レベル: 初級 Martin Streicher (mstreicher@linux-mag.com), Editor in Chief, Linux Magazine
2005年 11月 15日 オープン・ソース・ライセンスは、オープン・ソース・コード普及のための法的根拠となっています。2回シリーズの第2回であるこの記事では、オープン・ソース・ライセンスとして最も人気のある2つの形式、すなわち、アカデミック・ライセンスと相互(reciprocal)ライセンスについて解説し、それぞれの条件を受け入れたライセンシーの義務について述べます。
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これは法律上の助言ではありません
このシリーズは、オープン・ソース・ライセンシングの基本を読者に紹介することを目的としています。オープン・ソース・ライセンシングも著作権も、確立された法律分野ではありません。どちらも、このシリーズの発表後も引き続き進化し続けるでしょう。その結果、このシリーズの細部が時代遅れになる可能性もあります。
また、このシリーズの発行に関与した著者も編集者も、免許を持った法律家ではなく、著者はIBMの社員でもありません。このシリーズは法律上の助言を意図したものではありません。したがって、著作権問題に関する決定を下すには、弁護士に相談してください。
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民間伝承の伝説では、サンドイッチを発明したのは、サンドイッチ伯爵ジョン・モンタギュー4世ということになっています。伝説では、モンタギューはギャンブルに興じるのに忙しく、まともな食事を取る暇もなかったので、手とトランプを汚さずに食べられるように、2枚のパンの間にローストビーフを挟むように命じました。まあ、わがままが発明の母になることもあるわけです。
サンドイッチの伝説が事実かどうかは別として、まったくの偶然による発明が思いがけず大きな影響をもたらすことがあるのは否定できません。組み替え可能な活字、火薬、サンドイッチ、内燃機関、電球、電話、トランジスター、そしてインターネットのことを考えてみてください。
おそらく、この中で最も印象的なのは、少なくともわれわれの世代にとっては、インターネットの発明でしょう。それは主に、インターネットが今も発明され続けているからであり、また、インターネットは非常に短期間にごく当たり前のものになり、商業、通信、文化、悪事に影響を与えているからです。モンタギューならば、ブラウザーをこよなく愛したことでしょう。
そして、きっと、これを読んでいる皆さんは、インターネットがソフトウェア開発を大きく変えたことに感謝しているでしょう。ソース・コードは、かなり昔から掲示板や特定のUsenetニュースグループに登場していましたが(1986年に、他のどこからRogueの最新版をダウンロードできたでしょうか)、共有が一般化したのは、高速でグローバルなインターネットのおかげです。
おそらく、インターネットの基盤であるプロトコル、バックボーン、サーバー以上に、ソース・コードとアイデアの交換を容易にしたのは、オープン・ソース・ライセンスです。実際、Linux®、Apache、MySQL、Perl、PHP("LAMP"スタック)など、インターネットで最も有用なアプリケーションの多くは、オープン・ソース・ライセンスによって提供されています。オープン・ソース・ライセンスは、ソフトウェアに固有の著作権を広く、公平に、可能な限り少ない制限で許諾しようとしています。
オープン・ソース・ライセンスの目的
特に、次の5つの基本目的は、すべてのオープン・ソース・ライセンスに共通です(弁護士Lawrence Rosenの著書『Open Source Licensing: Software Freedom and Intellectural Property Law』より許可を得て引用)。
- ライセンシーは、いかなる目的でもオープン・ソース・ソフトウェアを自由に使用することができる。
- ライセンシーは、ライセンサーに使用料を支払うことなく、オープン・ソース・ソフトウェアのコピーを自由に作成することができ、それらのコピーを自由に配布することができる。
- ライセンシーは、ライセンサーに使用料を支払うことなく、オープン・ソース・ソフトウェアの派生版を自由に作成することができ、それらの派生版を自由に配布することができる。
- ライセンシーは、オープン・ソース・ソフトウェアのソース・コードに自由にアクセスして、使用することができる。
- ライセンシーは、オープン・ソースと他のソフトウェアを自由に組み合わせることができる。
これらの目的はすべて肯定文です。ライセンサーまたはライセンシーが追加の条件を課すことを禁じる文章はありません。実際には、オープン・ソース・イニシアティブ(OSI)が承認した50以上ものライセンスがOpensource.orgにリストされていて、それぞれ独自の方法、要件、および制限を備えています。
50ものライセンスがあるというのは驚くべきことに思えるかもしれませんが、その大半は2種類に分けることができます。すなわち、アカデミック・ライセンスと相互ライセンスです。
- Berkeley Software Distribution(BSD)ライセンスなどのアカデミック・ライセンスでは、いかなる種類の期待も伴わずに任意の目的でソフトウェアを使用することができます。アカデミック・ライセンスで取得したソフトウェアは、自由に改変、販売、再配布、サブライセンスすることができ、他のソフトウェアと組み合わせることができますが、他のソフトウェア・ライセンスがそのような組み合わせを除外している場合があるので注意が必要です。(アカデミック・ライセンスは本来、大学が学術的な作品を一般大衆にライセンスするために作成されたことからこのような名前になっていますが、ライセンサーまたはライセンシーは学術機関でなくても、アカデミック・ライセンスに従うことができます。)
- 典型的なGNU一般公衆利用許諾契約(GPL)などの相互ライセンスでも、任意の目的でソフトウェアを使用できますが、派生版はまったく同じライセンス条件で再ライセンスしなければなりません。アカデミック・ライセンスと同様、相互ライセンスでライセンスされた作品は、公益が目的です。ただし、相互ライセンスは一歩進んで、すべての派生版も公益に利することを確実にしようとしています。
アカデミック・ライセンス
アカデミック・ライセンスで提供されたソフトウェアは、基本的には「ギフト」です。自由に使うことができ、自分で選んだ新しいライセンスで派生版を再ライセンスできます。
BSDライセンスはアカデミック・ライセンスであり、Apacheソフトウェア・ライセンスやMITライセンスも同様です。MITライセンスは特に簡潔ですが、アカデミック・ライセンスの好例です(MITライセンスの保証条項とソフトウェアの保証に関する説明は、簡潔にするために割愛しました)。
| MITライセンスからの抜粋 |
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Copyright (c) 年, 著作権保持者
本ソフトウェアおよび関連の文書ファイル(以下「本ソフトウェア」)の複製を取得するすべての人に対し、本ソフトウェアを無制限に扱う許可(本ソフトウェアの複製を使用、複写、変更、結合、公開、配布、サブライセンス、および/または販売する権利と、本ソフトウェアを提供する相手に同じことを許可する権利を含むがそれらに限られない)が無償で与えられる。ただし、以下を条件とする。
上記の著作権表示とこの許諾表示を本ソフトウェアのすべての複製または重要部分に記載しなければならない。
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要するに、MITライセンスは、オープン・ソース・ライセンスの5つの目的と軌を一にするものです。「許可(permission)」という単語はライセンスを意味しています。「無償」とは、ライセンサーに報酬が支払われないことを意味します。「無制限に(複製を使用、複写、変更、結合、公開、配布、サブライセンス、および/または販売する権利を含むがそれらに限られない)」という句は、複写、ソース・コードへのアクセス(「変更」)、組み合わせ(「結合」)、再配布、そして利益(「販売」)すら認めています。「サブライセンスする権利を含むがそれらに限られない」という句は、特に重要です。この句は、ライセンシーがライセンスを与えることを認めていますが、そうするようにライセンシーに強制しているわけではありません。さらに、ライセンシーはサブライセンス条項を設けることができます。これについて、MITライセンスはいかなる制限も課していません。著作権表示を一字一句変えずに含めなければならないという条件だけは、すべてのライセンシーにわずかな負担を課していますが、それ以外はライセンシーにとって不利な条件はありません。
相互ライセンス
すべてのオープン・ソース・ライセンスの中で、GPLは最も広く使用され、最も大きな影響力を持っています。Free Software FoundationのRichard Stallmanによって書かれたGPLは、ソフトウェア開発者に条件への同意と同時に他のソフトウェア開発者への利益提供を求めています。「あなたはこのソース・コードを自由に使用できますが、ソース・コードを変更して、その変更内容を何らかの形で配布する場合は、あなたのソース・コードをこの非常に寛大な条件で他の人に提供しなければなりません。」
具体的には、GPLは次のように規定しています。
| GNUライセンスからの抜粋 |
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本プログラムまたはその一部を改変して、本プログラムに基づく著作物を形成し、そのような改変内容または著作物を複製し配布することができる。ただし、以下を条件とする。本プログラムまたはその一部を全体的または部分的に含むか、本プログラムまたはその一部から派生し、あなたが配布または公開する著作物は、このライセンスの条件の下で全体として無償ですべての第三者にライセンスされなければならない。
これらの要件は改変された著作物に全体として適用される。著作物の識別可能な一部が本プログラムから派生したものではなく、独立したものであり、単独で動作すると妥当に考えられる場合、それらの部分を個別の著作物として配布するときには、本ライセンスおよびその条件はそれらの部分に適用されない。
ただし、同じ部分を、全体が本プログラムに基づく著作物の一部として配布するときには、全体の配布は本ライセンスの条件に従わなければならず、本ライセンスが他のライセンシーに与える許可は全体に及び、したがって、誰が書いたかに関係なく、すべてのいかなる部分にも及ぶ。
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GPLの全文はかなり長いですが、上記の2項は、GPLの発展的な考え方を表しています。
- ライセンスされるソフトウェは、ソース・コード形式で提供される(また、他の条項に従って、他の形式で提供することもできる)。
- ライセンスされるソフトウェアは、いかなる目的のものでもよく、いかなる目的でも使用できる。
- ライセンスされるソフトウェアは、自由に改変でき、他のソフトウェアと組み合わせて派生版を作成することができる。
- ライセンスされるソフトウェアは再配布できる。
MITライセンスと同様、GPLもオープン・ソース・ライセンスのすべての基準を満たしています。その互恵主義は、追加条項にすぎません。
GPLに基づいてライセンスされたソフトウェアを販売できるのでしょうか。もちろんできます。たとえば、gccをダウンロードし、お気に入りのLinuxフレーバー向けにビルドして、それらのバイナリを有料で他の人に提供できます。ただし、改良を加えた場合でも、ソース形式でもソフトウェアを提供しなければなりません。
自分のソフトウェアにGPLソフトウェアを含めることができるでしょうか。できます。ただし、あなたの義務は、どのような方法でコードを含めたかによって違ってきます。GPLコードと自分自身で作成したコードからビルドしたバイナリを配布する場合は、そのバイナリの再作成に必要なすべてのソース・コードを利用可能にしなければなりません。しかし、あなたのソフトウェアが集合的な著作物である場合、すなわち、あなたの著作物である部分とGPLに基づいて提供された部分との集合である場合は、GPLコードだけを利用可能にする必要があります。また、少なくともLinuxの作成者でありチーム・アーキテクトであるLinus Torvaldsによれば、GPLコードにリンクされたコード(たとえば、バランスの取れたバイナリ・ツリーのGNUライブラリーであるlibavlにリンクされたコード)は、互恵主義の対象ではありません。
オープン・ソース・ライセンスの使用
MITライセンスとGPLは、どちらも有効なオープン・ソース・ライセンスですが、目的の達成方法が異なります。どちらが良いということはありません。それぞれ適した用途が異なるからです。
しかし、このことは、オープン・ソース・ライセンスの中には他と互換性のないものがあるということを浮き彫りにしています。奇妙なことに、モジュールAとモジュールBがCで作成され、どのコンパイラーでも容易に結合できるとしても、モジュールのそれぞれのライセンスのせいで組み合わせることができない場合もありえます。
あなたのプロジェクトでオープン・ソース・コードを採用する場合は、同意したライセンスのすべてに従って、ライセンシーとしての義務のすべてを認識していなければなりません。一般に、集合的な著作物の中でライセンスの異なるコードを組み合わせることには、何の問題もありません。それぞれ独立した著作物はそれぞれの著作権とライセンスを保持し、集合的著作物そのものは、パッケージャーが選んだ個別のライセンスの下に全体として配布されるのが一般的です。
派生版は、これよりはるかに複雑です。たとえば、相互ライセンスによってライセンスされたソフトウェアを採用して組み込んだ場合、同じ単一のライセンスの排他的条件に従って、派生物があらためて提供されなければなりません。明らかに、GPLに従ってライセンスされたコードを別の相互契約に基づいてライセンスされたコードと組み合わせることはできません。
しかし、GPLコードはBSDおよびMITライセンス・コードと組み合わせることは自由にできます。ただし、あいにく、GPLの著者たちは(前例ではなく解釈によって)、Apacheライセンスは互換性がないと主張しています。やはり、すべてのオープン・ソース・ライセンスが等しく作成されているわけではありません。異なるオープン・ソース・ライセンスによって規制されているコードを採用する必要がある場合は、資格を持った弁護士に相談してください。
無料で、自由に
GPLの批判者は、このライセンスは憲法違反であると主張しています。GPLの互恵主義に反感を覚えている人もいます。また、Free Software Foundationに対して訴訟を起こした原告もいます。その原告は、GPLはソフトウェアの価格を0ドルに固定しようとしていて、原告がソフトウェア開発者として生活することを拒んでいると主張しています。
しかし、オープン・ソース・ライセンスは法律を作ろうとしているわけではありません。この記事で見てきたように、オープン・ソース・ライセンスは著作権法に忠実に従いつつ、コードを可能な限り広く共有したいという著作権保持者の願いを表現しようとしているものです。コードをオープン・ソースとしてライセンスするように強制するものは何もなく、オープン・ソース・ライセンスの条件に同意しなければならないと強制するものもありません。あなたは、ビルドするか、購入するか、借りるか、自由に選ぶことができます。借りる(そして貸す)ことを選ぶ開発者が増えるにつれて、オープン・ソースはあらゆる意味でお買い得品となりつつあります。
参考文献 学ぶために
製品や技術を入手するために
議論するために
著者について  | |  | Martin StreicherはLinux Magazineの編集長です。以前はBerkeley Systemsのエグゼクティブ・プロデューサーとして、YOU DON'T KNOW JACK(ゲーム)やAfter Darkを含め、様々な賞を受けたソフトウェアを開発してきました。彼はPurdue Universityにて、コンピューター・サイエンスで修士を取得しています。卒業後初めての仕事は、CONVEXスーパーコンピューター用のUNIXプログラミングでした。 |
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