レベル: 初級 William B. Zimmerly (bill@zimmerly.com), Freelance Writer and Knowledge Engineer
2006年 10月 10日 料理本のようなガイドを手に、Apache Geronimo をダウンロード、インストールして、生産的に使用できるように構成してください。ちょっとした味付けをあれこれ加えると、最先端の Java 2 Platform, Enterprise Edition (J2EE) 認定サーバーというごちそうが完成します。
今月のごちそうは Apache Geronimo です。キッチンを整えて、さっそく料理を始めることにしましょう。腕のいいシェフなら誰でも、キッチンをセットアップするための独自の秘訣を持っているものです。そこで、まずは料理の舞台となる、Linux® 実行サーバー上の X ベース VNC (Virtual Network Computing) サーバー (Xvnc) セッションから取り掛かることにします。
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シェフではないという方もご安心ください。この記事では、Geronimo を短時間で立ち上げて実行する手順を段階的に説明します。嬉しいことに、料理が終わった後の皿洗いの心配もありません。 |
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注: この記事では、サーバーが Red Hat Linux を実行していること、そしてモニターの画面サイズが 1024 x 768 であることを前提としています。その他のバージョンの Linux では、ファイルの場所が異なる場合があります。
料理の舞台にふさわしい最小のセットアップは、2 つの xterm ウィンドウと、Xvnc セッションでの作業を教育的かつ楽しいものにする 2、3 のツールです。このことを踏まえて、以下のステップを実行してください。
- サーバーで xterm ウィンドウを起動し、ディレクトリーを $HOME/.vnc に移動します。ここには、xstartup というファイルがあるはずです。
- このファイルを xstartup.original と名前変更して保存し、お好みのエディターを開始して リスト 1 に示すコンテンツで新規 xstartup ファイルを作成します。
リスト 1. xstartup ファイルのコンテンツ
#!/bin/sh
xterm -g 135x20+0+0 &
xterm -g 135x30+0+300 &
xclock -g +840+0 -digital -update 1 &
xclock -g +840+65 -update 1 &
xload -g +840+265 &
twm &
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- vncserver を実行して Xvnc セッションを開始し、サーバーの xterm ウィンドウを最小化します (このセッションの実行をより永続的にする方法はいくつかありますが、それについてはこの記事の範囲外です)。
- コンピューターで VNC ビューアー・プログラムを開始し、サーバーに接続します。
Xvnc セッションがコンピューターで実行中になったら、キッチンのセットアップは完了です。これで、材料を揃える作業に取り掛かれます。このシステムの賢い使い方は、上部の xterm ウィンドウは .man ファイルやその他の文書用に使用し、サイズの大きい方の下部の xterm ウィンドウは、システムのインストール、ビルド、テストを行うコマンドを実行する作業エリアとして使用することです。
Java 環境
キッチンのセットアップが完了したら、今度は両方のレシピに共通の材料、Java SDK (Software Development Kit) をダウンロードしてインストールします。実行する Java のバージョンは 1.4.2 以降でなければなりません。これは、Sun Microsystems の Web サイトからダウンロードできます (リンクについては「参考文献」を参照)。必要となるファイルは、j2sdk-1_4_2_11-nb-5_0-linux.bin です。
このファイルをインストールするには、スーパーユーザーになってファイルを実行可能にしてから、ファイルを実行します。リスト 2 のコードに、このプロセスを概略します。
リスト 2. Java SDK のインストール
$ su
Password: <root password>
# chmod +x j2sdk-1_4_2_11-nb-5_0-linux.bin
# ./j2sdk-1_4_2_11-nb-5_0-linux.bin
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上記のコードはインストーラーを実行します。インストーラーの実行が完了すると、便利な Java ツールキットが Geronimo のビルドとテストに使用できるようになりますが、このツールキットを使用するには仕上げのステップが必要です。$HOME/.bashrc ファイルに、以下の行を追加してください。この 2 つの行は、(1) シェルが更新済み Java バイナリーをツールキットで調べるようにし、(2) Geronimo コードが JRE (Java Runtime Environment) を検索する場所を定義します。
export PATH=/opt/j2sdk1.4.2_11/bin:$PATH export JAVA_HOME=/opt/j2sdk1.4.2_11/jre
すべてが正しく行われたかどうかを調べるには、新しい xterm ウィンドウを開いて、リスト 3 のコマンドを入力します。
リスト 3. Java SDK のテスト
$ java -version
java version "1.4.2_11"
Java(TM) 2 Runtime Environment, Standard Edition (build 1.4.2_11-b06)
Java HotSpot(TM) Client VM (build 1.4.2_11-b06, mixed mode)
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上記に示すように、このコマンドによってバージョンが表示されます。このバージョンが正しければ、いよいよ Geronimo の料理を開始できます。
バイナリーか、ソースか
Geronimo をコンピューターにセットアップするには 2 つの基本的な方法がありますが、それぞれに利点と欠点があります。この記事では両方の方法を取り上げ、それぞれに関する賛成論と反対論を紹介します。この方法の違いを決定付けるのは、バイナリーで開始するか、それともソースで開始するかです。この記事の第一の関心事は Geronimo をインストールすることですが、取り上げるオープン・ソース・ソフトウェア・パッケージが何であれ、このコンセプトはほとんどすべてに共通します。
一般的に、バイナリーからインストールする方がソースからインストールするよりも簡単です。その理由は、バイナリーからインストールする場合はソース・モジュールが要らないため、コンピューターのリソースをコンパイルしたり、コードをリンクするのに時間を費やさなくても済むからです。また、通常は使用するディスク・スペースも少ないため、簡単に学ぶことができます。
一方、ソースからのインストールは、プログラマーが固有のツール (コンパイラー、リンカー、作成およびバージョン管理ツール) を使ってコードを完成し、オペレーティング・システムとインターフェースを取るために必要なすべての作業を学ぶ貴重な機会となります。ソース・モジュールから Geronimo がどのようにその機能を実行するかがわかるだけでなく、野心的なプログラマーにとっては、バグ修正、新規機能、そして新しいサンプルや資料を提供して Geronimo チームの一員になるチャンスにもなります。
材料を揃える
腕のいいシェフなら、あらかじめ必要な材料を揃えることを知っています。必要な材料はすべて、インターネットで見つかります。それぞれのアーカイブに特定の URL については、この記事の最後にある「参考文献」セクションを参照してください。Geronimo をバイナリーからインストールする場合に必要となるのは、geronimo-tomcat-j2ee-1.0.tar.gz ファイルです。
一方、Geronimo をソースから料理する場合は、以下のファイルが必要になります。
- subversion-1.3.2.tar.gz
- maven-1.0.2.tar.gz
- geronimo-1.0-src.tar.gz
バイナリーからのインストール
Java 技術と Geronimo という 2 つの材料だけが必要なバイナリー・インストールでは、スタートからゴールまでの「距離」が短縮されるため、Geronimo をコンピューターにインストールして実行する最短方法となります。
ソース・ディレクトリーがホーム・ディレクトリーにあると好都合です。このソース・ディレクトリーは慣例で src と呼ばれ、ここに興味のあるすべてのオープン・ソース・プロジェクトをインストールしてビルドすることができます。すべてを一定の場所に保管できるということは、以前にビルドしたものをあちこち探す必要がなくなるということです。オープン・ソース・コミュニティーでの慣例として、提供する .tar ファイル・アーカイブは、src ディレクトリーから実行するとプロジェクトのホーム・ディレクトリーを単純明快に src ディレクトリーの直下にインストールします。リスト 4 は、コンピューターをセットアップするシーケンスです。
リスト 4. ソース・ディレクトリーを作成するシーケンス
$ cd $HOME
$ mkdir src
$ cd src
$ mkdir geronimo
$ cd geronimo
$ mkdir binary
$ mkdir source
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上記の目的は、バイナリー・インストールを src/geronimo/binary ディレクトリーにインストールし、ソース・インストールを src/geronimo/source ディレクトリーにインストールすることです。これによって異なるビルドが互いに近くに配置されるため、その違いが調べやすくなります。以下のコマンドで、binary ディレクトリーに移動し、tar コマンドを実行して該当フォルダー内にディレクトリー・ツリーを作成します。
$ cd binary $ tar -zxvf $HOME/downloads/geronimo-tomcat-j2ee-1.0.tar.gz
これで、Apache Geronimo のバイナリー・インストールをテストする準備が整いました。
バイナリー・インストールをテストする
インストールが万事うまくいっていれば、xterm ウィンドウで以下のコマンドを入力すると Geronimo が開始されます。
$ cd $HOME/geronimo/binary $ java -jar bin/server.jar
コマンドを入力して Geronimo サーバーを起動したら、xload アプリケーションの出力を観察してください。このアプリケーションは、Geronimo がその機能と、デプロイされた組み込み Web アプリケーションを開始するときにサーバーが使用するリソースをグラフで示します。
Geronimo Application Server Started というテキストが表示されたら、サーバーのテストを開始できます。Web ブラウザーを開き、次にバイナリー・インストール・パッケージでインストールされた Web アプリケーションを開きます。最初に入力する URL は、http://<server>:8080/ です。この URL を入力するとウェルカム・ページが表示され、Geronimo が正常にセットアップされたことを示します。
パッケージを把握する
ウェルカム・ページでは、Samples ハイパーリンクをクリックして、パッケージに付属している各種サンプル Web アプリケーションを試してみることができます。また、各サンプルに関連付けられたソース・コードを表示して、Geronimo の使用方法を詳しく調べることもできます。
このページにはまた、Geronimo の資料作成と改善に参加できる Geronimo ホーム・ページとプロジェクトのウィキへのリンクがあります (誰でも自由にシステムの発展に貢献できます)。その他の重要なリンクとして、バグ追跡システムや Geronimo のさまざまなサブプロジェクトなどもあります。
バイナリー・インストールでサンプルと一連のリンクをひと通り確認し終わったら、Geronimo を開始した xterm ウィンドウをカレント・ウィンドウにして、シャットダウン・プロセスを開始する Ctrl-C を押してサーバーを停止します。
Subversion と Maven
Java 技術とバイナリー Geronimo インストールがインストールされたことを条件として、ソース・インストールを支援するツールのインストール作業に取り掛かれます。まず必要なのは、Apache Maven です。このソフトウェア・プロジェクト管理ツールは、プロジェクトのビルド、レポート、そして文書化を自動化します。アーカイブをダウンロードしたら、以下のコマンドを使って src ディレクトリーにインストールしてください。
$ cd $HOME/src $ tar -zxvf maven-1.0.2.tar.gz
次に $HOME/.bashrc ファイルに以下の行を追加して、Maven バイナリー・ファイルの位置を指定するとともに、このファイルに必要なその他のファイルを見つけられるようにします。
export MAVEN_HOME=$HOME/src/maven-1.0.2 export PATH=$HOME/src/maven-1.0.2/bin:$PATH
次のステップは、ローカル Maven リポジトリーを作成することです。それには、インストール・アーカイブに組み込まれている以下のスクリプトを実行します。
$ $MAVEN_HOME/bin/install_repo.sh $HOME/.maven/repository
最後に新規 xterm セッションを開始し、コマンド・ラインに以下のコマンドを入力して Maven が正しくインストールされていることを確認します。
$ maven -v
次にインストールする材料は、Subversion です。これは、Apache Geronimo チームが geronimo モジュールを管理するために使用するオープン・ソース・バージョン管理システムです。Subversion をインストールしてビルドするには、リスト 5 に示すコマンドを使用します。
リスト 5. Subversion のインストールとビルド
$ cd $HOME/src
$ tar -zxvf subversion-1.3.2.tar.gz
$ cd subversion-1.3.2
$ ./configure
$ make
$ su
Password: <root password>
# make install
# exit
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Subversion が正しくインストールされたことを確認するには、以下のコマンドを入力します。
$ svn --version
Maven と Subversion の両方をインストールしたら、Geronimo ソースをインストールしてシステムをビルドする手順に進みます。
ソース・モジュールのインストール
ソース・モジュールから Geronimo をインストールするのはバイナリーからのインストール・プロセスよりも時間がかかりますが、システムを十分に知ることに大きな重点を置いているとしたら、この方法を実行する価値は大いにあります。事態が思うように進まない場合、あるいはセットアップをカスタマイズしたい場合には、ソースから Geronimo をインストールするのが最善の方法です。まず、以下のコマンドを使用して、ソース・アーカイブを解凍してください。
$ cd $HOME/src/geronimo/source $ tar -zxvf geronimo-1.0-src.tar.gz
この時点からは、コンピューターをインターネットに接続して、元のソース・モジュールには含まれていないモジュールをビルド・プロセスでダウンロードできるようにする必要があります。最初に実行するコマンドは、最新のソースのチェックアウトを完了するためのものです。
$ maven m:fresh-checkout
最新のソースのチェックアウトを実行すると、少し時間がかかりますが、これが完了すると Build Successful メッセージが表示されます。このメッセージが表示されたら、以下のコマンドを実行して新たにチェックアウトされたモジュールをビルドします。
$ maven new -Dmaven.test.skip=true -Dmaven.itest.skip=true
これで、システムによってすべての Geronimo パーツがビルドされます。システムがビルドを完了した時点で、もう一度 Build Successful メッセージを目にするはずです。
まとめ
ここで、一つの注意事項があります。Apache Geronimo プロジェクトは現在進行中で、モジュールとそのリポジトリーの状態は流動的であるため、ソースのビルド手順が失敗に終わることも考えられます。Geronimo は多数の関係者が関わる新しい共同作業です。そのため、(その他の多くのオープン・ソース・プロジェクトで使用しているように) 元々のパッケージ以外にはダウンロードが要らない静的ビルドではなく、ビルド・ツールで自動的にソースをダウンロードする方法を使用すると問題が発生する可能性があります。Geronimo は有名な J2EE 標準の新たなオープン・ソース・インプリメンテーションですが、まだ多くの作業が必要です。何を言いたいかといえば、それは「辛抱」の一言に尽きます。完成した暁には、このごちそうは待った甲斐のあるものになっているはずです。
参考文献 学ぶために
製品や技術を入手するために
議論するために
著者について  | 
|  | Bill Zimmerly は知識エンジニア、各種バージョンの UNIX® および Microsoft® Windows® ソフトウェアの専門知識を持つ下位システムのプログラマー、そしてロジックの崇拝者でもあり、新しい技術を生み出し、その技術についての記事を書くことに熱意を燃やしています。Bill は、新鮮な空気と素晴らしい景色に溢れ、そして優れたワイナリーが点在するミズーリ州ヒルズボロに住んでいます。 |
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