レベル: 中級 Gao Jin Sheng, Staff Software Engineer, IBM Li Chen, Staff Software Engineer, IBM Luo Xiao Guang, Software Engineer, IBM
2009年 5月 22日 この記事では、IBM® Lotus® Quickr™ services for Lotus Domino® のパフォーマンスを改善する方法について説明します。(原文公開日 : 2009年3月17日)
パフォーマンス・チューニングの目的は、特定のハードウェアに基づいて出力を改善することです。ハードウェアおよびネットワーク構成に適用されるチューニング・パラメーターには、特に注意する必要があります。
この記事では、オペレーティング・システム、Lotus Domino、および Lotus Quickr という 3 つの観点から、パフォーマンス・チューニングの実施方法を示します。オペレーティング・システムのチューニングはオペレーティング・システム自体のパフォーマンスの改善につながり、これが Lotus Quickr services for Lotus Domino のパフォーマンスに作用します。Lotus Quickr 8.1 は、Microsoft® Windows®、AIX®、および System i® の各オペレーティング・システムをサポートしています。別のレイヤーである Lotus Domino サーバーは Lotus Quickr services for Lotus Domino のバックエンドなので、Lotus Domino サーバーをチューニングすることも、Lotus Quickr のパフォーマンス改善に作用します。
この記事では、Lotus Quickr の別のバージョンである Lotus Quickr services for WebSphere Portal については触れません。このため、この記事で「Lotus Quickr」と表記した場合は、Lotus Quickr services for Lotus Domino だけを示します。
チューニング: オペレーティング・システムの観点から
このセクションでは、Microsoft Windows、AIX、および System i5 の各オペレーティング・システムの観点から、パフォーマンスのチューニング方法について説明します。
Microsoft Windows オペレーティング・システムのチューニング
次の観点から、Microsoft Windows のパフォーマンスをチューニングします。
- バックグラウンド
- 仮想メモリー
- サービス
- レジストリーのチューニング
バックグラウンドと仮想メモリー
すべてのプログラムが同じ長さのプロセッサー時間を得られるように、バックグラウンド・サービスを選択します。次の手順で操作します。
- 「コントロールパネル」を開きます。
- 「システム」をダブルクリックします。
- 「システムのプロパティ」ページで「詳細設定」タブをクリックします。
- 「パフォーマンス」フレームで「設定」をクリックします。
- 「パフォーマンスオプション」ページで「詳細設定」タブをクリックします。
- 「プロセッサのスケジュール」フレームで「バックグラウンドサービス」を選択します。
仮想メモリーを増加させるには、次の手順で操作します。
- 「仮想メモリ」フレームで「変更」をクリックします。
- 使用している論理ディスク・ボリュームに応じて仮想メモリーのサイズをカスタマイズします。
ハード・ディスクは異なる論理ボリュームに割り当てるようにしてください。このようにすると、異なる論理ボリュームの仮想メモリーを拡大しやすくなります。Windows オペレーティング・システムでは、Lotus Quickr はシステム以外のハード・ディスクにインストールします。Lotus Quickr を長時間実行すると、フラグメント・ファイルによってシステムが遅くなり、パフォーマンスの低下を招くことがあります。このパフォーマンスの低下を避けるには、ディスク・デフラグメンターを毎週または隔週で実行する必要があります。
不要なサービスの無効化または削除
Windows のシステム・サービスのうち、Lotus Quickr には不要なサービスがあります。たとえば、ほとんどの企業の顧客アプリケーションでは、Lotus Domino サーバーの印刷機能を使用しません。このような場合、システム管理者は印刷機能および他の不要なサービスを無効にすることができます。
不要なサービスを無効化または削除することは、サーバー・パフォーマンスを高めるために最も良い方法です。
レジストリーのチューニング
リスト 1 に示すレジストリーの変更を Lotus Quickr サーバーに適用します。
リスト 1. レジストリーの変更
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip\Parameters]
"TcpTimedWaitDelay"=dword:0000001e
"MaxUserPort"=dword:0000fffe
"TcpWindowSize"=dword:0000ffff
"MaxFreeTcbs"=dword:00011940
"MaxHashTableSize"=dword:0000ffff
|
これらのチューニング・パラメーターは、Windows オペレーティング・システムのいくつかの観点をカバーしています。各パラメーターを 1 つずつ見ていきましょう。
TcpTimedWaitDelay パラメーターは、アプリケーションが TCP 接続を閉じた後、オペレーティング・システムがポートを再要求するまでの待ち時間を制御します。デフォルト値は 4 分です。負荷が高い場合、これらの制限を超えてしまい、結果として「アドレスが使用されています: 接続例外」が発生することがあります。「アドレスが使用されています: 接続例外」が発生した場合は、レジストリーで MaxUserPort および TcpTimedWaitDelay の値を増加させてください。
MaxUserPort パラメーターは、アプリケーションがシステムの利用可能なユーザー・ポートを要求したときに、TCP が割り当てることができる最上位のポート番号を決定します。一般に、一時ポート (短時間のみ使用されるポート) は、ポート番号 1024 から 5000 に割り当てられます。
サーバーのスループットを向上させるには、TcpTimedWaitDelay の値をデフォルトの 4 分から 30 秒 (0000001e) に減らし、MaxUserPort の値をデフォルトの 5000 から 65,534 (0000fffe) に増やします (リスト 1 参照)。
TCPWindowSize パラメーターは、最大 TCP ウィンドウを決定します。TCP ウィンドウ・サイズが大きいと、より少ない確認応答が送り返され、結果として、送信者と受信者間のネットワーク通信がより最適化されます。リスト 1 に示すように、デフォルトの 17,520 バイト を 65,535 (0000ffff ) バイトに変更します。
MaxFreeTcbs パラメーターは、TIME-WAIT ステートの TCP コントロール・ブロック (TCP Control Block) が再利用される前に必要となるアクティブな TCP 接続のしきい値 (数値) を表します。MaxFreeTcbs を変更することにより、システムによる TCP コントロール・ブロックの再利用を防止できます。リスト 1 に示すように、私たちは MaxFreeTcbs の値をデフォルトの 1m000 から 72,000 (00011940) に変更しました。
MaxHashTableSize パラメーターは、TCP コントロール・ブロック (TCB) テーブルのサイズを制御します。TCB テーブルには、アクティブな各 TCP 接続の制御値が格納されています。アクティブなネットワーク接続が多数あるサーバーでは、TCB テーブルのサイズを大きくすると、システムが特定の TCB を検出するために費やす時間が減少する可能性があります。リスト 1 に示すように、私たちは MaxHashTableSize の値をデフォルトの 512 (0X200) から 65,535 (0000ffff) に変更しました。
Windows のチューニングの詳細については、IBM Redbooks® パブリケーション「Tuning IBM System x Servers for Performance」を参照してください。
AIX オペレーティング・システムのチューニング
AIX 5L オペレーティング・システムにはチューニングできるパラメーターが数多くあり、これらを使用して Lotus Domino サーバーのパフォーマンスを改善し、Lotus Quickr に良い作用を与えることができます。チューニングの対象は、Lotus Domino サーバーのアカウント設定から、ネットワーク・インターフェース・カード、プロセッサーとメモリー、ディスク入出力などに及びます。このセクションでは、これらのパラメーターの一部について説明します。
AIXTHREAD_SCOPE=S
AIXTHREAD_SCOPE パラメーターの値として S (システム・スコープ) を指定すると、8 つのユーザー・スレッドごとに 1 つのカーネル・スレッドを使用するデフォルト設定ではなく、1 つのユーザー・スレッドごとに 1 つのカーネル・スロットが使用されます。Lotus Notes® のユーザー・プロファイルで、次のパラメーターを入力します。
export AIXTHREAD_SCOPE=S
ネットワーク・インターフェース・カード
大量のデータの送受信を改善するために、いくつかのネットワーク・アダプター設定を構成することができます。アクティブなネットワーク・アダプターごとに、送信キュー (tx_for Ethernet) および受信キューのサイズを最大値まで増加させる必要があります。
ent0 アダプターのキュー・サイズを表示するには、次のコマンドを使用します。
# lsattr -El ent0
キュー・サイズのパラメーターを変更するには、リスト 2 に示す手順を実行します。
リスト 2. キュー・サイズのパラメーターの変更
Bring down the interface:
# ifconfig en0 detach
Change the value of the appropriate parameter:
# chdev -l ent0 -a tx_que_size=***
ent0 changed
Bring the interface back to the up state:
# ifconfig en0 up
|
ページング・スペースのチューニング
仮想メンバー・マネージャーの次のパラメーターについて考慮します。
- maxclient%
- maxperm%
- strict_maxperm
- strict_maxclient
- lru_file_repage
- lru_poll_interval
- minfree
- maxfree
これらは、vmo コマンドを使用して変更できます。
vmo -p -o <パラメーター>=<値>
たとえば、minfree パラメーターに 1920 を設定するには、次の構文を使用します。
#vmo -p -o minfree=1920
これらのパラメーターは、smitty tuning コマンドによっても変更できます。詳細については、この記事の「リソース」セクションに記載されているチューニングに関する資料を参照してください。
ディスクと入出力の考慮事項
iostat コマンド (iostat –DR または iostat –d) を使用すると、ホット・ディスク、ファイル・システム、およびディスク・キューの深さを調べられます。これらを調整することにより、ストレージのスループットを高めることができます。読み取りおよび書き込みのパラメーターにあまりにも高い値が設定されている場合は、パフォーマンスの改善のためにストレージ・エリア・ネットワークの使用を考慮してください。
AIX オペレーティング・システムのチューニングについては、IBM Redbooks パブリケーション「IBM eServer 認定学習ガイド - AIX 5L パフォーマンス・チューニング (SG88-6709-00)」を参照してください。
System i5 オペレーティング・システムのチューニング
System i5 オペレーティング・システム上の Lotus Domino サーバーは、そのサブシステム内で実行されるアプリケーションですが、System i5 システム・リソース全体に対して競合します。
System i5 オペレーティング・システムのパフォーマンス要因
System i5 オペレーティング・システムのパフォーマンスに最も関連する要因の一覧を表 1 に示します。
表 1. System i5 での一般的なパフォーマンスのカテゴリーと低下の要因
| パフォーマンスのカテゴリー | パフォーマンスに影響する要因 | 監視および調整に利用できるツール |
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| プロセッサーの負荷 | プロセッサーの負荷 | 活動ジョブの処理 (WRKACTJOB)
システム活動の処理 (WRKSYSACT)
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| 主ストレージ | 障害統計
待ち状態から不適格状態
| システム状況の処理 (WRKSYSSTS) |
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| ディスク | 少ないアーム数
遅いアーム速度
| ディスク状況の処理 (WRKDSKSTS) |
|---|
| 通信 | 遅い回線速度
回線エラー
回線ユーザーの超過
| TCP/IP 接続状況の処理 (NETSTAT)
System i5 オペレーティング・システム用の Performance Tools Advisor
System i5 オペレーティング・システム用の Performance Tools Component Report
Communications Trace |
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| 入出力プロセス | プロセッサー不均衡 IOP 障害 | System i5 オペレーティング・システム用の Performance Tools Advisor
System i5 オペレーティング・システム用の Performance Tools Component Report
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| アプリケーション | オブジェクトのロック | iSeries® 用の Performance Tools (5722-PT1)
オブジェクト・ロックの処理 (WRKOBJLCK)
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このセクションでは、System i5 オペレーティング・システムの次のチューニング・オプションについて説明します。
- システム値の調整
- プロセッサー
- メモリー
- ディスク入出力
- ネットワーク・チューニング
System i5 のシステム値の調整
Lotus Domino サーバーのパフォーマンスを改善するために変更できる System i5 のシステム値の一覧を表 2 に示します。これら変更は、システム値の処理 (WRKSYSVAL) コマンドを使用して行うことができます。
表 2. System i5 のシステム値
| システム値 | 定義 | デフォルト値 | 推奨値 | 更新に IPL が必要か? |
|---|
| QTOTJOB | 初期プログラム・ロード (IPL) 時に、補助ストレージが割り当てられているジョブの総数
メモ: 高すぎる値を設定すると、このパラメーターによって IPL の合計時間が大幅に長くなることがあります。
| 30 | 可変 | はい |
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| QADLTOTJ | QTOTJOB への到達時に、ストレージの割り当てが必要なジョブの追加数 | 10 | 可変 | いいえ |
|---|
| QACTJOB | IPL 時に補助ストレージが割り当てられる活動ジョブの初期数 | 20 | 可変 | はい |
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| QADLACTJ | QACTJOB への到達時に、ストレージの割り当てが必要な活動ジョブの追加数 | 10 | 可変 | いいえ |
|---|
| QMAXACTLVL | システムの最大活動レベル | *NO MAX | 可変 | いいえ |
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| QMCHPOOL | *MACHINE ストレージ・プールのサイズ (WRKSYSSTS のプール 1) | 20 | 可変 | いいえ |
|---|
| QBASPOOL | *BASE ストレージ・プールの最小サイズ (WRKSYSSTS のプール 2) | 主ストレージの 5% で最小値は 2000 KB | 可変 | いいえ |
|---|
| QBASACTLVL | *BASE ストレージ・プールの活動レベル | 6 | Lotus Domino サーバー数の 120 倍 | いいえ |
|---|
| QPFRADJ | IPL 時にシステムが値を調整する必要があるかどうかを指定するパフォーマンス調整値。システム・プール・サイズおよび活動レベル用に通常の間隔で行うか、自動的に調整しないかのいずれかです。一般に、この機能は iSystem 5 パフォーマンス・アジャスターと呼ばれています。 | 3 (自動調整) | メモリー・プールの活動レベルを自動的に調整するには、2 (IPL 時の調整と自動調整) または 3 (自動調整) を設定 | はい |
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| QDYNPTYADJ | バッチ・ジョブの処理で高いパフォーマンスを維持するために、対話型ジョブの優先順位を大幅に調整します。 | 1 (On) | 可変 | はい |
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| QDYNPTYSCD | 動的優先順位スケジューラー | 1 (オン) | 可変 | はい |
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| QPRCMLTTSK | プロセッサー・マルチタスク機能 | 2
(System-controlled) | 1 (オン) | はい |
|---|
プロセッサーのチューニング: プロセッサーの優先順位の選択
System i5 上のすべての Lotus Domino ジョブはバッチ型の即時ジョブで、いずれも実行優先順位が 20 です。UPDATE または AMGR などのジョブによってプロセッサー使用率が高いときに、応答時間が例外的に長くなった場合は、これらのタスクの優先順位を下げることにより、パフォーマンスを改善できます。
メモリーのチューニング: 使用するメモリー・プールの選択
デフォルトでは、すべての Lotus Domino サーバーは BASE メモリー・プールで実行されます。このため、共有プールの 1 つを単一の Lotus Domino サブシステムに割り当てることは意味があります。CHGSHRPOOL コマンドまたは WRKSHRPOOL コマンドを使用して、共有プールのサイズと活動レベル、およびエキスパート・キャッシュ動作 (ページング・オプション) を変更することができ、その後で CHGSBSD コマンドを使用してプールをサブシステムに割り当てられます。
ディスク入出力のチューニング
このテストでは、ジャーナル・ファイル用のいくつかの補助ストレージ・プール (ASP) を分離することが不可欠でした。ASP を使用することは、パフォーマンスの理由により、トランザクション・ログ・ファイルを Lotus Domino のデータ・ファイルから分離し、Lotus Quickr のキャッシュを Lotus Quickr のデータから分離するために特に重要です。
ネットワークのチューニング
複数のツールとパラメーターを活用して、システムのネットワーク・パフォーマンスを改善できます。次のセクションでは、ネットワークのチューニングをいくつかの観点から説明します。
インターフェースと経路
System i では、共通経路を共有する構成済みのネットワーク・インターフェース間でネットワーク・トラフィックのロード・バランシングがデフォルトで実行されます。一部のスイッチでは、ホストの IP アドレスと、その IP アドレスを所有するアダプターの MAC アドレスを含む経路テーブルが生成されます。しかし、このロード・バランシングに関し、パフォーマンスの問題が生じることがあります。CFGTCP メニュー・オプション 2 を確認することにより、システムで定義されている経路数を把握し、これらの経路が特定のインターフェースにバインドされているかどうかを判断できます。
ホスト表とドメイン情報
Lotus Domino サーバーは自分自身の名前を頻繁に解決する必要があります。Lotus Domino サーバーは、DNS に照会するよりも、ローカルのホスト表を使用した方が、自分自身の名前を早く解決できることに注意してください。CFGTCP メニューのオプション 10 と 12 を使用して、この設定を構成します。
最大転送単位 (MTU) のサイズ
ほとんどの Lotus Domino サーバーには、MTU のサイズとして 1496 バイトが適しています。MTU の詳細および大きいフレームに対するスイッチの処理能力については、ネットワーク管理者に問い合わせてください。
TCP/IP のバッファー・サイズ
特に大量のデータを送信するとき、TCP/IP によって使用されるバッファーのサイズをチューニングすることにより、Lotus Quickr Web サービスのパフォーマンスを改善できます。ネットワークが信頼できる場合は、バッファー・サイズをデフォルト (8000) から 64000 に増やすことを試みてください。
イーサネット用 TCPONLY
イーサネット回線の定義で TCPONLY パラメーターを *YES に設定すると、TCP/IP のパフォーマンスがさらに改善されることがあります。
この設定により、回線定義用に IOP にロードされるコードが制限され、TCP/IP コード・パス長が減少します。
回線速度と二重モード
回線定義の設定は、接続されているハードウェアに合致しなければなりません。System i ユニットが 1 GB のスイッチに接続されていて、このスイッチが最も速い回線速度を自動的に折衝するよう設定され、二重モードが使用可能な場合、この設定に合わせて System i の回線定義を構成する必要があります。
System i5 オペレーティング・システムのチューニングの詳細については、IBM Redbooks パブリケーション「Domino for iSeries のサイジングとパフォーマンス・チューニング (SG88-4009-00)」を参照してください。
Lotus Domino サーバーのチューニング
Lotus Quickr は Lotus Domino サーバーで実行されるため、Lotus Domino サーバーのパフォーマンス・チューニングも Lotus Quickr サーバーのパフォーマンスを改善する上で効果があります。Notes.ini パラメーターと Lotus Domino 設定のチューニングにより、Lotus Quickr のパフォーマンスを改善できます。
Notes.ini での不要な Lotus Domino タスクの削除
Notes.ini に登録されているデフォルトの Lotus Domino タスクは次のとおりです。
ServerTasks=Update,Replica,Router,AMgr,AdminP,CalConn,Sched,HTTP,RnRMgr
この中で、ご利用になっている環境で使用されていないタスクがあれば、そのタスクを Notes.ini から削除できます。たとえば、テストで使用したシングル・サーバー環境では、HTTP タスクだけを有効にしました。
ServerTasks=HTTP
Lotus Domino サーバーのパフォーマンスを改善するには、次のパラメーターを追加します。
NSF_DbCache_Maxentries=<n>
この変数は、データベース・キャッシュ (有効になっている場合) に格納されるデータベースの最大数を指定します。短い間隔では、Lotus Domino はこの設定値の 1.5 倍までの数のデータベースを格納します。データベースの最大数を増やすとパフォーマンスが改善されますが、より多くのメモリーが必要となります。
NSF_DBUCACHE_MAX_ENTRIES=<n>
この変数は NSF_DBcache_MaxEntries 変数とともに使用され、Lotus Domino サーバーが指定された数のデータベースをキャッシュできるようにします。この変数に、Lotus Domino パーティションごとのアクティブな (同時に使用可能な) ユーザー・データベースの最大数を設定できます。
テスト環境での設定
NSF_DBUCACHE_MAX_ENTRIES=3000
QuickPlaceTimedHashTableTimeout=86400
メモ: これらのパラメーターはハードウェアに関連しているため、ご使用になっているハードウェア構成を最適化するようパラメーターを調整する必要があります。
Lotus Domino サーバー設定でのチューニング
Lotus Quickr は Lotus Domino HTTP タスクを使用するため、Lotus Domino の Web 設定のチューニングも Lotus Quickr のパフォーマンスに作用します。
Web エージェントと Web サービスの同時実行
Lotus Quickr には、多数の Web サービスが用意されています。Web サービスを直接呼び出すことができる機能もあります。ブログ・プレースおよび Wiki プレースの一部の機能は、Lotus Domino エージェントを用いて実現されています。ブログ・プレースには 4 つのエージェントがあり、Wiki プレースには 2 つのエージェントがあります。次の手順で操作します。
- Lotus Notes クライアントから Lotus Quickr で names.nsf データベースを開くか、Lotus Notes Administrator クライアントから Lotus Quickr サーバーに接続します。
- Lotus Quickr サーバー文書を開きます。
- 「インターネット・プロトコル」->「Domino Web Engine」->「Web エージェントと Web サービス」を選択します。
このセクションには、次の 2 つの設定があります。
- Web エージェントと Web サービスを同時に実行する
- Web エージェントと Web サービスのタイムアウト
テスト環境では、「Web エージェントと Web サービスを同時に実行する」オプションを選択しました。「Web エージェントと Web サービスのタイムアウト」は、デフォルト値「0」のままにします。これは、Web エージェントと Web サービスの実行に時間制限がないことを意味します。
同時に実行できるエージェントの最大数
Lotus Quickr のほとんどのお客様はグローバル企業であるため、日中または夜間を問わずほぼ同じだけのワークロードがあります。そこで、次の手順で names.nsf データベースの「同時に実行できるエージェントの最大数」を調整します。
サーバー・タスク- Agent Manager - 日中のパラメーター/夜間のパラメーター - 同時に実行できるエージェントの最大数
日中および夜間のパラメーターの値の範囲は 0 から 10 です。ご利用の環境のワークロードに応じてこの値を調整できます。テスト環境では、日中のパラメーターおよび夜間のパラメーターの両方を 10 に設定しました。
このセクションでは、Lotus Domino のサーバー・パフォーマンスをチューニングするいくつかの方法のみ説明しています。実際には、Lotus Domino サーバーをチューニングする多数の方法やパラメーターがあります。そのほとんどが Lotus Quickr のパフォーマンスに作用します。詳細については、本書の「リソース」セクションに記載した Lotus Domino のパフォーマンスに関する資料を参照してください。
Lotus Quickr のチューニング
このセクションでは、Lotus Quickr 自体のパフォーマンス・チューニングについて説明します。また、Notes.ini 設定と qpconfig.xml 設定のチューニングについても説明します。
Notes.ini での Lotus Quickr サービスの不要なタスクの削除
Lotus Quickr サーバーのインストール後、次のタスクが Lotus Quickr によって自動的に Notes.ini ファイルに追加されます。この中で、現在のアプリケーションに不要なタスクがあれば、Notes.ini でそれをコメント化することにより、Lotus Quickr のパフォーマンスを改善できます。
ServerTasksAt1=Catalog,Design
ServerTasksAt2=UpdAll
ServerTasksAt3=Object Info -Full
ServerTasksAt5=Statlog
ServerTasksAt4=qptool refresh -a,qptool report -policyexecute,qptool register –a
これらのサーバー・タスクの詳細については、本書の「リソース」セクションに記載された関連資料を参照してください。
Notes.ini での Lotus Quickr のチューニング
Notes.ini ファイルには、Lotus Quickr のパフォーマンスに関する多数のパラメーターがあります。そのいくつかについて説明します。
QuickPlaceWebCacheEnabled=<n>
この変数は、キャッシュの有効と無効を切り替えます。「QuickPlaceWebCacheEnabled=1」と設定すると、キャッシュが有効になります。サーバー・キャッシュを無効にするには「QuickPlaceWebCacheEnabled=0」と設定します。サーバー・キャッシュは、デフォルトで有効になっています。
QuickPlaceWebCacheDir=<フルパス>
デフォルトのキャッシュ・ディレクトリーは <DOMINOPROGRAM>>\data\domino\quickplace\cache です。この変数が Notes.ini ファイルで設定されていないと、デフォルトのディレクトリーがキャッシュ・ディレクトリーとして自動的に設定されます。指定したディレクトリー・パスが無効な場合、サーバー・キャッシュは無効になります。Lotus Quickr サーバーはこのディレクトリーに対しキャッシュの読み取りと書き込みを頻繁に行うため、RAID ディスク・システム上のディレクトリーまたは Lotus Quickr サーバーのコードが置かれているディスクとは異なるディスク上のディレクトリーを指定してください。Lotus Quickr サーバーに物理ディスクが 1 つしかない場合は、Lotus Quickr サーバーのコードとは異なる論理ハード・ディスクのディレクトリーを設定してください。
QuickPlaceWebCacheLimitInMB=<サイズ (MB)>
この変数は、キャッシュのリサイクル・サイズの制限をコントロールします。設定した値よりもキャッシュ・サイズが小さい場合、Lotus Quickr はキャッシュをリサイクルしません。キャッシュ・サイズが設定値よりも大きい場合、Lotus Quickr サーバーは設定値までキャッシュ・サイズをリサイクルします。デフォルトのサイズは 50 MB です。
一般に、この変数の値が大きいほど、Lotus Quickr のパフォーマンスは良くなります。この変数にあまりにも大きい値を設定すると、Lotus Quickr は大きいキャッシュ・サイズを扱うために、より多くのリソースを消費します。
QuickPlaceWebCacheGCIntervalInMIN=<時間間隔 (分)>
この変数は、キャッシュのクリーニングの時間間隔を設定するために使用されます。デフォルト値は 60 です。Lotus Quickr サーバーは、設定された時間間隔でキャッシュを評価します。キャッシュ・サイズが QuickPlaceWebCacheLimitInMB の設定値よりも大きい場合は、設定された間隔までキャッシュ・サイズがリサイクルされます。キャッシュのリサイクル時は Lotus Quickr サーバーのパフォーマンスが低下するため、時間間隔をあまり増やしすぎないように注意してください。
QuickPlaceEnableVersionCheck=<n>
この変数は、Lotus Quickr サーバーのバージョン番号をチェックする機能を有効 (1) または無効 (0) にするために使用されます。
QuickPlaceExpireCachedUsers=<時間間隔 (秒)>
この変数は、サーバーによって削除されるまでに、ユーザー・エントリーがキャッシュ内に保持される時間を指定するために使用されます。間隔のデフォルトは 120 秒です。
QuickPlaceTimedHashTableTimeout =<時間間隔 (秒)>
この変数は、Lotus Quickr によって使用される LDAP キャッシュを更新する頻度を設定するために使用されます。
QuickPlaceMaxCachedUsers=<n>
この変数は、キャッシュ内に保持できるユーザー・エントリーの最大数を指定するために使用されます。キャッシュ内のエントリーが指定された数に達すると、新しいエントリー用のスペースを得るために、古いエントリーから順に削除されます。デフォルトでは、キャッシュ内に 64 までのユーザー・エントリーが保持されます。
これ以外にも、このシステム・テストでは次のパラメーターを使用しました。
QuickPlaceWebCacheEnabled=1
QuickPlaceWebCacheDir= D:\QuickrCache
QuickPlaceWebCacheLimitInMB=4000
QuickPlaceWebCacheGCIntervalInMIN=60
QuickPlaceEnableVersionCheck=1
QuickPlaceExpireCachedUsers=86400
QuickPlaceMaxCachedUsers=1500
NSF_DBcache_maxentries=3000
Lotus Quickr qpconfig 設定を使用したチューニング
Lotus Domino データ・ディレクトリーにある qpconfig.xml (リスト 3 参照) は、Lotus Quickr のパフォーマンス・チューニング用のもう 1 つの重要なファイルです。このファイル内の設定を変更することで、Lotus Quickr のパフォーマンスを改善できます。
リスト 3. qpconfig.xml ファイル
<place_catalog_servers>
<server>
<domino_server_name>qpcat/IBM</domino_server_name>
<nsf_filename>PlaceCatalog.nsf</nsf_filename>
<statistics enabled="true" update_interval="<time interval in minutes>"/>
</server>
</place_catalog_servers>
</place_catalog>
|
update_interval パラメーターは、プレース・カタログの更新間隔を分単位で指定するために使用されます。このシステム・テスト環境では、1440 分の設定を使用しました。
Lotus Quickr のチューニングの詳細については、「QuickPlace Version 7.0 Administrator’s Guide」(PDF) を参照してください。
まとめ
この記事では、Lotus Quickr services for Lotus Domino のパフォーマンスを改善する方法を、オペレーティング・システム、Lotus Domino、および Lotus Quickr の 3 つの観点から説明しました。この記事で説明したパラメーターは、Lotus Quickr services for Lotus Domino のパフォーマンスを改善する上で重要なものです。これらのパラメーターは、Lotus Quickr 8.0、Lotus Quickr 8.0.0.2、および Lotus Quickr 8.1 に適用できます。テスト環境では、いくつかのトランザクションについて、チューニング前とチューニング後のパフォーマンスを比較しました。チューニング後、ほとんどのトランザクションでパフォーマンスが改善され、改善率が20 % から 40 % に及ぶものもありました。
参考文献
著者について  | |  | Gao Jin Sheng is a Staff Software Engineer at IBM working on the test team for IBM Lotus Quickr services for Lotus Domino,. He has worked on Lotus Domino related areas for more than five years. You can reach Gao Jin Sheng at gaojins@cn.ibm.com. |
 | |  | Li Chen is a Staff Software Engineer at IBM working on the system test team for IBM Lotus Quickr services for Lotus Domino. You can reach Li Chen at licchen@cn.ibm.com. |
 | |  | Luo Xiao Guang is a Software Engineer at IBM working on the test team for IBM Lotus Quickr services for Lotus Domino. You can reach Luo Xiao Guang at luoxg@cn.ibm.com |
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