IBM Rational Software Architect V8.0 の UML モデリング機能の更新: 第1回 モデリング・パースペクティブ、プロパティー、ナビゲーション、およびダイアグラムの機能強化

この記事では、IBM Rational Software Architect V8.0 の UML モデリング・コンポーネントの新しい機能の一部に注目し、最近追加された機能の活用法について説明します。このシリーズの初回の記事では、再設計されたモデリング・パースペクティブ、新しい「プロパティー」ポップアップ・ウィンドウ、簡易化されたモデル内ナビゲーション、およびダイアグラムの機能強化についてとりあげました。

Wayne Diu, Software developer, IBM Canada

Wayne DiuWayne Diu は IBM Rational ソフトウェアの開発者。サーバー統合やモデル検索など、Rational Modeling Platform の Unified Modeling Language (UML) フィーチャーを設計・実装した。さらに、Wayne は、メタモデル統合フレームワーク・プラットフォームの確立を担当した開発者の 1 人でもある。そのほかにも、プリンティング、検証マーカー機能強化、およびリファクタリング・サポートなど、多様なツール・フィーチャーを開発した経験がある。



2011年 7月 08日

UML Modeler コンポーネントの機能強化

IBM Rational Software Architect V8.0 では、IBM Rational Software Modeler が UML Modeler というコンポーネントとして含まれています。つまり、2 つの製品であったものが 1 つになったわけです。これは BPMN 2 (Business Process Modeling Notation)、UML 2 (統一モデリング言語) モデリング、コードの可視化、および Java、C#、VB.NET (Microsoft Visual Basic .NET) 用に調整されたモデリング・サポートを提供します。この基本プラットフォームは、コラボレーションやシミュレーションからデプロイメント・モデリングまで、様々な機能を提供するオプションの拡張セット、あるいは統合アーキテクチャー・フレームワークを使用して増強することができます。今回の変更に伴い、IBM Rational Software Modeler のユーザーには、Rational Software Architect V8.0 への移行の一部としてコードの可視化とラウンドトリップ・エンジニアリング機能を利用できるようになる、というメリットがもたらされます。

UML Modeler コンポーネントには、より明確なダイアグラムの作成、問題の防止や解決、および同僚とのコラボレーションに役立つ機能強化が多数含まれており、この記事ではそれらの機能について記載します。


従来より更に便利で明確さを増したビュー

今回の重要な変更の一部として、「モデリング (Modeling)」パースペクティブが改善されました。

「モデリング」パースペクティブ

IBM Rational Software Architect V8.0 で、新規ワークスペースを開始するかパースペクティブをリセットすれば (「ウィンドウ」>「パースペクティブのリセット」)、間違いなくデフォルトの「モデリング」パースペクティブが変更されていることに気付くでしょう。「モデリング」パースペクティブに含まれているデフォルトのビューは以下の 4 つのみです。

  • プロジェクト・エクスプローラー
  • レイヤー (新規)
  • アウトライン
  • プロパティー

その他のビュー (「継承エクスプローラー」など) は、アプリケーション・ウィンドウの左下の「高速ビュー」ボタンをクリックすれば、高速ビューとして使用できます。

以前のパースペクティブは「クラシック・モデリング 」という名前に変わりました。これを残したのは互換性のためであり、新しいパースペクティブの使用をお勧めします。

プロパティー

従来の「プロパティー」ビューも引き続きサポートされていますが、現在はもっと便利なビューがポップアップ・ダイアログ・ウィンドウ (図 1 参照) の形で使用できます。このビューは画面に大きなスペースをとらず、選択した要素のプロパティーにアクセスしやすくなっています。この新しいビューにアクセスするには、「プロジェクト・エクスプローラー」またはダイアグラムから、選択した要素のコンテキスト・メニューで「プロパティー」を選択します。

図 1 の例では、選択した要素の「一般」プロパティー (「一般システム::メイン (Central System::Main)」) が表示されています。要素の他のプロパティーを表示するには、タイトル・バーの左矢印または右矢印でプロパティー・ページを切り替えます。下矢印 (「一般(General)」の横) を使用すると、選択した要素の使用可能なプロパティー・ページのリストが表示されます。これは従来の「プロパティー」ビューで使用可能な「プロパティー」タブに対応しています。

図 1. プロジェクト・エクスプローラーから要素のプロパティーを表示

クリックして大きなイメージを見る

図 1. プロジェクト・エクスプローラーから要素のプロパティーを表示

プロパティーと簡易化されたナビゲーション

「プロパティー」ポップアップ・ウィンドウにアクセスするには、ナビゲーションを簡単にするクリック対応のハイパーリンクを使用する方法もあります。ダイアグラム内の要素の名前の上にカーソルを移動すると、ポップアップ・ツールチップが 1 つ以上のハイパーリンクとともに表示されます (図 2 参照)。このハイパーリンクをクリックすると、その要素のプロパティーが表示されます。属性の上にカーソルを移動すると、属性そのものと属性のタイプ (属性のタイプが設定されている場合) の両方へのリンクが表示されます。オペレーション上にカーソルを移動すると、そのオペレーションとその各パラメーターへのリンクが表示されます。そのほか、一部のテーブルにはタイプを選択できる列が含まれています。これらの列のセルには、右向き矢印「->」の付いたボタンが含まれています。ポップアップ・ウィンドウからプロパティーにアクセスするには、その矢印ボタンを押すという方法もあります。そうすると、選択したタイプのプロパティーにジャンプできます。

図 2. ポップアップ・ツールチップに表示されたハイパーリンク

クリックして大きなイメージを見る

図 2. ポップアップ・ツールチップに表示されたハイパーリンク

要素のプロパティーへのナビゲーションの簡素化に加え、プロジェクト・エクスプローラーによる要素へのナビゲーションも改善されました。要素そのものへのナビゲーションのほか、参照先要素へのナビゲーションも可能です。プロジェクト・エクスプローラーでは、このソフトウェアの前バージョンと同様に、要素のコンテキスト・メニューまたはドロップダウン・メニューの「ナビゲート (Navigate)」サブメニューから要素を見つけます。シーケンス・ダイアグラムでは、ダイアグラム上のライフラインを選択すると、プロジェクト・エクスプローラーで対応するライフラインにナビゲートできるだけでなく、選択したライフラインのプロパティーまたはタイプにナビゲートできます。振る舞い実行指定の場合、参照先の振る舞いにナビゲートできます。アクティビティー・ダイアグラムでは、シグナル送信アクション (シグナルを参照する) や振る舞い呼び出し操作 (振る舞いを参照する) など、要素の参照先要素へのナビゲートもできます。

プロジェクト・エクスプローラーでは、「プロパティー」ツールバーの矢印ボタンを使用すれば要素へナビゲートできます。「タイプ」列のセル内の矢印ボタン (図 3) を使用すれば、タイプのプロパティーにナビゲートできます。

図 3. 「属性」プロパティー・ページ

クリックして大きなイメージを見る

図 3. 「属性」プロパティー・ページ

このハイパーリンク機能は、com.ibm.xtools.rmp.ui で公開されている ILinkProvider および INavigationProvider インターフェースを実装すれば、プログラムによって拡張できます。


ダイアグラムの機能強化

ダイアグラム機能は使いやすくなり、多数の機能強化によってダイアグラムがすっきりと見栄えよくなりました。

テーマ

UML Modeler には 10 種類の定義済みテーマが含まれており、それらをカスタマイズして独自のバージョンを作成することもできます。独自のテーマを作成する、またはデフォルトのテーマを選択するには、以下のようにします。

  1. 「設定」ビュー (「ウィンドウ」メニューから「設定」をクリック) から「モデリング」、「外観」の順に選択します。
  2. 「外観」ペインにすべてのデフォルトのテーマと独自に追加したテーマがリスト表示されます。このテーマ・リストの末尾で「新規」オプションを選択すると、新しいテーマを作成できます (図 4 参照)。
図 4. 「設定」ビューの「外観」ペイン

新しいテーマを追加するには、「追加」項目または「詳細」ボタンを選択します。既存のテーマをカスタマイズすると、新しいテーマが作成されます。その結果、「テーマの詳細」ウィンドウが表示され、そこに既存するテーマの詳細が表示されます。

図 5. 「テーマの詳細」ビューに表示された既存テーマの詳細

「テーマの詳細」ビューの各行に表示された要素タイプには、特定のスタイルが適用されています。一番下のボタンはテーマ全体、右端のボタンは特定のテーマのスタイル追加と削除に使用します。たとえば、右端の「削除」ボタンは 1 つの要素タイプに関連付けられた外観を削除する場合に使用し、一番下の「削除」ボタンは現在表示されているテーマ全体を削除する場合に使用します。

  1. 現在のテーマによってまだ定義されていない要素タイプを追加した場合、その要素タイプのスタイルをカスタマイズするには、以下の手順に従います。
  2. 右端の「追加」ボタンをクリックします。これによって「要素タイプ」ウィザードが表示されます。
  3. 特定の外観を指定する要素タイプを選択します。同じ外観やスタイルを指定する図形とコネクターのみを選択するとよいでしょう。

要素タイプを選択して「次へ」ボタンをクリックすると、チェックした要素タイプに適用する既存の外観を選択するようプロンプトが出されます。選択可能なデフォルトの図形は 48 種類、デフォルトのコネクターは 12 種類あり、それぞれ独自に追加することもできます。

  1. 外観をカスタマイズするには、リストの最後の項目である「新規」を選択します。
  2. 「図形の外観の詳細」または「コネクターの外観の詳細」ウィンドウが表示されたら、図形またはコネクターの詳細を選択できます。
  3. カスタマイズした外観を保存する場合は必ず、画面の一番下の「名前を付けて保存」ボタンをクリックしてください。
図 6. 「要素タイプ」ウィザードで図形とコネクターの外観を選択

クリックして大きなイメージを見る

図 6. 「要素タイプ」ウィザードで図形とコネクターの外観を選択

追加した要素タイプについてもこの手順を繰り返し、個別に外観を選択することができます。(繰り返しになりますが、同じ外観やスタイルを指定する図形とコネクターのみを選択し、同じ手順を繰り返すとよいでしょう。)

追加した個別の要素タイプに外観を合わせるには、2 つの方法があります。

  • 1 つは、「テーマの詳細」オプションから要素タイプを選択した後、「削除」をクリックし、「追加」ボタンを使用して要素タイプを追加し直す方法です。
  • もう 1 つは、要素タイプを選択し、表示された「省略 (…) (ellipses (…))」ボタンをクリックする方法です。これによって、すべてのデフォルトの外観と独自に定義した外観を一覧化したドロップダウン・メニューが表示されます。

テーマをダイアグラムの要素に適用する

特定の外観をダイアグラムの要素に適用するには、以下のどちらかの方法があります。

  1. その要素のコンテキスト・メニュー (要素を右クリックする) から「プロパティー」を選択するか、従来の「プロパティー」ビューを表示して、その要素とそのプロパティーを表示します。次に、そのプロパティーから「外観」ページを選択し、「既存の外観を選択 (Select an existing appearance)」ドロップダウン・メニューから、図形またはコネクターに適用するテーマを選択します。
  2. 図形のコンテキスト・メニューを表示させ、「外観」メニュー項目を選択します。「図形の外観詳細 (Shape Appearance Details)」ダイアログ・ウィンドウが表示されます。そこから、外観を適用する前にカスタマイズを行うことができます。
図 7.「図形の外観詳細 (Shape Appearance Details)」ウィンドウからグラデーションを選択

クリックして大きなイメージを見る

図 7.「図形の外観詳細 (Shape Appearance Details)」ウィンドウからグラデーションを選択

図形をさらにカスタマイズする

テーマの処理をしているとき、もっと多くの外観オプションが選択できることに気付いたのではないでしょうか。図形の場合、外観オプションには透明度、高度なグラデーション、および線幅の調整があります。また、図形の各コンパートメントが図形の境界線スタイルもサポートするようになりました。コネクターの場合、外観オプションには角丸と線属性 (線幅、線の種類、矢印タイプの選択を含む) があります。

図形をさらにカスタマイズする場合は、「外観」プロパティー・タブから行います。線の太さの設定は、「境界線」グループの「線幅の使用 (Use the Line width)」ドロップダウン・メニューから行います。「塗りつぶし」グループの「塗りつぶしの色」ドロップダウン・メニューを使用して、グラデーション塗りつぶしを選択します。

図 8 はアクターと重なっているクラスを示しています。透明度の設定は、特に他の図形と重なるときに便利です。

図 8. アクターと重なっているクラス

クリックして大きなイメージを見る

図 8. アクターと重なっているクラス

注:
UML 仕様を守るため、どの線のパラメーターでも UML コネクターを構成できるわけではありません。たとえば、破線を使用した関連付けは意味をなしません。ダイアグラムで線の機能強化を利用するには、「図形」パレット・ドロワーの「線 (Line)」パレット項目を使用します。この方法なら UML 制約に縛られずにフリーハンドで線を引くことができます。

ダイアグラムの要素の外観を保存する

図形やコネクターのカスタマイズがうまくいったら、その外観を他の図形やコネクターにも簡単に適用できるように保存したいと思うでしょう。

  1. 図形やコネクターの外観を取り込むには、その図形やコネクターを選択して右クリックし、表示された図形のコンテキスト・メニューから「外観に追加」を選択します。
  2. 次に、その外観の名前を入力します。その外観が保存され、再使用できるようになります。
図 9.「外観に追加」を使用してダイアグラムの要素の外観を保存

クリックして大きなイメージを見る

図 9.「外観に追加」を使用してダイアグラムの要素の外観を保存

ダイアグラムのフィードバック

2 つの図形をコネクターで結ぶとき、どちらがソースでどちらがターゲットかよく分からない場合があります。ダイアグラムが多数の図形で込み入っている場合は特にそうです。それについてもターゲットの図形が強調表示され、コネクターのターゲットがどこかはっきりわかるようになりました。

同様に、コネクターをクリックすると、そのラベルも強調表示されます。これによって、どのラベルがどのコネクターのものかはっきり分かります。これは特に多数のコネクターが密集しているときに役立ちます。

そのほか、コネクターが思いどおりに作成されなかった理由がよく分からない場合もあります。そのため、コネクターが作成できない理由を記した説明ボックスが表示されます。図 10 の例は、あるクラスから別のクラスにパッケージ・インポートを作成しようとしているところです。もちろん、これは実行できません。インポートのターゲット側がパッケージである必要があるからです。

図 10. パッケージ・インポートが作成できない理由を説明するメッセージ

クリックして大きなイメージを見る

図 10. パッケージ・インポートが作成できない理由を説明するメッセージ

表示されるメッセージのタイプや、メッセージが表示されるまでの遅延など、設定を調整することができます。設定を調整するには、「設定」ダイアログを表示させ、「モデリング」>「外観」>「フィードバック」の順に選択します。

ドキュメンテーションのツールチップ

ダイアグラムの要素にマウス・カーソルを移動すると、その要素のドキュメンテーションのツールチップがポップアップ表示されます。(これは Eclipse で Java ファイルのメソッドにカーソルを移動すると Javadoc が表示されるのと似ています。) そのほか、ツールチップには、関連する要素とその親 (ある場合) へのハイパーリンクも添えられます。

図 11. ダイアグラムの要素に関するツールチップ

クリックして大きなイメージを見る

図 11. ダイアグラムの要素に関するツールチップ

ツールチップの設定 (透明度や遅延など) を制御するには、設定ページの「モデリング」>「一般」を使用します。

図 12. ツールチップの外観を制御する「設定」ページの「一般 (General)」設定

リッチ・テキストのサポート

リッチ・テキストのサポートがさらに改善され、安定性が向上しました。ノートとコメントもリッチ・テキストを完全にサポートしています。要素のドキュメンテーションをリッチ・テキストで編集できるだけでなく、ノートやコメントの内容そのものもリッチ・テキストで編集できるようになりました。

図 13. リッチ・テキストによるコメントの編集

クリックして大きなイメージを見る

図 13. リッチ・テキストによるコメントの編集

リッチ・テキストを管理するための設定も追加されました。最も重要なのは、デフォルトのフォント設定を変更できることです。これによって、リッチ・テキストを作成するたびに設定を変更しなくても、ダイアグラム内のテキストを見栄えよく統一することができます。テキストに関する他の設定を確認するには、「設定」ダイアログを表示させ、「モデリング」>「テキスト」の順に選択します。

図 14. リッチ・テキストの設定

レイヤー

関心のある要素のみを表示させ、それ以外の要素を非表示にすると、ダイアグラムを簡略化できます。たとえば、アプリケーション用にシステムの外部パーツのみを表示したい場合です。それには、内部クラスを表す図形を別のレイヤーに分離して、そのレイヤーを非表示にすれば、ダイアグラムは一瞬で簡略化します。

既存のダイアグラムを使用している場合や明示的にレイヤーを使用していない場合、ダイアグラムの図形はすべてデフォルトのレイヤーに配置されます。このレイヤーは削除も非表示にすることもできません。また、「レイヤー」ビューには表示されません。

図 15. デフォルトで左下隅に表示された「レイヤー」ビュー

クリックして大きなイメージを見る

図 15. デフォルトで左下隅に表示された「レイヤー」ビュー

前述のように、「モデリング」パースペクティブにはデフォルトで「レイヤー」ビューが表示されます。すべてのレイヤー (デフォルトのレイヤー以外) は、「レイヤー」ビューで管理されます。レイヤーを追加するには、ビュー内の緑の「+」ボタンをクリックします。(ダイアグラムにレイヤーを追加したことがない場合、「ダイアグラムに新しいレイヤーを追加するにはここをクリック (Click here to add a new layer to the diagram)」ハイパーリンクを使用することもできます。)

「レイヤー」ビューでレイヤーを選択すると、そのレイヤーがアクティブになります。ビューでは、アクティブなレイヤーが強調表示されます。レイヤーがアクティブなとき、ダイアグラムに作成する新しい図形とコネクターは、自動的にアクティブなレイヤーに追加されます。既存の図形とコネクターをレイヤーに追加するには、ダイアグラムの要素を選択し、「レイヤー」ビューの「ダイアグラム要素をレイヤーに追加」ボタンをクリックします。

「レイヤー」ビュー内の各レイヤーの左にある 3 つのボックスは、レイヤーの可視性の管理 (左)、レイヤーのロック (真ん中)、および選択 (右) に使用します。レイヤーが可視の場合、一番左のボックスに目が表示されます。このボックスをクリックすると、レイヤーが非表示になります。

注:
レイヤーを非表示にすると、レイヤー内の図形をレイヤー外の図形に接続するコネクターも非表示になります。これによって図形の接続先が空白にならないようにします。

真ん中のボックスは、レイヤーのロックとアンロックを切り替えるものです。レイヤーをロックすると、ダイアグラムでそのレイヤーが編集不可になります。ただし、ロックされたレイヤー上の図形は、モデルの変更があると更新されます。たとえば、図形の下にある要素がクラスの場合、そのクラスの名前を変更すると、ダイアグラムの要素の名前は自動的に更新されます。同様に、そのクラスを削除すると、ダイアグラムの要素も削除されます。

一番右のボックスは、要素を選択する場合と、ダイアグラムで要素が選択されているかどうかを示す場合に使用します。この選択ボックスをクリックすると、ダイアグラムのレイヤー内の要素がすべて選択されます。同様に、レイヤーに属している要素をダイアグラムで選択すると、この選択ボックスにカーソルとサークルが表示されます。また、レイヤー上でダブルクリックすると、レイヤー内の要素がすべて選択されます。

ヒント:
図形が重なっている込み入ったダイアグラムでは、図形の表示順を素早く並べ替える (図形を他の図形より手前に表示させる) と便利です。図形をレイヤー内に配置するとき、最上位レイヤーがダイアグラムの前面に表示され、最下位レイヤーはダイアグラムの一番下に表示されます。その後、コンテキスト・メニューの「フォーマット)」>「順序」の順に選択して順序を指定すると、レイヤーの表示順の再計算を要求する操作 (「上へ (Up)」または「下へ (Down)」ボタンを使用してレイヤーの表示順を替えるなど) を実行しない限り、指定どおりの順序になります。

レイアウト

ダイアグラムに図形を配置する方法が大幅に改良されました。Rational Software Architect は、ILOG 統合によって提供された評価の高いレイアウト・アルゴリズムを採用しています。改良されたレイアウトのほかにも、多数のレイアウト・オプションがあります。マウスを数回クリックするだけで、すべての要素を事前に設定した多数のレイアウト構成でダイアグラムに自動的に配置できます。

図 16 のダイアグラムを見てください。図形は 5 つしかありませんが、コネクターの処理に苦心して、すっかり混乱しています。

図 16. 下手なレイアウトでコネクターが図形と重なっているダイアグラム

このようなレイアウトなら改善できます。自動的に改善するには、ダイアグラム表示面を選択して「プロパティー」ポップアップ・ウィンドウを表示させます。次に、「グラフ・レイアウト」プロパティー・ページを選択します。事前に定義したレイアウトのいずれかを選択し、「選択したグラフ・レイアウト構成を適用」をクリックします。これでダイアグラムは手間をかけず非常にすっきりします。

図 17.「グラフ・レイアウト」プロパティー・ページでダイアグラムのレイアウトを管理

クリックして大きなイメージを見る

図 17.「グラフ・レイアウト」プロパティー・ページでダイアグラムのレイアウトを管理

注:
ダイアグラムのレイアウト中にアニメーションをオフにするには、「設定」ダイアログを表示させて「モデリング」>「外観」の順に選択します。次に、「パフォーマンスのためにレイアウトを最適化」チェック・ボックスにチェック・マークを付けます。


次回の記事について

この記事では、Rational Software Architect V8.0 の UML Modeler コンポーネントの新しい機能について、その概略を説明しました。これらの機能強化を利用すれば、すっきりしたダイアグラム、問題の防止と解決、およびコラボレーションをサポートするワークフローを重視した、従来以上に効果的かつ効率的なモデリングが可能になります。

この 3 部シリーズの次回の記事では、以下の分野に関する、他の UML モデリング特有の機能強化をとりあげます。

  • 「プロジェクト・エクスプローラー」ビュー
  • 検索
  • モデルの検証
  • リファクタリング
  • モデルのフラグメント化
  • プロファイル
  • UML 準拠性
  • 視点とアクティブな言語

謝辞

著者は、この記事のレビューを担当した Dusko Misic と Michael Hanner の両氏、ならびに編集を担当した Judith Broadhurst 氏に謝意を表します。

参考文献

学ぶために

製品や技術を入手するために

  • 以下の試用版をダウンロードしてください。
  • 以下のうち、あなたに最も適した方法で IBM Rationalソフトウェアを評価してください。試用版をダウンロードする、オンラインで試用する、クラウド環境で使用する、あるいは SOA Sandbox(US) を数時間利用することで、サービス指向アーキテクチャーの効率的な実装方法を学ぶ。

議論するために

コメント

developerWorks: サイン・イン

必須フィールドは(*)で示されます。


IBM ID が必要ですか?
IBM IDをお忘れですか?


パスワードをお忘れですか?
パスワードの変更

「送信する」をクリックすることにより、お客様は developerWorks のご使用条件に同意したことになります。 ご使用条件を読む

 


お客様が developerWorks に初めてサインインすると、お客様のプロフィールが作成されます。会社名を非表示とする選択を行わない限り、プロフィール内の情報(名前、国/地域や会社名)は公開され、投稿するコンテンツと一緒に表示されますが、いつでもこれらの情報を更新できます。

送信されたすべての情報は安全です。

ディスプレイ・ネームを選択してください



developerWorks に初めてサインインするとプロフィールが作成されますので、その際にディスプレイ・ネームを選択する必要があります。ディスプレイ・ネームは、お客様が developerWorks に投稿するコンテンツと一緒に表示されます。

ディスプレイ・ネームは、3文字から31文字の範囲で指定し、かつ developerWorks コミュニティーでユニークである必要があります。また、プライバシー上の理由でお客様の電子メール・アドレスは使用しないでください。

必須フィールドは(*)で示されます。

3文字から31文字の範囲で指定し

「送信する」をクリックすることにより、お客様は developerWorks のご使用条件に同意したことになります。 ご使用条件を読む

 


送信されたすべての情報は安全です。


static.content.url=http://www.ibm.com/developerworks/js/artrating/
SITE_ID=60
Zone=Rational
ArticleID=699892
ArticleTitle=IBM Rational Software Architect V8.0 の UML モデリング機能の更新: 第1回 モデリング・パースペクティブ、プロパティー、ナビゲーション、およびダイアグラムの機能強化
publish-date=07082011