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Attribute Explorer

動的照会のメカニズム

Andy Smith (hci@uk.ibm.com), Software Engineer, IBM 
Photo of Andy Smith
Andy Smithは、英国ウォーリックのIBM Ease of Useチームのソフトウェア・エンジニアです。彼は多くのプロジェクトで仕事をし、データのビジュアル化における使いやすさの側面を探求してきました。彼の連絡先は andy_smith@uk.ibm.com です。Auto KioskのグラフィックスはJaclyn Nealが作成したものです。

概要: Andy Smithはデータを対話式で表示および探査することの利点について説明しています。彼は、従来からの、ステップバイステップ式のデータ探査およびフィルター操作を検討し、それらの方式に欠けているものを指摘しています。そして、Attribute Explorerを紹介し、その利点が示された問題に関してどのように関係するかを示します。最後に、カー・ショールームのキオスク・アプリケーションでAttribute Explorerを利用できる可能性について論じています。

日付:  2001年 4月 01日
レベル:  初級 この記事の原文:  英語
アクティビティー: 944 ビュー
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Attribute Explorerは、インフォメーション・ビジュアライゼーションのカテゴリーに属します。これは、サイエンティフィック・ビジュアライゼーションとは異なります。サイエンティフィック・ビジュアライゼーションは、非常に大きなデータ・セットを表現力豊かに3次元表示するもので、多くの場合、現実世界の対象や状態と密接に関連しています。(たとえば、建築素材の応力分析、天候パターン、医療用のスキャンなど。)

インフォメーション・ビジュアライゼーションは、文字の上での表現に依存することが比較的少なく、意味を表すための抽象的な表現をより多く使用します。典型的な例として、棒グラフ、折れ線グラフ、円グラフなどのビジネス・グラフ表記があります。Attribute Explorerはユーザー対話に対応した高速なフィードバックを使用し、他の方法では見逃してしまう可能性のあるデータ関係に焦点を当てます。以下は、ロンドンのImperial CollegeのBob Spence教授と彼の同僚による研究成果に基づくものです (参考文献を参照)。

従来のソリューション

関心のあるデータに的を絞るためのさまざまな基準に基づいてデータのサブセットを作れるようにすることは、一般に、非常に大切なことです。SQLなどの汎用照会言語は、この目的のために設計されていて、多くのWebサイトは、「試行錯誤」式で照会を実行依頼できるようなデータベースを組み込んだ機能を備えています。

リスト1には、きめ細かな分析の対象として、適切な自動車をいくつか選択するために使用される、SQLの例が含まれています。


リスト1. 照会言語を使用したデータ・サブセット化
                
                SELECT Manufacturer, Model
FROM   Cars
WHERE  CityMPG > 30AND
         HorsePower > 90

グラフィカル・ユーザー・インターフェースを使用して、市街地走行時のMPG (ガロン当たりマイル数) や馬力に関する、必要な最低条件を指定する入力フィールドを提供し、「Go」ボタンなどのトリガーに応じて照会を実行することにより、照会言語の複雑さをマスクできると思われます。

しかし、このアプローチには、次のようないくつかの短所があります。

  • 特にユーザーがそのデータになれていない場合には、結果セットが空になったり、あまりにも大きくなったりすることが少なくありません。
  • ユーザーは一般に、適用すべき基準について明確な考えを持たず、使用可能な基準に基づいて自分たちの要件を練り上げる傾向があります。使用可能な基準を発見するためには、何回も基準を練り直し、その結果を観察する必要があります。
  • 従来のアプローチでは、選択基準をほぼ 満たすデータについて、何の表示も行われません。多くの場合、データがもう少しのところで基準を満たすことができなかったことを知ったり、そのデータが満たすことのできなかった基準がどれであるのかを知ったりすることは、非常に役に立つのです。
  • 基準を公式化したり、結果セットを受け取ったりするために時間を要するため、データの理解が妨げられます。

動的なアプローチ

ここ10年ほどの間に強力なパーソナル・コンピューターが出現したことにより、ユーザー対話において遅延がほとんど気にならないほどの速さで応答を返し、情報をきわめて動的に提示することが可能になりました。これにより、従来の照会実行依頼アプローチが不要となり、それに代わって、きめ細かく調整された基準に対してただちにフィードバックが提供されることが期待できます。

このような応答性は、探査と実験を促し、こうしたフィードバックから浮かび上がったパターンを認識するために人間の頭脳の力を活用することにつながります。


Attribute Explorerのデータ

その名が示すように、Attribute Explorerはオブジェクトの属性を表すデータを扱います。Attribute Explorerは、各列が属性を表し、各行が記述された属性のオブジェクトのインスタンスとなる、均質の表形式データを扱うのに適しています。もちろんこれはリレーショナル照会の典型的な結果ですので、現実世界のデータの多くの部分は、この技法を使用した分析に適していると思われます。

自動車に関する話題を続けることにします。下記の表は、自動車に関連するデータの一部を簡単に選択したものです。この後のAttribute Explorerのスクリーン・ショットでは、より大きなデータのセットが使用されます。


このコラムで使用される自動車データの例:
市街MPG高速道路MPG排気量 (cc)馬力
46 50 1000 55
33 37 1200 73
17 25 1300 255
31 33 1300 63
39 43 1300 70
... ... ... ...


利点1: 分布

探査される各属性は棒グラフとして表示され、属性値の範囲が水平軸に沿って区分され、各データ点がその区分内で長方形として表示されます。

図1の最初の図は、最初に表示される「市街MPG」属性グラフを表しています。右の図は、同じグラフに制約を適用したものを表しています。これらのグラフのそれぞれの長方形は、1台の自動車を表しています。最初のグラフでは、すべての自動車が白で表されています。これは、すべての自動車が適用された制約を満たしていることを意味します。2番目のグラフでは、グラフの下のスライダーを使用して、市街MPGの最低値として23が適用されています。この制約に適合しなかった自動車には、不合格を表すカラーが付けられます。


図1. 属性の分布と制約



制約が適用されると、それらの制約に該当する自動車と、除外される自動車に分けられますが、すべての自動車は可視のままになっていますので、状況の概要を一貫して把握し続けることができます。


利点2: 累積的な分析

データが単一の属性に基づいて分析されることは、めったにありません。しかし、複数の属性に制約が同時に適用された場合、どのような累積的効果が生じ、またそれをどのように表現することができるでしょうか?Attribute Explorerは、この点で独自性を備えています。


図2. 制約の累積効果

図2では、この図に同時に表示されたデータの4つの属性すべてを見ることができます。市街MPGが23よりも大きく、高速道路MPGが31よりも大きく、排気量が2000ccよりも大きく、馬力が140よりも大きくなければならないという制約が、4つの属性すべてに適用されています。「Engine Size (排気量)」のグラフで、それぞれの自動車が水平方向に表示されていないことに注意してください。これは、このようにしないと水平線が互いに近づきすぎて不明瞭になるからです。

4つのすべての制約を満たす車は3つだけであり、これらはそれぞれのグラフの中で白色で示されています。それ以外の車は色分けされ、制約からはずれるほど色が濃くなっています。このグラフから、考慮の対象から排除された車も、制約を少し緩めると、考慮の対象に含まれるようになりそうだということが分かります。実際に、制約を短時間で調整することができると、より多くの候補を試し、考慮することができます。こうした試験を行っているうちに、データの観念的なモデルがどんどん得られていきます。

制約を変更すると、それぞれの車ごとに制約からはずれた件数が計算し直されます。それぞれの属性区分内では、制約からはずれた件数が少ない車ほど水平軸に近く表示されるように並べ替えられます。


利点3: 変化による発見?

属性制約を累積的に適用すると、データをランク付けすることができ、また、制約を厳しくしたり緩和したりした場合の効果を予想できますが、そのほかに、高速なフィードバックが可能であることによる利点もあります。


図3. 属性の関連の発見

図3には、市街MPGに1つの制約を適用した場合の4つのすべての属性が示されています。白色で示された (100%受け入れ可能な) 車のグループ分けが、市街MPGと高速道路MPGでほぼ似ていることに注意してください。また、排気量と馬力について白で示された車の分布が、MPG属性の場合とほぼ逆になっていることにも注意してください。読者のブラウザーでスクリプトが使用可能になっている場合には、イメージの上にマウスを移動すると、アニメーション表示が始まり、市街MPGの制約を変化させたときのシミュレーションが示されます。

これで、市街および高速道路のMPGの関係がどれほど強固なのか、また排気量および馬力との逆の関係がどれほど強いのかが分かります。これは、自動車における経済性と排気量のトレードオフについて知っていれば、驚くほどのことではないかもしれません。しかし、予想される関係を確認することは、多くの場合有益であり、また、例外を発見することはさらに有益です。そうした例外により、データをさらに分析することの必要性が示されるからです。Attribute Explorerは、さらに分析を加えるためのツールとしては適していないかもしれませんが、その必要性を発見するための手段としては、非常に便利な技法です。

サンプル・データを使用するアプレット・バージョンのAttribute Explorerが用意されています(ダウンロード参照)。このアプレットを実行するにはJava 2 Plug-in が必要です。このプラグインをまだインストールしていない場合には、Internet ExplorerおよびNetscape Navigatorでダウンロードとインストールが自動的に開始されます。ダウンロード・サイズは約8MBであり、接続速度によって異なりますが、何分かかかります。

データを変化させることによって洞察のヒントを与えてくれる、Attribute Explorerの機能について推測するのは楽しいことです。示されるデータにより、浮かび上がるパターンが明確になりますが、より得体の知られないデータについてもこれは役立つのでしょうか?それを明らかにするための1つの方法として、属性間の関係が明確に認識できるデータと、どのような関係があるのかが (そのような関係があるとして) 分かりにくいデータの両方を使用して、制御された一連のユーザー・テストを行うことができます。それらの対象により、既知のパターンが迅速かつ簡単に選択されるでしょうか?それらによって、それまで不明であった関係が発見されるでしょうか?Attribute Explorerは、1つの属性を別の属性と静的に結び付けるよりも、迅速に関係を明らかにしてくれるでしょうか?

こうした疑問に関するフィードバックを歓迎します。読者がAttribute Explorer (参考文献を参照) をダウンロードして、上記のようなユーザー・テスト (あるいはその他のテスト) を行う場合、私たちはその結果について非常に大きな関心を持っています。


カー・キオスク・アプリケーション

上に述べたように、Attribute Explorerは、制約を満たさない属性の数に基づいてランキングを適用し、さらに、そのランキングを表示する属性棒グラフに色分けを適用します。ランキング・アルゴリズムはあまり気の利いたものではありません。このアルゴリズムでは、各属性についての不合格の程度を考慮せず、属性間での相対的なランキングを採用していません。ただし、こうした機能強化は、簡単に組み込むことができます。

Attribute Explorerは、分析対象のデータに関する事前の知識なしに設計されていますので、ユーザー・インターフェースは、やむをえず汎用的なものになっています。しかし、特定のアプリケーションで使用する場合には、拡張されたランキング・アルゴリズムを、1つまたは2つの作業を想定してあつらえたユーザー・インターフェースと組み合わせると、よい結果が得られます。

カー・ショールームを例に取ると、自動車の属性は数多くありますが、顧客の購買判断に影響を与える属性の数は、おそらくそれほど多くありません。ショールームのキオスク・アプリケーション、またはWebアプリケーションについて考えてみてください。このアプリケーションの基礎になるのは、上に示した例で使用されたものによく似た自動車データベースですが、さらにいくつかの属性が組み込まれます。


図4. カー・キオスクの初期画面

このアプリケーションは2つの作業を支援します。つまり、顧客の基準に基づいて選択可能な自動車のふるい分けとランク付けを行い、上位にランクされた自動車について詳しく説明します。図6はキオスクの初期画面を示しています。画面の左には、顧客が購買を判断するときに最も一般的に使用される自動車の属性のセットを選択するメカニズムが備わっています。顧客に対して、自動車の選択基準として使用したい属性を1つまたは複数選択するようにプロンプトが出されます。

「Car Suitability (顧客の希望に対する自動車の適合性)」リストと「Specification (仕様)」の明細エリアはミュートされています。これは、この時点ではまだ、ランクされた車のリストを表示するための基準が設定されていないためです。


図5. 属性が1つ選択されたカー・キオスク

図5では、顧客が関心のある最初の属性として「Cost (価格)」を選択したことを示しています。受け入れ可能な自動車の価格範囲を制約するメカニズムが提供され、その上に、選択可能な自動車の価格分布が棒グラフで示されています。このグラフはAttribute Explorerの汎用インターフェースに比べると、目立たないようになっています。このようにしておけば、洗練されたユーザーはその意味を理解し、便利さが分かるはずであり、また、この種の機械になれていないユーザーも気後れしなくて済むと考えてのことです。

制約メカニズムの初期状態は、何の制約も行わないようになっていますので、すべての自動車が許容可能な価格範囲に含まれると考えられます。赤の範囲マーカーは、選択可能な全エリアを示しています。その上に、ユーザーがこの属性の重要性として L (低)、M (中)、またはH (高) を指定する個所があります。デフォルトでは重要度は中になっています。

価格をランキング基準として設定すると、「Car Suitablility (自動車の適合性)」リストはミュート状態でなくなり、価格の昇順に従って自動車を並べたリストが表示されます。


図6. 制約が適用されたカー・キオスク

図6で顧客は、さらに「Doors (ドア数)」と「Insurance (保険)」の2つを属性として選択し、これらの属性に制約を適用し始めました。これに伴い、選択可能な自動車の順序が、変更されたランキングを反映してリアルタイムで変化します。それぞれの自動車について、どの属性の制約を満たさないのかが示されます。このようにして、どの属性制約を緩和すれば特定の自動車を競争に戻すことができるのかが、ユーザーに暗示されます。

上記のすべての対話操作は、選択可能な自動車のふるい分けとランキングの作業を支援します。適切にランク付けされた自動車のセットが得られると、顧客は個々の自動車を選んでより詳しい分析を行うことができます。この段階になると、パンフレットなどで得られる詳細な情報が表示されます。その様子が図7に示されています。


図7. 自動車が選択されたカー・キオスク

今回のモデルでは、自動車を選択するためのAttribute Explorerの使用法と、2つの特定の作業向けに調整されたユーザー・インターフェースが示されています。同じテクノロジーを基礎に、別の商品セットを対象にした異なる設計を行うと、ユーザーの探査と実験を促すような方法で、ユーザー自身にとって理想的な商品を見つけ出す手助けができそうです。


要約

以上でAttribute Explorerについて紹介し、それを従来型のデータ探査技法と対比しました。Attribute Explorerの利点をまとめると、次のようになります。

  • 属性ベースの表示として、属性ごとにオブジェクトの分布を示し、また明確に示された制約を適用し、しかも制約を満たさない対象についても検討することを可能にする。
  • 複数の属性を並行して表示し、それぞれの表示で、適用されるすべての属性制約の累積的な効果を示すことができる。
  • 属性制約の変更に対応してきわめて迅速なフィードバックを行うことにより、属性の関係を認識することができる。

そのうえで、拡張されたAttribute Explorer分析エンジンの応用を考慮し、カー・ショールームあるいは自動車Webサイト向けに特別に設計されたユーザー・インターフェースを示しました。

Attribute Explorerの威力は、その単純性と柔軟性にあります。その概念はすぐに理解でき、プレゼンテーションを利用して実験による学習を行うことができます。実験に関連したペナルティーはなく、また、別の制約を適用した場合には遅延なくフィードバックが行われます。

Attribute Explorerは汎用の分析ツールとして機能することも、特定分野向けに調整されたアプリケーションの背後でエンジンとして機能することもできます。読者のデータにAttribute Explorerを適用したい場合には、プロトタイプをダウンロードして試してみてください。



ダウンロード

ファイル名サイズダウンロード形式
us-atex-AEApplet.zip111KBHTTP

ダウンロード形式について


参考文献

学ぶために

製品や技術を入手するために

  • Attribute Explorerのプロトタイプは、alphaWorks からダウンロードすることができます。

著者について

Photo of Andy Smith

Andy Smithは、英国ウォーリックのIBM Ease of Useチームのソフトウェア・エンジニアです。彼は多くのプロジェクトで仕事をし、データのビジュアル化における使いやすさの側面を探求してきました。彼の連絡先は andy_smith@uk.ibm.com です。Auto KioskのグラフィックスはJaclyn Nealが作成したものです。

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