推定される高度の精度 (メートル単位)。
  • coords.heading: ホスト機器が現在移動している方向 (真北に対して時計回りの角度 (単位は度))。
  • coords.speed: ホスト機器の現在の移動速度 (メートル/秒)。

上記のうち、オブジェクトに必ず含まれるプロパティーは coords.latitudecoords.longitude、および coords.accuracy. の 3 つだけです。機器が持つ機能と、機器が通信するバックエンドの位置決めサーバーによっては、他のプロパティーには null が返されます。heading および speed プロパティーは、ユーザーの前のポジションを基準に計算されます (可能な場合)。


Web Workers が救いの手を差し伸べます

並行性によって生じる問題を改善する Web Workers は、JavaScript のシングル・スレッド問題に対して HTML5 ファミリーが出した答えです。Web Workers はプロセスをメイン・ページとは別のスレッドで実行することで、UI が安定した応答を返せるなど、ページの主要な機能が有効に保たれるようにします。

Web Workers はそのそれぞれが、バックグラウンドでロードされて実行される 1 つの JavaScript ファイルです。これらの Web Workers を使うことで、JavaScript ファイルを動的にロードして、UI には影響を及ぼさないバックグラウンド・プロセスを使ってスクリプトを実行することができます。Web Workers からのアクセスは限定されていて、ストリングを渡すことだけが許可されます。Web Workers はブラウザー UI スレッドを使用しないため、DOM にはアクセスすることができません。Web Workers は、その Web Workers 自体のグローバル・スコープに対しては self 参照と this 参照の両方を使用することができます。Web Workers と親ページとの通信は、イベント・モデルと postMessage() メソッドを使って行われます。

Web Workers はマルチスレッドの振る舞いを持つことから、JavaScript の機能の一部にしかアクセスすることができません。Web Workers が実行できる内容は以下のとおりです。

  • navigator オブジェクトへのアクセス
  • 読み取り専用位置オブジェクトの使用
  • HTTP または HTTPS リクエストを送信するための XMLHttpRequest の実行
  • setTimeout()/clearTimeout() および setInterval()/clearInterval() を使用した、アクティビティーの時間または間隔の設定
  • アプリケーション・キャッシュへのアクセス
  • importScripts() メソッドを使用した外部スクリプトのインポート
  • Web Workers からの他の Web Workers の派生 (子 (サブワーカー) は、メイン・ページと同じ起源を持ち、親ワーカーと同じ位置に配置されなければなりません)

Web Workers には 2 つのタイプがあります。それは、専用ワーカーと共有ワーカーです

専用 Web Workers

専用ワーカーは、そのワーカーを作成したスクリプトに関連付けられます。専用ワーカーは他のワーカーやブラウザー・コンポーネントとは通信することができますが、DOM とは通信することができません。

専用ワーカーは、新しいワーカー・インスタンスに JavaScript ファイル名を渡すことによって作成されます。ワーカーを新規に作成するには、Worker() コンストラクターを使用して、ワーカーの実行用スクリプトの URI を指定します。専用ワーカーを作成する場合は、以下に示すコードを入力します。このコードによって、新しい専用 Worker オブジェクトが作成されます。

var worker = new Worker('worker.js');

共有 Web Workers

共有ワーカーも、専用ワーカーと同じく DOM にアクセスすることはできず、window プロパティーへのアクセスは限定されます。共有ワーカーが通信できるのは、同じドメインの他の共有ワーカーに限られます。共有ワーカーを作成するには、新しい共有ワーカー・インスタンスに JavaScript ファイル名を渡します。

ページ・スクリプトは共有ワーカーと通信することができます。ただし、専用ワーカーとは異なり、その通信方法は、port オブジェクトを使用してメッセージ・イベント・ハンドラーを関連付けるというものです。さらに、最初の postMessage() を使用する前に、port オブジェクトの start() メソッドを呼び出す必要があります。

Web Workers スクリプトによる最初のメッセージを受信すると、共有ワーカーはイベント・ハンドラーをアクティブ・ポートに関連付けます。一般に、ハンドラーは独自の postMessage() メソッドを実行して呼び出し側コードにメッセージを返します。その後、port オブジェクトの start() メソッドがメッセージ有効化プロセスを生成します。

共有ワーカーを作成するには、Worker オブジェクトではなく、SharedWorker オブジェクトを作成する必要があります。以下のコードに、新規 SharedWorker オブジェクトを作成する方法を示します。

var worker = new SharedWorker('worker.js');

2 つの API を組み込んだページの作成

これから設計するページには、Geolocation API と Web Worker API の基本的な動作モデルを組み込みます。このページでは、収集したデータを地図としてレンダリングするために、Google Maps API も使用します。

図 1 に、ページの編成を示します。このページは、<header></header> タグを使って作成したヘッダー (Header) 領域、<section></section> タグを使って作成したセクション (Section) 領域、そして <aside></aside> タグを使って作成した補足情報 (Aside) 領域で構成されます。

図 1. API を組み込むページのレイアウト
3 つのボックスを示す図。左側には Geolocation API が含まれるセクション・ボックス、右側には Web Workers API が含まれるボックスがあり、最上部には、この両方のボックスの全幅にまたがるヘッダー・ボックスがあります。

<section> 領域と <aside> 領域のそれぞれに、API が組み込まれます。セクション領域に組み込まれるのは Geolocation API、補足情報領域に組み込まれるのは、素数を計算する Web Workers API です。

この Web ページを実行すると、図 2 に示すようなページが表示されます。ジオロケーション・データを表示するには、最初に情報の共有に同意する必要があります。Web Workers は、ページのロード時に起動されます。Web Workers によって検出された素数を表示するには、「Display Web Worker (Web Workers の表示)」をクリックします。

図 2. API が組み込まれた Web ページ
地図およびジオロケーション情報の座標が表示されたページ

HTML ファイル

HTML ファイルは、標準的な HTML5 情報から始まります (リスト 1 を参照)。<head> セクションに含まれるのは、Google Maps API の呼び出しです。この呼び出しでは、センサーの値を false に設定しています。Google Maps API を使用するには、アプリケーションが位置を確定するためにセンサー (GPS など) を使用しているかどうかを明示しなければなりません。そのため、Google Maps API アプリケーションのセンサー・パラメーターの値として true または false を宣言する必要があります。センサー値の宣言は必須です。<head> タグには、各機能の処理を行って Web ページのフォーマットを整えるために使用する JavaScript ファイルと CSS3 ファイルへのリンクも指定されます。

リスト 1. HTML ファイルの先頭部分
<!doctype html>
<html>
<head>
  <title>Basic GeoLocation Map & Web Worker Prime Number Calculator</title>
  <script src="http://maps.google.com/maps/api/js?sensor=false" 
           type="text/javascript"></script>
  <LINK href="GeolocationWebWorker.css" rel="stylesheet" type="text/css">
  <script src="HTML-Part3-GeolocationWebWorker.js" type="text/javascript"></script>
</head>

<body> タグに含めるのは、ジオロケーションの初期化関数を呼び出す onLoad イベントです (リスト 2 を参照)。この関数は、該当するブラウザーでジオロケーションを使用できるかどうかを検証します。この初期化関数は JavaScript ファイル内に含まれます。ブラウザーが Geolocation API と通信できる場合には、地図がレンダリングされます。

リスト 2. ジオロケーションの初期化
<body onLoad="initGeoApp();">
  <header>
    <hgroup>
      <h1>Geolocation & Web Worker</h1>
      <h2>Making it work</h2>
    </hgroup>
  </header>

<section> タグ (リスト 3 を参照) の内容は、navigator.geolocation オブジェクトの表示出力情報です。API が返す緯度と経度を使用して、地図キャンバスが作成されます。また、<span></span> タグを使用して、Position coords データも表示されます。

リスト 3. ジオロケーションの地図とポジション
<section>
    <p>This is the geolocation example map.</p>
    <div id="map_canvas" ></div>

    <p>This is the output from the navigator.geolocation object.</p>
    <table>
    <tr>
        <td>accuracy:</td>
        <td><span id="accuracyOutput"></span></td>
    </tr>
    <tr>
        <td>altitude:</td>
        <td><span id="altitudeOutput"></span></td>
    </tr>
    <tr>
        <td>altitudeAccuracy:</td>
        <td><span id="altitudeAccuracyOutput"></span></td>
    </tr>
    <tr>
        <td>heading:</td>
        <td><span id="headingOutput"></span></td>
    </tr>
    <tr>
        <td>latitude:</td>
        <td><span id="latitudeOutput"></span></td>
    </tr>
    <tr>
        <td>longitude:</td>
        <td><span id="longitudeOutput"></span></td>
    </tr>
    <tr>
        <td>speed:</td>
        <td><span id="speedOutput"></span></td>
    </tr>
    </table>
   </section>
  <aside>
    <p>This is the Web Worker. </p>
    <p>Prime number calculation result:
    <output id="result"></output></p>

この Web Workers は素数を計算します。Web Workers が行った計算結果は、新しい <output> タグを使用して表示します。<output> タグに割り当てられる ID は、JavaScript が実行する計算を識別するために使用する ID と同じです。<span> タグと <output> タグで使用される ID によって、DOM へのアクセスが可能になります。参照 ID がなければ、JavaScript はどの <span> あるいは <output> を使用すればよいのか把握することができません。リスト 4 に、Web Workers の出力を記載します。

リスト 4. Web Workers の出力
  <aside>
    <p>This is the Web Worker. </p>
    <p>Prime number calculation result:
    <output id="result"></output></p>

<input> タグ内では、素数を計算する Web Workers によって計算される値を onClick を使って最初に表示します。そして次の onClick で、Web Workers を停止します。リスト 5 に、このコードを記載します。displayWorker() 関数は、ボタンがクリックされると Web Workers の計算が表示されるようにします。Web Workers は、ページがロードされた時点で素数の計算を開始しています。

リスト 5. Web Workers 用の入力
    <input type="button" value="Display Web Worker" onClick="displayWorker();">
    <input type="button" value="Stop Web Worker"    onClick="stopWorker();">

  </aside>
</body>
</html>

JavaScript ファイル

JavaScript は、サンプル・ページに提示された API の背後にあるエンジンです。Geolocation API は、initGeoApp() 関数によって初期化されます。<body> タグ内の onLoad() イベントによって実行されるこの関数は、ブラウザーがジオロケーションを使用できるかどうかを判別します (リスト 6 を参照)。ブラウザーがジオロケーションを使用できる場合には、Geolocation API が呼び出されます。呼び出しが成功すると、Position オブジェクトの属性を使用して地図が描画されます。これらの属性の値は、地図の下に出力されます。

リスト 6. ジオロケーション関数
function initGeoApp()
  {
   if( navigator.geolocation )
     { 
        navigator.geolocation.getCurrentPosition( success, failure);
     }
    else
     {
        alert("Your browser does not support geolocation services.");
    }
   }

属性の値は、HTML ファイルに指定した ID に基づき、document.getElementById によって取得されます。document.getElementById は document オブジェクトのメソッドであるため、このメソッドを使用する際はフルに document.getElementById と指定しなければなりません (リスト 7 を参照)。このオブジェクトに、レンダリングされる地図の下に属性を出力する際に使用できるように、Position オブジェクトの属性の値が保管されます。

リスト 7. getElementById を使用した coords 値の取得
	     var map;
	     function success(position)
	     {
            document.getElementById("accuracyOutput").innerHTML = 
			     position.coords.accuracy;
            document.getElementById("altitudeOutput").innerHTML = 
			     position.coords.aktitude;
            document.getElementById("altitudeAccuracyOutput").innerHTML = 
			     position.coords.altitudeAccuracy;
            document.getElementById("headingOutput").innerHTML = 
			     position.coords.heading;
            document.getElementById("latitudeOutput").innerHTML = 
			     position.coords.latitude;
            document.getElementById("longitudeOutput").innerHTML = 
			     position.coords.longitude;
            document.getElementById("speedOutput").innerHTML = 
			     position.coords.speed;

リスト 8 に記載するセクションで定義しているのは、Google Maps API の LatLng オブジェクトの座標です。Google Maps API の LatLng オブジェクトは、地図を作成するために必要な座標情報を提供します。このセクションには、ズーム・レベルや、ユーザーに表示する地図の外観を調整する、その他複数のオプションを設定することができます。

リスト 8. Google Maps API のオプション
var coordinates = new google.maps.LatLng(position.coords.latitude, 
     position.coords.longitude);

	 
var myOptions =
  {
    zoom: 14,
    center: coordinates,
    mapTypeControl: false,
    navigationControlOptions: {style: google.maps.NavigationControlStyle.small},
    mapTypeId: google.maps.MapTypeId.ROADMAP  
  };

mapTypeID オプションでは ROADMAP が選択されていることに注意してください。この値は、図 2 に示されているように地図を表示します。ここで選択できる値には、以下の 4 つがあります。

  • ROADMAP
  • HYBRID
  • SATELLITE
  • TERRAIN

例えば HYBRID オプションを選択すると、ページは図 3 のように表示されます。

図 3. HYBRID オプションを指定した地図が表示されている、API が組み込まれた Web ページ
地図およびジオロケーション情報の座標が表示されたページ

地図を作成するには、ID map_canvas を使用します。これは、HTML ファイル内の <div> に指定された ID です。

map = new google.maps.Map(document.getElementById("map_canvas"), myOptions);

地図に初期状態の位置マーカーを配置します。そのためのコードは、リスト 9 のとおりです。

リスト 9. 初期状態の地図マーカーの配置
      var marker = new google.maps.Marker({
        position: coordinates,
        map: map,
        title: "You are here."
        });
       }
	 
       function failure()
       {
          alert("Sorry, could not obtain location");
        }

Web Workers は、ページが初期化されると実行を開始します。実行されている計算の出力を表示するには、「Display Web Worker (Web Workers の表示)」をクリックします。この操作により、displayWorker() 関数が呼び出されます。リスト 10 にこのコードを記載します。

リスト 10. Web Workers
     var worker = new Worker('PrimeNumberWebWorker.js');

  function displayWorker()  
  {
         worker.onmessage = function (event) 
           {            
             document.getElementById('result').innerHTML = event.data;
           };
    }

Web Workers を停止するには、「Stop Web Worker (Web Workers の停止)」をクリックします。この操作により、stopWorker() 関数が呼び出されます (リスト 11 を参照)。

リスト 11. Web Workers の停止
 function stopWorker() 
   {
       worker.terminate();
     }

Web Workers ファイル

このファイルは、素数を計算する Web Workers です。Web Workers は、停止されるまですべての素数を計算します。リスト 12 にコードを記載します。

リスト 12, 素数の計算
var n = 1;
search: while (true) {
   n += 1;
   for (var i = 2; i <= Math.sqrt(n); i += 1)
      if (n % i == 0)
         continue search;
  postMessage(n);
}

CSS3 ファイル

リスト 13 に記載する CSS3 ファイルが、HTML5 ページに表示されるフォーマットを設定します。

リスト 13. CSS3 の記述
* {font-family: Arial,Helvetica,sans-serif ;
}

body {
  margin: 0 300px 0 300px;
  color: #990000;
  background-color:#FFFFCC;
}

header > hgroup h1 {
  margin: 0 0 3px 0;
  padding: 0;
  text-align: center;
   font-size: 30px;
}


header > hgroup h2 {
  margin: 0 0 15px 0;
  padding: 0;
  text-align: center;
  font-style: italic;
   font-size: 12px;
}


header p {
  margin: 0 0 20px 0 ;
  padding: 0;
  text-align: center;
   font-size: 12px;
}

aside {
  width: 200px;
  height: 175px;
  margin: -450px 0 0 450px;
  background-color:  #990000;
  padding: .5px 0 0 10px ; 
  color:#FFFFFF;
  font-weight:bold;
}

div {
  width: 400px; 
  height: 250px; 
}

まとめ

今回の記事では、Geolocation API と Web Worker API の有用性について検討しました。この 2 つの API を選んだ理由は、この 2 つの組み合わせによって、革新的かつ実用的な API の使用方法が明らかになるためです。ジオロケーションは、HTML5 仕様を新しいビジネス・モデルに適用する好例です。同様に、Web Workers は、JavaScript の並行性に伴う問題を解決するという役割を果たします。

この 2 つの API は、商業的な用途と、社会的な用途の両方に HTML5 を使用する場合の模範的な組み合わせになります。つまり、これらの API の有用性によって、HTML5 によるリッチ・インターネット・アプリケーションが適切に促進されると同時に全般的に管理されることを実証しています。


ダウンロード

内容ファイル名サイズ
Example HTML, CSS3 and JavaScript filesHTML5APIs.zip10KB

参考文献

学ぶために

製品や技術を入手するために

  • オープンソースのモジュール式 JavaScript ライブラリー、Dojo Toolkit は、特定のプラットフォームに依存しない JavaScript/Ajax ベースのアプリケーションおよび Web サイトを素早く開発するのに役立ちます。

議論するために

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ArticleTitle=HTML5 の基礎: 第 3 回 HTML5 API の能力
publish-date=07082011