IBM Ratinal Rhaposdy バージョン 7.5 の新機能

新機能の概要

リアルタイムおよび組込みシステムの開発に役立つIBM Rational Rhapsodyの新機能の概要をご紹介します。これらの機能は、マイクロコントローラのようなリソースが制限されたターゲットにも利用可能です。またSysMLやUPDMの機能を使用して、システムをよりよく表現できます。

ポール アーバン, Rational Rhapsody医療機器業界マーケティング・マネージャ-, IBM  

ポール アーバンポール アーバンは、システム、ソフトウェア、ハードウェアの開発を、組込みリアルタイムシステム業界で20年以上行ってきました。彼はIBMシステムおよび医療機器分野のシニア・マーケティング・マネージャーです。彼は、アプリケーション・エンジニア、コンサルタント、製品マネージャーといった様々な役割で、Rhapsodyソフトウェアの仕事を1995年から行ってきました。それ以前は、ポールはハイ・パフォーマンス・コンピューティングのアプリケーションのためのカスタム・ハードウェアの開発を行っていました。



2009年 5月 28日

Rational Rhapsody 7.5の概要

多くのソフトウェア開発者が、生産性や品質、コミュニケーションを向上させるために、モデル駆動型開発(MDD)と業界標準のモデリング言語を使用しています。IBM Rational Rhasodyは、UMLあるいはSysMLにもとづく相互に連携したダイアグラムにより、開発者間のコミュニケーションを可能にするツールです。このソフトウェアを使用することで、開発者あるいはそのチームメンバーは、設計上の問題を、コストがまだ低い初期の段階で特定して対応できます。

Rational Rhapsodyは統合されたソフトウェア開発環境です。それを使って開発者は、組込みリアルタイムアプリケーションを開発、テスト、文書化、および配布することができます。Rhapsodyバージョン7.5は、以下の機能を含みます:

  • シームレスなコードの可視化、可視化されたモデルからのコード生成によるファイルの更新、Makefileの情報を利用したリバース・エンジニアリング、フローチャートによるコードの可視化を行うことで、プロジェクトやコード・ベースとMDDを統合する、ソースコード・エンジニアリング・ワークフロー
  • MISRA-C:2004、Ada Ravenscar、Modeling and Analysis of Real Time Embedded systems (MARTE)プロファイルのサポート、要求項目のコードへの出力による、高信頼でセーフティー・クリティカルなソフトウェア開発のサポートの向上
  • チームのリアルタイムな協調とアジャイルな構成管理ワークフローを可能にするIBM Rational Team Concertとの統合の拡張

また、開発者は以下のようなRhapsodyの機能を使用して、システムの定義、およびシステムの拡張を行うことができます:

  • DoDAF 1.5およびMODAF 1.2準拠のアーキテクチャーの標準フォーマットによる定義を支援するMoDAFおよびDODAF(UPDM)プロファイルの統一的なサポート
  • システムの機能フローの定義を行う、SysML 1.1サポートの拡張およびアクティビティ図の機能向上
  • シームレスなワークフロー、および複数の拠点で変更された要件の自動的な同期を保証する、IBM Rational DOORSとの統合の向上

以下のセクションでは、システムエンジニアおよびソフトウェア開発者の協調を支援する、Rational Rhapsody 7.5の新機能について説明します。


コード中心ワークフローの改善

CおよびC++言語の開発者はRhapsody 7.5を使用して「コード中心」なアプローチによる開発を行えます。このアプローチでは、情報の主体はソースコードであり、モデルはコードを参照しますが生成は行いません。このワークフローにより、開発者はコードに対する変更やコードの可視化による文書化が行え、アーキテクチャーと振る舞いをよりよく理解することができます。

コード可視化ワークフロー

コードの開発には2つのモードがあります:可視化とコードの更新です。

コードの可視化では、ツールの外部で開発されたコードをモデルとして可視化できます。開発はコードだけで行いながら、その文書化を行いたい場合には、このモードが利用できます。このモデルは可視化されたダイアグラムを含み、コードの変更を反映して更新され続けますが、コードの生成は行いません。

コード更新モードでは、コードの変更をモデルに反映できます。それと同時に、モデルの変更を、コードに対する最小限の変更として反映させることもできます。例えば、コード生成時に、元のコードのインデントは保持されます。主としてコードで作業し、モデルの方も変更する場合には、コード更新モードが使えます。コード中心の設定は、リバース・エンジニアリングが行われた後で、アクティブなコンポーネントに自動的に追加されます。

コード・セントリック・アプローチによる開発を行う際には、New Projectウィンドウ(図1)でプロジェクトの設定を行ってください。

図1.個別のプロジェクトに対してコード中心の設定が可能
図2.コード中心の設定をモデルのプロパティで行う

レガシー・コードのアニメーション

Rational Rhapsody 7.5で、アニメーションの機能が改良されました。開発の初期から、コードをデバッグして振る舞いの設計に潜む障害を検出できます。アニメーション機能は、コードを大きく変更することなく追加できます。アニメーションの設定後に、アニメーションのを外してコードを再生成することができます。

シーケンス図ベースのアニメーション

アニメーションのスコープを特定の設計要素に限定するため、シーケンス図にもとづいてアニメーションのスコープ設定を行うことができます。アニメーションを、インポートしたコードの一部に限定することで、処理を容易にします。アニメーションのスコープを指定するためには、シーケンス図で右クリックして、コンテキストメニューで[Animate]を選択します。

図3.シーケンス図からの直接的なアニメーションのスコープ制御

コードからのフローチャート生成

Rational Rhapsody 7.5では、CおよびC++言語で記述された操作の本体をフローチャートで可視化できます。この機能により、コードの振る舞いをよりよく理解できます。設計環境は、if-then-else、switch、whileループ、do whileループおよびforループから構成されます。これらを入れ子にすることも可能です。リバース・エンジニアリングの際にコードの振る舞いを可視化するためには、可視化する操作に対してフローチャートを指定します。

図4.フローチャートを使用した振る舞いの可視化

Microsoft Visual Studioとの統合

Microsoft VisualStudioのRational Rhapsodyツールバーを使用して、Visual StudioからRhapsodyのモデルへナビゲートできます。Visual Studioのプロジェクトを作成する際に、Rhapsodyの設定と関連付けることができ、シンボル定義およびパスの設定がVisual Studioプロジェクトに直接取り込まれます。Visual StudioのコードとRhapsodyのモデルはダイナミック・モデル・コード・アソシエーション機能により同期します。例えば、Visual Studioでクラス名を変更すると、Rational Rhapsodyモデルが変更を検出します。Rational Rhapsodyでファイルを追加すると、それらがVisual Studioに表示されます。Visual StudioプロジェクトをRational Rhapsodyにエクスポートすることや、リバース・エンジニアリング機能を使用してVisual StudioプロジェクトをRational Rhapsodyモデルに取り込むことができます。

図5.Microsoft Visual Studioと統合されたワークフロー

Makefileの情報を利用したリバース・エンジニアリング

Telelogic Rhapsodyバージョン7.4.0.1のリリース時には、CおよびC++のMakefileを解析して、その設定を取り込むことが可能でした。Rational Rhapsody 7.5では、解析した設定をモデリング環境に取り込んで、リバース・エンジニアリングおよびRational Rhapsodyから生成されたコードのビルドをより容易に行うことができます。

言語の型のラウンドトリップ

コードの変更とモデルの変更の同期を取るために、C++クラス内のコードで指定された型のラウンドトリップを行うことができます。

ユーザー・コードのリファクタリングおよび変更

Rational Rhapsody 7.5はモデル要素を変更するリファクタリングをサポートします。選択したコードに対してコンテキストメニューから[Refactor > Rename]を選択することで、そのコードを参照するすべてのコードを自動的に変更できます。置き換え可能な参照コードは、操作の本体、入状、退状アクション、状態遷移、上書きされたプロパティー、コンフィギュレーションの初期化です。これらの機能はモデル要素と参照コード、および変更管理プロセスの間の整合性を改善します。

図6.リファクタリング操作によるモデル名の変更

コード生成

要求項目のコードへの出力

C、C++、Javaコードを生成する際に、それに対応する要求の情報を、コードのコメントとして生成できます。コメントを追加することで、要件から実装へのトレーサビリティを確保できます。要件の生成は、以下の2通りの方法で制御できます:

  • コード生成の設定として[Include Requirements as Comments in Code]を使用する
  • 要求の情報を生成するモデル要素の[DescriptionTemplate]プロパティに、$Requirementキーワードを追加する

要求のコメントのテンプレートは、言語固有のプロパティ<language>_CG:Requirement:Descriptiontemplate propertyに存在します。例:CPP_CG:Requirement:DescriptionTemplate

図7.コード中の要求情報の置換によるトレーサビリティの改善

特定のパッケージに対するディレクトリ情報の生成

C、C++、Javaのコンポーネントに含まれるパッケージすべてに対してではなく、特定のパッケージに対して生成先ディレクトリを指定することができます。特定パッケージのコード生成を制御することで、コード生成をよりよく制御することができます。

C++テンプレートの生成

C++テンプレートの生成のために、Rational Rhapsody 7.5は以下の改良をしています:

  • .hファイルのみへコード生成することによる最適化
  • テンプレートクラスでのポートの実行のサポート
  • テンプレート・パラメータの値を選択させる拡張ユーザーインターフェースの提供による、使い勝手の向上

Adaでの開発

Adaの設計を行うために、振舞いを表現する複数のインターフェース・ポートを定義して、正しいインターフェース、イベント送信手順、関数、イベントおよびトリガー操作をもつポート同士を接続することができます。このUMLポートとコントラクトを使用したAda 2005インターフェースが現バージョンでサポートされています。Ravenscarアクティブ・クラスも現バージョンでサポートされています。加えて、Adaコードのリバース・エンジニアリングが改良され、Adaの設計をよりよく取り扱うことができるようになっています。

マイクロコントローラの開発および自動車システムのサポート

マイクロコントローラのようなリソースに制約のあるターゲットを対象にしたMicroCプロファイルおよびMicroCフレームワークの改良により、動的なメモリ確保の排除、フットプリントの最小化、カスタマイズのための各種設定を行うことができます。MicroCプロファイルおよびMicroCフレームワークは、以下の新機能を含みます:

  • 周期的な計算操作、および個々のアクティブオブジェクトに対する非同期、イベント駆動、周期実行等の実行ポリシー制御を行う、拡張された実行モデル
  • 静的なシステムの最適化:
    • コンパイル時に静的に行うデータ構造の初期化
    • データのリード・オンリー領域への割付を可能にする、セグメント化されたメモリのサポート
    • フロー・ポートおよび関連に対する、初期化および機能実現コードの最適化
    • インスタンスごとのユーザー属性の初期化
    • ファイル、シングルトンおよびフレームワークの静的な初期化のサポート
    • 「pragma」定義およびアクセスのためのマクロの提供によるセグメント化されたメモリ
  • MISRA-C:1998およびMISRA-C:2004対応の改善
  • MicroCフレームワークの設定を簡単にするプロパティのフィルタリング
図8.MicroC設定による実行、最適化およびメモリの制御

リソースが制約されたターゲットのモニター機能

組込みターゲットはしばしばリソースに制約があり、ターゲット上にアプリケーションをデバッグするためのリソースを確保することは困難です。Rhapsody 7.5のMicroCフレームワークには、リソースが制約されたターゲットの観測を行う機能があります。クラスあるいはインスタンスがターゲット上で動作する様子を、シーケンス図を使って観測できます。RhapsodyはRS-232およびTCP/IP標準プロトコルを使用した通信をサポートします。また、他のコミュニケーションの実装向けにカスタマイズも可能です。

ポートの実装の最適化

MicroCプロファイルは、ポートに対する新しいステレオタイプを含みます。それは、最適化のためにコントラクトを含まないような、ポートの実装コードです。新しいステレオタイプは、[InEventPort]および[OutEventPort]です。このようなステレオタイプのポートからイベントを送る際には、RiCGEN_EV_PORT(PORT,EVENT)マクロを使います。この新しい実装では、ポートに関連するデータを定数メモリ領域に確保するかもしれません。その場合は、C_CG:Configuration:EnableSegmentedMemoryプロパティを使ってさらにパフォーマンスを改善できます。

ネットワーク・ポート

アーキテクチャー図はネットワーク・ポートのアイコンを持ちます。inNetworkPortおよびoutNetworkPort型は、フロー・ポート上のデータ要素と、外部バスあるいは外部のI/Oシグナルとを関連付けます。

Rational Statemateブロックの拡張

IBM Rational Statemateブロックとの間でRhapsodyイベントの送受信を行うことができます。Rational Statemateブロックがイベントを受信したら、それに結びついているRational Statemateイベントに対してトリガーがかかります。Rational Statemateブロックの中で生成されたイベントはRhapsodyイベントに変換され、Statemateブロックのポートに接続されているオブジェクトに送信されます。この機能はStatemateバージョン4.6でCコードに対して実装され、Rational Rhapsody Interfacesアドオンに含まれています。


システムのモデリングの改善

アクティビティ図

アクティビティ図の編集機能全般の使い勝手が向上し、より多くの要素をアクティビティ図でモデリングできます。以下のようなアクティビティ図の機能が改善されました:

  • パーティションを使用したスイムレーンの分割
  • アクティビティ図をスクロールしても、スイムレーンのタイトルバーが消えずに残ります
  • アクティビティ図を描きやすいように、スイムレーンを再配置することが可能です
  • アクティビティをオブジェクト・モデル図上にドラッグすることにより、機能分割することができます
  • アクティビティ・フレームは、実行中のアクティビティを表します。入出力ピンを使用して、アクティビティ・パラメータを追加することが可能です。アクティビティ・フレーム上のピンの変更を、それを参照している振る舞い呼び出しアクティビティ上のピンに同期させることができます
  • 以下の要素が新たに追加されました:時間イベント受理アクション、制御フロー、オブジェクト・フロー、フロー終了ノード、イベント受理アクション、割り込み可能領域
  • 標準への準拠のために、以下の要素名は変更されました:
    • 「終了状態」は「アクティビティ終了ノード」に変更
    • 「コンディション・コネクター」は「デシジョン・ノード」に変更
    • 「接合コネクター」は「マージ・ノード」に変更
  • 複数のオブジェクトに対して、同じ名前のノードを作成することができます
  • イベント受理および時間イベント受理アクションからのコード生成、実行、アニメーションがサポートされ、イベントおよびタイムアウトのモデリングが可能です。

ポートおよびフロー・ポートのマルチキャスト

ひとつのポートあるいはフロー・ポートから、複数のポートおよびフロー・ポートに対して、イベントをマルチキャストすることができます。これにより、イベントやデータのモデル化、生成、およびブロードキャストが容易になります。

図9.ポート経由した、複数の相手先への情報のブロードキャスト

表形式の状態マシン図

状態マシンの振る舞いがダイアグラム上に表示できないほど複雑になった場合には、状態マシンを表形式で表示することができます。表形式のビューを使用することで、不足している要素を見つけることができます。

(表形式ビューで)遷移およびイベントを追加削除して、状態マシンを編集できます。また、ダイアグラム形式と表形式を切り替えて状態マシンを表示することができます。

図10.複雑な状態マシンの表形式による表示

表とマトリクスの改善

以下の改善によって、モデルの情報を表形式で表示し、表およびマトリクスからモデル情報を直接編集できます:

  • 表形式ビューのカラムのカスタマイズ
  • 表およびマトリクスの要素の追加、編集、削除
  • 表およびマトリクスの自動的な表示更新
  • 関連する属性の再配置および拡張
  • マトリクスのセルの要素型としての関連のサポート
  • 単一のセルの要素をサポートするマトリクス・コントロール

UPDMプロファイル

United Profile for DoDAF and MODAF (UPDM) は、米国国防総省アーキテクチャー・フレームワーク(DoDAF)および英国国防省アーキテクチャー・フレームワーク(MODAF)の両方をサポートするモデリング標準です。Rational Rhapsody 7.5はUPDMのいずれのレベルにも準拠しています:

  • レベル0 UMLベース
  • レベル1 SysMLベnース

UPDMサポートは、以下の機能を提供します:

  • 同一プロファイル中で、MODAF 1.2あるいはDoDAF 1.5に準拠したモデルを作成するオプション。両方のレベルに準拠することで、ビジネスをベースにしたエンタープライズ・ドメイン、あるいは、運用およびシステムのパースペクティブで作業を行うことができます。
  • SysMLに完全に統合された、レベル1サポート。このことにより、SysMLを使用してモデルベースのシステムデザインを行うシステム・エンジニアリング部門へ、情報の欠落を起こすことなくモデルを渡すことができます。また、通常のSysMLのダイアグラムの全てを使うことができます。
  • MODAFビューの拡張セットである戦略および調達へのアクセス。このため、DoDAFの利用者はDoDAF 2.0で採用される予定の概念を学習することができます。
  • 事業の構想から、組込みソフトウェアのハンド・コーディングにわたる、全ライフサイクルのカバー
  • アーキテクチャーから関心のある情報を取り出せる、カスタマイズ可能な表およびマトリクス・ビュー
  • 大規模モデルにおける問題を回避するための、参照モデルによる連合アーキテクチャーのサポート

UPDMは、IBM Rational Rhapsody for DoDAF, MODAF, and UPDMアドオンでサポートされます。

Rational System Architectで作成したアーキテクチャー定義のインポート

IBM Rational System ArchitectのDoDAF成果物の情報をRhapsodyのDoDAF成果物に変換することにより、DoDAFの成果物を開発している企業は、システム・エンジニアリングにおける実装寄りのレベルに移行できます。この機能により、企業の境界を越える場合でも、DoDAFのオペレーションとシステム・ビューの間の整合性エラーを回避できます。

Rational Harmonyによるプロセスの自動化

Rational Rhapsody 7.5は、以下のようなIBM Rational Harmonyの新機能を含みます:

  • アクションへのアクションピンの追加
  • リンクによるポート間の接続
  • パッケージのシーケンス図からの、初期の状態マシンの生成
  • 機能分析時のブロック機能の統合
  • ブロックとコンポジション関係があるブロックに対するパッケージの自動生成

MARTEプロファイル

Rhapsody 7.5には、OMGのModeling and Analysis of Real-Time Embedded Systems (MARTE) プロファイルが含まれます。解析ツールが提供するMARTEプロファイルのステレオタイプを使用してモデル要素に注釈(アノテーション)を付加することで、リアルタイムシステムの概念をモデル化できます。MARTEプロファイルは、Schedulability, Performance and Time (SPT) プロファイルを置き換えるものです。MARTEプロファイルにより、以下のことが実現できます:

  • 並行性、資源割り当て、時間等の組込みリアルタイムの概念のモデリング
  • 注釈を使用してスケジューラビリティ解析を行い、設計がタイミング制約を満たすかどうかを予測し、またタイミングの正確さを検証する
  • 注釈を使用してパフォーマンス解析を行い、決定論的な振る舞いをしないシステムが適切なパフォーマンスで動作するかどうかを予測する(通常は統計的尺度で測られる)
  • ハードウェアとソフトウェアの資源をモデル化して、ハードウェアまたはソフトウェアで実装した場合のトレードオフ解析を行う

モデリング機能の改善

以前のRhapsodyバージョンの形式での保存

以前のRational Rhapsodyバージョンのフォーマットでモデルを保存できます。この機能により、Rhapsodyをアップグレードしてからも、まだバージョンアップしていないチームメンバーと情報の共有を行うことができます。新規バージョンと以前のバージョンとで要素に違いがある場合は、新しい要素は古い要素で置き換えられます。Ration Rhapsody 7.5は、Rhapsody 7.4形式でモデルを保存できます。

プロファイルの適用のサポート

プロファイルは、モデリング環境をカスタマイズする強力な手段です。プロファイルは、プロジェクト全体に対して適用することも、特定のパッケージやコンポーネントに対して適用することもできます。ひとつのモデルに複数のプロファイルを適用することもできます。

タグ値のサポート

より複雑なモデルを設計するために、ブーリアン、文字列、数値、ユーザー定義、項に加えて、ステレオタイプとメタクラスを使用したタグの型定義ができます。複雑な情報をモデル化するために、1より大きい多重度を持ったタグ値を、リストを使って定義できます。

C++クラスおよびCのファイルに対するクラス・バリアントのサポート

製品ファミリーやプロダクトラインをモデリングする際には、製品同士を区別するためにモデル中にバリエーション・ポイントを定義できます。それぞれのバリエーション・ポイント対してバリアントを選択することで、個別の製品を生成することができます。


Eclipse統合の改善

Eclipse統合機能

IBM Rational Rhapsody DeveloperおよびIBM Rational Rhapsody Architect for SoftwareはEclipseと統合できます。以下の新機能により、統合が改善されました:

  • Eclipseバージョン3.4(Ganimede)のサポート
  • 大量のデータを管理するテーブル/マトリクス・ビュー
  • ラピッド・プロトタイピングのためのグラフィックパネル
  • 検索と置換機能による編集の容易化
  • アニメーションのブレークポイントリスト表示ビュー
  • 実行中のアプリケーションにメッセージを送信した後でも、イベント注入/操作呼び出し画面が閉じずに表示される機能
  • IBM Rational RoseインポートオプションによるEclipseへの既存モデルの取り込み
  • ブラウザー上でのモデル要素の用語表示およびカスタマイズのためのダイアグラム作成機能
  • 主要な情報へのナビゲーションを行うウェルカム画面
  • システム設計のためのSysMLプロファイルおよび自動車の設計のためのAUTOSAR (Automotive Open System Architecture) プロファイルのサポート
  • Rational Rhapsody TestConductorアドオンによる自動テスト
  • IBM Rational Team Concertとの統合の改善
  • CVSおよびSubversionのサポートによるチームコラボレーション

使い勝手の向上

複数の要素の編集

複数の属性、タイプ、依存関係、パッケージ、クラス、操作を同時に編集できます。編集のためには、同じメタクラスに属する複数の要素(たとえば複数の属性)を選択するだけです。複数飲めたクラスを選択した場合には、ステレオタイプを変更できるようにするための汎用的なフィーチャー画面が表示されます。

図11.複数のメタタイプの選択による変更

統一されたコンテキストメニュー

モデル要素のドロップダウンメニューが統一され、フィーチャー、新規追加、編集、ナビゲート、モデル要素固有操作、構成管理、コード関連操作、コンテキスト依存の操作、ヘルプまたはアドオン、という構成になりました。この構成により、メニューのサイズが小さくなり、類似の操作がグループ化されるようになりました。

ダイアグラム描画ツールバー

Rhapsody 7.5は新しい描画ツールバーを提供します。ツールバーは、ダイアグラム・ツール、共通、フリー・シェイプから構成されます。ツールバーはフローティング、ドッキングスタイルをサポートし、またツールのラベルの表示、非常時の切り替えが可能です。ツールバーのモード、状態、および位置は、Rhapsodyを終了する際に保管され、次回起動時にはその設定が使用されます。

グラフィックとツールバーのグラデーション表示

グラフィックとツールバーの背景が、グラデーションで表示されるように改善されました。この表示がデフォルトですが、[View]メニューで背景のグラデーション表示の有効、無効を切り替えることができます。

フル・スクリーン・モード

ダイアグラムを使って設計作業を行う際に、作業領域、関連する描画ツールバー、およびブラウザーをフル・スクリーン・モードで表示できます。このモードにより、ダイアグラムの描画領域をより広く利用できます。アプリケーションのツールバーは非表示になり、メニューは自動的に隠すモードに設定されます。[View]メニューあるいはAlt+Shift+Enterキーにより、このモードを有効にすることができます。

お気に入りの整理

フォルダーに素早くアクセスするために、[Favorites]メニューにフォルダーを追加、削除して整理することができます。フォルダーをドラッグして、[Favorites]画面に追加します。お気に入りはユーザーおよびプロジェクトごとに、.rpwファイルに保管されます。

図12. 重要項目を簡単に探し出すためのお気に入りの整理

ユニットにまたがる参照の削除

モデルでの作業時に、書き込み可能なユニットでチェックアウトされている一方で、読み取り専用のユニットから参照されているようなモデル要素を編集することがあります。その要素を削除すると、読み取り専用のユニットで、要素の未解決が発生する可能性があります。未解決の要素を作成しないようにするために、削除された要素を参照している読み取り専用ユニットをリストアップして、それらをチェックアウトすることができます。

図13. 削除時に要素の未解決を防止する

アクティブなコンポーネントのスコープ中での要素のハイライト

コンポーネントは、それに含まれるモデル要素を指定するためのスコープを持ちます。Rational Rhapsody 7.5においては、アクティブなコンポーネントのスコープ中にあるモデル要素は、ブラウザー上に太字で表示されます。この視覚的表現を利用して、スコープ内のモデル要素のみに適用可能な操作の実行を避けることができます。この機能を有効にするには、[General::Model]の[HighlightElementsInActiveComponentScope]プロパティをチェックします。

ダイアグラムのズームインおよびズームアウト

Ctrlキーを押しながらマウスホイールを操作することで、ダイアグラムのズームインおよびズームアウトを行うことができます。ダイアグラムで要素を選択すると、ズーム操作はその要素に対して実行されます。

ダイアグラムへのデータの取り込み

[Populate Diagram]操作を使うことで、要素をダイアグラムに追加して、それらの間の関連を自動的に表示し、設計内容を確認することができます。変更されたコードに対してリバース・エンジニアリング機能を適用して、ダイアグラムを更新することもできます。

ヘルパーの整理

[Tools]メニューおよび右クリック時のコンテキストメニューを整理し、表示サイズを小さくするために、ユーザー定義のヘルパーをこれらのメニューに階層的に表示することができます。

バッチ処理のサポート

Rational RhapsodyコマンドラインはCOM APIをサポートしており、ユーザー定義のヘルパーおよびプラグインを使用して夜間ビルドを行うよう拡張可能です。Adaでの開発時には、バッチ生成機能が利用可能です。


Rational Rhapsody TestConductorの改良

テスト時のフロー・ポートのサポート

複雑な振る舞いを持つモデルに対するテストケースの作成時に、フロー・メッセージをを利用、送信、受信することが可能です。

CppUnitおよびJUnitを用いたテストの統合

CppUnitおよびJUnitのテストケースを外部のテストケースとして使用することができます。それらをRational Rhapsody TestConductorアドオンから実行して、アプリケーションの信頼性を高めることができます。

MicroCモデルのサポート

Rhapsody MicroCフレームワーク利用時に、Rational Rhapsody TestConductorアドオンを使用して、テストおよび設計の検証を自動化できます。

リソースに制約のあるターゲットに対するオフラインのテスト

TestConductorアドオンでは、リソースに制約のある組込みターゲット上で動くアプリケーションをテストする際に、ターゲットと接続するブラックボックステストの機能を使わないようにすることができます。デバッガーのダンプ機能を使用して、テスト結果を取得します。この機能は、CおよびC++を対象とした、状態マシン、フローチャート、およびコード形式のテストケースに対して利用可能です。

階層的なモデル・カバレッジの計算

テスト対象システムの各部分およびテスト・コンポーネントのカバレッジを計測可能です。これにより、テスト結果がより扱いやすくなります。

ユーザー定義のテスト実行順序

ブラウザーを使用して、テストケースの実行順序を制御できます。テスト実行順をブラウザーで制御することで、よりコントロールの効いた、柔軟なテストを行うことができます。

状態マシンによるテストケース

状態マシンを使用してテストケースを定義できます。この追加機能により、より柔軟にテストケースを作成することができます。

要求からテストにわたるライフサイクル・トレーサビリティー

Rational Rhapsody TestConductorアドオンとIBM Rational DOORSとの統合が改善ました。Rational Rhapsody Gatewayアドオンを使用してテストケースと要求をリンクし、DOORSと情報を交換することで、すべての要求が適切にテストされることを保証できます。要求をコードの中に生成して、要求から設計、実装、テストにわたるライフサイクルの追跡を行うことができます。

トリガー・テスト・ヘルパー

Rational Rhapsody TestConductorが、テスト・アーキテクチャーの生成等の特定の処理を実行した際に起動される、ヘルパー処理を作成することができます。ヘルパー機能を使用してカスタマイズ可能な処理を事項することで、テストプロセスをよりよく制御し、自動化することができます。

テスト実行の非表示

テスト実行中にRhapsody画面にフォーカスを当てたい場合には、テスト実行画面を隠すことができます。


Rational Rhapsody Gatewayの機能向上

Rational DOORSとの双方向の同期

Rational Rhapsody GatewayアドオンはRational DOORSと連携して、DOORSのハイレベルな要求とRhapsodyモデルとを同期させます。DOORSおよびRhapsodyのどちらに対する変更も、お互いに正しく更新できます。同期機能は、Rhapsodyの差分およびマージ機能を使って、変更を自動的に管理します。エクスポート処理を設定した後は、Gatewayとの相互作用を最小限に抑えるワークフロー、およびRhapsodyとDOORSのシームレスな統合を提供する同期処理を使用して、同期を行います。

図14. Rational DOORSとの同期

Rational DOORSタイプ・ビルダー・ウィザード

この新しいウィザードはGatewayプロジェクト・エディターに含まれ、DOORS XMLタイプをカスタマイズできます。DOORSタイプは、既存でおすすめの、DOORSオブジェクトの属性に適用される分析機能をベースにしています。このウィザードは、Rational DOORSからタイプを取り込む際に使用します。

階層的なタイプ

DOORSモジュールの取り扱いを改善するために、階層分析を実行して、セクションおよび要求の明確な識別ができないようなモジュールの全体的なオブジェクト階層構造を取得することができます。

DOORS中の要素へのナビゲーション

Gatewayアドオン中のRational Rhapsodyモデル要素から、エクスポートされたモデル要素を含むDOORSモジュールにナビゲートすることができます。

Rational DOORSエクスポート

Rational Rhapsody要素からRational DOORSへのエクスポートは、様々な形で改良されています:

  • 利用可能な共通機能を含む、改良されたタブ画面
  • エクスポート画面でサーバーを直接指定可能
  • 特定のタイプに対する、より詳細なコントロール
  • エクスポートされた要素の順番の指定

使い勝手の向上

Rhapsody Gatewayアドオンには、ワークフローを改善する以下の機能が含まれます:

  • 検索結果とマークを経由した、前方および後方ナビゲーション
  • 1回の操作ですべてのマークを削除する、階層的なマーク削除
  • 列挙型の属性値のフィルタリング
  • アクセスしやすさのために、Rhapsody Gatewayアドオンの位置をアプリケーションの最上位に配置
  • オンデマンドの再ロード処理の非表示制御
  • Rhapsodyへのハイレベル要求のエクスポートおよび追加を行うタブ画面による、平易なダイアログ操作

チームコラボレーションの改善

SCCモードを介したRational ClearCaseへのインターフェースの改善

IBM Rational ClearCaseをSCCモード経由でRational Rhapsodyから使う場合は、リポジトリの再構成機能が利用できます。この機能は、以前はバッチモードでのみ利用可能でした。ClearCaseを使用したSCCワークフローでは、構成管理ユニット、UCM操作の実行、レポジトリの再構成等の状態を視覚的に表示することができます。

すべてのダイアグラムのグラフィカル・マージ

Rhapsody 7.5では、オブジェクト・モデル図、ユースケース図、構造図、コラボレーション図、パネルグラフィック図を含むすべてのダイアグラムのグラフィカルなマージが可能です。

状態に基づく構成管理操作

構成管理のためにSCCモードを使用する際には、構成管理ユニットの状態を取得することが可能です。状態には、そのユニットで実行可能な操作の情報が含まれます。Rhapsodyは構成管理処理中に発生するエラーを防止するために、この情報を使用しています。

重要:

  • チェックインされているユニットに対してチェックイン操作を実行しないでください
  • ユニットがアーカイブに追加され、それがすでに構成管理で管理されている場合、add-to-archiveコマンドを実行しないでください
  • チェックアウトされていないユニットに対してチェックアウトの取り消しを実行しないでください

プロジェクトをまたがる参照ユニットの収集

Rhapsodyで複数のプロジェクトをSCCモードで使用している場合、構成管理ツールから参照ユニットの現在のバージョンを収集することができます。

JazzベースのRational Team Concertの統合

Rational RhapsodyとRational Team Concert統合により、構成管理タスクを実行して、それを自動的にチームメンバーに通知できます。Rhapsody 7.5においては、Rational Team Concertとのワークフローが改善され、チームがモデリング作業中に、より効率的にリアルタイムにコラボレーションできます。モデルに対する変更の取り込み機能を向上するため、Rational Team Concertは自動的にRational Rhapsodyのモデル差分およびマージ機能を起動します。Rhapsody Eclipseプラットフォーム統合が、Rational Team Concertとの統合をサポートします。

ドキュメントの生成

IBM Rational Rhapsody ReporterPLUSを使用してドキュメントの生成を行う際に、パネル図に対する追加のサポートが使えるようになりました。また、生成されたレポートのイメージのフォーマットを変更することで、ドキュメントのより詳細なコントロールを行うことができます。


統合の改善

Rational Roseインポート:コードとモデルのマージ

Rational Roseを使用してモデルにもとづく開発を行っている場合は、Rationa Roseから生成されたモデルとコードをRhapsody環境に統合することができます。Rational Roseインポーターを使って、Roseモデルをインポートした後でコードをインポートできます。そしてインポートしたコードをモデルに移動して、モデルデータとコードをマージすることができます。コード中の実装は解析されて、コードに関連するモデル要素の実装としてマージされます。この機能はRational Rhapsodyバージョン7.4.0.1以降で利用可能です。

Rational Roseからの日本語名のインポート

Rational Roseインポート機能は、日本語名をRational Rhapsodyのラベル名として取り込むことができるようになりました。

Rational Roseのプロパティのインポート

よりよい情報の移行のために、Rational Roseインポート機能にはRational Roseのプロパティのインポートも含まれます。

XMIの増分インポート

新しいワークフローを使って、更新されたXMIデータを現行プロジェクトにマージすることができます。インポート間の変更を識別し、モデルの更新をマージするために、XMIファイルを新しいRhapsodyプロジェクトにインポートして、その後差分およびマージ機能を使用することができます。

図15. プロジェクトに対するXMIの更新の増分的マージ

要約

IBM Rational Rhapsody 7.5は柔軟な開発環境を提供します。それによってチームメンバーとコラボレーションしながら複雑なシステムの設計、実装、テスト、ドキュメントの作成を行うことができます。コード中心のワークフローは、コードとモデルの同期によりコードの開発と文書化を改善することで、アジャイルな開発を推進します。明快で堅牢な設計を提供するために、アクティビティ図、UPDMサポート、テーブルの新機能を利用することができます。Rhapsody 7.5は、統合されたMDD環境により、要求分析からアーキテクチャー設計、実装、テスト、文書化までの製品開発ライフサイクル全体を自動化します。

参考文献

学ぶために

製品や技術を入手するために

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ArticleTitle=IBM Ratinal Rhaposdy バージョン 7.5 の新機能
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