レベル: 初級 米持 幸寿, テクノロジー・エバンジェリスト, IBM
2007年 11月 19日 2007年11月15、16日、アジアで初となる Web 2.0 EXPO Tokyo が開催されました。私は、アドバイザリー・ボード・メンバーとして、USからロッドスミスを迎え、キーノート・スピーチの準備をするなど、このイベントを裏で支えてきました。Web 2.0 という単語の生みの親とも言えるティム・オライリー氏と、2日目のキーノートの直後にちょっとした会話をする機会を得ました。ティムはとてもフランクに、そして、楽しそうに会話してくれました。そのときの様子をIBMのXMLデータベース/Info 2.0 エバンジェリストである中林紀彦とともにお送りします。
米持: ティム、Web 2.0を活用する上でXMLの重要性をきかせてくれる?
ティム: セマンティックWebやマイクロフォーマットに代表されるような、メタデータの埋め込みやフォークソノミー(folksonomy)において、構造化されたデータやタギング(tagging)を処理することにおいて、XMLはとても重要であると確信してるよ。
それから、それぞれの分野でプロトコルとかのXML規格スタンダードが存在することが重要で、例えばSNSのFacebookのFacebook Markup
Language (FBML)のような標準が存在することによってSNS間で標準ベースでのデータ交換が可能になり、XMLがWeb 2.0の世界でより自然に選択されていくだろうね。
米持: XMLの機能性についてデータベースに期待することは?
ティム: XMLを使うシステムにおいても、データベースはとても便利でパワフルな存在だよね。データベースがXMLを直接扱えるようになる事によって、XMLデータの格納や取出しなどがとてもシンプルになり、あまり面倒な処理を記述しなくても、簡単にWebサイトが構築できるようになるでしょ?そういう点でXMLのサポートはデータベースにとって非常に重要であると思うし、Webサイトを開発する側にとっては大きな驚きとなることだろうね。
米持: それは、DOMツリー構造をそのままで格納し、取り出せるから?
ティム: その通り。
米持: XQueryは重要だと思う?
ティム: もちろんだよ。Web 2.0の世界では、blog(ブログ)でも書籍でもe-Mailでも何でも検索できるようになるので、XQueryのようなXMLを扱うための検索言語はとても重要だね。
旧来はデータウェアハウスを構築して分析していたような事が、Web 2.0以降の世界では、世の中にあるデータのほとんどがXMLのようなデータになっていくので、データを管理する上でのXQueryの能力が必要になってくるね。更に、オフィス内のデータがどんどんXML化されていくと、インターネット上にあるリアルタイム・データとXQueryなどの検索言語を使って簡単にマッシュアップできるようになっていくんだと思うよ。
米持: 日本の市場は欧米に比べて3,4年技術が遅れているといわれていんだけど、日本のエンジニアはこれからどんな言語や技術を身につけるべきか、アドバイスもらえる?
ティム: まずは、Ruby on Rails(RoR)だろうね。RoRは、軽量であり、少ない知識でサイト構築が可能だからね。それと、迅速にアプリケーションを開発できる方法論(手順)を身につけるべきだね。仕様がはっきりと固まっていなくて、試行錯誤を繰り返して作り上げるようなWebサイトのニーズはこれからはどんどん増えるからね。
でも、少人数のグループ開発は迅速にアプリケーションを開発できる方法が必要だけど、企業の基幹業務に関する部分はSOAなどで出来ているので、それらをつなぎ合わせる部分の技術も大切だと思うよ。
米持: JavaScriptツールキットなんかはどうだろう?
ティム: JavaScriptの重要性はこれからますます高くなるだろうね。Appleストアなんかでも使われているでしょ?今後はJavaScriptライブラリがいろいろな場面で活用されていくんだろうね。
また、日本では既に携帯電話の機能が発達しているので、モバイル・エボリューションが起こっているとも言えるし、今後はiPhoneみたいなモバイルの分野でもXMLやDojoのような技術を駆使して、パワフルなアプリケーションを作りこんでいく時代になっていくかもね。
例えば、携帯電話の履歴機能は10件かそこらしか残せないけど、Web 2.0の技術を使ってサーバサイドに保存するというアプリケーションなど、可能性がどんどん広がるだろうね。
左から、中林、ティム、米持
この記事の掲載許可に関して確認したところ、「ティム本人から、こういうのがブログとかにどんどん出て行くのがWeb 2.0なんだからいいんだ」と言っていたとコメントがありました。Thank you, Tim !
参考文献
著者について  | |  | 1987年に日本アイ・ビー・エム入社。メインフレームOS、ミドルウェアの障害対応、障害解析ソフトウェアの開発、ワークフローシステム開発、オブジェクト指向開発、Web開発など経験。2000年より、ソフトウェアのテクノロジーエバンジェリストとして活動中。 |
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