IBM Lotus Notes/Domino 8の新しい不在通知機能をベータ版でプレビューし、不在通知サービスと不在通知エージェントの新機能について調べます。エージェントとサービスの使い分け、およびそれぞれの使い方を理解しましょう。

Julie Kadashevich, Software Engineer, EMC

Julie Kadashevich has been working as a developer on the programmability team of Domino server since 1997. Her specific area of expertise has to do with anything related to agents.


developerWorks 貢献著者レベル

2007年 2月 06日

[編集者のメモ: この記事で取り上げたIBM Lotus Notes 8の不在通知機能は、ベータ版に基づいて書かれています。記事の内容およびスクリーン・ショットは、製品版の機能と異なる場合があります。]

不在通知機能は最も幅広く使用されている機能の1つで、IBM Lotus Notesメール・テンプレートに含まれています。この機能は、IBM Lotus Notes/Domino 8で完全に書き換えられました。この記事では、その変更内容を調べ、新機能とこれまでの機能を比較します。また、新機能ではなく、従来の機能を使用した方がよい場合とその理由についても考慮します。

IBM Lotus Notes 7.x以前のリリースでは、不在通知機能はLotus Notesメール・テンプレート・ネイティブのLotusScriptエージェントによって管理されます。Lotus Notes/Domino 8では、下位互換性を維持するために、LotusScriptエージェントが強化されLotus Notesメール・テンプレートにまだ存在しています。さらに、エージェントと同じ機能を提供する、不在通知サービスと呼ばれる新機能がメール・ルーターに追加されました。

不在通知サービスと不在通知エージェントとの比較

不在通知サービスには、Lotus Domino 8サーバー、Lotus Notes 8クライアント、およびLotus Notes 8メール・テンプレートが必要です。不在通知エージェントには、Lotus Notes 8クライアントおよびLotus Notes 8メール・テンプレートが必要です。不在通知エージェントは、Lotus Domino 8サーバーでも、それ以前のリリースのサーバーでも動作します。不在通知機能は、Lotus Notes 8およびIBM Lotus Domino Web Access 8によってサポートされています。

エージェントもサービスも、同じ基本機能を実行します。つまり、メール・ファイルの所有者が不在のときに、どちらも電子メールに対して自動応答を生成します。図1に示すように、どちらも同じ新しいユーザー・インターフェースを共有します。

図1. Lotus Notes 8の不在通知サービスのユーザー・インターフェース
図1. Lotus Notes 8の不在通知サービスのユーザー・インターフェース

サービスおよびエージェントのどちらも、オプションで所有者のカレンダーをビジーとマークすることができ、2種類のユーザーに対する2つの異なる応答をサポートします。また、どのメッセージに応答を返すのか、または返さないのかを定義する例外ルールにも従います。さらに、各送信者に一度だけ応答するオプションがどちらにも用意されています(Lotus Notes 8の新機能です)。

両者に共通する機能に加え、大きく異なる点を表1にまとめました。その内容について、次のセクションで詳述します。

表1. 不在通知サービスと不在通知エージェントの特徴
機能サービスエージェント
応答時間即時応答6時間ごと(デフォルト)
フェイルオーバーのサポートありなし
無効化自動的に無効化手動で無効化
最短期間1時間1日
代理アクセス制御リスト(ACL)による代理をサポートACLおよびエージェント・セキュリティーによる代理をサポート
エージェントのセキュリティーに依存するか?依存しない依存する

応答時間

不在通知サービスは、受信メール・メッセージに対する即時応答をサポートします。応答は、受信メッセージのメール配信の一部としてルーターによって生成されます。エージェントはAgent Managerによって処理され、デフォルトでは6時間ごとに実行されます。

フェイルオーバーのサポート

不在通知サービスはフェイルオーバーをサポートします。これは、不在通知サービスがメール配信の一部であり、メールの配信先と同じサーバーで処理されることに基づきます。この機能をサポートするには、クラスター内のすべてのメール・サーバーで、Lotus Domino 8を実行する必要があります。不在通知エージェントはフェイルオーバーをサポートしません。代わりに、エージェントがスケジュールされているサーバーが回復したときに、前に配信されたメッセージの処理が行われます。

不在通知機能の無効化

ユーザーが指定した期間が終了すると、サービスの機能は自動的に無効になります。これに対し、エージェントはユーザーが手動で無効にする必要があります。

不在通知機能の期間

サービスの期間は1時間以上に設定できるので、ミーティング中でも通知を生成できます。エージェントでの最小期間は1日です。

代理

不在通知エージェントおよび不在通知サービスのどちらも代理をサポートします。Lotus Notes 8のエージェントは、メールの所有者以外が不在通知エージェントを有効にできるように強化されました。代理ユーザーは、「編集者」、「設計者」、または「管理者」レベルのアクセス権でデータベースのACLに登録されている必要があります。代理ユーザーが「編集者」レベルのアクセス権を持つ場合、システム管理プロセス(AdminP)はエージェントを有効にできます。代理ユーザーは、データベースのACLに登録されているだけでなく、Dominoディレクトリのサーバー文書のセキュリティー・セクションで適切な権限を持たなければなりません。代理ユーザーが「編集者」のアクセス権を持つ場合は、このユーザーに「他のユーザーとして実行するエージェントを署名」権限を与える必要があります。代理ユーザーがACLで「設計者」または「管理者」のアクセス権を持つ場合は、このユーザーには制限付きのエージェントの実行権限だけが必要です。

不在通知サービスは、「ユーザープリファレンス」を通じて代理をサポートし、カレンダーの代理と完全に統合されています。代理ユーザーは、代理指定の一部としてACLに追加されます。

あらかじめ代理の設定をしておく以外にも、ユーザーが代理を設定せずに休暇に入った場合など、不在通知機能を緊急に有効または無効にすることが必要なケースもあります。これを行うには「管理者(フルアクセス)」の機能を使用します。システム管理者は、Dominoディレクトリのサーバー文書の「セキュリティー」タブで「管理者(フルアクセス)」の権限を持つ必要があります。また、システム管理者はLotus Domino Administratorクライアントで「フル・アドミニストレーター・モード」を有効にしなければなりません。この後、ユーザーのメール・ファイルを開き、不在通知エージェントまたは不在通知サービスを有効にできます。

セキュリティー

不在通知サービスはエージェントのテクノロジーを使用しないため、エージェントのセキュリティーには縛られません。つまり、システム管理者は、不在通知サービスを使用する必要性とは無関係に、エージェントの実行権限をユーザーに付与するかどうかを判断できます。不在通知エージェントはエージェント・サブシステムを使用するために、エージェントのセキュリティー規則に依存します。この規則はLotus Notes/Domino 6および7と同じものです。

メールの所有者がそのメール・ファイルの「設計者」または「管理者」である場合、このユーザーは制限付きのLotusScript/Javaエージェントの実行権限を持つ必要があります。これは、セキュリティー・リスクを冒さずに操作の一部の実行を他のユーザーに認める最低レベルの権限です。

メールの所有者がそのメール・ファイルの「編集者」である場合、このユーザーにはエージェントの実行権限は必要ありません。「編集者」レベルのユーザーの場合、不在通知エージェントは特殊なモードで実行されるよう自動的に設定されます。つまり、ユーザーは他のどのエージェントも実行せずに、このエージェントだけを実行できます。この自動設定は、不在通知エージェントが初めて有効にされたときに、AdminPによって実行されます。

Lotus Notes 8の不在通知エージェントも代理をサポートしています。代理ユーザーは、もとのユーザーのメール・ファイルのACLで「編集者」、「設計者」、または「管理者」レベルのアクセス権を持つことができます。代理ユーザーがACLで「編集者」レベルのアクセス権を持つ場合は、メール所有者のアクセス権にかかわらず、有効にするための要求はAdminPプロセスを通じて送られます。代理ユーザーには、代理でエージェントを実行する権限が必要です。

メールの所有者が「編集者」レベルの場合、代理ユーザーには代理でエージェントを実行する権限が必要です。メールの所有者が「設計者」または「管理者」レベルの場合、代理ユーザーには制限付きのエージェントの実行権限が必要です(図2参照)。なお、代理で実行する権限は制限付きの実行権限よりも上位なので、代理で実行する権限を持っていれば、制限付きの実行権限を持たなくてもかまいません。

図2. サーバー文書でのエージェント・セキュリティーの設定
図2. サーバー文書でのエージェント・セキュリティーの設定

不在通知機能の設定

不在通知サービスは、Lotus Domino 8ルーターに組み込まれています。このため、信頼できる不在通知機能(すべてのメッセージに確実に応答する)をサポートするには、メール・クラスターのすべてのメンバーでLotus Domino 8(以降)のサーバー・ソフトウェアが実行されている必要があります。

Lotus Notes 8不在通知エージェントへの機能強化は、Lotus Notes 8メール・テンプレートに含まれています。エージェントまたはサービスを有効にする新しいロジックにはLotus Notes 8クライアントからのサポートが必要ですが、不在通知エージェントの実行には新しい機能は必要ありません。このため、不在通知エージェントは、Lotus Domino 8 以前のリリースのサーバーでも実行できます。

サービスまたはエージェントのどちらの設定を使用するのかは、システム管理者がサーバー設定文書の「ルーター/STMP (Router/SMTP)」->「詳細 (Advanced)」->「制御 (Controls)」サブタブにある「その他の制御 (Miscellaneous Controls)」セクションで選択できます(図3参照)。「不在通知サービスのタイプ (Out-of-Office service type)」フィールドに、「エージェント」(デフォルト)および「サービス」の2つの値があります。Lotus Dominoのリリースが混在する過渡期のメール・クラスターで、少なくとも1つのサーバーがLotus Domino 7.xよりも前のリリースである場合は、「エージェント」設定を使用できます。すべてのサーバーがLotus Domino 8にアップグレードされている場合は、サービス設定を使用できます。

図3. 不在通知機能の設定
図3. 不在通知機能の設定

まとめ

この記事では、IBM Lotus Notes 8 とIBM Lotus Domino 8の新しい不在通知機能について紹介し、不在通知サービスおよびIBM Lotus Domino 8の不在通知エージェントの新機能を見てきました。また、エージェントおよびサービスをどのように使い分けるのかを説明しました。新しい不在通知機能は、お客様からの多くの要望を取り入れて改良されました。私たちは、この新しい機能が役に立つことを望んでいます。

参考文献

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ArticleTitle=IBM Lotus Notes 8 の新しい不在通知機能
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