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Lotus Domino Web Access クライアントのパフォーマンスの改善

Dana St. Clair, Principal Technical Writer, IBM Corporation
Dana St. Clair is a Principal Technical Writer for the IBM/Lotus Software Group. Dana joined IBM in 2000. She currently writes the client and administration documentation for Domino Web Access and Domino Access for Microsoft Outlook. Dana's past contributions include planning and writing several sections of the Domino Administration 6.0 documentation.

概要: Lotus Domino Web Access クライアントのパフォーマンスの改善

日付:  2005年 3月 29日
レベル:  中級 この記事の原文:  英語
アクティビティー: 2187 ビュー
お気軽にご意見・ご感想をお寄せください: 


リリース 6.5.3 hotfix (Domino Web Access 6.5.4 以降に含まれています) を使用すると、Domino Web Access クライアントのパフォーマンスが大幅に向上します。システム管理者およびユーザーは、この記事を参考にして、パフォーマンスとユーザーの満足度を改善できます。

[編集者のメモ: この記事で解説するパフォーマンスの改善方法を活用するには、Lotus Notes/Domino 6.5.4 にアップグレードすることをお勧めします。しかし、Domino Web Access 6.5.3 hotfix を必要とするサポート契約をされているお客様は、入手方法について IBM Lotus サポートまでお問い合わせください。]


※注記

Hotfixは応急処置のために作成される修正モジュールであり、十分な製品品質テストが行われていません。そのため緊急度が認められる場合を除き、お客様への提供は行っておりません。本記事はHotfixについて触れていますが、安全にパフォーマンス向上を図るためには、6.5.4以降のメンテナンス・リリースを利用してください。


Domino ベースのメールファイルへアクセスする IBM 初の Web クライアントである IBM Lotus Domino Web Access (DWA) は、ダイナミック HTML (DHTML) を介して、優れたユーザー・エクスペリエンスを Microsoft Internet Explorer および Mozilla ブラウザーに提供します。Domino Web Access クライアントのパフォーマンスは、DHTML アプリケーションとして、サーバー・パフォーマンス、ネットワーク・パフォーマンス、およびクライアント設定によって左右されます。

Domino Web Access 6.5.3 hotfix (DWA 6.5.4 以降に含まれる) を組み込むことにより、Domino Web Access クライアントの応答時間が、hotfix のない DWA 6.5.3 よりも 30 〜 40 パーセント向上します (特に、ローエンドマシンで顕著です)。hotfix のほかにも、システム管理者とユーザーの両者がパフォーマンスを向上させるために採用できる方法があります。しかし、1 つの領域でパフォーマンスが向上すると、別の領域で予期せぬ影響が生じることもあります。正しい決定を行なうために、利用できるオプションを知り、決定によってどのような影響が生じるかを認識する必要があります。

この記事では、Domino Web Access 6.5.3 hotfix によるパフォーマンス改善の結果を紹介します。また、パフォーマンスを向上させるためにシステム管理者とユーザーが使用できる設定と、この設定から予想される結果についても説明します。



Domino Web Access の要件

メールファイルにアクセスする Domino Web Access ユーザーの基本的な要件は次のとおりです。

  • ユーザーが Domino Web Access メールテンプレート (INOTESx.NTF) を持つこと。推奨テンプレートは Domino Web Access 6 (INOTES6.NTF) です。
  • メールファイルが存在するサーバーで、HTTP サーバータスク (Domino Web サーバー) が実行されていること。

Notes ユーザーは、INOTES6.NTF を使用してメールファイルの設計を変更できます。変更後は、Web ブラウザーを使用してメールファイルにアクセスすることも、Notes Client からメールファイルを継続して使用してすべての機能を利用することも、どちらも可能です。

Domino Web Access の動作
Domino Web Access は次のコンポーネントを使用します。

  • Domino Web サーバー
  • ユーザーのブラウザー
  • インターネット・パスワード

Domino Web サーバーにはユーザーのメールデータベースが保存されます。このデータベースには、メッセージ、カレンダーエントリ、ビューなど、表示される個人情報が含まれています。このデータ (HTML と JavaScript) を表示するためのロジックとフォームは、共有フォームデータベース (FORMS6.NSF) と Web サーバーのコード自体で維持されています。共有フォームデータベースとサーバー・コードは、すべてのユーザーによって共有されます。

Web サーバーが Domino Web Access の HTTP 要求を受け取ると、共有フォームデータベース (FORMS6.NSF) から 適切なフォームをロードし、必要であれば、ユーザーのメールデータベースのデータを使用して HTTP 応答を生成します。 応答には、スタイル・シート、スクリプト・モジュール、画像などの他の要素への外部参照が含まれることがあります。 応答を受け取ると、Web ブラウザーは HTML と埋め込まれたすべてのスクリプト参照をロードして、 ページをレンダリングします。また、外部参照をロードする要求を発行します。外部参照の多くは、 変更されることがない UI 設計要素です。これらの要素はブラウザーのファイルシステム・キャッシュに保管されるので、 ブラウザーがネットワーク経由でこれらの要素をダウンロードするのは、一度だけです。要素の再ロードが必要な場合、 ブラウザーはキャッシュからそのコピーを取り出します。メッセージの本文などの機密内容は、 サーバーによってタグが付けられ、キャッシュされません。


パフォーマンスの要因

他の Web アプリケーションと同様に、ユーザーへの応答時間は次の要因の組み合わせに依存します。

  • クライアント・マシンの構成
  • ブラウザーから Web サーバーへ要求を送信するときのネットワーク転送時間
  • Web サーバーが要求を処理する時間
  • Web サーバーからブラウザーへ応答を送信するときのネットワーク転送時間
  • ブラウザーが応答を開いて処理する時間
  • ブラウザーでページをレンダリングするのに必要な要求の数

クライアント・マシンの構成
Domino Web Access の一連のリリースでは、JavaScript テクノロジーを使用して作成された新機能とリッチ・ユーザー・インターフェースが次々と追加されました。製品が成長した結果、これらのすべての機能をサポートするために、クライアントの推奨構成も変化しています。Domino Web Access はローエンド・マシンでもエラーなしに機能しますが、これらのマシンでのパフォーマンスは、メッセージング・ソリューションに必要なレベルに達しないこともあります。このため、推奨されるクライアント構成とともに、最小限のクライアント構成も定められています。

最小限のクライアント構成
リリース 6.5.3 では、最小限の Windows クライアント構成として、Pentium III、800 MHz、256 MB のシステムが推奨されています。しかし、リリース 6.5.3 パフォーマンス hotfix の場合、Domino Web Access の最小限のクライアント構成は、400 MHz、128 MB RAM となります。推奨される最小限の Linux クライアント構成は、Pentium III、500 MHz、192 MB のシステムです。


Domino のバージョンテンプレートプロセッサー・スピードメモリー
5.0.8 - 6.0.1 INOTES5.NTF600 MHz128 MB
6.0.2 - 6.5.3 INOTES6.NTF800 MHz256 MB
6.5.3 + Hotfix (Windows) INOTES6.NTF400 MHz128 MB
6.5.3 + Hotfix (Linux)INOTES6.NTF500 MHz 192 MB

推奨されるクライアント構成
Internet Explorer 6.0 および Mozilla での Domino Web Access 用に推奨されるマシン構成は、Pentium IV、1 GHz、512 MB のシステムです。

Web サーバーの構成
Web サーバーの構成も Domino Web Access のパフォーマンスの 1 つの要因ですが、課題となるのはスケーラビリティ、ユーザー数、およびネットワーク速度です。これらの課題は、Domino Web Access に固有のものではありません。Web サーバーの構成に関する詳細な情報は、developerWorks: Lotus の Performance ページにある、サーバー・スケーラビリティとパフォーマンスについての多くの記事に掲載されています。


テスト

パフォーマンスをテストするために、Lotus Domino 6.5.3 とパフォーマンス hotfix を組み込んだ Lotus Domino 6.5.3 を使用して、Windows 2000 上の Internet Explorer 6.0 SP1 と SuSE Linux 上の Mozilla 1.7 の両方で、最も一般的な 16 の操作をテストしました。また、異なるクライアント構成でもテストを行ないました。実際の応答時間は、マシン、メモリーの容量、ネットワークの負荷と速度、Web サーバーの負荷、他のアプリケーションによって消費される処理時間によって変わります。

テストの方法
ユーザー・クライアントの応答時間を測定するテスト方法では、一般的なユーザーによる Domino Web Access の操作をシミュレートするよう考慮されています。クライアントサイドの応答時間は、ストップウォッチによって計測しました。応答時間とは、指定された操作をユーザーが開始してから、ブラウザーがページをレンダリングするまでの合計時間です。

すべてのパフォーマンス・テストは、Domino Server と クライアント・マシンだけを含むネットワーク上でシングル・ユーザーとして実施しました。これは、ネットワークの負荷による影響をパフォーマンスの要因から排除するためです。また、テストは、HTTPS でなく HTTP を使用し、Lotus Instant Messaging 機能をオフにして実施しました。応答時間は、GZIP を有効にした場合と、無効にした場合の両方で計測しました (GZIP の詳細については、この記事で後述する「GZIP 圧縮」のセクションを参照してください)。

テストの前に、ブラウザーの Web ページ・キャッシュを消去しました。この後で 16 の操作を各 1 回実行し、サーバーとブラウザーのキャッシュを生成しました。これは、一般的なユーザーによる Domino Web Access の操作をできるだけ忠実にシミュレートするためです。前にも説明したように、操作を最初に実行するとき、Domino Web Access は JavaScript ライブラリーをダウンロードします。これはキャッシュに保管されます。キャッシュされたコードはキャッシュ内で保持され、ブラウザーが閉じた後や、システムを再起動した後でも再利用できます。したがって、この操作を 2 回目に実行するとき、ブラウザーはキャッシュされているバージョンの JavaScript を使用します。

それぞれの操作は 5 回実行しました。これらの平均時間を計算して、応答時間としました。測定した 16 の操作は次のとおりです。

  • [1日] ビューを開く (7件のカレンダーエントリを含む)
  • [1週間] ビューを開く (22件のカレンダーエントリを含む)
  • [1ケ月] ビューを開く (22件のカレンダーエントリを含む)
  • [受信ボックス] ビューを開く (100件のメッセージを含む)
  • 新規メッセージを開く
  • 受信ボックスを送信者でソートする
  • 1人のユーザーにメッセージを送信する
  • メッセージ (23KB) を開く
  • 会議招集を開く
  • 履歴なしで返信を作成する
  • 返信を3人のユーザーに送る
  • 70KBの添付ファイルを含むメッセージを 1人のユーザーに送信する
  • 1KB の添付ファイルを含むメッセージを 1人のユーザーに送信する
  • 新規のカレンダーエントリを開く
  • 受信ボックスから 1通のメールを削除する
  • 1通のメールを受信ボックスからフォルダへ移動する

マシン・タイプによる影響
hotfix を組み込んだ Domino Web Access 6.5.3 はローエンド・マシンでも予期したとおりに動作しますが、より新しく強力なマシンの方がパフォーマンスが良くなることは否定できません。ローエンド・マシンで GZIP を使用するとパフォーマンスが少し低下しますが、ハイエンドの 3 GHz のマシンではこの影響は無視できます。

hotfix を組み込んだ DWA 6.5.3 で、軽量 UI を使用してパフォーマンスを強化し、GZIP を有効にした場合と、無効にした場合の測定結果を次のグラフに示します。(メモ: 軽量 UI は標準 DWA UI のスケールダウン・バージョンで、リリース 6.5.3 hotfix のオプションです。詳細については、後述の「軽量ユーザー・インターフェース」セクションを参照してください。)


図 1. マシン・タイプ別の平均応答時間 (Internet Explorer)



図 2. マシン・タイプ別の平均応答時間 (Mozilla)


6.5.3 と hotfix を組み込んだ 6.5.3 のパフォーマンスを比較する

最も極端なケースで DWA 6.5.3 hotfix のパフォーマンスをテストするために、推奨される最小限のマシンで測定を実施しました。標準 UI を使用する DWA 6.5.3 の応答時間を基準にして、標準 UI を使用する hotfix 付き DWA 6.5.3 (hotfix) と軽量 UI を使用する hotfix 付き DWA 6.5.3 (hotfix) を比較しました。Mozilla 1.7 での応答時間は、標準ユーザー・インターフェース使用の場合は 41 パーセント向上し、軽量ユーザー・インターフェース使用の場合は 44 パーセント向上しました。Internet Explorer での応答時間は、標準 UI 使用の場合は 42 パーセント向上し、軽量ユーザー・インターフェース使用の場合は 48 パーセント向上しました。軽量ユーザー・インターフェースの詳細については後述の「軽量ユーザー・インターフェース」のセクションを参照してください。

400 MHz、128 MB のクライアント・マシン上の Microsoft Windows 2000 で Internet Explorer 6.0 SP 4 を使用した場合と、500 MHz、192 MB のクライアント・マシン上の SuSE Linux で Mozilla 1.7 ブラウザーを使用した場合の結果を下表に示します。応答時間はミリ秒単位で測定されています。

MozillaInternet Explorer
操作6.5.3 (標準 UI)6.5.3 Hotfix (標準 UI)6.5.3 Hotfix (軽量 UI)6.5.3 (標準 UI)6.5.3 Hotfix (標準 UI)6.5.3 Hotfix (軽量 UI)
[1日ビュー] を開く (7エントリ)8.075.054.694.863.912.86
[1週間ビュー] を開く (22エントリ)7.334.734.495.563.863.27
[1ケ月ビュー] を開く (22エントリ)10.377.937.267.924.453.52
[受信ボックス] ビューを開く11.627.386.898.715.965.11
新規メッセージを開く4.350.350.352.450.350.35
受信ボックスを [送信者] 列でソートする5.333.143.083.482.412.39
1人のユーザーにメッセージを送信する2.692.272.161.921.581.54
メールメッセージを開く5.250.890.873.790.940.92
会議招集を開く5.644.574.573.811.010.98
履歴なしで返信を作成する4.483.763.623.112.612.57
返信を 3人のユーザーに送る2.742.362.262.081.621.59
70KBの添付ファイルを含むメモを1人のユーザーに送信する3.032.512.392.281.811.76
1KBの添付ファイルを含むメモを 1人のユーザーに送信する2.882.432.322.011.731.69
新規のカレンダーエントリを開く7.540.350.355.810.350.35
受信ボックスから 1通のメモを削除する4.812.472.463.652.492.47
1通のメモをフォルダに移動する5.623.363.283.832.762.62
平均 5.73 3.35 3.19 4.08 2.37 2.12

回線速度がパフォーマンスに与える影響
良いマシンによって良いパフォーマンスが得られるのであれば、同じことがネットワーク速度にも言えます。次のグラフに示すように、遅いネットワークはパフォーマンスに悪い影響を与えます。遅いネットワークでシステム管理者がパフォーマンス改善のために使用できる手段の 1 つに、GZIP 圧縮があります。GZIP は、データの圧縮により、特に遅い回線での速度を改善するために設計されているので、高速ネットワークまたは閉じられたネットワークでは、ほとんど影響を与えません。また、ブラウザーは受信したデータの圧縮を解除しなければならないので、低速のマシン (600 GHz 以下) では、GZIP 圧縮はマイナスの影響を与える可能性があります。ローエンド・マシンと遅いネットワークを含む環境では、GZIP の使用はパフォーマンスのトレードオフになることがあります。つまり、場合によっては、ネットワークの送信時間は改善しますが、クライアント・マシンにおける応答速度が低下します。GZIP の詳細については、後述の「GZIP 圧縮」のセクションを参照してください。


図 3. 回線速度別の平均応答時間


エンド・ユーザーのパフォーマンスを改善する方法

Domino Web Access 6.5.3 hotfix によるパフォーマンスの改善に加え、Domino Web Access のパフォーマンスを最大限に引き出すためにシステム管理者とユーザーが使用できる設定方法がいくつかあります。

システム管理者は、アイコン用の Web サイトルールを作成できます。また、システム管理者は、GZIP 圧縮をオンまたはオフにしたり、キャッシュ消去のレベルを設定できます。Notes.ini 設定を使用することで、システム管理者は軽量ユーザー・インターフェースや子ウィンドウを再利用する機能を全体に適用できます。

ユーザーは、Domino Web Access のパフォーマンスのために、ドラッグ・アンド・ドロップとインプレース編集を無効にしたり、子ウィンドウの再利用を選択できます (システム管理者によってこの機能が全体的に無効にされていない場合)。また、ユーザーが設定できる Web ブラウザーの推奨設定もあります。さらに、毎日のスケジュールを迅速に見るために、ユーザーは [要約] カレンダービューを使用できます。

アイコン用の Web サイトルール
ユーザーが繰り返しアイコンを取得しないようにするために、Web サイトルール文書を作成できます。この文書は、Web サイト文書を使用して Domino Server でホストされる Web サイトを設定するときに作成します。アイコン用の Web サイトルール文書を作成するには、ルールの種類として [HTTP 応答ヘッダー] を選択し、受信 URL に /icons/* という文字列が含まれるときに、ヘッダーの有効期限として 364 日を返すよう指定します。

アイコン用の Web サイトルール文書の例を図 4 に示します。Web サイトルール文書の詳細な説明については、リリース 6.5 以降の『Domino Administrator ヘルプ』の「Web サーバー」のセクションを参照してください。


図 4. Web サイトルール文書の設定


GZIP 圧縮
Domino Server 6.5 から、GZIP 圧縮を使用してブラウザーに送信される応答を圧縮できます。低速なネットワーク接続では、ページが表示されるまでのユーザーの待ち時間の大半をデータの送信時間が占めることがあります。GZIP 圧縮は、このような低速ネットワークで特に効果的です。しかし、ブラウザーは受信したデータの圧縮を解除しなければならないため、低速のマシン (600 MHz 以下) では GZIP 圧縮はパフォーマンスにマイナスの影響を与えることがあります。したがって、GZIP 圧縮を使用するかどうかは、プラス面とマイナス面を考慮しなければなりません。

GZIP はデフォルトで有効になっていて、次の Notes.ini 設定を介して無効にできます。

iNotes_wa_GZIP_Disable=1

この設定を無効にすることにより、サーバー全体の応答が制御されます。しかし、ハイエンドとローエンドのマシンが混在する環境では、ローエンド・マシンのユーザーはブラウザー設定を使用して、各マシンごとに GZIP 圧縮を無効にできます。Internet Explorer で GZIP 圧縮を無効にするには、[ツール] - [インターネットオプション] を選択します。[インターネットオプション] ダイアログボックスの [詳細] タブで、[HTTP 1.1 を使用する] オプションの選択を解除します。Mozilla では、[Preferences] - [Advanced] - [HTTP Networking] のダイアログボックスに、同様の設定項目があります。

メモ: HTTP 1.1 を無効にすると、GZIP が無効になること以外の影響が生じることもあります。

ブラウザー・キャッシュの管理
前に説明したように、Domino Web Access は、UI 設計要素などの多くの外部参照をブラウザーのファイルシステム・キャッシュに保管できます。要素の再ロードが必要な場合、ブラウザーはキャッシュからそのコピーを取り出します。

パフォーマンスを微調整する方法の 1 つとして、キャッシュを消去するレベルを調整できます。Lotus Domino 6.5 から、システム管理者は、キャッシュに保持する要素 (スタイル・シート、静的コード、Web ページ、URL など) を指定することにより、キャッシュの消去レベルを設定できます。システム管理者によっては、静的な要素でもキャッシュに保持することを好まない場合があります。

Notes.ini 設定の iNotes_WA_LogoutScrubType を使用すると、デフォルトから最もセキュアなオプションまで、6 段階のセキュリティー設定を定義できます。デフォルトでは、メールファイルの一部の設計要素が保持され、最もセキュアなオプションでは、ログアウト時に、Domino Web Access のすべての履歴と [Temporary Internet files] フォルダー内のその他すべての Web ページが削除されます。この設定を使用することで、望ましいパフォーマンスと必要なセキュリティーをバランスさせることができます。

キャッシュの消去レベルを下表に示します。パフォーマンスの観点からは、少なくともレベル 3 ~ 5 が望ましいでしょう。このレベルでは、共有フォームデータベースの内容が削除されるからです。しかし、いずれのレベルでも、ユーザーの個人情報が含まれるページは、ログアウト時に [Temporary Internet files] フォルダーから削除されます。

レベル説明
0メールデータベースに関連する個人情報を含むキャッシュを削除します。
1メールデータベースに関連するすべてのキャッシュを削除します。
2Domino Web Access のテンプレートを除き、Domino Server に関連するキャッシュを削除します。
3Domino Server に関連するすべてのキャッシュを削除します。
4Domino Web Access のテンプレートを除き、すべてのキャッシュを削除します。
5すべてのキャッシュを削除します。

ブラウザー・キャッシュの管理の詳細については、リリース 6.5 以降の『Domino Administrator ヘルプ』の「Domino Web Access」セクションを参照してください。

軽量ユーザー・インターフェース
リリース 6.5.3 hotfix から、デフォルトおよび WebSphere Portal のどちらのユーザー・インターフェースでも、新しい軽量スキンを利用できます。軽量スキンでは、デフォルト・スキンから、可能な限り GIF イメージが取り除かれています。このため、2 つのスキンの主な違いは外観にあり、それも注意深いユーザーが気づく程度のわずかな違いです。デフォルト・スキンを図 5 に示します。


図 5. 丸いエッジのデフォルト・スキン


一般に、丸いエッジの一部が軽量 UI では四角で表示されます (図 6)。この表示は、タブとボタン、および選択されたユーザー名やタイトルのハイライトなどで主に見られます。また、背景色もグラデーションではなくソリッドになり、スクロールバーが左側のパネルに追加されます。ユーザーはクリック用の矢印の代わりに、このスクロールバーを使用してスクロールします。


図 6. 四角いエッジの軽量スキン


軽量 UI では、左側のナビゲーション・パネルを折りたたむ機能だけがありません。標準 UI のナビゲーション・パネルと軽量 UI のパネルの表示の違いを図 7 に示します。


図 7. 標準 UI のナビゲーション・パネル (左) と軽量 UI のスクロールバー (右)


すべての Domino Web Access ユーザーに対して新しい軽量スキンを有効にするには、Domino Web Access サーバーの Notes.ini ファイルに変数 iNotes_WA_UI=inotes_lite を追加します。または、すべての Domino Web Access ユーザーが Portal UI を使用しているとき、全体で新しい軽量スキンを使用する場合は、Domino Web Access サーバーの Notes.ini ファイルに変数 iNotes_WA_UI=portal_lite を追加します。

Domino Web Access Redirect (DWA ユーザーが自分のメールファイルを見つけるために用いる便利な機能) を使用してメールにアクセスするユーザーに対しては、Domino Web Access Redirect テンプレート (IWAREDIR.NTF) を変更できます。Domino Web Access Redirect でパーソナルオプションが有効なとき、新しいスキンは Domino Web Access Redirect ページのパーソナルオプションとして利用できます。Domino Web Access Redirect で軽量スキンを有効にするには、次のように操作します。

  1. Domino Designer で、IWAREDIR.NTF ファイルを開きます。
  2. WMRProfile フォームを開きます。
  3. WMRProfileURL フィールドのプロパティを開きます。このフィールドは、編集可能なコンボボックスです。
  4. [制御] タブで、次の行を選択肢のリストに追加します。
    LiteUI | ?OpenDatabase& ui=iNotes_Lite
  5. フォームを保存し、Domino Designer を閉じます。
  6. 変更した IWAREDIR.NTF テンプレートを使用して、Domino Web Access Redirect データベースの設計を更新します。

同様に、軽量スキンを WebSphere Portal 用に有効にするには、上記と同じ手順で操作し、各オプションの& ui=portal を&ui=portal_lite に変更します。

子ウィンドウの再利用
6.5.3 hotfix から、Domino Web Access はすでに開かれているウィンドウを再利用します。これによって、特定のアクションを実行する時間が短縮されます。Domino Web Access は、[メッセージの読み込み] ウィンドウ、[新規メッセージ] ウィンドウ、および [新規カレンダーエントリ] ウィンドウを再利用します。これらの子ウィンドウを再利用することで、メールメッセージの読み込みと作成、カレンダーエントリの作成など、最もよく使用される操作のパフォーマンスを改善できます。

各ユーザーは、Domino Web Access プリファレンスを設定することで、個別にこのオプションを有効にできます。システム管理者は、次の Notes.ini 設定を Web サーバーの Notes.ini ファイルに追加することにより、システム全体で子ウィンドウの再利用を有効にできます。

iNotes_WA_ReuseChildWindows=1

この機能を設定すると、Domino Web Access は、変更がないメールとカレンダーのフォームの一部をキャッシュに保管し、再利用します。たとえば、メッセージを開くと、[メッセージの読み込み] ウィンドウが開かれます。同時に、[メッセージの読み込み] フォームも、メッセージテキストを取り除いた状態でキャッシュされます。ユーザーが同じウィンドウで別のメッセージを開くたびに、メッセージを表示するためにこのフォームが使用されます。これによって、最初のウィンドウを閉じ、次のメッセージ用に新しいウィンドウを開く時間が削減されます。

ドラッグ・アンド・ドロップとインプレース編集を無効にする
[カレンダー] ビューの応答時間を改善するために、Domino Web Access の [カレンダー] - [表示] プリファレンスでドラッグ・アンド・ドロップ機能を無効にできます。ドラッグ・アンド・ドロップ機能を使用すると、予定をドラッグすることができます (たとえば、新しい時間への移動など)。このプリファレンスを無効にすると、インプレース編集も無効になります。インプレース編集は、スケジュール設定されたカレンダーエントリを別のウィンドウで開かずに、ビュー内で編集できる機能です。

[要約] ビューを使用する
もう 1 つのパフォーマンス機能として、カレンダーの [要約] ビューがあります。[要約] ビューでは、すべてのタイムスロットをグリッドに表示する代わりに、カレンダーエントリの要約リストが表示されます。要約機能を使用するには、任意の [カレンダー] ビューで [表示] - [要約] を選択します。

Web ブラウザーの設定をチェックする
一般に、どのブラウザーでも最もパフォーマンスが高いのは最新のバージョンです。たとえば、Mozilla 1.7 は Mozilla 1.4 よりも本質的に速くなっています。しかし、Domino Web Access のパフォーマンスを向上させるブラウザーの設定もいくつかあります。

Internet Explorer の設定
Internet Explorer では、Domino Web Access 用に次の [インターネットオプション] 設定を使用することをお勧めします。

  1. [ツール] - [インターネットオプション] を選択します。
  2. [全般] タブを選択します。
  3. [インターネット一時ファイル] で、[設定] ボタンをクリックします。
  4. [保存しているページの新しいバージョンを確認] で [自動的に確認する] オプションを選択します。
    LiteUI | ?OpenDatabase&ui=iNotes_Lite
  5. [OK] をクリックして変更を保存します。
  6. [インターネットオプション] ダイアログボックスで、[詳細設定] タブを選択し、次の設定が選択されていないことを確認します。
    • [ブラウズ] - [スムーズスクロールを使用する]
    • [セキュリティ] - [ブラウザを閉じたとき、[Temporary Internet files] フォルダを空にする]
    • [セキュリティ] - [暗号化されたページをディスクに保存しない]

Mozilla の設定
Domino Web Access は、Red Hat および SuSE Linux 上で実行されている Mozilla ブラウザーをサポートします。Mozilla の調整には、数多くの設定値を使用できます。これらについては、検索エンジンを使用すると、Web で多数の情報が得られます。たとえば、「Mozilla Tuning」で検索すると、たくさんの情報が見つかります。

また、ブラウザー設定の browser.cache.disk_cache_ssl=1 を使用することで (HTTPS を用いて Domino Web Access サーバーにアクセスしている場合)、Domino Web Access のパフォーマンスを改善できます。

サードパーティ製アクセラレーター
Domino Web Access は、ネットワークの帯域幅を削減し SSL を高速化することによって Domino Web Access のパフォーマンスとスケーラビリティを改善するサードパーティ製の製品をサポートします。たとえば、次のような製品があります。詳細については、各製品のベンダーにお問い合わせください。


まとめ

本文のテスト結果で示したように、Domino Web Access のパフォーマンスは、ネットワーク・トポロジーとクライアント・マシンおよびサーバー・マシンに大きく依存しています。リリース 6.5.3 hotfix を組み込み、軽量ユーザー・インターフェースを使用することで、パフォーマンスは画期的に改善されるでしょう。この記事で解説した推奨事項によって、利用できるオプションの全容を知り、Domino Web Access クライアントを最適化するシステム設定の方法をご理解いただければ幸いです。

謝辞
この記事は、Jonathan Griep および Samir Patel 両氏の協力がなければ執筆されなかったでしょう。また、記事の執筆に協力いただいた Vinod Seraphin、Dan Gurney、Dan Jamrog、Jack Ciejek の各氏、および支援してくださった John Immerman、Sheryl Jablonowski 両氏に謝意を表します。


参考文献

著者について

Dana St. Clair is a Principal Technical Writer for the IBM/Lotus Software Group. Dana joined IBM in 2000. She currently writes the client and administration documentation for Domino Web Access and Domino Access for Microsoft Outlook. Dana's past contributions include planning and writing several sections of the Domino Administration 6.0 documentation.

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