IBM Lotus Instant Messaging/Web Conferencing は、企業ユーザーのコミュニティに、在席確認 (ユーザーやアプリケーションがオンラインまたは利用可能かどうかを判断する機能)、インスタント・メッセージング/チャット、Web 会議など、リアルタイムのコラボレーション機能をもたらします。Lotus Instant Messaging 6.5.1 (以前の Sametime) は、スタンドアロンの製品として提供されています。また、Lotus Instant Messaging は、Lotus Notes/Domino および IBM Workplace などの他の IBM テクノロジーと密接に統合することができます。(リリース 6.5.1 から、Lotus Instant Messaging は Lotus Notes/Domino と同じリリース・スケジュールとバージョンで出荷されています。サポートするオペレーティング・システム、言語、およびブラウザも共通です。)
長い年月をかけ、Lotus Instant Messaging は、企業内で最も価値があり、よく使用されるツールの 1 つとして成長してきました。実際に、必要性があまりにも高いため、企業外部の Lotus Instant Messaging ユーザー・コミュニティとも対話できるよう、機能の拡張を希望するユーザーも少なくありません。このアイデアに興味を持たれた方は、ぜひ続きをお読みください。
この記事では、異なる Lotus Instant Messaging コミュニティ間を接続する方法について解説します。最初の例では、IBM 内部の 2 つの Lotus Instant Messaging コミュニティを接続します。2 番目の例では、外部の Lotus Instant Messaging コミュニティを IBM 内部の Lotus Instant Messaging 環境に接続します。この外部環境は、IBM の大規模なお客様企業の 1 つに属しています。私たちは、SIMPLE (SIP for Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions) プロトコルを使用してこれらの接続を作成しました。SIMPL は、Internet Engineering Task Force (IETF) によって定義された標準である SIP (Session Initiation Protocol) へのアドオンです。業界内部では、SIMPLE は新しい Instant Messaging and Presence Protocol (IMPP) の基礎を形成するだろうと予測する声もあります。もともと SIP は voice over IP (VoIP) 用に開発されましたが、それ以降は Web 会議、ライブビデオ、その他のメディアへのサポートが組み込まれてきました。SIMPLE は、Microsoft、IBM、Sun、Novell、および業界の他のリーダー企業によってサポートされています。
この記事のまとめでは、Lotus Instant Messaging コミュニティを拡張して Web ユーザーを含められるようにする最新の機能についても簡単に触れます。これは、インスタント・メッセージング・クライアントを必要としない画期的な機能です。この記事の目的は、自社の SIP 準拠インスタント・メッセージング・コミュニティを他のコミュニティと接続する際に役立つように、私たちが得た知識を共有することです。この記事は、Lotus Instant Messaging に習熟した経験豊富なシステム管理者を対象として書かれています。詳細については、developerWorks の Lotus 記事『SIPing with Sametime』を参照してください。
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※注記 |
IBM の主要 Lotus Instant Messaging コミュニティは、250,000 のクライアントで構成されています。これらのクライアントは、中央の WebSphere Edge Server と、チャット・セッションを 4 つのコミュニティサーバー間に振り分ける 10 台のマルチプレクサー (MUX) サーバーに接続します。これらの 4 つのサーバーは、IBM 内部の messaging.ibm.com コミュニティ・クラスターを構成しています。IBM の Sametimeの実装の詳細については、記事『The hitchhiker's guide to Sametime deployment at IBM』および『Life in the fast lane: IBM moves to Sametime 3』を参照してください。
最初の SIP/SIMPLE のインストールでは、IBM の主要 Lotus Instant Messaging コミュニティを、IBM 内の別の小規模なユーザー・コミュニティに接続しました。(この小規模なコミュニティは、Lotus Software ブランドの開発およびサポートを行うユーザーで構成されています。)これらの 2 つの内部コミュニティの接続に成功した後、私たちは Lotus Instant Messaging をお客様企業のサイトまで含めるよう接続を拡張しました。この外部コミュニティには、約 10,000 のインスタント・メッセージング・クライアントが含まれています。(近い将来、この仮想コミュニティをさらに拡張し、他のお客様サイトを追加する予定です。このとき、SIP/SIMPLE を使用してファイアウォールの外側にある外部コミュニティサーバーへ接続することにより、外部インターネットのお客様も IBM ユーザーに接続できるようになります。)
SIP Gateway と SIP Connector
複数のコミュニティを接続するために、Lotus Instant Messaging は SIP Connector
と SIP Gateway を使用します。stgateway.exe ファイルで構成される SIP Gateway
は、コミュニティサーバーを SIP Connector に接続します。Lotus Instant Messaging
6.5.1 では、stgateway.exe は他のファイルとともにデフォルトでコミュニティサーバーにインストールされます。インストール後、Community
Gateway document で [Support External Communities] 設定を True に設定することにより、SIP
Gateway をアクティブにする必要があります。SIP Gateway をアクティブにすると、Lotus
Instant Messaging ユーザーは外部ユーザーを自分のメンバーリストに追加できます。(SIP
Gateway が正しく構成されていない場合は、外部ユーザーを追加するオプションがユーザーに表示されません。)
通常、SIP Gateway はコミュニティサーバー上にありますが、理論的には、MUX および Connector システムと同様に、異なるシステム上に配置することも可能です。しかし、SIP Gateway はコミュニティサーバーと直接通信する必要があるため、コミュニティサーバーの構成で実行されている stgateway.exe のデフォルト構成を使用した方が、クラスター環境での管理が容易です。
Lotus Instant Messaging の各コミュニティには、他の Instant Messaging コミュニティに接続するために、それぞれ個別の SIP Connector が必要です。SIP Connector は、ローカルのコミュニティサーバーの SIP Gateway とはポート 1516 で通信し、リモートの SIP Connector とはポート 5060 および 5061 で通信します。SIP Connector は、Lotus Instant Messaging インストール・メディアの CD2 に収録されていて、簡単にインストールできます。SIP Connector は、コミュニティサーバーとは異なるシステムにインストールしなければなりません (図 1 参照)。
図 1. SIP Connector と SIP Gateway のアーキテクチャー
Lotus コミュニティおよび IBM の主要コミュニティのどちらも、Lotus Instant Messaging を介してクラスター化される複数のコミュニティサーバーで構成されています。各クラスターの 1 つのサーバーが SIP Connector へのインターフェースを提供し、これが 2 つのコミュニティを相互に接続します。SIP Connector は、Sametime.ini ファイルで ConnectorName パラメーターと VPS_HOST パラメーターを設定することにより、自分自身の構成情報をコミュニティサーバーから取得します。ConnectorName の値は、コミュニティサーバーの stconfig.nsf ファイルにある Community Connector document の Connector Name 値に一致する必要があります。コネクタが構成情報を取得するサーバーは、VPS_HOST 値で定義されます。
SIP Gateway および SIP Connector のインストールと構成の詳細については、製品のマニュアルを参照してください。
以下に示すのは、SIP Connector 上の Sametime.ini ファイルのセクションの例です。これらの Sametime.ini パラメータの 1 つに正しくない値を入力すると、コネクタがコミュニティサーバーへの接続を作成できず、繰り返し起動を試みることを示すエラーが sametime.log ファイルに出力されます。
[ExternalCommunity]
ConnectorName=Connector1
[Connectivity]
VPS_HOST=ComSrv1
既存の Lotus Instant Messaging コミュニティサーバーに対して SIP/SIMPLE を構成するときは、stconfig.nsf ファイルでいくつかの文書を設定する必要があります。
Community Connector document
Community Connector document は、ローカル・コネクタの名前、その IP アドレス、およびポートを指定します。私たちは、TLS
IP フィールドと TLS Port フィールドでコネクタの IP アドレスとローカル・コネクタのポートを設定することにより、コミュニティ間で
TLS Encryption オプションを構成しました。IP フィールドが空でポートが 0
の場合、SIP Connector は暗号化されていない接続を作成するための listen は行いません。Supported
Communities フィールドは、このコネクタを、External Community document (この記事で後述します)
の Community name フィールドで定義されているリモート・コネクタに一致させます。
[Connector Name:Connector1
IP:
Port: 0
TLS IP: x.x.x.xx
TLS Port: 5061
Supported Communities: Customer1
Community Connectivity document
Community Connectivity document は、ローカル・コネクタの IP アドレスを指定します。ローカル・コネクタのアドレスは、ローカルの
Community Trusted IPS フィールドに追加する必要があります。
[Community Trusted IPS x.x.x.x;
Community Gateway document
Community Gateway document では、SIP Gateway を有効または無効にすることができます。Support
External Communities フィールドを True に設定すると、SIP Gateway は有効になります。False
に設定すると、SIP は無効になり、外部ユーザーを追加するオプションがクライアントに表示されません。
External Community document
External Community document には、リモートのコミュニティに関する情報が含まれています。この文書の
Community Name フィールドは、Community Connector document の Supported
communities の値に一致しなければなりません。Domain フィールドは、SIP/SIMPLE
のルーティングを行いたい拡張名を示します。DNS and port は、DNS 名 (または
IP アドレス) とリモート SIP Connector の listen 用のポートを示します。私たちは、ポートを
5061 に設定し、Encryption フィールドを Mandatory に設定することにより、TLS
Encryption オプションを構成しました。
[Community Name: Customer1
Domains: Customer1.com
DNS: Connector1
Port: 5061
Encryption: Mandatory
Certificate distinguish name:
外部コミュニティの接続
内部のテストが完了し、IBM コミュニティと Lotus コミュニティの接続に成功した後、私たちは内部コミュニティを外部企業のコミュニティに接続する作業を行いました。このコミュニティを
IBM のコミュニティと接続するために、IBM 社内ファイアウォールの外側に SIP
Connector を配置しました。ファイアウォールは、コネクタからコミュニティサーバーへ向かうポート
1516 を通過させます。また、コネクタは、ポート 5060 と 5061 をコネクタ間のファイアウォールを介して通過させます。私たちは、この記事で前述した方法と同じ方法でコネクタをインストールしました。
一般的に、SIP/SIMPLE では、ネットワーク IP アドレス変換は問題を発生させる原因とはなりません。IBM コミュニティのサーバーとコネクタ間のファイアウォール、および外部企業のコネクタとインターネット間のファイアウォールのどちらも、ネットワーク・アドレス変換の構成を使用しています。
SIP/SIMPLE には、Lotus Instant Messaging クライアントとして Sametime 3.1/Lotus Instant Messaging 6.5.1 以降が必要です。コミュニティサーバーで SIP 構成を正しく設定すると、SIP に対応した コミュニティサーバーにログインしたクライアントには、SIP ユーザーを自分のメンバーリストに追加する新しい外部オプションが表示されます。外部の SIP ユーザーがアクティブになると、Lotus Instant Messaging クライアントは、SIP ユーザー名の横に表示される地球アイコン付きの小さな四角形によってメンバーリスト内の SIP ユーザーを識別できます。通常は、メンバーリストで外部 SIP ユーザーをまとめるグループの名前として、会社名が使用されます。
私たちの例では、ローカル (Lotus Instant Messaging) ユーザーを追加するときと比べ、SIP ユーザーをメンバーリストに追加するときに、いくつかの機能の違いを経験しました。ローカル・ユーザーは無効なユーザーを追加できません。しかし、SIP ユーザーは (他のほとんどのパブリックなインスタント・メッセージング・ネットワークと同様に)、無効なユーザーを追加できてしまいます。これは、SIP ユーザーをメンバーリストに追加するときに、Lotus Instant Messaging が外部の名前検索を実行できないからです。このため、無効な名前を入力すると (たとえば、スペルミスによって)、その無効な名前は永久にオフラインとして表示されます。Lotus Instant Messaging は外部ドメインの LDAP ディレクトリーへのアクセス権を持たないため、名前の検索機能を提供できません。
SIP 接続をセットアップした後、私たちは、接続が正しく機能しているかどうかを検証するためにいくつかのテストを実行しました。同じテストを使用することで、ご自分の環境でも接続が正しく機能しているかを確認できます。
クライアント・メッセージの通知
stgateway プロセスによってメッセージが送信されないときにユーザーのチャット・セッションに表示されるメッセージをカスタマイズできます
(このプロセスの詳細については後述します)。これを行うには、Stgateway.ini
ファイルで VP_IM_FAILED_MESSAGE パラメータを編集します。
[Config]
VP_IM_FAILED_MESSAGE = This message is sent by the SIP Gateway.The last
message you sent was not delivered.The user may be offline or there may
be a system problem.Please verify that the user is online before contacting
the system administrator.
TLS 暗号化
Transport Layer Security (TLS) は各コネクタで構成できるオプションで、チャットメッセージの暗号化によってエンドツーエンドのセキュリティーを提供します。(Lotus
Instant Messaging はこの機能をデフォルトで提供します。しかし、SIP/SIMPLE
上での暗号化を明示的に指定する必要があります。)外部企業への TLS 構成リンクのトラブルシューティングを支援するために、私たちは
Trace と呼ばれるディレクトリーを作成し、一時的に SIP Connector の Sametime.ini
ファイルに次の行を追加し、デバッグを有効にしました。
[Debug]
SIP_CONNECTOR=1
MESSAGE_DEBUG = 1
UCM_TLS_DEBUG=1
UCM_DEBUG=1
UCM_KERNEL=1
UCM_MESSAGES=1
追跡ファイルは Trace ディレクトリーで作成されます。これらのファイルは、コネクタが TLS と対話していることを示すプリミティブな (しかし、役に立つ) 情報を提供します。実働環境では、これらのデバッグ・パラメーターを削除してください。
TLS ポートにアクセスできるかどうかを検証するもう 1 つの方法は、コネクタ間でポート 5060 および 5061 に telnet 接続を試みることです。接続されると、黒い画面が表示されます。接続されないときは、ファイアウォールによってポートが無効にされている可能性があります。TLS が確立された後は、netstat コマンドを実行することにより、コネクタ上のポート 5061 を見ることができます。
stconnector ファイルおよび stgateway ファイルの以前のバージョン (次のセクションを参照) では、TLS を構成する際に、構成およびパフォーマンスの問題が生じていました。しかし、stconnector.exe 7.0.0.2、stgateway.exe 7.0.0.5、および最新の更新ファイルをコミュニティサーバーにインストールした後は、TLS 暗号化は正しく機能しました。
TLS の構成を簡単にするために、私たちは最初に TLS なしで SIP 接続をセットアップしました。そして、双方のコミュニティが正しく機能することを確認した後、TLS による機能リンクをセットアップしました。TLS なしで構成するには、Community Connector document を開き、TLS IP フィールドと TLS Port フィールドを削除します。次に、IP フィールドにコネクタの IP アドレスを設定し、ポートを 5060 に設定します。また、External Community document 内のポートも 5060 に設定します。
Stgateway.exe
stgateway.exe ゲートウェイ・プロセスは、SIP ユーザーのオンライン・アクティビティ・ステータスに関するメンバーリストの更新情報を提供することにより、SIP
ユーザーをローカル Lotus Instant Messaging コミュニティサーバーのユーザーとして表示します。しかし、stgateway.exe
の負荷が高い場合は、大量の SIP メンバーリストの更新を維持できない可能性があります。このような場合、ローカル・ユーザーは、SIP
メンバーリスト・ユーザーのオンライン状況をすぐに見られないことがあります。前のバージョンの
stgateway.exe と SIP Connector では、在席状況の更新にかなりの遅延が生じていました。しかし、最新のバージョンでは、hotfix
TMAY-66UQKZ によってこの遅延が解決されています。(この hotfix は IBM Support
から入手できます。)この hotfix がインストールされていない場合、ユーザーは、いったんログオフし、再度ログインすることで、SIP
の在席状況の更新通知の問題を回避できます。再度ログインすることで、更新された在席状況が
stgateway.exe によって提供され、ユーザーの SIP メンバーリストの在席状況が再描画されます。
私たちは、stgateway.exe をコミュニティサーバーから取り外し、これを SIP Connector にインストールする方法のテストに成功しました。しかし、stgateway.exe を stconnector システムにインストールしても、すべてのトラフィックは、ゲートウェイ・モジュールとコネクタ間の転送前に、いまだにコミュニティサーバーを通過しなければならないことが明らかになりました。つまり、stgateway.exe を他のシステムで実行しても全体的な利点は得られません。コミュニティサーバーのパフォーマンスがピークに達していない限り、デフォルトの構成どおり stgateway.exe をコミュニティサーバーで実行した方が、ネットワーク・トラフィックの効率が高くなります。
コミュニティサーバーと SIP Connector システムのパフォーマンスのテスト
SIP 接続をインストールし、これが正しく機能していることを確認した後、私たちは、リモート・コミュニティのメンバーとコミュニケートするとき、ユーザーはどれぐらいのパフォーマンスを期待できるのかを検証しました。これを行うために、Rational テスト・スクリプトによる「負荷集中」テストを実施しました。このテストは、3,000 人のユーザーが同時にメンバーリストの在席状況を変更したり、チャットで Enter キーを押すなどの操作をシミュレートします。(実際の環境では、このように大量のアクティビティが瞬間的に発生することはほとんどありません。)
これらのテストの間、SIP Connector とコミュニティサーバーは、平均で 50 パーセント以下の CPU 使用率をコンスタントに記録しました。メモリー消費量も非常に安定していて、SIP Connector とコミュニティサーバーのどちらでもメモリー消費量の増加は見られませんでした。
テスト時および初期導入時も、CPU 使用率は問題を生じていません。もし、自社の環境で CPU 使用率が懸念される場合は、構成オプションを調べることによって、コミュニティサーバーの CPU 使用率を最小限にすることができます。たとえば、コミュニティサーバーから stmux.exe プロセスを削除し、これを別の MUX システムにインストールすることが可能です。このように変更した場合、ユーザー・セッションのすべてのオーバーヘッドがコミュニティサーバーから取り除かれます。
私たちは、stgateway プロセスを同じシステムで実行する方法もテストしました。stgateway.exe による CPU のオーバーヘッドは減少しますが、stgateway.exe、コミュニティサーバー、および stconnector.exe 間のネットワーク I/O が 2 倍になるという影響が発生します。したがって、この構成オプションは、コミュニティサーバーの CPU 使用率が高く、ネットワーク I/O のキャパシティーが十分に高い場合にのみ試してみる価値があるでしょう。
SIP 応答時間のパフォーマンス
実働環境に SIP を追加する前に、私たちは応答時間のパフォーマンスを調べるテストを実行しました。テストには
Rational Test Manager を使用し、テスト用の負荷スクリプトを Stress Tester
ツールセットへ送り込みました。Stress Tester は、IBM 内部の Lotus Instant
Messaging テスト用ツールで、コミュニティサーバーにログインし、何千ものインスタント・メッセージング・クライアントがメンバーリストのオンライン在席状況を変更したり、他のユーザーとチャットする状況をシミュレートするコマンド行シーケンスを発行します。Rational
システムを使用してこれらのテスト・コマンドを Stress Tester に送信し、応答時間の結果を収集します。
また、SIP を追加する前後で、Lotus Instant Messaging コミュニティのチャット応答時間も測定しました。私たちのテスト環境では、ローカルのコミュニティサーバーが、SIP によって接続された 9,000 人の Lotus Instant Messaging ユーザーを、3,000 人のユーザーがいるリモート・コミュニティにログインさせました。そして、次の 2 つの状況について、チャットとオンライン在席確認の応答時間を測定しました。
- 3,000 人のローカル・ユーザーが、別の 3,000 人のローカル・ユーザーに送信する
- 3,000 人のローカル・ユーザーが、リモート SIP コミュニティにログインした 3,000 人のリモート接続 SIP ユーザーに対し、SIP 経由で送信する
メンバーリストのオンライン在席確認とインスタント・メッセージのチャットで、応答時間はほとんど一定していました。期待したように、チャットとメンバーリストの在席確認の両方のテストで、ローカル・ユーザーの応答時間が SIP ユーザーの応答時間よりも早くなりました (0.85 秒 vs 3.25 秒)。
このテスト用のコミュニティサーバーでは、SIP ユーザーを追加しても、既存のユーザーに対する重大な応答時間の遅延はありませんでした。3,000 人の SIP ユーザーと通信している 3,000 人のローカル・ユーザーをテストに追加した場合にのみ、チャット・メッセージを送信している 3,000 人のローカル・ユーザーの応答時間に最小限の変化 (0.74 秒から 0.85 秒へ) が測定されました。これらのテスト結果は、SIP ユーザーをコミュニティサーバーに追加しても、既存のローカル・コミュニティサーバーのユーザーの応答時間には、パフォーマンスの影響はないことを示しています。
私たちの内部テスト用 SIP 接続は数ヶ月間稼働していますが、コミュニティサーバーに SIP ユーザーを追加しても、パフォーマンスが低下したことは一度もありません。最後のポイントとして、新しい SIP ユーザーを追加するときは、新規 SIP コミュニティへの接続を適切に構成するよう注意してください。一度だけですが、SIP 構成を誤って追加してしまい、同じ Lotus Instant Messaging コミュニティサーバーにある他の SIP リンクに断続的に問題が発生したことがありました。このため、新しい SIP リンクを実働クラスターに追加する場合は、オフの時間帯に作業することをお勧めします。
Web ユーザーへの Lotus Instant Messaging コミュニティの拡張
異なるコミュニティを SIP/SIMPLE を介して接続することにより、Lotus Instant Messaging の適用範囲が飛躍的に広がります。IBM は、この能力をさらに拡張し、Web ブラウザー・ユーザーが HTTP 経由で Lotus Instant Messaging コミュニティとチャットすることを可能にする、いくつかの新機能を計画しています。これを実現するには、お客様企業から接続できる外部 Lotus Instant Messaging クラスターを IBM のファイアウォールの外にインストールすることになります。そして、SIP を使用してこの外部インスタント・メッセージング・コミュニティを IBM のコミュニティに接続します。
ブラウザー・クライアントは、Collaborate Now Web サイトで利用可能な URL リンクを介して IBM の従業員とチャットすることができます。これらのユーザーは、URL をクリックすると WebSphere Edge Server ロード・バランサーにルーティングされ、複数の Lotus Instant Messaging MUX システムに均等に分散されます。この計画が実現すると、外部の Web ブラウザー・ユーザーがチャットに参加できる Lotus Instant Messaging 環境をセットアップする際の指針となるでしょう。
ユーザーが MUX にルーティングされると、ユーザーの LTPA トークンが Collaborate Now サイトから Lotus Instant Messaging Java 接続クライアントに渡され、クライアントが自動的にコミュニティサーバーによって認証されます。Lotus Instant Messaging Java 接続クライアントは自動的にクライアントにダウンロードされ、IBM 従業員のメンバーリストが表示されます。(これらのブラウザー・クライアントには、デフォルトの Lotus Instant Messaging を使用します。)
Java アプレットをダウンロードするには、ユーザーのブラウザー設定で、ポップアップとローカル・マシンへの Java アプレットのダウンロードを許可する必要があります。HTTP をポート 80 で使用して Java クライアントを接続できるようにするために、Lotus Instant Messaging サーバーの特殊な修正プログラムが作成されました。これは、Lotus Support から入手できます。
IBM は、vpmx_capacity パラメーターを MUX の Sametime.ini ファイルに追加することにより、コミュニティへのログオンを許可する接続数を制御できます。MUX によって割り当てられた接続の最大数に達すると、ユーザーは「Unable to access -- try again later」というメッセージを受け取ります。システム管理者が見ることができる sametime.log ファイルには、「Full - reject new connections」というメッセージが記録されます。
SIP/SIMPLE を使用して異なるメールドメインを持つユーザーをルーティングする方法
このアーキテクチャーを機能させるには、SIP が共通のメール拡張子を必要とする問題を解決する必要がありました。SIP
はユーザーのメール拡張子に基づいてコミュニティ間をルーティングします。たとえば、一方は
IBM.com で、もう一方は Customer1.com です。ユーザーはさまざまな会社からアクセスするので、1
つのサイドから別のサイドへのルーティングを行うために、SIP には共通のメール拡張子が必要です。これを実現するために、IBM
はカスタム Java クラス・ファイルを作成しました。このファイルは、Lotus Instant
Messaging サーバー上の stconfig.nsf ファイルの [LDAP] セクションで参照されます。このカスタム・クラス・ファイルは、すべてのユーザー
ID を、SIP がユーザーのルーティングに使用できる共通のメール拡張子に変換します。
また、このクラス・ファイルは、ワイルドカード検索を禁止することにより、Customer1.com ユーザーが正確なユーザー名を知らずにユーザーを追加したり、会社全体をメンバーリストに追加することを防止できます。これによって、パフォーマンスが向上するとともに、一定のレベルのセキュリティが得られます。
必要なカスタム LDAP Java クラス・ファイルをインストールする
カスタム Java クラス・ファイルを作成した後、次の手順を実行します。
- このファイルを Lotus Instant Messaging c:\lotus\domino ディレクトリーに置きます。
- Sametime.ini ファイルの [config] セクションに ST_JAVA_CLASS_PATH= c:\lotus\domino フラグを追加します。
- stconfig.nsf ファイルの LDAPServer 文書で、次の項目を変更します。
検索フィルター
ユーザー名を解決する検索フィルター:StLdapCustomized.externalSearchFilter()
ユーザー
ユーザーの電子メールアドレスを定義するユーザー・エントリの属性:StLdapCustomized.externalEmail(mail)
メモ:カスタム Java クラス・ファイルを正しく機能させるには、Lotus Instant Messaging サーバーで StResolve.dll 6.51.1.3 と StLdap.dll 6.51.1.1 が実行されている必要があります。
Lotus Instant Messaging での LDAP 検索フィルターのカスタマイズの詳細については、developerWorks の Lotus 記事『Customizing LDAP directory searches in Lotus Instant Messaging 6.5.1』を参照してください
この記事では、内部および外部の Lotus Instant Messaging コミュニティを接続するために、SIP/SIMPLE がたいへん重要なツールとなることを説明しました。また、SIP/SIMPLE は、インスタント・メッセージング・コミュニティを Web ユーザーに拡張する、つまり自社のコミュニティを真に世界的な規模にまで広げる潜在的な能力を持っています。私たちは、今回の経験を読者の皆さまと共有することにより、SIP/SIMPLE を使用して Lotus Instant Messaging コミュニティを拡張する際に役立つことを望んでいます。
- developerWorks Japan: Lotus: Lotusの日本の技術情報サイトです
- developerWorks: Lotus(US) : Lotusの英語の技術情報サイトです
- IBM Lotus Instant Messaging/Web Conferencing の詳細については、この製品のページを参照してください
- SIP を Lotus Instant Messaging (Sametime) とともに使用する方法については、developerWorks
の Lotus 記事『SIPing with Sametime』を参照してください
- IBM の Lotus Instant Messaging (Sametime) の実装の詳細については、記事『The hitchhiker's guide to Sametime deployment at IBM』および『Life in the fast lane: IBM moves to Sametime 3』を参照してください。
- SIP Gateway および SIP Connector のインストールと構成の詳細については、製品のマニュアルを参照してください。
- developerWorks ブログを通して developerWorks コミュニティに参加できます。