システムエンジニアのためのモデリング心得 トップ10: その5 必要なダイアグラムは4つ(プラス1)のみ

モデリングの心得トップ10のその5では、UMLやSysMLを採用する際の簡便な方法としてBruce Douglassが作成したプロファイルである「最小SysML」を説明します。

Bruce Douglass (Bruce.Douglass@us.ibm.com), Rationalチーフ・エバンジェリスト, システムズ・エンジニアリング, IBM

author photo組込みソフトウェア方法論者。トライアスリート。システムズエンジニア。UMLおよびSysML仕様開発コントリビューター。作家。黒帯。神経科学者。クラッシックギター奏者。高校中退。Bruce Powel DouglassはUSD(サウスダコタ大学)医学部より神経サイバネティックスの博士号を取得し、35年以上にわたる様々なハードリアルタイム環境のセーフティ・クリティカルなリアルタイム・アプリケーションの開発の経験を持っています。彼は5,700ページにおよぶ多くの技術書籍の著者で、Real-Time UML, Real-Time UML Workshop for Embedded Systems, Real-Time Design Patterns, Doing Hard Time, Real-Time Agility, Design Patterns for Embedded Systems in Cといった本を書いています。彼は、IBM Rationalのチーフ・エバンジェリストであり、システムズ領域のソート・リーダーでもあります。BruceはIBMの全世界の顧客に対してコンサルテーションや助言を提供しています。Bruceをツイッターでフォローするには@BruceDouglassです。



2013年 12月 20日

UMLは複雑な言語です。現在、その仕様は3つの部分からなっています。

  1. 上部構造(758ページ)
  2. 下部構造(226ページ)
  3. 交換(132ページ)

この文書は、非常に内容が多いためわかりにくく、UMLの「一番の弱点」といわれています。SysMLでは更に状況は悪く、UMLの80%を含んだ上に(272ページの)追加をしています。また、それは多くの難解で複雑な特徴を含んだものです。このことが、システムエンジニアリングの環境でSysMLを受け入れて利用していくときの障壁になっていたりします。

しかしながら、仕様全体の複雑さをもって、このモデリング言語の採用や利用の障壁とすべきではありません。エンジニアリング・チームは、この言語のコア部分20%により、モデリングの80%くらいの利益を得ることができます。私は、「最小SysML(Minimal SysML)」というSysMLプロファイルを作成しました。これはいろいろなフィーチャーの部分集合からなっています。他のフィーチャーやSysMLが定義しているビューは、まずコアをなす部分集合が理解されてから、かつ、そのようなより進んだ機能が本当に必要になった場合には、少しずつ取り入れていくこともできます。

この言語の部分集合は、SysMLの仕様で定めているものに比べ、少ない数のダイアグラムを含み、更にそのダイアグラムの幾つかは、それらの要素がより単純化されたものになっています。コア・ダイアグラムは以下のものになります。

  • ユースケース図
  • ブロック図(ブロック定義図および外部ブロック図などはその変形)
  • アクティビティ図
  • 状態図
  • シーケンス図

削除したものは以下のものになります。

  • 要求図:実際には全くダイアグラムの種別ではない「仮想ダイアグラム」
  • パッケージ図:ブロック図の一使用法
  • パラメトリック図:パラメトリック制約をモデル化するもの

以下のダイアグラムの中の幾つかの要素も削除されています。

  • ブロック図:代理ポート(proxy port)は残し完全ポート(full port)は削除
  • 状態マシン:履歴擬似状態(history pseudo state)とジャンクション・コネクタは削除
  • シーケンス図:生成(create)、消滅(destroy)、ファウンド、ロストのそれぞれのメッセージ、実行オカレンス(execution occurrence)、応答(reply)メッセージは省略。アクティビティ図では、アクション・ピン、操作呼び出し(call operation)、割り込み可能範囲(interruptible region)、フロー終了(flow final)について削除。

この部分集合は、ほとんど全てのシステムエンジニアリングにおける作業フロー、例えば、要求モデリング、ユースケース機能分析、アーキテクチャ仕様、インタフェース定義、をサポートしています。前に述べたように、快適さを損なわない範囲で、そして必要性が出てくれば、他のビューや要素も必要な分だけ戻して使っていくことができます。一方で、エンジニアリングで必要なほとんどの全てのことができる、より簡単な言語が手に入ったことになると言えるでしょう。

訳者について

三ツ井欽一は、東京ソフトウェア開発研究所に所属するラショナル・システムズ開発担当マネージャーです。この記事の著者のBruce Douglassを含む、ラショナル・グローバル・チームのメンバーと共に、ラショナル・ソリューションの普及とお客様へ提供する価値の向上に日々取り組んでいます。

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ArticleTitle=システムエンジニアのためのモデリング心得 トップ10: その5 必要なダイアグラムは4つ(プラス1)のみ
publish-date=12202013