Lotus Notes/Dominoは、Ray Ozzie、Tim HalvorsenおよびLen Kawellによって、イリノイ大学でPLATO Notesとしてスタートし、やがてDEC Notesへと移行しました。Lotusの創設者Mitch KaporはOzzieが作成したコラボレーション・プロジェクトの潜在能力を見抜いていました。以下は、その歴史です

Lotus Notes/Dominoは、複雑かつ成功したソフトウェアとして、長く変化に富んだ歴史を持っています。見方によっては、この歴史はコンピューター業界の発展そのものを映す鏡といえるでしょう。つまり、PC、ネットワーク、グラフィカル・ユーザー・インターフェース、通信とコラボレーション・ソフトウェア、そしてWebに関する開発と普及の歴史です。
Lotus Notes/Dominoは、これらの発展と共に歩み、重要な進化のそれぞれに影響を与え、そして影響を受けてきました。

この記事では、最も初期の概念と開発の段階から始め、発表されたメジャー・リリースを通じて、Lotus Notes/Dominoの歴史を簡単に振り返ります。この中で、次のものを取り上げます。

  • Lotus Notesのアイデアはどこで生まれたのか
  • Lotus Notesプレリリース開発
  • リリース 1.0
  • リリース 2.0
  • リリース 3.0
  • リリース 4.0 および 4.5
  • リリース 5.0
  • Lotus Notes/Domino 6 および 6.5
  • Lotus Notes/Domino 7
  • Lotus Notes/Domino 8

初期の日々:アイデアの誕生

少し驚くかもしれませんが、後のLotus Notes ClientおよびLotus Domino Serverへとつながるオリジナルの概念は、パーソナル・コンピューターの商用開発よりも10年近く前に登場しています。Lotus Notes/Dominoのルーツは、イリノイ大学のComputer-based Education Research Laboratory (CERL)で書かれた最初のコンピューター・プログラムの中に見いだすことができます。1973年、CERLはPLATO Notesと呼ばれる製品をリリースしました。当時、PLATO Notesに装備された唯一の機能は、ユーザーIDと日付を使用してバグ・レポートにタグを付け、他のユーザーによって削除されないように、ファイルを保護することでした。システム・スタッフは、画面の一番下で、問題レポートに返答することができました。このような、ユーザー間での安全な通信が、PLATO Notesの基本でした。1976年、PLATO Group Notesがリリースされました。Group NotesはPLATO Notesのオリジナルの概念を継承すると共に、ユーザーに次のことを可能にすることで、それを拡張しました。

  • 件名で分類されたプライベートなメモ・ファイルの作成
  • アクセス・リストの作成
  • 特定の日付以降に書かれたすべてのメモと返答の読み込み
  • 匿名メモの作成
  • ディレクター・メッセージ・フラグの作成
  • 文書内でのコメントの指定
  • 他のPLATOシステム間でのメモ・ファイルのリンク
  • 複数プレーヤーによるゲームの実行

PLATO Group Notesはポピュラーになり、1980年代まで続きました。しかし、IBM PCおよび MicrosoftによるMS-DOSが1982年に発売されると、PLATOのメインフレーム・ベースのアーキテクチャーは、コスト効率が低下しました。Group Notesは、他の多くの「メモ型(notes type)」のソフトウェア製品へと変革を開始します。

1970年代後半、Ray Ozzie、Tim Halvorsen、およびLen Kawellは、CERLでPLATOシステムに従事しました。全員がそのリアルタイム・コミュニケーションに感銘を受けています。その後、HalvorsenとKawellはCERLで習得した内容に基づいて、Digital Equipment CorporationでPLATO Notesに似た製品を作成しました。

同じ頃、Ray OzzieはPCベースのLotus Notes製品の開発に向けた提案に独力で取り組んでいました。最初は、アイデアを実現する資金を得られませんでした。しかし、Lotus Development Corporationの創設者であるMitch Kaporは、Ozzieのアイデアの将来性を見抜き、その開発にLotusの資金を投資することを決意したのです。Kaporのビジネスに対する洞察力、創造性、先見性は、Ozzieのビジョンを実現するために不可欠な要素でした。


Lotus Notesの開発が始まる

1984年の終わり頃、OzzieはLotusとの契約および資金提供の元でIris Associates Inc.を設立し、Lotus Notesの最初のリリースを開発しました。1985年1月、Iris Associatesがスタートしてからまもなく、Tim HalvorsenとLen KawellがOzzieに合流し、すぐにSteven Beckhardtも続きました。全員が幅広い知識とビジョンを会社にもたらし、コラボレーションとメッセージング用のソフトウェアに非常に大きな関心を持ちました。その当時、このような概念は、せいぜい良くて斬新、最悪だと実現不可能と見られていました。彼らはPLATO NotesをモデルとしてLotus Notesを作りましたが、多くの強力な機能を持つように拡張しました。Alan EldridgeはDigital Equipment CorporationからすぐにIris Associatesに参加し、データベースとLotus Notesアーキテクチャーのセキュリティー機能に貢献しました。

Lotus Notesのオリジナルの構想には、オンライン・ディスカッション、電子メール、電話帳、文書データベースが含まれていました。しかし、当時のテクノロジーの状態では、2つの深刻な問題がありました。1つは、ネットワークが未発達で、現在と比べて低速だったことです。このため、開発者たちは当初Lotus Notesを、何らかの共有機能を持った個人情報管理ツール(PIM)として位置づけていました(たとえば、Organizerのようなものです)。もう1つは、PCのオペレーティング・システムが未発達だったことです。このため、Irisは、名前解決サーバーやデータベースなどを開発するために、システム・レベルのコードを大量に書かなければなりませんでした。最終的に、ネットワークの能力が高まるにつれて、IrisはLotus Notesをグループウェアと呼ぶようになりました。グループウェアという用語(やがて、Lotus Notes自体とほとんど同義とみなされるようになっていきます)は、ユーザー・グループ間で、コミュニケーション、コラボレーション、およびコーディネーションを強化するアプリケーションのことを示します。

この目標を達成するために、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)に接続されたPCで構成される、クライアント/サーバー・アーキテクチャーをユーザーに提供しました。各グループは、他のグループのサーバー・マシン(同じLAN上、または交換網経由)と通信する専用のサーバー・マシン(1台のPC)を設定できます。サーバーは、複製されたデータを介して情報を交換します(同じデータベースの多数のコピーが異なるサーバー上に置かれていて、Lotus Notesサーバー・ソフトウェアが継続的にこれらを同期しています)。これにより、ユーザーは同じオフィス内にいる同僚と情報を交換するときと同様に、支店にいる同僚とも情報を容易に交換できます。

創設者たちの構想は、最初のバーチャル・コミュニティーを作成するというアイデアにまで、すぐに発展しました。Irisのエンジニアリング部門の前の副社長Tom Diazは、「1984年にグループ・コミュニケーション・ソフトウェアを考えることは奇抜なことでした。当時、ほとんどの人が電子メール・システムに触れたことさえありませんでしたから。Lotus Notesは時代よりもはるかに先を進んでいましたね。商用としては最初のクライアント/サーバー製品でした」と語っています。

Lotus Notesのもう1つの主要機能は、カスタマイズでした。Tim Halvorsenによると、Lotus Notesの構造について早い段階から議論がありました。開発者たちは「製品内でアプリケーションを構築すべきか、あるいは、ユーザーが何を望んでいるのかわからないので、柔軟性を持たせて、ユーザーが作成できるようにすべきか」悩んでいた、と彼は語っています。最終的に、彼らは、ユーザーが必要に応じてアプリケーションを作成できるフレキシブルな製品を選択しました。このため、Lotus Notesのアーキテクチャーは構築ブロックによるアプローチを採用しています。ユーザーは、利用可能なさまざまなサービスを組み合わせることにより、グループ用のテキスト・アプリケーションを作成できます。「これが製品の成功に大きく寄与しています」とHalvorsenは語ります。これにより、お客様に「これ以外の方法ではできません」と言うことはありませんでした。Lotus Notesが業界の変化を乗り越えて生き残れたのは、フレキシブルな製品であり、ニーズの変化に応じて製品のユーザーがカスタマイズできるためです。

同じ頃、Apple Computerが、使いやすい新たなグラフィカル・ユーザー・インターフェースを持つMacintoshをリリースしています。これが、Lotus Notesの開発者にも影響を与え、新しい製品に、文字指向のグラフィカル・ユーザー・インターフェースが組み込まれました。

中心となる開発作業は2年以内にほとんど完了しましたが、クライアントとサーバーのコードをWindowsオペレーティング・システムからOS/2へ移植するために、もう1年を費やしました。この期間に、Irisの開発者たちはLotus Notesを使用して、Lotusのユーザーとリモートにコミュニケートしています。Halvorsenは、「毎日単に製品を使用することが、主要機能の開発につながりました」と語っています。たとえば、2つの異なる場所でデータを同期する必要性があり、これをもとに、開発者たちが複製を発明しました。「これはオリジナルの計画にはありませんでした。問題が起きたので、それを解決したのです」とHalvorsenは語ります。

現在の基準に照らし合わせると、Lotus Notesの開発には長い時間がかかっています。しかし、Steve Beckhardtによると、この開発期間の延長がLotus Notesの成功をもたらしています。これにより、Lotus Notesは市場に真のコンペティターを持たない非常に強固なアプリケーションに仕上がりました。

1986年8月、すべての独自機能を披露し、準備段階のドキュメントを用意する状態まで製品は完成しました。Lotusの最初の内部ユーザー用に製品を出荷する準備が整いました。この時点で、Lotusは製品を評価し、受け入れました。そして1987年、LotusはLotus Notesの権利を買い取りました。

Lotus Notesは、その最初のリリース以前から成功を収めていました。Price Waterhouseの社長はLotus Notesのプレリリースのデモを見て大きな感銘を受け、10,000本を購入しました。当時、それは単一ソフトウェア製品として最大のPC売り上げでした。Lotus Notesの最初の大きな顧客として、Price Waterhouseは、Lotus Notesはビジネスの進め方を変革するであろうと予測しました。現在、彼らの考えが正しかったことが証明されています。


リリース 1.0:スター誕生

Lotus Notesの最初のリリースは1989年に出荷されました。最初の年に、Lotus Notesは35,000本を超える売り上げを記録しました。Lotus Notes Clientには、DOS 3.1 または OS/2 が必要でした。Lotus Notes Serverには、DOS 3.1、4.0、またはOS/2のいずれかが必要でした。

図1. リリース 1.0の画面
図1. リリース 1.0の画面

リリース 1.0には、グループ・メール、グループ・ディスカッション、およびグループ電話帳などの「すぐに使用できる」アプリケーションが用意されていました。また、Lotus Notesには、カスタム・アプリケーションの作成を支援するテンプレートもありました。Notesを使用してカスタマイズ可能なアプリケーションを設計する機能により、Lotus Notesアプリケーションを設計するビジネス・パートナーのコミュニティーが登場しました。今日では、数千もの会社がLotus Notes上で実行される独自のソフトウェア製品を作成していますが、創設者たちはLotus Notesが「開発者の製品」になるとは予測していませんでした。彼らが想定していたのは、箱から取り出してすぐに使える、市販パッケージのPCコミュニケーション製品だったのです。実際には、両方の使われ方をしました。

リリース 1.0には、次の機能が含まれていました。その多くは、1989年の時点で革新的な機能でした。

  • RSA公開鍵技術を使用した暗号化、署名、認証。このように文書をマーク付けすることにより、文書の受信者は、送信中に文書が改ざんされていないことを明確に検証できます。Lotus NotesはRSA暗号方式を使用する最初の重要な市販製品であり、この観点から、ユーザーはLotus Notesの主要機能はセキュリティーであると考えました。
  • ダイヤルアップ機能。対話的なサーバー・アクセスのためのダイヤルアップ・ドライバーの使用、ユーザーによるモデム文字列の使用、オペレーター経由の呼び出しのサポート、電話呼び出しのアクティビティーと統計の自動ロギング、といった機能も含まれます。
  • インポート/エクスポート機能。Lotus Freelance Graphicsメタファイルのインポート、構造化ASCIIのエクスポート、Lotus 1-2-3/Symphony ワークシートのエクスポートの各機能も含まれます。
  • 新規ユーザーを簡単に設定できる機能。システム/サーバー管理者によるユーザー・メールボックスの作成、アドレス帳でのユーザー文書の作成、ダイアログ・ボックスを介したユーザーIDの認証などの機能も含まれます。また、ユーザーが個人用の配布リストを使用したい場合は、ユーザーの個人アドレス帳データベースを自動的に作成できます。
  • 電子メール・システム。ユーザーは、自分のメール・ファイルを開かずにメールを送信したり、受信確認の受信、新規メールの着信通知、メール・メッセージを作成するときの、あいまいな名前やスペルミスの自動修正などを行うことができます。
  • オンライン・ヘルプ。当時は、多くの製品で提供されていなかった機能です。
  • 式言語。Lotus Notesアプリケーションのプログラミングを容易にします。
  • 文書リンク。Lotus Notes文書間の「ホットリンク」アクセスを可能にします。
  • キーワード機能(チェック・ボックスとラジオ・ボタン)。
  • アクセス制御リスト(ACL)。各データベースへのアクセスを誰に許可し、どのようなアクセスを認めるのかを決定します。
  • データベースのリモート・レプリカを1箇所で集中管理する機能。データベース管理者の必要に応じて、この機能を使用できます。個々のエントリーではなく、ACL全体を1つのリストとしてデータベースのリモート・コピーに複製することができます。

リリース 1.1

Lotus Notesへの最初の機能強化は1990年に行われました。リリース 1.1は機能リリースではなく、新しいポータビリティー・レイヤーを含む、内部的なコードの再編成です。開発者たちは、マルチ・プラットフォーム製品として、Lotus Notesのアーキテクチャーに大幅な投資を行いました。その内容は、Lotus Notesの機能部分をオペレーティング・システムから分離する多くの製品を設計することです。このことは、Lotus Notesは多数のプラットフォームで動いていましたが、開発者たちはプラットフォーム間でコードを移植しなかったこと意味します。彼らは、異なるオペレーティング・システム用のコードを並行して開発しました。すでに、この投資に見合う結果が出始めていました。Lotus Notesのこのリリースでは、追加のオペレーティング・システムとして、OS/2 1.2 Extended Edition、Novell Netware Requester for OS/2 1.2、およびNovell Netware/386をサポートしました。しかし、このリリースの最大の功績であり焦点となったのは、Windows 3.0のサポートです。これは、影響力のあるWindows 3.0のベータ・サイトとして、Microsoftと密に連携して作業を行うことにより、実現されました。


リリース 2.0:より大きく、より良く

Lotus Notesの次の主要リリースは1991年に出荷されました。リリース 2.0では、スケーラビリティーが焦点になりました。リリース 1.0が大企業に販売された後、Lotus Notesには10,000ユーザーをサポートできる規模が必要であることをIrisは理解しました。初期の段階では、Lotus Notesは小規模から中規模のビジネスを対象としていました。創設者のビジョンには、大企業はユーザーとして含まれず、1つのサーバーあたり25人程度のユーザーが想定されていました。この理由は、当時のPCが非力であったためです。PCとそのネットワークが強力になるにつれ、Lotus Notesも強力になりました。

図2. リリース 2.0の画面
図2. リリース 2.0の画面

1990年代、Lotus Notesはさらに多くのユーザーを獲得し、大企業もそれに含まれていました。多くのユーザーを組織して維持するために時間と労力を惜しまないハイエンドのお客様にLotusは製品を販売したため、その売り上げは徐々にではありますが、着実に伸びていきました。これらの初期のお客様はLotus Notesの運用に成功し、インストール済みユーザー・ベースの数は増加を続けました。

もともと、Lotus Notesの最小ライセンス単位は200であり、個別販売はしていませんでした。この結果、最低購入価格は62,000ドルになっていました。Lotusは、この製品を理解して潜在能力を引き出せるのは大企業だけだという考えから、大企業をターゲットとしていました。Price Waterhouseや他の初期のテスト・サイトは、大企業ならばそれが可能であることを示しました。

Tim Halvorsenは当時を回想し、Lotus Notesはゆっくりと成長を始めたが、開発チームも同様だったと述べています。2番目のリリースまでに、約12人の開発者がLotus Notesに携わっていました。初期のリリースに対し、Halvorsenは「私たちはお客様のニーズに非常に敏感でしたが、業界の将来的な変化に適用できるように製品を構築していました」と語っています。

リリース 2.0では、次の機能強化が図られています。

  • CAPI(C アプリケーション・プログラミング・インターフェース)
  • ビューでの列の合計
  • 表と段落のスタイル
  • リッチ・テキストのサポート
  • 式言語の @関数の追加
  • メールでのアドレス検索
  • 複数のアドレス帳
  • メール受信確認
  • メールを介した文書の転送
  • より大きなデータベースとデスクトップ・ファイル

リリース 3.0:すべてのユーザーのための Lotus Notes

Lotus Notesリリース 3.0は1993年5月に出荷されました。このときまでに、Irisでは約25人の開発者がLotus Notesに取り組んでいました。リリース 3.0のビルド番号は114.3cです。これは、歴代で114回目のLotus Notesの成功ビルドで、最終ビルドまでに3回の試行をしたことを意味します。

このリリースの時点では、2,000を超える企業と約500,000人のユーザーがLotus Notesを使用しています。リリース 3.0の目標は、既存のLotus Notesをさらに進化させること、ユーザー・インターフェースをより使いやすく新しいものにすること、およびクロスプラットフォーム製品としての展開をより推進することでした。Lotusは製品のマーケットを広げるために、価格を下げました。リリース 3.0は、より多くのユーザーに対応するために、データベース・システムNIFを書き換えたシリーズ最初の製品です。このリリースは、約200人のユーザーが一度に1つのサーバーにアクセスする環境に適していました。

図3. リリース 3.0の画面
図3. リリース 3.0の画面

リリース 3.0には、優れた設計機能と、次に示す多くの機能が追加されています。

  • 全文検索
  • 階層名、ビュー、フォーム、フィルター
  • バックグラウンドでの複製を含むモバイル機能の追加
  • スケーラビリティーの強化
  • 代替のメール機能
  • クロスプラットフォームのLotus Notesアプリケーション用に、共通API戦略の開発
  • 選択複製
  • AppleTalkネットワークのサポート
  • デプロイと管理機能の改善
  • Macintoshクライアントのサポート
  • Windowsオペレーティング・システム用のサーバー

Lotus SmartSuiteは、Lotus Notes F/Xと呼ばれるボーナスパック付きで1993年に発売されました。Lotus Notes F/Xを使用すると、アプリケーションがデータを共有し、さらにOLEを使用してLotus Notesデータベース内のデータを統合することができます。

1994年5月、LotusはIris Associates, Incを買収しました。製品自体には、これによる影響はほとんどありませんでしたが、Lotus Notesに関する価格とパッケージングの問題が簡素化されました。1995年5月、Lotusは、インターネットのニュース・ソースとLotus Notes間のゲートウェイとなる製品InterNotes Newsをリリースしました。これは、拡大するインターネットの影響力をLotus Notesに反映した最初のプロジェクトです。


リリース 4.0:まったく新しい外観

1996年1月、LotusはLotus Notesリリース 4.0を発売しました。このリリースは、お客様からのフィードバックに基づいて完全に再設計されたユーザー・インターフェースを持っていました。このインターフェースには多くのLotus Notes機能が簡潔に配置され、作業、プログラミング、管理を容易にするものでした。Lotusphere(毎年開催されるユーザー・グループ会議)で開発者たちが新しいユーザー・インターフェースのデモを行ったときに、お客様の一団からスタンディング・オベーションが起こるほどでした。

製品は、さらにスケーラブルになっています。企業がマルチプロセッサー・サーバーにプロセッサーを追加するにともない、Lotus Notesの速度がさらに速くなりました。LotusはLotus Notesの価格を半分に下げ、大きなマーケット・シェアを得ることに成功しました。

図4. リリース 4.0の画面
図4. リリース 4.0の画面

さらに、Lotus NotesはWebとの統合を開始し、多くの新機能が業界の傑出したWebテクノロジーを反映しています。Lotus Notesの最初の開発者で、Iris Associatesの創設者であるRay Ozzieは、今日のようにWebが大きな現象になる前に、Webの重要性を見抜いていました。これは、Lotus Notesの成功を導いた大きな要因でした。Server Web Navigatorと呼ばれる新製品を使用すると、Lotus Notes ServerがWebに接続して取得したページを、Lotus Notes Clientで見ることができました。

Webを活用する他の製品として、InterNotes Web Publisherと呼ばれるサーバー・アドインがありました。これによって、ユーザーはLotus Notes文書を使い、HTMLに変換してWebブラウザーに表示できるようになりました。サーバーは静的にLotus Notes文書を受け取り、Webに公開します。このプロセスには時間的な遅れが生じるため、動的な表示はまだできませんでした。文書はファイル・サーバーに保管され、その後Webに公開されます。

リリース 4.0で提供された機能は次のとおりです。

  • LotusScript - Lotus Notesに組み込まれているプログラミング言語
  • 文書のプリビュー機能が付いた、メールおよび他のアプリケーションでの3ペイン構成のUI
  • パススルー・サーバー
  • サーバー管理者用の新しいグラフィカル・ユーザー・インターフェース
  • Webブラウザーからアクセス可能なLotus Notesデータベースなどの、組み込みのインターネット統合
  • ロケーションおよび積み重ねアイコンを含むモバイル機能の向上
  • 機能強化されたレプリケーター・ページ
  • 統合開発環境(IDE)、インフォボックス、および再設計されたテンプレートによる、迅速なアプリケーション開発とプログラミング機能
  • ビュー、フォルダー、および設計機能 - アクション・バーの作成、ナビゲータの作成(ビュー間の容易でグラフィカルなナビゲーションを可能にします)、および改善された表のサポートといった各機能も含まれます
  • 検索機能 - 索引を作成せずにデータベースを検索したり、式を書かなくても検索ビルダーに検索条件を追加できます
  • セキュリティー機能 - ローカル・データベースをセキュアに保ったり、選択した文書を読むことができるユーザーを制限する機能です
  • SOCKSのサポート、HTTPプロキシーのサポート、Lotus Notes RPCプロキシーのサポートを含む、インターネット・サーバーの改善

1995年7月、IBMは主にLotus Notesのテクノロジーを得るためにLotusを買収しました。この買収は、Lotus Notesに良い影響を与えました。買収前、Lotus Notesの開発者たちは、Webの急成長からくる戦略的な不確実性と、市場での競争の激化を感じていました。IBMによる買収により、財務的な基盤が強固になると共に、最上級のテクノロジーに接することができ(これには、後にLotus DominoとなるHTTPサーバーも含まれます)、販売力も強化されました。Lotus Notesは、非常に大規模なFortune 500社に販売され、部門単位から会社全体へと販売対象も広がりました。これらの好結果により、Lotus Notesの開発者たちは長期プロジェクトに投資する自由を得ました。1996年、Lotus Notes 4.0のリリース後に、メッセージング製品、Webサーバー、これらの製品用の開発システムの各分野で、ビジネスおよび技術の両面から大きな競争が巻き起こります。

リリース 4.0の開発には2年以上かかりました。これは、競争の激化やWebを使用して製品をリリースするコンペティターの短い開発サイクルに照らし合わせると、非常に長い期間といえます。このため、大企業に対して安定性の非常に高いLotus Notesシステムを提供しつつ、Iris Associatesが持っていた従来の技術的なリーダーシップを維持するために、開発者たちはLotus Notesの製品ラインを次の2つに分割しました。

  • 新しい機能リリースの製品ライン。リリース 4.5から、高い品質を維持しながら、可能な限り短い開発サイクルで、優れた新機能を提供します。市場での競争とLotus Notes上でアプリケーションを構築するソフトウェア・ベンダーのニーズがこれらのリリースに影響を与えました。
  • 90日でのリリース。これは「四半期毎のメンテナンス・リリース」と呼ばれており、新機能はほとんど含まれていません。Lotus Notesの既存のお客様からのメンテナンスに関する情報は、ほとんどがこの2番目の製品ラインに反映されます。これらのお客様の多くは大企業のユーザーであり、サーバーに大きな負荷がかかる状況で使用するため、デプロイを阻害するバグを最初に見つけることが多かったのです。これらのリリースの唯一の目的は、バグの修復を集め、総合的な方法でテストし、ライセンスを持つお客様のためにそれを利用可能にすることです。これらのリリースは新しい機能リリースよりも保守的に管理され、画期的な新技術よりも製品の高い安定性に関心がある大企業に適しています。製品リリース番号の3番目の桁(たとえば、4.5.3 の 3)は、メンテナンス・リリースであることを示します。

今日でも、この方法で維持された2つのLotus Notesファミリー(いわゆる2つの「コード・ストリーム」)が常に存在します。また、次の機能リリースのために、3番目のコード・ストリームが開発中となっています。

新しいユーザーは、どちらのLotus Notesのリリースを購入するかを選択できました。新しいユーザーのほとんどは、現在の機能リリースを受け取りました。時間の経過にともない、ほとんどのユーザーは複数のリリースを一緒に使うようになり、一部のマシンでは新しい機能リリースの利点を活用し、別のマシンではメンテナンス・リリース・バージョンを実行するようになります。製品のこれらの2つのリリースは、開発プロセスの特定の段階で1つにまとめられます。新しい機能リリースのコーディングが開始されるとき、過去のリリースのすべてのコードは、バグ修正も含めて1つにマージされ、新しいコード・ストリームとして出発します。このマージ・プロセスは、新しい機能リリースの開発プロセスの初期の段階で、数回にわたって行われます。このマージ・プロセスにより、機能リリースの信頼性が保証されます。


リリース 4.5:Lotus Dominoセオリー

1996年12月、LotusはLotus Notes 4.5サーバー製品のブランド名を「Lotus Domino 4.5, Powered by Notes」に変更し、Lotus Domino 4.5 ServerおよびLotus Notes 4.5 Clientを出荷しました。Lotus DominoはLotus Notesリリース 4.0サーバーを、インタラクティブWebアプリケーション・サーバーへと転換しました。このサーバーは、インターネット標準とプロトコルによるオープン・ネットワーク環境をLotus Notesの強力なアプリケーション開発機能と組み合わせたものです。Lotus Dominoは、ビジネスと組織に対し、インターネットおよびイントラネット向けの幅広いビジネス・ソリューションを迅速に開発する能力を提供しました。Lotus Domino Serverによって、動的なプロセスでLotus Notes文書をWebに公開できるようになりました。

図5. リリース 4.5の画面
図5. リリース 4.5の画面

リリース 4.5で改善された機能は次のとおりです。

  • メッセージング - ネイティブのLotus Notesカレンダーとスケジュール、SMTP/MIMEのサポート(SMTP MTA)、cc:Mailネットワークの統合(cc:Mail MTA)、POP3のサポート(Notes サーバー上)、およびモバイルの企業ディレクトリが含まれます
  • インターネット・サーバー -Lotus Domino.Action、および複数データベースの全文検索が含まれます
  • 個人Webナビゲータ - HTTP経由のクライアント・サイドでのHTMLページの取得、個人Webナビゲータ・データベース、Javaアプレットの実行、NetscapeプラグインAPIのサポート、HTML 3.2のサポートが含まれます
  • スケーラビリティーと管理性 - Lotus Dominoサーバー・クラスタ、ディレクトリアシスタント、システム管理プロセスの機能拡張、新しいデータベース管理ツール、Windows NTのシングル・ログオンのサポート、Lotus Notes/NTユーザー管理が含まれます
  • セキュリティ - 先行制御リスト、パスワードの有効期限と再利用が含まれます
  • プログラミング機能 - スクリプトライブラリ、MacintoshでのOLE2のサポート、拡張OCXのサポート、LotusScriptの機能拡張、およびIDEの機能拡張が含まれます
  • アプリケーション開発機能の強化 - Java 1.1 エージェントのサポートおよびLotus NotesオブジェクトへのJavaベースのアクセスが含まれます
  • Lotus Notes ClientからのシームレスなWebアクセス
  • 必要に応じて、WebブラウザーまたはLotus Notes Clientから設計要素を非表示にする機能

リリース 5.0:設計によるWeb統合

Lotus Notes/Dominoリリース5.0は、1984年以来160番目のビルドとして1999年初頭に出荷されました。R5のコードはリリース1.0の直系であり、そのアーキテクチャーの一部は引き続きリリース1.0クライアントをサポートしていました。しかし、下位互換性を保ちながらも、R5は間違いなく未来へ向かって進んでいました。

R5でもWeb統合が継続され、もはやLotus Notes対インターネットという構図は消え、相互が不可分の関係となりました。R5の新しいユーザー・インターフェースは、これを物語るかのように、よりブラウザーに近い特性を備えています。また、R5はより多くのインターネット・プロトコルをサポートし、Lotus Notesデータベースだけでなく、エンタープライズ・システムに保存された情報へもアクセスできるよう、その到達範囲を広げています。

図6. リリース 5.0の画面
図6. リリース 5.0の画面

Lotus Notes Designer for Lotus Dominoの後継であるLotus Domino Designerは、アプリケーション開発者にとって、開発の生産性を高める大幅な機能強化をもたらしました。Lotus Domino Designerは、セキュアなe-ビジネス・アプリケーションを迅速に構築し、デプロイするために必要なツールを持った統合開発環境です。

新しいLotus Domino Administratorには、再設計されたユーザー登録機能と、サーバー・モニタリングおよびメッセージ管理用の新規ツールがあり、Lotus Dominoネットワーク管理者の作業が容易になりました。Lotus Domino Serverの重要な機能強化は次のとおりです。

  • インターネット・メッセージングとディレクトリ - 高信頼性のメッセージング、MIMEおよびSMTPのネイティブ・サポート、新しいディレクトリカタログ、およびLDAP機能が含まれます
  • Webアプリケーション・サービスの拡張 - CORBA標準分散オブジェクト、Java、JavaScript、Webクラスタ、およびMicrosoft Internet Information Server (IIS) HTTPサービスが含まれます
  • トランザクション・ログおよび新しいODS(on-disk structure)などのデータベースの改善

リリース 5.0は、Windows NT、Windows 95、Windows 98、OS/2、Netware、およびUNIX上で利用できました。この対応プラットフォームの多さと、Lotus Notesとインターネットの連携により、次のような新しい標準がもたらされました。

  • パーソナルまたはパブリックにかかわらず、ユーザーにとって重要なすべての情報に容易にアクセスできます
  • Lotus NotesはLotus Domino R5サーバーおよび他のインターネット標準サーバーと共に使用できるので、サーバーには依存しません
  • 統一されたインターフェースにより、インターネット標準を意識せずに、任意のインターネット・メール・サーバーとの間でメールを送受信できます
  • 主要なインターネット標準がすべてネイティブでサポートされ、最も新しく画期的なインターネット・メッセージングを利用できます

R5のLotus Notes Clientサイドでは、パーソナル(電子メールやカレンダーなど)またはパブリック(お気に入りのWebサイトやインターネット・ニュースグループなど)にかかわらず、ユーザーにとって重要なすべての情報に容易にアクセスできます。Lotus Notes Clientはブラウザーに似た新しいユーザー・インターフェースを持ち、カスタマイズ可能なWelcomeページによって重要な毎日の情報をトラッキングできます。また、メール、カレンダーとスケジュール、Webブラウズ、ディスカッションなどの日常の作業で使用するアプリケーションも改善されています。インターフェース設計者Robby Shaverは、R5クライアントの議論で、「第1の目標は、クライアントをとにかく使いやすくすることだ」と語っています。


Lotus Notes/Domino 6:より速く、より良く、より安く

Lotus Notes/Domino 6が発売された2002年10月、ビジネス界では、所有コストの削減、生産性の改善、迅速な導入と転換という話題で持ちきりでした。これは、ビジネス・ソフトウェアの方向性と、厳しさを増す時間的および財務的な圧力の中でより効率を高めなくてはならない各企業の必要性を反映しています。私たちのお客様からのメッセージは、「より多くのことを、より少ない労力で、より早く行うこと」という明快なものでした。

いつものように、Lotus Notes/Dominoはこのトレンドの最前線に位置していました。Lotus Domino 6 Serverでは、メンテナンスを合理化しシステム管理のオーバーヘッドを低下させるために、インストール方法が改善され、スケーラビリティーとパフォーマンスが強化されました。Lotus Domino Designer 6では、複雑なアプリケーションの作成とコードの再利用が容易になり、開発とデプロイの時間が短縮されました。また、Lotus Notes 6は、カレンダーとスケジュール機能および個人の生産性を高める他の機能の強化により、世界中の数千万というユーザーが選んだコラボレーション・ツールとしての地位を維持しています。

たとえば、Lotus Notes 6のデフォルトのWelcomeページが再設計され、使いやすさが増すと共に、より多くの機能が利用できるようになりました。

図7. Lotus Notes 6のWelcome画面
図7. Lotus Notes 6のWelcome画面

Lotus Notes 6のWelcomeページには、次に示すような多数の新機能があります。Welcomeページのアクション・ボタン(たとえば、新規メールを作成したり、カレンダー・エントリーを作成するボタンです)。標準のLotus Notesデータベースに似たプリビュー・ペイン。Welcomeページをカスタマイズおよびパーソナライズするウィザード。アプリケーション、タスク、リンクに素早くアクセスできる起動パネル。Lotus Notes Clientの使い方を示す今日のワンポイント。Quick Notesインターフェース(該当するデータベースを開かずに、メール、連絡先、ジャーナル・エントリー、確認を作成できます)。

Lotus Notes 6の機能強化の中でも、カレンダーとスケジュールの改善は重要度が高く、時間をより効率的に管理するための新機能が提供されています。たとえば、ミニビュー、色、要約表示といった新機能により、緊急を要する項目を識別できます。Lotus Notes 6では、複数の方法で会議や他のカレンダー・エントリーを作成および編集できます。スケジュールの変更は、新しいポイント・アンド・クリックによるインターフェースで実行できます。Lotus Notes 6のカレンダー機能の詳細についてはLDD Todayの記事『Lotus Notes 6テクニカル・オーバービュー』を参照してください。

Lotus Domino Designer 6も、より多くのことをより少ない労力で行うというトレンドに重点を置き、次の各領域で機能強化が行われています。再利用機能により、設計者は1つのアプリケーション用に書いたコードを別のアプリケーションで再利用できます。エージェントの設計と管理では、エージェントのインターフェースが再設計され、エージェント・プロパティーが強化されました。また、サーバーで実行されるエージェントに接続してデバッグする機能もあります。プレゼンテーションの開発では、レイヤーやスタイル・シートなどの新しいプレゼンテーション要素を統合開発環境(IDE)内で作成および管理する新機能が追加されました。複数のデータベースにわたるアプリケーション、NSFファイルの従来の要素でないオブジェクトを含むアプリケーション、これらのアプリケーションの設計要素に使用するサード・パーティー製のツールのサポートが改善され、複雑なアプリケーションを管理できるようになりました。データベース開発では、簡単なUIの変更から大きな機能の追加に至るまで、アプリケーションの基本的な構築作業が容易になりました。これには、@関数の入力補完機能、プログラム・ペインでのHTML、データ・コネクション・リソース・タイプ、モバイル・アプリケーションをサポートする機能などが含まれます。

Lotus Domino Designer 6の機能の詳細については、記事『Lotus Domino Designer 6 テクニカルオーバービュー』を参照してください。

しかし、Lotus Notes/Domino 6での最も大きな機能強化は、Lotus Domino Serverで行われたものでしょう。そして、Lotus Notes ClientおよびLotus Domino Designerと同様に、メイン・テーマはユーザーがより効率的に作業できるよう支援することです。たとえば、インストールとセットアップでは、オプションが増え、インターフェースが改善されたため、システム管理者は迅速にサーバーを稼働することができます。また、ポリシー・ベースの管理などの機能を通じて、システム管理者が複数のリモート・サーバーを中央で一括して管理することが容易になりました。ポリシーを使用すると、ユーザー登録、セットアップ、デスクトップ、アーカイブ、セキュリティなどの標準的な設定を維持できます。ポリシー・ベースの管理の詳細については、『Lotus Domino 6 でポリシー・ベースのシステム管理を行う』を参照してください。

もう1つの主な課題は、サーバーのスケーラビリティーとパフォーマンスでした。これらの要望に対応するために、Lotus Domino 6には、トランザクション時のバイト数を最大50%削減できるネットワーク圧縮、各システム(およびドメイン全体)のより効率的な計画および実行を補助する統計モニターと分析などの機能が追加されました。Lotus Domino 6では、統計をリアルタイムまたは時系列で表示するグラフを使用して、パフォーマンス統計のプロファイルをモニターできます。また、Lotus Domino Serverモニターには、サーバーの特定のサブセットのタスクとプロセスをモニターするサーバー・プロファイルが含まれています。

もちろん、すべてのシステム管理者が最も懸念していたことはセキュリティです。Lotus Domino 6には、新しい認証機関、サーバー管理の委任、パスワード管理の改善などの新しいセキュリティ機能が追加されました。また、必要に応じてシステム管理ECLを動的にクライアントに配信できるようになりました。これにより、更新をタイムリーに配布したり、セットアップ時にデフォルトのECLを受信したクライアントを容易に更新できます。

この他にも、Lotus Domino 6には次のような新機能があります。iNotes Web AccessサーバーやLotus Domino Everyplaceサーバーなどを含むメッセージングの強化により、Lotus Dominoのメッセージング・インフラストラクチャーへのアクセス性が拡張されました。Webサーバーの新機能により、Webアプリケーション開発とデプロイの機能が拡張されました。ディレクトリに変更が加えられました。これには、ディレクトリ機能を提供するために、LDAP、Nameslookup、またはその両方を使用する機能、Lotus Dominoディレクトリでビューを更新するdirectory indexerタスクなどが含まれます。Lotus Dominoホスティング機能により、単一の論理Lotus Domino Serverで複数の組織を透過的にホストできます。サーバー・クラスタが機能強化されました。これには、クラスタ管理プロセスのサーバー・スレッド化、アクティブなクラスタレプリケータの数を制御する新規設定の追加、クラスタ複製と情報収集をより詳細に制御する新しいCluster Replicatorコマンドの追加が含まれます。Lotus Domino Off-Line Services (DOLS)が機能強化されました。

Lotus Domino 6のすべての新機能については、LDD Todayの記事『Lotus Domino 6 テクニカルオーバービュー』を参照してください。


Lotus Notes/Domino 6.5:ユーザー間の対話の活性化

2003年9月、IBMはLotus Notes/Domino 6.5をリリースしました。このバージョンでは、Sametime Instant MessagingやLotus Domino Web AccessなどのIBM/Lotusテクノロジーとより緊密な統合が行われました。さらに、リリース 6のテーマであった「より速く、より良く、より安く」という点も強化されました。

あるリリースではサーバーに注力し、次のリリースではクライアントに注力するというLotus Notes/Dominoのリリース計画を踏襲し、リリースで6.5ではLotus Notes 6.5 Clientのエンド・ユーザー機能の生産性を高めることに重点が置かれました。これらの機能拡張の中でより重要性が高いものの1つとして、Sametime Instant Messagingとの統合が挙げられます(このセクションのタイトルのもとになった機能です)。Lotus Notes 6.5 Clientから、Sametimeにログインし、ユーザーがオンラインかどうかをチェックし、一人以上のユーザーとチャットを開始したり、オンライン・ミーティングを開催できます。これによってLotus Notes Clientの到達範囲が大幅に広がり、他のユーザーとの間ですぐにコミュニケーションやコラボレーションを行うことができます。追加料金なしでInstant Messaging機能を追加できることは、依然としてLotus Notes 6.5以降の独自の利点です。

Lotus Notes 6.5での生産性に関わるもう1つ例として、拡張されたカレンダーとスケジュール機能が挙げられます。たとえば、メール・ファイルの任意のビューからメッセージをドラッグし、[カレンダー]または[タスク]ブックマークにドロップすることで、カレンダー・エントリーまたはタスク項目をメール・メッセージから作成できるようになりました。また、ドラッグ・アンド・ドロップ操作により、カレンダー・エントリーからメール・メッセージを作成したり、タスク項目からカレンダー・エントリーを作成することができます。これ以外にも、カレンダーとスケジュールの改善点として、他の会議に影響を与えずに繰り返し会議の1つ以上のインスタンスのスケジュールを変更する機能や、メール・メッセージまたはカレンダー・エントリー内の宛先リストを印刷する機能などが追加されました。

Lotus Notes 6.5メールでは、特別なアクションが必要であることを示すために、メール・メッセージにフォローアップのフラグを付けられます。アイコン表示により、メッセージへの返信またはメッセージの転送をすでに行ったかどうかを素早く判断できます。また、特定の送信者から受信したメールを自動的に[ジャンクメール]フォルダに送信できます。また、クイックルールをさらに簡単に作成できるようになりました。

Lotus Domino Web Accessクライアントが改善され、Lotus Notes Clientとほぼ同じレベルの機能となりました。Lotus Notesに似た新機能として、Sametimeインテグレーション、改善されたカレンダーとスケジュール、カレンダー・エントリーまたはタスク項目へのメッセージのコピー機能、テンプレートのカスタマイズ、ワンクリックによるメッセージの送信とファイリング、コンタクトリストへのユーザーの追加、ローカルでのアーカイブなどが追加されました。

Lotus Domino Designer 6.5では、Lotus Dominoアプリケーション開発者がオンライン状態を表示するようフォーム内の名前フィールドを有効にすることにより、Sametimeの在席確認機能をアプリケーションに追加できるようになりました。また、オンライン状態を表示するよう列を有効にすることで、Sametimeの在席確認機能をビューに追加できます。これ以外のアプリケーション開発機能として、Lotus Domino Toolkit for WebSphere Studio 1.1があります。これは、Lotus Dominoカスタム・タグ経由でJava Server Page (JSP)を作成するEclipseプラグインのセットです。Lotus Domino Designer 6.5では、Java/CORBAとCOMバインド用のLotusScriptクラスが追加され、LotusScriptのLotus Notes Registrationクラスが強化されました。

Lotus Domino 6.5 Serverでは、Lotus Dominoの実行をサポートするプラットフォームの数が増加しました。新しいプラットフォームとして追加されたのは、Linux on zSeries (S390)とWindows Server 2003です。また、Lotus Domino 6.5では、LinuxでのMozilla 1.3.1ブラウザーと、LinuxクライアントでのLotus Domino Web Accessへのオフライン・アクセスもサポートされました。

もちろん、従来どおり、パフォーマンスも重視されています。この要望に対応するために、Lotus Domino 6.5には、Lotus Domino Web Access、Mail、およびIMAP用のワークロードを含む新しいServer.Loadワークロードが追加されました。Linuxの管理者は、LinuxプラットフォームおよびLinux on zSeriesプラットフォーム用のプラットフォーム統計をモニターできるようになりました。また、データベースの複製もより詳細に制御できます。Lotus Domino 6.5 for iSeriesには、パーティション化された1台のマシン上でLotus Dominoの複数のバージョンをサポートする機能が追加されました。または、Lotus Domino for z/OSには、SSLが有効なときにCPUの使用度を減少させるハードウェア暗号機能が追加されました。

サーバーに関連するその他の機能強化として、障害復旧/クリーンアップ・スクリプトの統一されたインターフェース、診断データや他のデータを収集するNSDを有効/無効にする機能、メモリー内のデータ構造を検証するMemcheckを自由に実行する機能、SEMDEBUG.TXT内のタイム・スタンプ、起動時にシステムとサーバーのデータを収集し、記録する機能が含まれます。

Lotus Notes/Domino 6.5と同時にLotus Enterprise Integrator (LEI) 6.5もリリースされました。LEI 6.5の新機能には、LEIのアクティビティ文書およびコネクション文書への読者レベルのアクセス権を割り当てる機能、LEI Administrator内のすべてのアクティビティの従属関係を示す従属アクティビティ・レポート、Linux Red Hat 7.2、United Linux 1.0、Windows 2003、およびSun Solaris 9iのサポート、iSeries用ODBC Connector、Virtual Documentsのパフォーマンス改善などが含まれています。

最後に、リリース6.5.1では、Lotus Notes/Dominoのリリースと、Sametime、QuickPlace、およびLotus Domino Document Managerを含む「Extended Products」を同期させました。


Lotus Notes/Domino 7:新たな展望

2005年8月、Lotus Notes/Domino 7がリリースされ、お客様の期待はこれまで以上に高まりました。人々は、より少ないリソースでLotus Notes/Dominoのデプロイと管理を容易にするという従来の路線を継承することを望みました。同時に、Lotus Notes/Dominoは、他のIBMテクノロジー(WebSphere Portal、DB2、および新しいIBM Workplaceファミリーなど)と完全に統合し、すべてを包括する「オンデマンド」ワークプレースの重要なコンポーネントである、という見方がユーザー間に広がりました。

リリース 7における最も重要な機能拡張の多くは、Lotus Domino 7 Serverのために行われました。たとえば、Lotus Domino 7 Serverの管理ツールは、DB2データベースをサポートするようになりました。また、Lotus Domino 7では、IBM WebSphere Application ServerおよびWebSphere Portalとの統合が強化されています。さらに、Lotus Domino 7ではWeb標準との統合も強化されています。(Lotus Notes/Domino 7.0でのDB2統合はトライアル・ベースで提供され、実際の運用ではなく、評価およびテストを目的としたものです。詳細については、『Lotus Domino and DB2 feature page (US)』を参照してください。)

新しいLotus Dominoドメインモニター(DDM)機能を使用すると、システム管理者はLotus Domino Administrator内の1箇所で1つのドメイン内または複数のドメインにわたる複数のサーバーの状態を表示できます。DDMは調査を用いて複数のサーバーの情報を取得し、問題が発生していないかチェックできます。この情報は、特殊なデータベース(DDM.NSF)に集められて保存されます。DDMを使用すると、すべてのサーバーを24時間モニターし、サーバーおよびクライアントで発生したクリティカルな問題を迅速に把握し、レポートできます。

Lotus Domino 7のサーバー管理に追加されたもう1つの重要な機能はActivity Trendsでした。この機能は、サーバー、データベース、ユーザーなどに関するアクティビティの統計を収集し、保存します。このデータに基づいてActivity Trends情報をレビューすることにより、データベースの負荷が環境内の各サーバーにどのように分散されているのかをより明確に把握できます。また、Activity Trendsは、ユーザーが指定したリソース目標に基づき、データベースのワークロードを均衡化する推奨事項や、これらの推奨事項の実装を支援するワークフローを提供します。

Lotus Domino 7には自動診断収集機能があり、Lotus Notes ClientまたはLotus Domino Serverがクラッシュしたときに生成されたコール・スタックを、Lotus Notes/Domino 6.0.1で導入された自動診断収集機能を用いて検証することができます。自動診断収集は、自動データ収集を機能強化したもので、Fault Reportメール受信データベースに保管されているコール・スタックを分析し、このデータを評価して、同じ問題の他のインスタンスが発生していないかどうかを判断できます。

他の改良点として、Smart Upgradeがあります。Lotus Domino 7には、Smart Upgradeの状態(成功、失敗、遅延)をユーザーおよびマシンごとにシステム管理者に通知するメール受信データベースがあります。クラスタ内のサーバーが失敗すると、Smart Upgradeはクラスタ内の他のメンバーに切り替えます。過度のサーバー負荷を避けるために、Smart Upgrade Governorは1つのサーバーからのダウンロード数を制限します。これ以外のLotus Domino 7のシステム管理の機能強化として、InstallShield Multiplatform(ISMP)インストール、Webサーバー管理クライアントでのLinux/Mozillaのサポートが含まれます。

Lotus Domino 7の新しいセキュリティ機能として、暗号用のより強力な鍵(1024ビットRSA 鍵と128ビットRC2)が追加されました。また、Lotus Domino 7では、シングル・サインオン(SSO)のサポートが強化され、暗号化されたメールを処理するセキュリティ関連の新しいAPIも追加されました。(詳細については、developerWorksのLotusの記事『Lotus Notes/Domino 7.0 のセキュリティAPI』を参照してください。)これ以外のセキュリティ機能として、SMTP接続用の個人ブラックリスト/ホワイトリストフィルタ、SMTP接続用のDNSホワイトリストフィルタがあります。ホワイトリストフィルタは、クライアント上でDNSレベルで有効にできます。ユーザーは、メールルールでブラックリストを選択できます。

Lotus Domino 7での重要な機能強化の一環として、サーバー・パフォーマンスを改善する作業が内部的に行われ、成果を上げました。Lotus Notes Bench R6MailとR6iNotesワークロードを使用してすべてのプラットフォームの単一Lotus Dominoパーティションで行われたテストでは、リリース 6.5と比較して、サーバー・スケーラビリティーが80%も改善されています(Linuxでは400%もの改善です)。また、テストによると、Lotus Domino 7はサーバーのCPUの使用率を低下させる(最大25%まで)こともわかりました。パフォーマンスに関する他の機能強化として、Linuxスレッド・プール、IIOPパフォーマンスの改善、ネットワーク・パフォーマンスの改善、メールルールのスケーラビリティーの改善、Lotus Domino Web Accessメール・サーバーのパフォーマンスの改善などがあります。これらはすべて、Lotus Notes/Domino環境を維持するためのコストとオーバーヘッドの削減に貢献するよう設計されています。

Lotus Notes 7では、カレンダーとスケジュール、Sametimeインテグレーション、メール、デスクトップ、相互運用性の機能が改善されています。Lotus Notes 7のカレンダーとスケジュールには、カレンダーのメンテナンス用にカレンダーのクリーンアップ機能が追加されました。カレンダーのクリーンアップを使用すると、作成日/最終更新日に基づいてエントリーを削除できます。また、削除するエントリーのタイプ(カレンダーまたはタスク)を選択できます。既存の会議と競合する会議をカレンダーに受け入れたり、会議招集に返信するときにカレンダーのワークフローをキャンセルできます。また、Lotus Notes 7では、会議室予約機能が大幅に改善され、会議室とリソースを効率よく管理できるようになりました。(この詳細については、developerWorksのLotusの記事『Lotus Notes/Domino 7の会議室予約の設計』および『Lotus Notes/Domino 7での会議室予約の新機能』を参照してください。)

Lotus Notes 7では、Sametimeインテグレーションもさらに拡張されています。在席確認が、カレンダー・ビュー、チームルーム、ディスカッション、タスク文書、個人アドレス帳、会議室予約テンプレート、Lotus Dominoディレクトリに追加されました。また、Lotus NotesのInstant Messagingのチャットが異なるスレッドになりました。Lotus NotesのInstant Messaging会議に、画面共有、ホワイトボード、オーディオ、ビデオなどの機能が追加されました。また、チャット・ウィンドウにLotus Notes URLを貼り付けることができます。

Notes 7には、メール・ユーザー用にクイックフラグ機能が追加されました。この機能を使用すると、[フォローアップ]ダイアログ・ボックスを表示せずに、1つ以上のメール・メッセージを選択してフォローアップを指定できます。[フォローアップ]アクションは、マウスの右クリック・メニューで利用できます。メールルールでは、[処理の停止]アクションとブラックリスト/ホワイトリスト・スパムがサポートされました。ステータス・バーの新しいアイコンによって、電子メールがデジタル署名されているか、暗号化されているか、あるいはその両方であるかが示されます。また、Microsoft Office XPのスマートタグ機能を介してLotus Notesメールを扱うことができます。(詳細については、『Lotus Notes/Domino 7.0のスマートタグを使用する』を参照してください。)

Lotus Notes 7のこれ以外の機能強化として、アーカイブの改善、会議ビューの改良、Notesアプリケーション・プラグイン(IBM Workplace Managed Client (US)と共に使用する)、自動保存(developerWorksのLotus記事『Lotus Notes/Domino 7の自動保存のすべて』を参照)があります。

前述のように、Lotus Notes/Domino 7にはDB2をデータ・ストアとして使用する機能があります。この機能をサポートするために、Lotus Domino Designer 7には、DB2対応データベース用の新しいタイプの2つのビューであるDB2 AccessビューとDB2検索ビューが追加されました。DB2 Accessビューはデータの構成方法を定義し、DB2検索ビューはSQLクエリーを使用してそのデータを生成します(NSFファイル内の文書を選択するビューの選択式は使用されません)。フォーム単位またはデータベース単位でリレーショナルにアクセスするようフィールドを定義できます。

新しい設計要素を使用すると、Webサービスの機能を維持できます。この設計要素には、Webサービスで一般に必要とされるすべての属性が含まれています。詳細については、記事『Lotus Notes/Domino 7 Webサービス』を参照してください。

Lotus Domino Designer 7には、いくつかの新しいユーザビリティー機能がインターフェースに追加されました。たとえば、[コメント]列をソートできるようになりました。また、設計リストで名前、別名、コメントを直接入力したり、ビューのアクションを右クリック・メニューに追加できます。また、Lotus Domino Designer 7では、Lotus Scriptデバッガーの状態(オンまたはオフ)を切り替えるツールバー・アイコンが追加されました。また、新しい関数、プロパティー、およびメソッドが追加され、Lotus Domino Designer 7のプログラミング機能が強化されました。

Lotus Domino Designer 7では、JVM 1.4.2およびJavaデバッガーのサポートが追加されました。それ以外の新機能として、WebSphere Portalインテグレーションの改善、ビューの共有列のサポート、ビュー内での複数のユーザー・プロファイル列のサポートがあります。

Lotus Domino Web Access 7には、新しいLotus Domino Web Accessクライアントのテンプレート(dwa7.ntf)を含む多くの新機能が追加されました。Sametime Instant Messagingの在席確認の統合は、Lotus Notes Clientの在席確認機能とほぼ同等になりました。生産性の改善には、シングルクリックによるフォローアップ、クイックメールルール、電子メールによる任意のLotus Domino Web Accessオブジェクトの転送などが含まれます。


Lotus Notes/Domino 8: Eclipse 上での構築

Lotus Notes/Domino 8 は、2005 年 6 月、ドイツ、ハノーバーの IBM Lotus Technical Forum で初めて発表され、2007 年 8 月にリリースされました。Lotus Notes/Domino の最新作となるこのバージョンは、初期のバージョンから飛躍的に変革し、新しいユーザー・インターフェース、強力な新機能、画期的なプロダクティビティー・ツール、およびビジネス・ソリューションの拡張サポートをともない、強力なコラボレーションおよびメッセージング製品を築き上げています。

Lotus Notes 8 クライアントは Eclipse フレームワークに基づいており、Eclipse ベースのコードを Lotus Notes 内で実行することが可能です。この基本的な変革が、大きな飛躍をもたらしました。Eclipse プラグインは、コンポジット・アプリケーションとして Lotus Notes アプリケーションと相互にワイヤーすることができます。また、コンポジット・アプリケーションを構築することにより、ユーザー自身が必要とするビジネス情報に 1 つのビューから迅速にアクセスできます。同様に、クライアント・プログラムを拡張したり、ユーザー・インターフェースをカスタマイズできます。

Lotus Notes 8 は、IBM の汎用管理対象クライアント・ソフトウェアである IBM Lotus Expeditor 上に構築されています。つまり、Eclipse 上に構築されていることになります。本質的に、現在の Lotus Notes 8 は、オープン・ソースで Java ベースのプラットフォーム上にあります。Lotus Notes 8 の新機能には、次のものがあります。

  • よく使用するアプリケーションに素早くアクセスするための「開く」ボタン。
  • Lotus Sametime V7.5.1 の連絡先、1 日の予定、RSS、および ATOM フィードなど、重要な情報や警告を表示するサイドバー。
  • 状況依存ツールバーおよびカスタマイズ可能なビューのプリファレンス。
  • アクティビティー中心のコンピューティングのサポート。
  • ODF (Open Document Format)、Microsoft Office、および Lotus SmartSuite のファイル形式をサポートするワード・プロセッサー、スプレッドシート、およびプレゼンテーションの各アプリケーション。
  • 電子メール、カレンダー、Web、および自分自身のデスクトップ用の検索センター。
  • 特定のユーザーとのコラボレーションを検索および表示できるコラボレーション履歴。
  • メールの回収機能。
  • 件名ヘッダーに基づいて電子メール・スレッドを収集およびレビューできる会話モード。

更新された Lotus Notes 8 クライアントのユーザー・インターフェースを図 8 に示します。

図 8. Lotus Notes 8 のユーザー・インターフェース
Lotus Notes 8 のユーザー・インターフェース

Lotus Domino 8 は、パフォーマンス、管理、および保守性の各面で進歩しています。Lotus Domino 8 での多くの変更は、メッセージの回収、改善されたユーザー登録、およびメール・スレッドといった Lotus Notes 8 の新機能をサポートします。アプリケーション開発への変更に対するサポートとしては、Lotus Notes 8 クライアントへのコンポジット・アプリケーションの管理対象デプロイメントや、Lotus Domino が Web サービス・コンシューマーおよび Web サービス・プロバイダーのどちらにもなれる機能があります。

Lotus Domino 8 はオープン・アプリケーション・インフラストラクチャーをサポートし、Lotus Notes 8 へのコンポジット・アプリケーションのデプロイ、および Web サービス・サポートの拡張を可能にします。Lotus Domino 8 の新機能には、次のものがあります。

  • 受信ボックスのサイズ管理を補助する、受信ボックスのクリーンアップのポリシー管理。
  • IBM Tivoli Enterprise Console ソフトウェアとの統合。
  • RedHat Linux 5 のサポート。
  • インターネット・セキュリティー機能の改善。Domino ディレクトリ内のインターネット・パスワード・フィールドへのアクセスを防止する機能、およびパスワード入力の失敗に対してインターネット・アカウントをロックアウトする機能が含まれます。

Lotus Domino Designer 8 は、Lotus Notes および Lotus Domino 8 の新機能と調和した新しい機能を提供します。これには、Lotus Notes/Domino アプリケーションを通じてより高い価値をもたらすことを可能にする新機能や、サービス指向アーキテクチャー (SOA) のサポートが含まれます。また、Lotus Domino 8 との連携により、Lotus Domino Designer 8 は、他のシステムが Lotus Domino のデータおよびビジネス・ロジックを利用することを可能にする多数のオプションを提供し、Lotus Domino 7 で初めて導入されたネイティブ Web サービス・プロバイダーのサポートをより洗練されたものにします。

Lotus Notes/Domino 8 でのコンポジット・アプリケーションとの連携により、前のリリースの「より速く、より良く、より安く」というモデルが拡張されます。Lotus Notes/Domino 8 は、既存および新規のソリューションとデータをコンポジット・アプリケーションに統合することを容易にします。これらの新しいアプリケーションはコンポーネントを画面上に集約し、さまざまなシステム (たとえば、Lotus Notes データベース、Java アプリケーション、Web など) からのコンテンツを 1 つのコンテキストにまとめてユーザーに表示します。図 9 を参照してください。

図 9. Lotus Notes 8 でのコンポジット・アプリケーションの画面
Lotus Notes 8 でのコンポジット・アプリケーションの画面

新しいプロダクティビティー・エディターは、文書、プレゼンテーション、およびスプレッドシートを作成、編集、共有するためのアプリケーションです。これらのエディターは、Lotus Notes 8 の標準ライセンスにも含まれています。エディターは Lotus Notes と緊密に統合され、いくつかのファイル形式をサポートします。デフォルトのファイル形式は、OpenOffice 2.0 およびオープン・ソース・コードに基づく他の製品によって使用されている Open Document Format と同じものです。サンプル文書を図 10 に示します。

図 10. Lotus 文書エディター
Lotus 文書エディター

Lotus Notes/Domino 8 のリリースにより、IBM が標準ベースのコンピューティングを採用した 2002 年に始まった 1 つのプロセスが完了します。この製品の最新バージョンは、Lotus Notes のユーザー・インターフェースを強化し、アクティビティー中心のコンピューティングを提供します。そして、コンポジット・アプリケーションの導入をもたらします。

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ArticleID=339033
ArticleTitle=Lotus Notes/Dominoの歴史
publish-date=12202005