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IBM Lotus Notes ユーザー向け IBM Lotus Domino 8.5 のパフォーマンス

Yang Bin, Software Performance Analyst, IBM
Yang Bin is currently a member of the IBM Lotus Domino for IBM i team with a focus on Lotus Domino performance. You can reach Yang Bin at yangbin@cn.ibm.com.
Eric Bjorklund, Software Performance Analyst, IBM
Eric Bjorklund is a member of the Power Family performance team, focusing on IBM Lotus Domino for IBM i. You can reach him at erbjor@us.ibm.com.
Rich Buck, Software Engineer, IBM
Rich Buck is a member of the Lotus Domino performance team, with primary focus on Lotus Domino for Sun Solaris and Lotus Domino for Microsoft Windows performance. You can reach him at richbuck@us.ibm.com. He tested and wrote the Solaris section of this article.
Wu W Huang, Software Engineer, IBM
Wu W Huang is a member of the Lotus Domino Performance team, with primary focus iNotes and XPages on Windows and IBM Lotus Domino performance on System Z . You can reach Wu Huang at wuhuang@us.ibm.com. He tested performance of the Classic and XPages discussion database.
Angelo Lynn, Software Engineer, IBM
Angelo Lynn is an engineer on the Lotus Domino performance team. His current focus is Lotus Domino performance on Windows-based operating systems. He is a recent graduate from Northeastern University. You can reach him at anglynn@us.ibm.com.
Andy Nolet, Software Engineer, IBM
Andy Nolet has been working with customers on Lotus Notes performance-related issues since the late 1990s. Before joining the Lotus Domino performance team, Andy worked for Lotus Support. You can reach him at anolet@us.ibm.com.
Jim Powers, Software Engineer, IBM
Jim Powers is a member of the Lotus Domino performance team. Previously, Jim led the performance team for the Lotus Domino Support organization. His experience with computer systems goes back over 30 years; performing various hardware and software roles throughout his career. You can reach him at jhp@us.ibm.com.
Nirmala Venkatraman, Performance Architect, IBM
Nirmala Venkatraman is a Performance Architect on the Lotus Domino server performance team. You can reach her at nvenkatr@us.ibm.com.

概要: お客様への価値を拡大することが、IBM® Lotus® Domino® サーバーの変わらぬテーマです。今日、企業における情報量の増加は既存のハードウェア基盤に負担を強いています。Lotus Domino 8.5 には、高価なプロセッサーおよびストレージ・サブシステムへのストレスを軽減するのに役立つ機能が含まれています。この記事では、Lotus Domino 8.5 および Lotus Notes® クライアントによるプロセッサーとディスクの使用率の削減について説明します。(原文公開日 : 2009年3月3日 )

日付:  2009年 6月 05日
レベル:  中級 この記事の原文:  英語
アクティビティー: 9743 ビュー
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この記事には、Lotus Domino 8.5 へのアップグレードが効果的であることを示すデータが記載されています。このデータから、入出力の大幅な減少、毎秒のディスク操作の減少、および毎秒のディスク・バイト転送量の減少を確認できます。また、プロセッサー使用率は 20 % も減少しています。Lotus Domino 8.5 へのアップグレードにより、Lotus Domino デプロイメントの総所有コストを下げることができます。

選択したプラットフォームでさまざまな能力のサーバーを使用し、Lotus Domino 8.5 によって達成されたパフォーマンス改善の一般的な傾向を図 1 に示します。


図 1. 4000 人の Lotus Notes ユーザーをシミュレートしたときの Lotus Domino 8.5 でのサーバー・リソースの減少

この記事の測定では、単一の Lotus Domino サーバーを用いて一般的なメッセージングとカレンダー操作を実行する数千の Lotus Notes クライアントの動作を模倣した Notesbench パフォーマンス・ワークロードを使用します。使用したのは N8Mail と N85Mail という 2 つのワークロードです。N8Mail は Lotus Notes 8.0 クライアントによって生成された API コールをシミュレートし、N85Mail は同じハイレベルの操作を実行しますが、Lotus Notes 8.5 クライアントによって生成された API コールをシミュレートします。

全般的に、テストはサーバー上の Lotus Domino ディレクトリーで定義された 5000 ユーザーを用いてセットアップされました。テストの開始時点で、各ユーザーは約 256 MB の圧縮されていない文書をメール・ファイルに持っています。このうち、受信ボックスに 3000 通のメッセージ、ごみ箱に約 380 通のメッセージがあります。ごみ箱のメッセージは、測定期間中 15 分ごとに 2 通のメッセージが削除される割合で削除期限が設定されています。テストでは、[実行時を優先] を設定したトランザクション・ログが有効で、メール・ジャーナルはすべてのメッセージをローカルに記録するよう設定されています。また、メッセージングとオペレーティング・システム に対して Domino ドメイン・モニター (DDM) 調査が有効であり、テスト環境外の 10 人のユーザーからのメールをブロックするメール・ルールがすべてのユーザーに設定されています。

Lotus Domino 8.5 のテスト環境では、メール・データベースでの文書の圧縮を有効にしました。これにより、約 250 MB が約 170 MB に削減されました。また、テスト環境では、メール・データベースの作成後に DAOS (Domino Attachment and Object Service) を有効にし、メールボックスとジャーナルのファイルでも DAOS を有効にしました。

テストのほとんどの部分で、Lotus Domino サーバーとメール・テンプレートのデフォルト設定が使用されています。ただし、バージョン 8.5 では、パフォーマンスを強化し、文書の圧縮と DAOS を有効にするために、いくつかの設定が変更されています。すべてのオペレーティング・システムで使用された変更を表 1 に示します。プラットフォーム固有の追加項目については、各プラットフォームの結果を示すセクションで説明します。表 1 に示した各 notes.ini 設定の詳細については、巻末の付録を参照してください。


表 1. すべてのオペレーティング・システムにおけるテスト用の Lotus Domino サーバーの構成
構成Lotus Domino 8.0 での測定Lotus Domino 8.5 での測定
メール・テンプレートMail8.ntfMail85.ntf
ワークロードN8MailN85Mail
トランザクション・ログ有効 / 実行時を優先有効 / 実行時を優先
DAOS暗号化付きで有効
メール・ジャーナルすべてのメッセージをローカルへすべてのメッセージをローカルへ
メール・データベースのデフォルト以外の追加オプション空きスペースに上書きしない
ビューの自動更新を無効化
空きスペースに上書きしない
ビューの自動更新を無効化
文書データの圧縮
DAOS を使用
サーバー・タスクReplica,Router,Update,AMgr,Adminp,Sched,CalConn,RnRMgr,LDAPReplica,Router,Update,AMgr,Adminp,Sched,CalConn,RnRMgr,LDAP
Notes.ini の追加 NLCache_Size=67108864
Server_Pool_Tasks=80
Server_Max_Concurrent_Trans=100
Server_Show_Performance=1
RouterDbCacheSize=6100
Schedule_No_Validate=1
NSF_DBcache_Maxentries=5100
Create_R8_Databases=1
Debug_NSF_Show_Allstats=1
Lotus Domino 8.0 と同じ設定に以下を追加 :
Create_R85_Databases=1
Debug_NSF_Compress_All_Notes=1
Create_R85_Log=1
Enable_LZ1_Encrypted_Notes=1

メモ: この記事で説明する結果は、制御された環境でベンチマークを実行して得られたものです。ベンチマークの作成時には、一般的なユーザー操作を含めるよう努力しましたが、実ユーザーによる Lotus Domino の使い方は、ベンチマークによってテストされる狭い範囲に収まらない傾向があります。このため、これらの数値は Lotus Domino リリース間の相対的なパフォーマンスを把握するために使用するものであり、実際のデプロイメントの推奨値を示しているわけではありません。キャパシティー計画の支援については、ご使用になっているハードウェアのベンダーにお問い合わせください。

また、さまざまなハードウェア・プラットフォームでの結果を示していますが、これらのハードウェア構成は単純に比較できるものではありません。この記事の目的は Lotus Domino 自体のパフォーマンスに焦点を当てることであり、このデータをプラットフォーム相互の比較には使用しないでください。

以降のセクションで、テストした各プラットフォームでの結果を示します。


AIX V6.1 での結果

IBM AIX® V6.1 でのテストに使用された構成を表 2 にまとめます。


表 2. AIX V6.1 の構成
モデルIBM POWER® 570 (9117-MMA)
テスト用のプロセッサー / 速度1 つの物理プロセッサーと 1 つの論理プロセッサーで構成された 3.5 GHz のプロセッサー
メモリー16 GB
利用可能な物理ドライブRAID 0 を使用し、それぞれ 6 トレイを持つ 15000 RPM の 14 基で構成される IBM FastT Fibre Channel ストレージ (6 トレイは 1 つの論理ボリュームとして構成)
利用可能な論理ボリュームLotus Domino バイナリー/データ用に 1 論理ボリューム、トランザクション・ログ用に 1 ローカル・ドライブ
オペレーティング・システムAIX V6.1 メンテナンス・レベル 2、64 ビット
Lotus Domino のバージョンLotus Domino 8.0: 32 ビット・アプリケーション
Lotus Domino 8.5: 64 ビット・アプリケーション
このテストに使用された一般的な設定に追加する Notes.ini 設定NSF_Buffer_Pool_Size_MB=512 (D85 のみ)
Server_Transinfo_range=42
Server_Pool_Tasks=100
NSF_DBCACHE_CLEAN_HOLD_TIME=9999

テスト用ハードウェアは IBM Power 570 (9117-MMA) システムであり、これは POWER6™ プロセッサー・ベースのテクノロジーに基づき、2 つの LPAR (論理パーティション) として構成されています。テスト用 LPAR は、1 つの物理プロセッサーと 1 つの論理プロセッサーで構成されています。この構成ではキャッピングを利用して、追加プロセッサー・リソース用のライセンスは使用しませんでした。利用可能なユニットのプロセッサー・パワーをキャッピングすることにより、仮想化されたプロセッサーとライセンスを使用して LPAR に割り当てられたプロセッサーでの変動よりも高いレベルでロードを測定できるようになりました。

ストレージは、IBM DS4000 Series (FastT) を使用して、Lotus Domino バイナリー、Lotus Domino データ・ファイル、メール・ジャーナル・データベース、および DAOS NLO ファイルをサポートする 1 つの論理ファイル・システムとして構成されています。また、RAID 0 で構成された AIX Advanced Journal File システム (JFS2) が使用されています。RAID 0 は、Lotus Domino バイナリーのテスト実行とインストール済みデータ・ファイル間で変更されずに残った唯一のファイルとして使用されました。メール・データベース・ファイル、ログ・ファイル、Mail*.Box、および DAOS ファイルは、テスト開始前に再作成しました。再作成したのは、同じ状態のデータベースを使用して各テストを開始するためです。トランザクション・ログ・ファイルも各テスト前に再作成し、RAID 0 を使用して構成した専用ストレージに配置しました。

Lotus Domino 8.0 のテストでは、デフォルトの NSF バッファー・プール・サイズである 512 MB を使用しました。Lotus Domino 8.5 のテストでは、NSF バッファー・プール・サイズを明示的に同じサイズ (512 MB) に設定しました。メモ: NSF バッファー・プールのデフォルト・サイズは、Lotus Domino 8.0 と 32 ビットの Lotus Domino 8.5 では 512 MB、64 ビットの Lotus Domino 8.5 では 1 GB (システムに 4 GB を超える RAM がある場合) です。ネットワーク・アクセスは、全二重モードで実行されている単一の 1 GB イーサネット・アダプターを通じて行われました。

図 2 および 3は、さまざまなユーザー・ロードで行った 2 つのテストでのリソース使用状況のグラフを示しています。


図 2. AIX: プロセッサー使用率

同じワークロードを同じハードウェアで実行した場合、Lotus Domino 8.5 では、測定されたすべての仮想ユーザー・レベルで、より少ないプロセッサー・リソースが使用されます。4 つの比較ポイントを通じ、プロセッサーは 11 % から 20 % の範囲で改善されています。数値が低いほど良い値です。


図 3. AIX: ディスク操作合計/秒

Lotus Domino 8.5 では、測定した仮想ユーザー全域で、より少ないディスク操作が実行されています。4 つの比較ポイントを通じ、ディスク入出力操作の合計は 23 % から 30 % の範囲で改善されています。数値が低いほど良い値です。


図 4. AIX: ディスク・メガバイト転送合計/秒

図 4 から、Lotus Domino 8.5 では、ディスク・メガバイト転送合計/秒で測定したデータ量が、測定した仮想ユーザー全域で減少していることがわかります。4 つの比較ポイントを通じ、ディスク・メガバイト転送合計は 45 % から 50 % の範囲で改善されています。表 4 に、AIX V6.1 でのリソース使用状況をまとめます。数値が低いほど良い値です。


表 3. AIX V6.1: 4000 ユーザーでのリソース使用状況
リソースLotus Domino 8 Lotus Domino 8.5変化 (%)
プロセッサー使用率3528-20%
ディスク操作合計/秒941701-25%
ディスク読み取り合計/秒303118-61%
ディスク書き込み合計/秒638581-9%
ディスク・メガバイト転送合計/秒15847%
ディスク・メガバイト読み取り合計/秒31-67%
ディスク・メガバイト書き込み合計/秒 127-42%
共有メモリー使用量 (MB)1,7991,8845%
プロセス・メモリー使用量 (MB)110101 class="numeric">-8%
ネットワーク・メガバイト/秒2,312,3172,173,282-6%

Lotus Domino 8.5 は、共有メモリーを除き、測定したすべてのリソース要件で減少を示しました。Lotus Domino 8.5 は 64 ビットアプリケーション・バージョンであり、内部データ構造のサイズと管理方法が 32 ビットのアプリケーション・コードとは異なる点に注意してください。

詳細については、developerWorks® の Lotus の記事「IBM Lotus Domino 8.0.1 for 64-bit server performance」を参照してください。


IBM i での結果

ここに記載されているすべてのパフォーマンス・テストの結果は、2 つのアクティブ・プロセッサー・コアと 8 GB のメモリーを持つ IBM i System® 570 を使用して測定されました。システムは、RAID-5 プロテクションが設定された 48 ディスク・ドライブで構成されています。ネットワーク・アクセスは、全二重モードで実行されている単一の 100 MB イーサネット・アダプターを通じて行われました。


表 4. IBM i の構成
ModelIBM i570 (9406-MMA)
テスト用のプロセッサー / 速度 2つの 4.7 GHz プロセッサー・コア
メモリーマシン・プール用に 3 GB の専用メモリー、
基本プール用に 5 GB の専用メモリー
ディスク・ドライブRAID-5 プロテクションを設定した 48 ドライブ
利用可能な論理ボリュームLotus Domino バイナリー/データ用に 1 論理ボリューム、トランザクション・ログ用に 1 ローカル・ドライブ
オペレーティング・システムIBM i 5.4
Lotus Domino のバージョン Lotus Domino 8.0
Lotus Domino 8.5
このテストに使用された一般的な設定に追加する Notes.ini 設定なし

システムは 1 つの Lotus Domino パーティションで構成されています。Lotus Domino 8.0 は、Lotus Domino 8.0 メール・テンプレートを使用する N8Mail ワークロードでテストされました。Lotus Domino 8.5 は、Lotus Domino 8.5 メール・テンプレートを使用する N85Mail ワークロードでテストされました。トランザクション・ログとメール・ジャーナルのファイルは、Lotus Domino データ・ディレクトリーに置かれています。各テストは、それぞれ 1000、2000、3000、および 4000 ユーザーのシミュレーションのもとで実行され、パフォーマンス・データは各データ・ポイントで収集しました。


図 5. IBM i: プロセッサー使用率

図 5 は、シミュレートされた各ユーザー・ロードでのプロセッサー使用率を示しています。このデータからわかるように、Lotus Domino 8.5 では、システムのプロセッサー使用率が各データ・ポイントで減少しています。4 つの比較ポイントを通じ、プロセッサーは 11 % から 15 % の範囲で改善されています。


図 6. IBM i: ディスク操作合計/秒

図 6 は、シミュレートされた各ユーザー負荷での、毎秒のディスク入出力操作の合計を示しています。このデータからわかるように、Lotus Domino 8.5 では、システムのディスク入出力操作も各データ・ポイントで減少しています。4 つの比較ポイントを通じ、ディスク入出力操作の合計は 22 % から 32 % の範囲で改善されています。


図 7. IBM i: ディスク・メガバイト転送合計/秒

図 7 は、シミュレートされた各ユーザー・ロードでの、毎秒のディスク MB 転送の合計を示しています。このデータからわかるように、Lotus Domino 8.5 では、転送されたディスク MB が各データ・ポイントで減少しています。4 つの比較ポイントを通じ、ディスク・メガバイト転送の合計は 32 % から 43 % の範囲で改善されています。


表 5. IBM i: 4000 ユーザーでのリソース使用状況
リソースLotus Domino 8 Lotus Domino 8.5変化 (%)
プロセッサー使用率2724-11%
ディスク操作合計/秒14051096-22%
ディスク読み取り合計/秒838599-29%
ディスク書き込み合計/秒567496-13%
ディスク MB 転送合計/秒20.914.3-32%
ディスク読み取り MB 合計/秒12.47.8-37%
ディスク MB 書き込み合計/秒 8.46.5-23%
基本プール・ページ・フォールト/秒774572-26%
ネットワーク MB/秒2.342.17-7%

表 5 にまとめた私たちのラボのデータから、Lotus Domino 8.5 では、4000 ユーザーでシステムのプロセッサー使用率が減少していることがわかります。ページ・フォールト率、ディスク入出力操作数、およびディスク MB 転送 (読み取りと書き込みを含む) も減少しています。また、Lotus Domino 8.5 でのネットワーク使用量も減少していることがわかります。まとめると、Lotus Domino 8.5 は、プロセッサー使用率、ディスク入出力操作、ディスク MB 転送、およびネットワーク使用量でより優れたパフォーマンスを示します。


Linux での結果

このセクションでは、64 ビット Linux® バージョンの SuSE SLES 10 x86/64 が実行されている Intel® でテストした Lotus Notes リモート・プロシージャー・コールの結果について説明します。オペレーティング・システムが 64 ビットにもかかわらず、テストで使用した Lotus Domino のバージョンはすべて 32 ビットであったことに注意してください。Lotus Domino のような 32 ビット・アプリケーションを 64 ビット Linux で実行することには利点があります。その 1 つとしてメモリーが挙げられます。32 ビット・アプリケーションは、32 ビット Linux では最大 3 GB の使用可能メモリーを得られるのに対し、64 ビット Linux では最大 4 GB のメモリーを得られます。Lotus Domino では、追加のサーバー・タスクまたはアプリケーションのために、この追加メモリーが効率よく活用されます。

このテストに用いたテスト・サーバーは Intel Xeon® MP デュアル・コア・プロセッサーで、8 GB の RAM を持ち、9 個の Raid 0 論理ユニットとして構成された 3 台の DS4000 ディスク・サブシステム (IBM FastT) を保持しています。テスト用に、シミュレートされたメール・ユーザー・データベースを 8 つの論理ユニットに均等に分散しました。DS 4000 の 1 つにある単一ドライブの論理ユニットは、Lotus Domino トランザクション・ログ・ファイル用に使用されます。Linux 構成の詳細を表 6 に示します。


表 6. Linux 構成
モデルIntel 64 ビット・プラットフォーム
テスト用のプロセッサー / 速度2 コアとして構成された Intel Xeon MP /3400 MHz
メモリー8 GB
利用可能な物理ドライブIBM FastT Fiber Channel ストレージ、RAID 0 を使用した 3 トレイで、3 トレイは 9 個の論理ボリュームとして構成
利用可能な論理ボリュームLotus Domino データ用に 8 論理ボリューム、トランザクション・ログ用に 1 ローカル・ドライブ
オペレーティング・システムSLES 10 x86-64
Lotus Domino のバージョンLotus Domino 8.0: 32 ビット・アプリケーション
Lotus Domino 8.5: 32 ビット・アプリケーション
このテストに使用された一般的な設定に追加する Notes.ini 設定MEM_AddressableMemSizeMB=3500
ConstrainedSHMSizeMB=3000
MEM_EnablePreAlloc=1
NSF_buffer_pool_size_MB=512

次に示す notes.ini パラメーターは、前述の設定への追加として使用されたものです。これらの notes.ini パラメーターは、デフォルトの Linux 設定とは考えないでください。また、それぞれが何を行うものかをよく理解した上で使用してください。ほとんどのシステムでは、デフォルトの Lotus Domino 設定が最も適した選択となります。

MEM_AddressableMemSizeMB=3500


ConstrainedSHMSizeMB=3000


MEM_EnablePreAlloc=1


これらのサーバー用の notes.ini パラメーターは、Lotus Domino サーバーのメモリー割り当てに関連します。前述のように、64 ビット Linux を実行しているシステムでは、32 ビット・アプリケーションに 4 GB のメモリーを割り当てることができます。notes.ini パラメーター「MEM_AddressableMemSizeMB=3500」は、3.5 GB の使用可能メモリーがあることを Lotus Domino に伝えます。さきほど 32 ビット・アプリケーションには 4 GB のメモリーを割り当てられると述べたばかりなので、この説明は矛盾しているように思われるかもしれません。オペレーティング・システムは、マッピングと実行中のすべての Lotus Domino タスク用の他のメモリー・プールのために、この 4 GB の一部を必要とします。通常、このタスクには 500 MB あれば十分です。

2 番目の notes.ini パラメーター「ConstrainedSHMSizeMB=3000」は、使用可能な共有メモリーの量を Lotus Domino に伝えます。Lotus Domino が必要とするほとんどのメモリーは共有メモリーなので、このテストでは 3 GB を使用しました。環境によっては、この値が適さない場合があります。最初に、ご使用になっている環境ですべてのアプリケーションを実行するために必要な共有メモリーとプロセス・メモリーの量を確認しなければなりません。

3 番目の notes.ini パラメーター「MEM_EnablePreAlloc=1」は、2 番目の notes.ini パラメーターで定義された共有メモリーをあらかじめ割り当てることを Lotus Domino に伝えます。この手法は、Lotus Domino が共有メモリー不足によるエラーでクラッシュするのを防ぐために役立ちますが、必要以上の共有メモリーをロックダウンすることは賢明でないため、バランスよく設定しなければなりません。共有メモリーのこのロックダウンにより、アプリケーションが使用するローカル・メモリーが不足して、メモリー不足エラーとアプリケーション障害の両方が発生することがあります。

次の図は、導入部のセクションで説明したワークロードを実行している Lotus Domino 8.0 と Lotus Domino 8.5 の比較を示しています。


図 8. Linux: プロセッサー使用率

図 8 は、Lotus Domino 8.5 によって、全体的なプロセッサー使用率の削減が達成されることを示しています。4 つの比較ポイントを通じ、プロセッサーは 15 % から 19 % の範囲で改善されています。


図 9. Linux: ディスク操作合計/秒

図 9 は、Lotus Domino 8.5 によって入出力の削減が達成されることを示しています。4 つの比較ポイントを通じ、ディスク入出力操作の合計は 29 % から 37 % の範囲で改善されています。


図 10. Linux: ディスク・メガバイト転送合計/秒

図 10 は、Lotus Domino 8.5 によって入出力データの減少が達成されることを示しています。4 つの比較ポイントを通じ、ディスク・メガバイト転送合計は 42 % から 50 % の範囲で改善されています。4000 ユーザーでのリソース使用状況を表 7 にまとめます。


表 7. Linux - 4000 ユーザーでのリソースの使用状況
リソースLotus Domino 8 Lotus Domino 8.5変化 (%)
プロセッサー使用率4839-19%
ディスク操作合計/秒1363969-29%
ディスク読み取り合計/秒760391-49%
ディスク書き込み合計/秒603578-4%
ディスク MB 転送合計/秒179-47%
ディスク MB 読み取り合計/秒72-71%
ディスク MB 書き込み合計/秒107-30%
ネットワーク MB/秒2,406,9182,252,393-6%

Lotus Domino 8.5 では、Lotus Domino 8.0 と比べて、すべての測定で値が減少していることがわかります。メモリー消費は表 7 に含まれていません。どちらの場合も、notes.ini パラメーターによってメモリーがあらかじめ割り当てられていたためです。


Solaris での結果

Sun Solaris のテストで使用したサーバーの詳細を表 8 に示します。このサーバーは、4 プロセッサーのドメインで、それぞれ 9 ドライブを持つ 6 個の RAID 0 論理ユニットで Lotus Domino データと実行可能ファイルを保持しています。また、7 番目の論理ユニット上の 2 つのファイル・システムに、トランザクション・ログと DAOS オブジェクトが含まれています。


表 8. Solaris 構成
モデルSun 6800
テスト用のプロセッサー / 速度Four / 1050 MHz
メモリー32 GB
利用可能な物理ドライブ54
利用可能な論理ボリューム7 – RAID 0 として構成された T3 論理ボリューム
オペレーティング・システムSolaris 10
Lotus Domino のバージョン Lotus Domino 8.0 – 32 ビット・アプリケーション
Lotus Domino 8.5 – 32 ビット・アプリケーション
このテストに使用された一般的な設定に追加する Notes.ini 設定なし

このシステムは、この記事の最初の部分で概説した Lotus Domino 設定を用いて構成されています。また、どちらの測定でも、 NSF バッファー・プールはデフォルトの 512 MB に設定されています。このシステムには、Solaris がファイル・キャッシュとして使用するのに十分なメモリーが装備されています。さらに、ファイル・システムは標準の Sun 8 K ブロック・サイズを使用していて、4 K のブロック・サイズを使用する他のシステムとはディスク入出力率が少し異なる結果となりました。このシステムでは、Lotus Domino 8.5 によってプロセッサーとディスクの使用率が大幅に改善することが確認されました。図 11 と 12 を参照してください。


図 11. Solaris: プロセッサー使用率

Lotus Domino 8.5 と Lotus Domino 8.0 のプロセッサー使用率を比較すると、Solaris では最大 20 % (比較値) 減少することがわかります。


図 12. Solaris: ディスク操作合計/秒

ディスク入出力操作が減少すると、特定レベルのユーザー・アクティビティーをサポートするために必要なスピンドル数が少なくなり、実際のコスト削減につながります。Solaris 上の Lotus Domino 8.5 では、30% 減少することがわかりました。


図 13. Solaris: ディスク・メガバイト転送合計/秒

図 13 に示すように、ディスク入出力操作の減少に加え、MB 転送も大幅に減少 (ほとんどのケースで 60 % 超) していることがわかりました。

Solaris でのリソース使用状況を表 9 にまとめます。


表9. ユーザー4000人/Solaris10で利用の場合
リソースLotus Domino 8 Lotus Domino 8.5変化 (%)
プロセッサー使用率7057-19%
ディスク操作合計/秒862605-30%
ディスク読み取り合計/秒14247-67%
ディスク書き込み合計/秒719558-22%
ディスク MB 転送合計/秒28.369.29-67%
ディスク MB 読み取り合計/秒15.551.28-92%
ディスク MB 書き込み合計/秒12.818.01-37%
共有メモリー使用量 (MB)1,2391,2834%
プロセス・メモリー使用量 (MB)218225 class="numeric">3%
ネットワーク MB/秒2.111.97-7%

この Solaris サーバーでは、Lotus Domino 8.5 に移行すると、入出力およびプロセッサーに非常に大きな利点を得られることがわかりました。Lotus Domino 8.0 と比較して、ディスク操作は 30 % 減少し、プロセッサー使用率は 19 % 減少しています。Lotus Domino 8.5 では、設計要素と文書の両方を圧縮された形式でディスクに保存できます。この手法にはオペレーティング・システム・ファイルのキャッシュを強化するという付加価値もあり、圧縮されたほとんどのデータがキャッシュに含められるため、実際にはその効率が倍増します。このシステムは例外的に 32 GB という大量のメモリーを持っていますが、この効果を十分に示しています。Lotus Domino 8.0 と比較して、物理ディスクへのアクセスが必要な読み取り操作は 67 % の減少ですが、ディスクから読み取るバイト数は 92 % も減少しています。


Microsoft Windows 2003 サーバーでの結果

ここに記載するすべてのパフォーマンス・テストの結果は、Microsoft® Windows® 2003 Standard x64 Edition を実行している 4 つのアクティブ・プロセッサー・コアを持つ IBM xSystem® 3850 を使用して行われたものです。システムは 8 GB のメモリーを持ち、RAID 0 の 42 台のディスク・ドライブで構成されています。ネットワーク・アクセスは、全二重モードで実行されている単一の 100 MB イーサネット・アダプターを通じて行われました。Windows 2003 構成の詳細を表 10 に示します。


表 10. Windows 2003 の構成
モデルIBM x3850-[8863MC1]
テスト用のプロセッサー / 速度3.6 GHz の 4 プロセッサー
メモリー8 GB
利用可能な物理ドライブ42 ディスク
利用可能な論理ボリュームRAID 0 の 7 個の論理ボリューム
オペレーティング・システムWindows 2003 Standard x64 Edition
Lotus Domino のバージョン Lotus Domino 8.0: 32 ビット・アプリケーション
Lotus Domino 8.5: 32 ビット・アプリケーション
このテストに使用された一般的な設定に追加する Notes.ini 設定なし

システムは 1 つの Lotus Domino 32 ビット・パーティションで構成されています。64 ビット Windows オペレーティング・システムでは 64 ビット・バージョンの Lotus Domino も利用できますが、この記事のパフォーマンス・チームは 32 ビット・バージョンの Lotus Domino を使用しました。Lotus Domino 8 は、Lotus Domino 8 メール・テンプレート (mail8.ntf) を使用する N8Mail ワークロードでテストされました。Lotus Domino 8.5 は、Lotus Domino 8.5 メール・テンプレート (mail85.ntf) を使用する N85Mail ワークロードでテストされました。また、7 個の RAID 0 論理ユニットとして構成されている DS4000 ディスク・サブシステム (IBM FAStT 600) が使用されました。Lotus Domino の実行可能ファイルは、200 GB の 1 つの論理ユニットにインストールされています。メール・データベースは、それぞれ 800 GB のサイズを持つ 3 個の論理ユニットにわたり配置されています。トランザクション・ログは、別の 3 ディスク構成の論理ユニットでセットアップされています。各テストは、それぞれ 1000、2000、3000、および 4000 ユーザーのシミュレーションのもとで実行され、Lotus Domino 8 と Lotus Domino 8.5 を比較するために、パフォーマンス情報を各データ・ポイントで収集しました。


図 14. Windows 64: プロセッサー使用率

図 14 は、シミュレートされた各ユーザー・ロードでのプロセッサー使用率をパーセントで示しています。このデータからわかるように、Lotus Domino 8.5 では、システムのプロセッサー使用率が各データ・ポイントで減少しています。4 つの比較ポイントを通じ、プロセッサーは 17 % から 39 % の範囲で改善されています。


図 15. Windows 64: プロセッサー・オペレーション合計/秒

図 15 は、シミュレートされた各ユーザー負荷での、毎秒のディスク入出力操作の合計を示しています。このデータからわかるように、Lotus Domino 8.5 では、システムのディスク入出力操作も各データ・ポイントで減少しています。4 つの比較ポイントを通じ、ディスク入出力操作の合計は 24 % から 33 % の範囲で改善されています。


図 16. Windows 64: ディスク・メガバイト転送合計/秒

図 16 は、シミュレートされた各ユーザー負荷での、毎秒のディスク MB 転送の合計を示しています。このデータからわかるように、Lotus Domino 8.5 では、システムのディスク MB 転送が各データ・ポイントで減少しています。4 つの比較ポイントを通じ、ディスク・メガバイト転送の合計は 33 % から 44 % の範囲で改善されています。

Windows 2003 でのリソース使用状況を表 11 にまとめます。


表 11. Windows 2003 サーバー: 4000 ユーザーでのリソース使用状況
リソースLotus Domino 8 Lotus Domino 8.5変化 (%)
プロセッサー使用率3421-38%
ディスク操作合計/秒1020687-33%
ディスク読み取り合計/秒402157-61%
ディスク書き込み合計/秒619530-14%
ディスク MB 転送合計/秒12.47.0-43%
ディスク MB 読み取り合計/秒3.30.9-73%
ディスク MB 書き込み合計/秒9.16.1-33%
共有メモリー使用量 (MB)1,3211,313-0.6%
プロセス・メモリー使用量 (MB)50.151.8 class="numeric">3%
ネットワーク MB/秒2.322.16-7%

このテストにより、4000 ユーザーで Lotus Domino 8.5 を実行したときに、Lotus Domino 8.0 と比べてプロセッサーと入出力のパーセントが減少していることがわかりました。まとめると、Lotus Domino 8.5 は、プロセッサー使用率、ディスク入出力操作、ディスク MB 転送、およびネットワーク使用量でより優れたパフォーマンスを示します。Windows 用 Lotus Domino 8.5 のデプロイによってパフォーマンスが改善され、お客様はサーバー統合の推進力となりうるコスト削減の利点を享受できます。


Linux on System z での結果

最後に、Linux System z® 上の 64 ビット Lotus Domino 8.5 について説明します。この記事では、新しい N8Mail および N85Mail ワークロードを最大 4000 ユーザーで使用することに焦点を当て、Linux System z における Lotus Domino 8.5 と Lotus Domino 8.0 のパフォーマンス結果を比較します。Lotus Domino 8.5 の新機能の 1 つに Lotus Notes 文書圧縮があります。この機能は、入出力とディスク・スペースの使用量を大幅に削減します。しかし、System z では、Lotus Notes 文書圧縮が有効でない場合に、プロセッサーの使用率と入出力が大幅に改善されます。Lotus Domino 8.5 では、Lotus Notes 文書圧縮がデフォルトで無効になっています。構成および結果については、以下で詳述します。

ここに記載するパフォーマンス・テストの結果は、zSeries® z9® model 2096-S07 Business Class 上の 1 つの LPAR で得られたものです。この LPAR では 2 つのプロセッサーが有効で、12 GB のメモリーとLotus Dominoサーバーのインスタンスを実行する単一の Lotus Domino パーティションで構成されています。このシステムでは、ほとんど更新のない SLES 10 がブートされます。ギガビット・イーサネットの単一のオープン・システム・アーキテクチャー・カードが使用されています。LAN は分離されています。すべてのディスクは IBM System DS8300 アレイから割り当てられ、各ディスクは 3390 model 9 として構成されています。クライアントのメール・データベースは 64 の LVM ファイル・システムに均等に配分され、それぞれが単一の LVM 内の 4 つのボリュームに割り当てられて、ファイル・システムごとに 28 GB の使用可能スペースが確保されています。Lotus Domino 実行ファイル、Lotus Notes データ、Lotus Domino アドレス帳、メールボックス 1 から 8、およびトランザクション・ログ用に、それぞれ個別のボリュームが割り当てられています。他の 4 つのボリュームが LVM でメール・ジャーナル用に使用され、さらに 4 つのボリュームが LVM で DAOS (Domino Attachment and Object Service) 用に使用されています。Linux for System z では、EXT3 ファイル・システムが使用されています。Linux のハードウェア構成を表 12 にまとめます。


表 12. Linux のハードウェア構成
モデルZ9 2096-S07
テスト用のプロセッサー / 速度2 つのプロセッサー (2096)
メモリー12 GB
エンタープライズ・ストレージ・サーバーDS8300
利用可能な論理ボリューム64 個の LVM メール・データベース (各 4 ボリューム)
2 個の LVM メール・ジャーナルおよびメール DAOS (各 4 ボリューム)
Lotus Notes データ、ユーザー名、メールボックス、トランザクション・ログ、および Lotus Notes バイナリー用に 7 個のボリューム。
オペレーティング・システムSLES 10 (64 ビット)
Lotus Domino のバージョンLotus Domino 8.0: 32 ビット・アプリケーション
Lotus Domino 8.5: 32 ビット・アプリケーション
このテストに使用された一般的な設定に追加する Notes.ini 設定NSF_Buffer_Pool_Size_MB=386
MailCompactDisabled=1
NSF_DBcache_maxentries=6000
NLCACHE_SIZE=104857600

Lotus Domino 8.5 で Lotus Notes 文書圧縮が無効の場合のみ
NSF_COMPRESS_TXN_LOGS=1
DEBUG_NSF_COMPRESS_ALL_NOTES=0 (デフォルト)

図 17 と 18 は、Lotus Domino 8 (mail8 テンプレートを使用、N8Mail を実行)、Lotus Domino 8.5 (mail85 テンプレートを使用、N85Mail を実行)、および Lotus Domino 8.5 (Lotus Notes 文書圧縮がオフ、mail85 テンプレートを使用、N85Mail を実行) を示しています。それぞれの間隔は、1000 ユーザーごとに増やしたときの 1 時間の定常状態の平均を示しています。


図 17. zLinux: プロセッサー使用率

図 17 は、Lotus Notes 文書圧縮を有効にした場合、Lotus Domino 8.5 と Lotus Domino 8 では 0 % から 6 % の範囲でプロセッサー・コストが低下すること示しています。また、図 17 は、Lotus Notes 圧縮を無効にした Lotus Domino 8.5 (Lotus Domino 8.5 のデフォルト) と Lotus Domino 8 では、プロセッサーが 11 % から 13 % の範囲で改善されることを示しています。


図 18. zLinux: ディスク操作合計/秒

毎秒のディスク操作は、Lotus Domino 8.5 を Lotus Domino 8 と比較した場合、27 %から 33 % の範囲で入出力が改善されることを示しています (図 18 参照)。また、図 18 によると、Lotus Notes 文書圧縮を無効にした Lotus Domino 8.5 では、Lotus Domino 8 と比較して 16 % から 24 % の範囲で改善されることがわかります。


図 19. zLinux: ディスク・メガバイト転送合計/秒

図 19 に示した毎秒のディスク転送 MB 合計は、Lotus Domino 8.5 を Lotus Domino 8 と比較した場合、40 % から 43 % の範囲で多大な改善がみられます。また、図 19 によると、Lotus Domino 8.5を Lotus Domino 8 と比較した場合、Lotus Notes 文書圧縮を無効にすると 29 % から 33 % の範囲で改善されることがわかります。

Linux on System z のリソース使用状況を表 13 にまとめます。


表 13. Linux on System z (Lotus Notes 文書圧縮が有効な場合): 4000 ユーザーでのリソース使用状況
Louts Notes 文書圧縮が有効な場合Lotus Domino 8 Lotus Domino 8.5変化 (%)
プロセッサー使用率61645%
ディスク操作合計/秒1030751-27%
ディスク読み取り合計/秒361166-54%
ディスク書き込み合計/秒670584-13%
ディスク MB 転送合計/秒11.46.8-40%
ディスク MB 読み取り合計/秒1.40.65-54%
ディスク MB 書き込み合計/秒106.2-38%
共有メモリー使用量 (MB)1,5161,5603%
プロセス・メモリー使用量 (MB)235255 class="numeric">9%
ネットワーク MB/秒2.262.11-7%

表 14 によると、4000 ユーザーでは、Lotus Domino 8.5 を Lotus Domino 8 と比較した場合、入出力操作合計が 27 % 改善され、入出力バイト転送合計が 40 % 改善されています。共有メモリー合計は 3 % 増加し、プロセス・メモリー合計は 9 % 増加しています。ネットワーク送受信バイト合計は、7 % 改善されています。


表 14. Linux on System z (Lotus Notes 文書圧縮が無効な場合): 4000 ユーザーでのリソース使用状況
Louts Notes 文書圧縮が無効な場合Lotus Domino 8 Lotus Domino 8.5変化 (%)
プロセッサー使用率6153-13%
ディスク操作合計/秒1030854-17%
ディスク読み取り合計/秒361234-35%
ディスク書き込み合計/秒670619-8%
ディスク MB 転送合計/秒11.48.1-29%
ディスク MB 読み取り合計/秒1.410.65-54%
ディスク MB 書き込み合計/秒107.2-28%
共有メモリー使用量 (MB)1,5161,5603%
プロセス・メモリー使用量 (MB)235263 class="numeric">12%
ネットワーク MB/秒2.262.1-7%

表 14 によると、4000 ユーザーにおいて、Lotus Domino 8.5 を Lotus Domino 8 と比較した場合、入出力操作合計が 17 % 改善され、入出力転送バイト合計が 29 % 改善されています。共有メモリー合計は 3 % 増加し、プロセス・メモリー合計は 12% 増加しています。ネットワーク送受信バイト合計は、7 % 改善されています。

結論として、Lotus Domino 8.5 は zLinux 上の 64 ビット・アプリケーションということです。ラボの測定によると、Lotus Notes 文書圧縮を有効にすると Lotus Domino 8.5 でのプロセッサー・コストがいくらか上昇しますが (最大 6 %)、Lotus Domino 8.5 を Lotus Domino 8 と比較すると、ディスク操作合計は最大 33%、ディスク・バイト転送合計は最大 43% と入出力が大幅に改善されています。Lotus Domino 8.5 では、デフォルトで Lotus Notes 文書圧縮が無効になっています。デフォルトの状態では、プロセッサーは最大 13 %、ディスク操作合計は最大 24 %、ディスク・バイト転送合計は最大 32 %、それぞれ改善されています。プロセッサーと入出力の減少は、Lotus Domino 8.5 の総所有コストが大幅に削減される要因となります。


まとめ

この記事で報告した測定結果から、Lotus Domino 8.5 へのアップグレードは効果的であることがわかります。毎秒のディスク操作が 22 % から 33 % の間で減少し、毎秒のディスク・バイト転送が 31 % から 67 % の間で減少するなど、入出力の大幅な削減を認識できます。また、プロセッサー使用率は 20 % も減少しています。Lotus Domino 8.5 へのアップグレードにより、Lotus Domino デプロイメントの総所有コストを下げることができます。


付録: Notes.ini 設定の説明
Notes.ini パラメーター名説明
Create_R8_Databases Lotus Domino 8 サーバーに適用されます。1 に設定すると、新規 ODS48 データベースが Lotus Domino 8 サーバーに作成されます。
Create_R85_Databases Lotus Domino 8.5 サーバーに適用されます。1 に設定すると、新規 ODS51 データベースが Lotus Domino 8.5 サーバーに作成されます。
Create_R85_Log Lotus Domino 8.5 サーバーに適用されます。Lotus Domino トランザクション・ログを Lotus Domino 8.5 形式で作成するときに設定します。
Debug_NSF_Compress_All_Notes 1 に設定すると、Lotus Domino サーバーのすべてのデータベースで文書圧縮が有効になります。
NSF_COMPRESS_TXN_LOGS 1 に設定すると、ログ・レコードの圧縮が有効になります(Linux on System z で使用)。
DEBUG_ENABLE_SYS_V_SHM1 に設定すると、UNIX® プラットフォームで、Lotus Domino が共有メモリー用にマップ・ファイルの代わりに System V を使用します。
DEBUG_NSF_SHOW_ALLSTATS Lotus Domino 8 の新規パラメーターです。1 に設定すると、データベースのメタデータ、ビュー、およびオブジェクトに対し Lotus Domino の入出力統計収集が有効になります。
EVENT_CORRELATION_POOL_SIZEイベント・タスクおよび DDM によって使用されるイベント相関プールのサイズを指定します。
Enable_LZ1_Encrypted_Notes1 に設定すると、メール・ジャーナル・データベースで暗号化された文書の LZ1 圧縮が有効になります。
EVENT_POOL_SIZE 未処理のイベント、未処理の通知、およびイベント抑止に使用されるメモリー量を指定するときにこの変数を設定します。デフォルトの設定は 5242880 (5 MB) です。
log_mailroutingSルーター・プロセスによって実行されるルーター・イベントのログのレベルを指定します。
MEM_AddressableMemSizeMB Lotus Domino がアドレス可能メモリーとみなすメモリー量のデフォルト設定をオーバーライドするときに、この変数を設定します (VALUE はメガバイト単位で、デフォルトはプラットフォームによって異なります)。
MEM_EnablePreAlloc1 に設定すると、共有メモリーがあらかじめ割り当てられます。
NLCACHE_SIZEnamelookup キャッシュのサイズをバイトで指定します。デフォルト値は 16 MB です。
NSF_Buffer_Pool_Size_MBLotus Domino とディスク・ストレージ間の入出力転送をバッファリングする専用のメモリー・セクションである NSF バッファー・プールの最大サイズ (バイト) を指定します。
NSF_Dbcache_Maxentries サーバーが自分自身のデータベース・キャッシュに同時に保持できるデータベースの数を指定します。
RouterDbCacheSize ルーター・プロセスでメール・データベースのキャッシュに使用されるルーター・データベース・キャッシュのサイズを指定します。
SCHEDULE_NO_VALIDATE SchedMgr による毎日の空き時間データベース・エントリーの検証を有効または無効にします。
0 (デフォルト): 検証を有効にします
1: 検証を無効にします
Server_MAX_CONCURRENT_TRANSサーバー上で同時にスケジュールできるトランザクションの数を制限します。
Server_Pool_Tasks Lotus Domino サーバー (DbServer) スレッド・プールでの物理スレッドの合計数。
Server_Show_Performanceサーバーに適用されます。サーバー・パフォーマンス・イベントをコンソールに表示するかどうか指定します。この変数を 1 に設定すると、サーバー・パフォーマンス・イベントがコンソールに表示されます。
ServerTasks サーバーの起動時に自動的に開始し、サーバーのシャットダウンまで実行を継続するタスクを指定します。

参考文献

著者について

Yang Bin is currently a member of the IBM Lotus Domino for IBM i team with a focus on Lotus Domino performance. You can reach Yang Bin at yangbin@cn.ibm.com.

Eric Bjorklund is a member of the Power Family performance team, focusing on IBM Lotus Domino for IBM i. You can reach him at erbjor@us.ibm.com.

Rich Buck is a member of the Lotus Domino performance team, with primary focus on Lotus Domino for Sun Solaris and Lotus Domino for Microsoft Windows performance. You can reach him at richbuck@us.ibm.com. He tested and wrote the Solaris section of this article.

Wu W Huang is a member of the Lotus Domino Performance team, with primary focus iNotes and XPages on Windows and IBM Lotus Domino performance on System Z . You can reach Wu Huang at wuhuang@us.ibm.com. He tested performance of the Classic and XPages discussion database.

Angelo Lynn is an engineer on the Lotus Domino performance team. His current focus is Lotus Domino performance on Windows-based operating systems. He is a recent graduate from Northeastern University. You can reach him at anglynn@us.ibm.com.

Andy Nolet has been working with customers on Lotus Notes performance-related issues since the late 1990s. Before joining the Lotus Domino performance team, Andy worked for Lotus Support. You can reach him at anolet@us.ibm.com.

Jim Powers is a member of the Lotus Domino performance team. Previously, Jim led the performance team for the Lotus Domino Support organization. His experience with computer systems goes back over 30 years; performing various hardware and software roles throughout his career. You can reach him at jhp@us.ibm.com.

Nirmala Venkatraman is a Performance Architect on the Lotus Domino server performance team. You can reach her at nvenkatr@us.ibm.com.

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