IBM Lotus Server.Load: IBM Lotus Sametime の新しいワークロード

IBM Lotus Server.Load ワークロード生成ツールをセットアップして使用してみまましょう。このツールには、IBM Lotus Sametime インスタント・メッセージングの新しいワークロードである ST70IM と ST75IM、さらに Sametime Initialization ワークロードが含まれています。この記事では、Lotus Sametime デプロイメントのパフォーマンスの最適化に向けた、これらのワークロードの使い方を説明します。(更新 : 2008年9月3日 / 原文公開日: 2007年1月30日)

Joe Malek, Software Engineer, IBM

IBM Domino Performance チームの開発者。現在、.Net、Linux、AIX、および Solaris などのさまざまなプラットフォームで開発を進める IBM Domino Performance チームに所属し、Domino Server 用のパフォーマンス・ツールを開発している。2000 年 10 月、Iris Associates/Lotus に入社。



Razeyah Stephen, Manager, IBM

Razeyah Stephen is manager of the IBM Lotus Domino and IBM Lotus Sametime performance team. She joined Iris Associates in October 1998.



2009年 6月 26日

リアルタイム・コラボレーションはオンデマンド・ビジネスで不可欠のコンポーネントとなり、IBM Lotus Sametime は多数の IBM Lotus Notes/Domino 環境における重要なコンポーネントの 1 つとして急成長を遂げました。これらの環境の計画および構成を最適化するために、システム管理者は Sametime コミュニティーをシミュレートし、ハードウェアおよびソフトウェアのサイジング要件を決定する必要があります。ワークロード生成ツールの IBM Lotus Server.Load には、このニーズの実現を支援する、Lotus Sametime インスタント・メッセージングの新しいワークロードである ST70IM ワークロードと ST75IM ワークロードが含まれています。

また、Lotus Server.Load には、コンタクト・リストを生成することにより、他の Sametime ワークロード用のテスト・サーバーのセットアップを支援する Sametime Initialization ワークロードも含まれています。この記事では、Sametime Initialization ワークロードの使い方、および ST70IM ワークロードと ST75IM ワークロードの違いについて説明します。Lotus Sametime ワークロードの詳細については、「Lotus Domino Administrator ヘルプ」を参照してください。

バックグラウンド

Lotus Server.Load は Lotus Domino の機能をベースとするロード生成ツールで、Lotus Domino サーバーのさまざまなキャパシティーと応答速度のメトリックを測定し、特性を明らかにするために使用されます。ワークロード (テストまたはスクリプトとも呼ばれます) は、Lotus Domino のクライアントからサーバーへのオペレーションの動作をシミュレートします。Lotus Server.Load の概要については、developerWorks の Lotus の記事「Lotus Domino パフォーマンス・チューニングの基礎」を参照してください。Lotus Server.Load は IBM Lotus Domino Administrator のインストール時にインストールできます。Lotus Server.Load に慣れていない方は、ドキュメンテーションをお読みになり、Lotus Server.Load がサーバー、クライアント、および他の Lotus Notes/Domino コンポーネントにどのような影響を与えるのかを理解するとよいでしょう。Lotus Server.Load のドキュメンテーションは、「Lotus Domino Administrator ヘルプ」に含まれています。

メモ: Lotus Domino Administrator クライアントに含まれているバージョンの Lotus Server.Load を使用する必要があります。

前提条件

この記事は、熟練した Lotus Domino システム管理者で、Lotus Sametime インスタント・メッセージングの機能と用語に精通されている方を前提としています。

Sametime Initialization、ST70IM、および ST75IM の各ワークロードは Java を使用し、少なくとも 1 GB の RAM が必要です。新しい Sametime ワークロード、パラメーター、およびサンプルの詳細については、「Lotus Notes/Domino 7.0.2 リリース情報」を参照してください。

ワークロードについて

ST70IM ワークロードおよび ST75IM ワークロードのどちらも、インスタント・メッセージングの一般的なアクティビティーをシミュレートします。ST70IM ワークロードはよりシンプルなアクティビティーのセットを持ち、リリース 7.5 よりも前のリリースに共通する基本的なチャット関連機能を使用しているユーザーをシミュレートします。ST75IM ワークロードは、リリース 7.5 以前のクライアント機能をシミュレートします。シミュレートされたユーザーは、平均で 15 分ごとに 1 回スクリプトを実行し、これが繰り返しの単位 (1 回分) となります。

ST70IM ワークロードは、アクティブなインスタント・メッセージング・ユーザーの動作を表します。つまり、ログインし、他のユーザーとチャットし、約 5 通のメッセージ (各メッセージ長は約 512 バイト) を 30 秒ごとに交換します。次に、ワークロードは 24 回目の繰り返しのたびに 1 人のユーザーをコンタクト・リストに追加し、12 回目の繰り返しのたびにログアウトし、約 10 分待った後、再びログインします。繰り返しの値は構成可能であり、ここで指定された値は例を示すものです。

ST75IM ワークロードのユーザーがログインすると、ユーザーの Sametime ポリシーが取得され、ユーザーのロケーションが設定されます。また、オプションとして、コンタクト・リストの各メンバーのロケーションをモニターし、ロケーション認識を実行できます (デフォルトで有効になっています)。このワークロードは、アクティブなインスタント・メッセージング・ユーザーの動作を表します。つまり、ログインし、他のユーザーとリッチ・テキスト・モードでチャットし、約 5 通のメッセージ (各メッセージ長は約 512 バイト) を 30 秒ごとに交換します。オプションで、ファイル転送を有効にできます。次に、ワークロードは 24 回目の繰り返しのたびに 1 人のユーザーをコンタクト・リストに追加し、12 回目の繰り返しのたびにログアウトし、約 10 分待った後、再びログインします。


始めに

Lotus Domino/Sametime サーバーをセットアップし、Lotus Server.Load をクライアント駆動マシンにインストールすると、Sametime ワークロードを初期化できるようになります。次のセクションでは、この方法について説明します。プロセスの最初のステップとして、Sametime Initialization ワークロードを実行します。これは、Sametime コンタクト・リストを適切に生成するために必要です。

Lotus Domino/Sametime サーバーのセットアップ

Lotus Sametime の技術資料やヘルプの説明に従い、Lotus Sametime を Lotus Domino サーバーにインストールします。Sametime サーバーのインストール後、Lotus Domino サーバーで Sametime タスクが実行されていることを確認します。

メモ: Lotus Domino メール・サーバーと同じサーバー上に Lotus Sametime をセットアップできますが、この方法は使用度の高い Lotus Domino/Sametime システムでは推奨されていません。


「Create NotesBench Person Documents」エージェントを使用したユーザー文書の作成

IBM Lotus Domino Designer を使用して、「Server.Load Setup Agents」データベースの「Create NotesBench Person Documents」エージェントをテスト・サーバーの Domino ディレクトリーの「エージェント」ビューにコピーします。このエージェントの詳細については、「Server.Load Setup Agents」データベースの「データベースの使い方」文書を参照してください。

エージェントのコピー後、テスト・サーバーの Domino ディレクトリーを開き、エージェントを実行します。ユーザー文書の作成に加え、このエージェントは Sametime 認証で使用される HTTP パスワードも設定します。「インターネット・ホスト名」ダイアログ・ボックスでサーバーのインターネット・アドレスが正しいことを確認し、表 1 に示す項目を除き、エージェントのデフォルトの設定を受け入れます。

表 1. デフォルト設定の例外
スクリプト変数
作成するユーザー数デフォルトは 1000 です。作成する Sametime テスト・ユーザーの総数を設定します。

これで、Sametime Initialization ワークロードを使用して Sametime コンタクト・リストを作成する準備が整いました。


Sametime Initialization ワークロードのセットアップ

ST70IM または ST75IM ワークロードをセットアップする前に、Sametime Initialization ワークロードをセットアップする必要があります。これを行うには、最初に、Lotus Server.Load オプションを選択した状態で、Lotus Domino Administrator クライアントをインストールし、セットアップしなければなりません。インストールの完了後、Notes.ini ファイルを更新します。

クライアント駆動マシンで Sametime 在席確認用の Notes.ini 変数を設定する

リスト 1 に示す変数のセットを、ワークロード・クライアント駆動マシンの Notes.ini ファイルにコピーし、ご使用の環境にあわせて太字の値をカスタマイズします。ワークロードの現在の制限として、ユーザー全体が N ユーザー (以下の例では 1,000 ユーザー) のかたまりに分割され、ST.BL.beginuser.number と ST.BL.enduser.number は各クライアント駆動マシンによって変わります (1-1000、1001-2000 など)。これは、ST70IM ワークロードと ST75IM ワークロードがチャットに参加できるユーザーの内部リストを維持するために使用されます。

リスト 1. Sametime ワークロードの変数
;Sametime/Awareness vars
;
NB_EnableSTAwareness=1
;JNI/java params
NB_ThreadStackSize=60000
JavaMaxHeapSize=400M
JavaUserClasses=CstClientTest.jar;stjavatk.jar;jvm/lib/ext/ibmjceprovider.jar
;ST server params
;Example: Servername.us.ibm.com
ST.server=<servername>        
;Example: mail
ST.user=<username prefix>   
ST.password=NotesBench
;login params
;Use to simulate a MUX hitting the server, performs better
;ST.login.type=MUX 
;Use to simulate a direct client with no MUX in between
ST.login.type=JAVA 
;logout params
ST.logout.pause.wait=RND(300d4)
;BL params
ST.bl.size.quan=RND(4d100)
;Example: 1  
ST.bl.beginuser.number=<number>  
;Example: 500 
ST.bl.enduser.number=<number>      
;Chat params
ST.converse.pause.wait=RND(10d6)
ST.converse.nummessages.quan=RND(1d10)
ST.converse.messagelength.quan=RND(8d128)
;Test/script control params
ST.test.maxusers=10000
ContextIteration1=3
ContextIteration2=24
ContextIteration3=12
NB_Include_ST_Stats=1
;
;General NotesBench vars
;
Domain=<server domain>
ResultsDirectory=<local drive or network share for testdata>
Debug_outfile=<workload debug output file>
RunTime=<time length of entire test>
ScriptIterationLimit=<total number of script iterations, 9999 ~= forever>

Sametime Initialization ワークロードを実行し、テスト・ユーザー用のコンタクト・リストを作成する

Sametime Initialization ワークロードを実行するには、次の手順に従います。

  1. Lotus Server.Load を開きます。
  2. 「Lotus Server.Load」ダイアログ・ボックスで、組み込みワークロードのリストから「Sametime Initialization」を選択します。
  3. シミュレートする Sametime ユーザーの数を「Max No. of Users」フィールドに入力します。この指定に応じて、コンタクト・リストのエントリーが作成されます。 他の設定については、すべてデフォルトを使用します。「Script Variables」タブは、設定の必要がありません。
  4. 「Execute」ボタンをクリックし、「Start Test」ボタンをクリックして Sametime Initialization ワークロードを開始します。これにより、ST70IM ワークロードおよび ST75IM ワークロードで使用される Sametime 在席確認機能に必要なコンタクト・リスト情報に基づいて vpuserinfo.nsf データベースがSametime サーバー上で作成されます。

TIP: vpuserinfo.nsf データベースのコピーを保存しておくとよいでしょう。


ST70IM ワークロードまたは ST75IM ワークロードのセットアップ

Sametime Initialization ワークロードのセットアップおよび実行後、次の手順に従って ST70IM ワークロードまたは ST75IM ワークロードをセットアップします。

  1. 「Lotus Server.Load」ダイアログ・ボックスの「Select Script」メニューで、「Sametime 7.0 IM Workload」または「Sametime 7.5 IM Workload」を選択します (図 1 参照)。
    図 1. 「Lotus Server.Load」ダイアログ・ボックス
    「Lotus Server.Load」ダイアログ・ボックス
  2. 「Number of Users/Threads」フィールドに、シミュレートする Sametime テスト・ユーザーの数を入力します。これは必須フィールドです。
  3. スクリプトの繰り返し (ループ) 回数を指定するために、「Script Loop Count」フィールドに値を入力します。
  4. 「Run Time Parameters」セクションには、ワークロードの実行方法に影響する情報 (たとえば、スレッド生成間隔など) が含まれています。必要に応じて、これらのフィールドに入力します。
  5. 「Storage test output to」フィールドでは、テスト出力ログを格納するパス (例: \tmp\Test1.txt) を指定します。ファイル・パスをこのフィールドに入力してください。
  6. 最初のテスト実行用に、他の値はデフォルトのままにしておきます (これらのフィールドの詳細については、「Lotus Domino Administrator ヘルプ」の Lotus Server.Load 文書を参照してください)。
  7. これらのフィールドの設定が完了したら、「Execute」をクリックして「Metrics」ウィンドウを表示します (図 2 参照)。下図の各 Lotus Sametime コマンド・メトリックは、毎分の応答時間 (ミリ秒) の最小、最大、および平均と、発行されたコマンドの毎分の合計数を示しています。
    図 2. 「Metrics」ウィンドウ
    「Metrics」ウィンドウ

メトリック・データをテスト・ファイルに出力するときは、拡張子 .CSV を持つファイル・パスを「Store the Metrics to this File」フィールドに入力します。設定を入力した後、「Start Test」ボタンをクリックします。


テスト結果の表示

Sametime ワークロードを正しくセットアップすると、スクリプト出力ウィンドウが表示され (図 3 参照)、その後で Sametime 統計ウィンドウが表示されます(図 4 参照)。出力ウィンドウに、エラー (error という単語を含むテキスト) が表示されていないことを確認します。

図 3. 出力モニター
出力モニター

Sametime 統計ウィンドウでもエラーをチェックできます (図 4 参照)。このウィンドウは、Lotus Server.Load がワークロードを実行している間、アクティビティーを要約形式でトラッキングします。エラーをチェックするには、LoginErr、ChatErr、BuddyListErr、ResolveErr、UserInfoErr、PolicyErr、LocationErr、および FTransErr の表示値を確認します。Notes.ini で「DEBUG_OUTFILE=ファイル名」を設定した場合、Lotus Server.Load によって Sametime 統計ウィンドウのデータが指定されたファイルに書き込まれます。

図 4. Sametime 統計ウィンドウ
Sametime 統計ウィンドウ

Sametime 統計ウィンドウには、この駆動マシン上のすべてのユーザーに対する毎分のサンプリングが含まれています (表 2 参照)。

表 2. Sametime 統計ウィンドウの値の説明
説明
Loginsログイン数
Logoutsログアウト数
Chats 開始されたチャット数
Chat missesチャットのパートナーが見つからなかった回数
Text Sent送信されたテキストだけのメッセージ数*
Text Received受信されたテキストだけのメッセージ数*
Images Sent送信されたイメージ数*
Images Received 受信されたイメージ数*
Status Changesステータスの変更回数
BuddyList Changes新規ユーザーがコンタクト・リストに追加された回数
Resolveユーザー名の解決数
Awareness在席確認に関する操作数 (連絡先/監視リスト)
Async Status Notifications非同期のステータス通知の数
UserInfo Requestsユーザー情報 (ビジネス・カード) 要求の数*
Policy Queries照会されたポリシーの数*
Location Opsロケーション変更操作の数*
Location Async非同期のロケーション通知の数*
FTrans Sent送信されたファイル転送の数*
FTrans Recvd受信されたファイル転送の数*
FTrans Declined拒否されたファイル転送の数*
FTrans Missedミスしたファイル転送の数*
LoginErrログイン・エラーの数
ChatErrチャット・エラーの数
BuddyListErrコンタクト・リストの操作エラーの数
ResolveErrエラーの解決数
UserInfoErrユーザー情報 (ビジネス・カード) 要求エラーの数*
PolicyErrポリシー照会エラーの数*
LocationErr ロケーション変更エラーの数*
FTransErrファイル転送エラーの数*

*ST75IM ワークロードにのみ適用されます


まとめ

この記事では、Lotus Server.Load に含まれる Sametime インスタント・メッセージングの新しいワークロード ST70IM および ST75IM のセットアップ方法と使用方法について説明しました。また、これまでに受け取ったよくある質問への回答にもなっています。ワークロードには、Lotus Domino/Sametime システム管理者およびプランナーが特別な関心を寄せています。ワークロードを使用して実際の Sametime 環境のキー・アクティビティーをモデル化し、サーバー要求をエミュレートすることで予め計画を立てられ、Sametime デプロイメントがスタート時から良好なパフォーマンスで運用できることになるでしょう。

参考文献

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