IBM Lotus Connections のデプロイ: プランニングおよびアーキテクチャーの考慮事項

この記事は、IBM Lotus Connections のデプロイに関する 7 部構成の記事の第 1 部であり、デプロイメントを正しく行うために必要なプランニングおよびアーキテクチャーの考慮事項に焦点を当てます。プランニングおよびアーキテクチャーに関する推奨プラクティスをエキスパートから学びましょう。

Stephen Hardison, Certified Consulting I/T Specialist, IBM Software Services for Lotus

Stephen Hardison is a Certified Consulting I/T Specialist with IBM Software Services for Lotus. Stephen has been working on early adopter customer deployments of Lotus Connectioons since January 2007. Stephen joined IBM Software Services in 1999. Prior to that, he worked as an I/T professional for several public and private sector companies. You can reach Stephen at shardison@us.ibm.com.



2007年 9月 11日 (初版 2007年 7月 31日)

この記事では、IBM Lotus Connections のデプロイメントを準備するときの最も一般的な手順について説明します。また、アーキテクチャーの概念および利用可能な代案の概要を示し、組織に適した Lotus Connections の正しいデプロイメントを計画できるようになります。この記事は、I/T アーキテクトおよび I/T スペシャリスト向けの内容になっています。

はじめに

Lotus Connections は、企業のニーズをサポートするよう調整された J2EE ベースのソーシャル・コラボレーション・サービス群を導入する IBM の新製品です。Lotus Connections は、独立した軽量の 5 つの機能で構成されています。これらの機能は、業務に応じて段階的にインプリメントおよび導入できると同時に、組織内へのデプロイ時に個々の機能が相互に対話することを可能にするシンプルで拡張性の高い統合フレームワークを提供します。

Lotus Connections の 5 つの機能は次のとおりです。

  • プロフィール: 組織内の人々に関する情報への迅速なアクセスを提供します。キーワードを使用して組織全体を検索し、専門知識、進行中のプロジェクト、および職責の特定に役立つ機能も含みます。
  • コミュニティー: 共通の関心分野、職責、または専門分野について、社内全体の人々が参加可能なコミュニティーを作成する機能を提供します。
  • ブログ: 個人またはグループが利用でき、意見を共有したり、他のユーザーからのフィードバックを得るためのウェブログ・サービスを提供します。
  • ドッグイア: 価値のあるオンライン・リソースへのブックマークを保存、構成、共有する機能や、他のユーザーによって共有されているブックマークを見つける機能を提供します。
  • アクティビティー: 個人またはグループが、作業の編成、再利用に向けたプロセス手順の計画と保存、および日常の提出書類でのコラボレーションを容易に行うための機能を提供します。

Lotus Connections は新しい製品のため、デプロイメントの計画を立てる手順はほとんど知られていません。この記事の目的は、アーキテクチャーの概念および利用可能な代案の概要を説明し、組織に適した Lotus Connections の正しいデプロイメントを計画できるようにすることです。


Lotus Connections の機能のアーキテクチャー

それでは、機能のアーキテクチャーについて、論理および運用の両面から見ていきましょう。

機能の論理アーキテクチャー

Lotus Connections の機能の論理アーキテクチャーを図 1 に示します。アーキテクチャーは次のもので構成されています。

  • 機能へのアクセスに使用されるクライアント
  • HTTP トランスポートおよびプロキシー・キャッシュ
  • Lotus Connections のすべての機能とデータへのアクセスをホストおよび制御する J2EE コンテナー
  • 認証、データ保存、および外部メッセージング・システムとの統合のために、これらの機能によって使用されるバックエンド・システム
図 1. Lotus Connections の論理アーキテクチャー
Lotus Connections の論理アーキテクチャー

Lotus Connections は、REST プロトコルおよび Atom 標準に基づく API を通じて、標準 Web ポート上でさまざまなタイプのクライアントに機能を提供します。機能にアクセスするいくつかの方法 (ブラウザー・アクセス、IBM Lotus Sametime 7.5 または IBM Lotus Notes 8 用のアプリケーション・プラグインなど) はネイティブに提供されますが、API は、ユーザー自身のカスタム・アプリケーションから Lotus Connections 情報を作成、更新、照会、および管理できるように設計されています。

Lotus Connections REST API は構造的に HTTP に似ているだけでなく (実際に、HTTP は REST ベースのプロトコルです)、標準 Web サーバーと同じトランスポート・レイヤーを使用するため、機能への呼び出しは、標準 Web サーバーおよびプロキシー・サーバーと互換性があります。

この API により、POST、PUT、および DELETE の各メソッドを使用し、サービス・データを HTML 形式または XML Atom 文書にカプセル化することで、情報を入力および管理できます。情報は GET メソッドを使用して取り出すことができ、要求側のクライアントのニーズに応じて HTML または XML Atom 文書としてレンダリングできます。

たとえば、次の URL は、ユーザーのブックマークを取得するドッグイアの REST 呼び出しを示す異なる 2 つの例です。最初の URL は情報を HTML 形式で取得します。2 番目の URL は Atom フィードとして取得し、ユーザーのブックマークのサブセットだけを選択するフィルターを追加します。

http://dogear.ibm.com/html?user=<ユーザのID>
http://dogear.ibm.com/atom?tag=java&user=<ユーザのID>

クライアントによってアクセスされる 5 つの機能に加え、Lotus Connections には 4 つの共通ユーティリティー・モジュールがあります。

  • JMX管理: Lotus Connections 環境の構成および管理に使用されます。ほとんどの管理機能は WebSphere wsadmin コマンドを使用して管理されますが、それ以外は Web インターフェースを通じて公開されます。
  • ナビゲーション・ヘッダー: インストール済みのすべての機能が相互に認識できるようにし、一貫した Web ナビゲーションをユーザーに提供します。他の外部サービスへのリンクを含むように拡張できます。
  • パーソナル・カード: 各機能の内部からユーザーの基本プロフィール情報が要求されたときに、ビジネス・カード情報を一定の形式で表示します。プロフィール機能が必要です。
  • ユーザー・ディレクトリー: 認証、許可、および照会の各機能のために Lotus Connections によって使用されるディレクトリーへのインターフェースです。

また、Lotus Connections は次のような主要バックエンド・サービスで構成されます。

  • LDAP: 認証および許可サービスを Lotus Connections に提供し、プロフィール機能によって使用される個人情報の 1 次データ・ソースとして機能します。
  • リレーショナル・データベース: Lotus Connections の機能に必要なデータベースおよび表を保存します。各機能はそれぞれ固有のデータ・ソースを持ちます。
  • データ統合 (IBM Tivoli Directory Integrator): LDAP ディレクトリーなどの企業データ・ソースから個人情報を抽出し、この情報をプロフィール機能のデータベース表にプッシュします。また、プロフィール・エントリーに加えられた更新をオリジナルのデータ・ソースにプッシュして戻すよう構成することも可能です。プロフィール機能でのみ使用されます。
  • ファイル・システム: サービス索引、およびサービス特有のデータ (たとえば、ブログやアクティビティーにアップロードされた添付ファイルなど) を保存します。アクティビティーは、添付ファイルおよび大きなオブジェクト用に、ファイル・システムの代わりに Lotus Domino データベースを使用することもあります。
  • アウトバウンド SMTP: Lotus Connections は組織の既存のメッセージング・インフラストラクチャーを活用して、通知メッセージを送信します。これは、SMTP メッセージ・パケットを送受信可能であれば、どのようなメール・システムでもかまいません。

運用アーキテクチャー

Lotus Connections を構成する主なデプロイメント・コンポーネントを図 2 に示します。これらは、最小限必要なコンポーネントです。事例によっては、コンポーネントが同じ物理サーバー上に共存することがあります。たとえば、HTTP サーバーを IBM WebSphere Application Server とは異なる物理装置にインストールすることは、一般的にデプロイメントでのベスト・プラクティスですが、使用度が低い状況では、HTTP サーバーを同じ物理装置にインストールすることが適しているケースもあります (たとえば、開発またはテスト・サーバーとして使用したり、小規模な概念検証 (Proof of Concept) またはパイロット用のデプロイメントを行う場合など)。

図 2. Lotus Connections の運用コンポーネント
Lotus Connections の運用コンポーネント

Lotus Connections には、そのホスト・プラットフォームとして、Microsoft Windows または Linux 上で実行されている WebSphere Application Server V6.1 が必要です。1 つの機能をインストールすることも、複数の機能を同じ物理インスタンス上の異なるアプリケーション・サーバーにデプロイすることもできます。さらに、会社で可用性の高い環境が必要な場合、または大量のユーザーがいる環境へのデプロイメントをサポートするよう Lotus Connections にスケーラビリティーが求められる場合は、ネットワーク・デプロイメント・クラスターの一部である複数の物理サーバーにわたって機能をデプロイすることが可能です。

Lotus Connections では、IBM Tivoli Directory Server V6.1 と Microsoft Active Directory 2003 の 2 つのディレクトリー・サーバーがサポートされています。IBM Lotus Domino および Sun Java System Directory Server など、それ以外の LDAP ディレクトリーは今後のメンテナンス・リリースでサポートされる予定です。 (サポート情報は、記事執筆時のものです。最新のサポート情報は弊社営業までお問い合わせください。)

Lotus Connections のデータベースは、IBM DB2 V9.1 または Oracle 10g のいずれかでホストできます。DB2 では、各サービスのデータはそれぞれ個別のデータベースに保存されます。Oracle 10g では、プロフィールおよびアクティビティーのデータは個別のデータベース・インスタンスに保存されるのに対し、ブログ、コミュニティー、およびドッグイアのデータは 1 つのデータベース・インスタンスを共有する個別の表に保存されます。ほとんどのデプロイメントでは、プロフィール・データベースの作成に使用された Tivoli Directory Integrator V6.1 アプリケーションは、データベース・サーバーと共存しています。

前述のように、特定のデータは、データベース外部で Lotus Connections の機能がアクセスできるファイル・システムに保存されます。これらのファイル・システム・コンポーネント (索引および添付ファイルなど) は、WebSphere Application Server に装着されたドライブに保存される必要があります。クラスター化された WebSphere Application Server 環境にデプロイする場合、各クラスター・インスタンスは、共通ファイル・サーバー上のファイル共有または企業ネットワーク・ストレージ・デバイスへのアクセス権を持たなければなりません。

アクティビティー機能では、ファイル保存のオプションとしてもう 1 つの方法が可能です。添付ファイルおよびコンテンツをファイル・システムに書き込む代わりに、Lotus Domino サーバー上でホストされる Lotus Domino の NSF ファイルを使用するようアクティビティーを構成できます。このオプションは、Lotus Connections がスタンドアロン環境にインストールされているか、クラスター環境にインストールされているかにかかわらず、利用できます。


デプロイメント・アーキテクチャーおよびスケーラビリティー・オプション

Lotus Connections は、非常に柔軟なデプロイメント・シナリオをサポートするよう設計されています。たとえば、IBM Lotus Notes 8 のロールアウトをサポートするために、アクティビティー機能など、1 つの機能だけを組織にデプロイすることができます。一方、企業全体にデプロイする場合は、クラスター環境を構築し、組織内で最も使用率の高い機能に複数のノードを割り当てることもできます。

テスト・システムおよび POC 環境

使用度が低いシナリオ (たとえば、会社の開発組織によって使用されるテスト・システムや限定された概念検証など) に適した Lotus Connections の最小限のデプロイメント・トポロジーを図 3 に示します。

図 3. テスト/概念検証用のデプロイメント・トポロジーのサンプル
テスト/概念検証用のデプロイメント・トポロジーのサンプル

このトポロジーについて説明します。

  • HTTP サーバーは WebSphere Application Server と共存しているため、クライアントは、SSL によるセキュアなチャネルおよび非セキュアな HTTP チャネルの両方を通じて Lotus Connections サーバーに直接アクセスします。
  • HTTP サーバーによって使用される SSL 証明書は、認証機関に登録された証明書ではなく、自己署名の証明書でもかまいません。
  • Lotus Connections/WebSphere Application Server は、LDAP または LDAPS を通じてディレクトリー・サーバーにバインドされ、JDBC のシン・コネクション上でデータベース・サーバーにバインドされます。
  • Tivoli Directory Integrator はデータベース・サーバーと共存していて、LDAP または LDAPS を通じてディレクトリー・サーバーに接続し、詳細なユーザー・データを持つプロフィール・データベースを生成します。
  • ほとんどの場合、Tivoli Directory Integrator 接続は一方向のフィードであり、ディレクトリーでのユーザーの追加、更新、または削除に応じて定期的に更新を実行します。

Lotus Connections の各機能は、それぞれ固有のアプリケーション・サーバーを持つため、これらのサーバーはインストールの前に作成しておく必要があります。スタンドアロンの WebSphere Application Server を使用する場合、最も簡単なアプローチとしては、デフォルトの server1 アプリケーション・サーバーをそのまま残して WebSphere Application Server Console をホストし、インストールされた特定の Lotus Connection 機能をホストするために、同じアプリケーション・サーバー・プロファイルに新しいアプリケーション・サーバー・インスタンスを作成します。

<WAS_ROOT>/AppServer/profiles/<profile>/wsadmin.sh (or wsadmin.bat)
$AdminTaskcreatApplicationServer <node> {-name <lcservice_server_name>}
$AdminConfig save

たとえば、アクティビティー、プロフィール、およびドッグイアをホストする 3 つのサーバーを Linux サーバー上でセットアップするには、リスト 1 に示すコマンドを発行します。

リスト 1. ホストするサーバーのセットアップ
/opt/WebSphere/AppServer/profiles/AppSrv01/wsadmin.sh
$AdminTaskcreatApplicationServer Node01 {-name ActivitiesServer}
$AdminTaskcreatApplicationServer Node01 {-name ProfilesServer}
$AdminTaskcreatApplicationServer Node01 {-name DogearServer}
$AdminConfig save

これらのコマンドは、それぞれが異なるサービス・ポートのセットを持つ 3 つのサーバーを作成し、その設定を WebSphere Application Server プロファイルの構成に保存します。

小規模な実動システム

組織内で 1 つまたはすべてのサービスが使用される小規模な実動デプロイメントに適した Lotus Connections のデプロイメント・トポロジーを図 4 に示します。このようなシステムは、デプロイされるサービスおよびシステムの使用状況に応じて、比較的大量の登録ユーザーをサポートできます。

図 4. 小規模な実動デプロイメントのトポロジーのサンプル
小規模な実動デプロイメントのトポロジーのサンプル

このトポロジーについて説明します。

  • HTTP サーバーは専用のサーバーに置かれ、クライアントは SSL によるセキュアなチャネルおよび非セキュアな HTTP チャネルの両方を通じてアクセスします。HTTP サーバーは、HTTP または HTTPS (必要な場合) を通じて Lotus Connections/WebSphere Application Server にバインドされます。
  • HTTP サーバーの URL は、認証機関に登録された有効な SSL 証明書を持つ必要があります。
  • Tivoli Directory Integrator が双方向フィード用に構成されていると、ユーザーによる特定のプロフィール (たとえば、携帯電話番号など) の更新が含まれるデータをソース・ディレクトリー・サーバーとの間で同期できます。
  • リアルタイムに近い間隔で同期を実行するよう Tivoli Directory Integrator が構成されている場合は、データベース・サーバーでの潜在的なリソースの制約を制限するために、Tivoli Directory Integrator サーバー・プロセスを個別のサーバーに移動することが必要なケースもあります。
  • Lotus Connections WebSphere Application Server と組織内のいずれかのメール・サーバー間でアウトバウンド SMTP チャネルが構成されており、アクティビティー機能またはブログ機能からの通知を関心のあるグループに送信できます。

メモ: この構成は基本的な実動デプロイメントをサポートしますが、システム・フェイルオーバー用の冗長性またはユーザー・ロードの増加に応じて規模を拡大する機能は提供しません。これを行うには、次のセクションで説明するように、クラスターによるソリューションが必要です。

エンタープライズ・デプロイメントおよびスケーラビリティー・オプション

エンタープライズ・デプロイメントに適した Lotus Connections のトポロジーを図 5 に示します。この構成は、運用の高可用性およびフェイルオーバーをサポートするコンポーネント冗長性を提供するとともに、大量のシステム・ロードおよび同時利用ユーザーをサポートするよう Lotus Connections 機能をスケーリングする方法も提供します。

図 5. エンタープライズ・デプロイメントのトポロジーのサンプル
エンタープライズ・デプロイメントのトポロジーのサンプル

このトポロジーについて説明します。

  • クライアントは、SSL によるセキュアなチャネルおよび非セキュアな HTTP チャネルの両方を通じて HTTP プロキシー・サーバーまたはロード・バランサーにアクセスします。次に、これらは HTTP サーバー・クラスターに接続します。HTTP クラスターは、HTTP または HTTPS (必要な場合) を通じて Lotus Connections/WebSphere Application Server へのバインドを提供します。
  • Lotus Connections サーバーは、LDAP または LDAPS を通じ、DNS ラウンドロビンを使用してディレクトリー・クラスターに直接バインドされます。
  • Lotus Connections サーバーは、DB2 High Availability and Disaster Recovery (HADR) 機能または Oracle Real Application Clusters (RAC) を通じてデータベース・クラスターにバインドされます。
  • Tivoli Directory Integrator は、専用のサーバーに配置されています。これは、JDBC を通じてデータベース・クラスターに、LDAP または LDAPS を通じてディレクトリー・クラスターに接続し、詳細なユーザー・データを持つプロフィール・データベースを作成します。さらに、Tivoli Directory Integrator は、社内 LDAP に保存されていない可能性がある主要な組織情報を得るために、会社の人事データ・ソースにも接続します。
  • Tivoli Directory Integrator を多方向フィードとして構成すると、ユーザーによって更新された特定のプロフィールを含むデータを同期してソース・ディレクトリー・サーバーおよび人事システムに戻すことができます。

Lotus Connections のパフォーマンスを向上させる重要な方法の 1 つとして、キャッシュがあります。Lotus Connections へのネットワーク・トラフィックの 70% は、プラグインおよび RSS/Atom リーダーのフィードのポーリングによるものです。フィードは、プロキシーをキャッシュすることで提供できます。これにより、WebSphere Application Server から不要なトラフィックの負荷を軽減できます。

非常に大規模なデプロイメントおよび最大のスケーラビリティーが必要な場合は、Lotus Connections の各機能をそれぞれ専用のクラスターに置くことを考慮するとよいでしょう。このアプローチにより、5 つのすべての機能をまとめたスケーリングではなく、各機能ごとのスケーリングが可能になります。

たとえば、組織でアクティビティー機能とコミュニティー機能をインプリメントするときに、アクティビティーの使用度がコミュニティーの使用度を大幅に上回っているケースがあります。このような場合は、2 サーバー構成のクラスターでコミュニティーをホストし、冗長性をサポートできます。一方、アクティビティーについては、ユーザー・ロードをサポートするために 4 サーバー構成のクラスターが必要となるでしょう。


Lotus Connections のデプロイメントのプランニング

Lotus Connections の機能は幅広い用途を持ち、さまざまなビジネス要件をサポートするよう構成できます。Lotus Connections のデプロイメントを成功させるには、組織のビジネス・ニーズをデプロイメント・アーキテクチャーに対応づける慎重なプランニングが必要です。

望ましいサービスとユーザー数

Lotus Connections のデプロイメントをプランニングする最初のステップは、どのサービスをデプロイする必要があるのかを決めることです。一度にすべてのサービスをデプロイすることは可能ですが、ほとんどのケースでは、1 つの機能を完全にデプロイして動作させた後、次のデプロイに進む手順の方がより実践的です。デプロイメントの順序は、ビジネスでの重要度に基づく必要があります。たとえば、ある組織ではグローバル・プロジェクトのスタッフ配置をサポートするために、専門知識を検索するサービス (プロフィールなど) が重要でしょう。また、別の組織では、アクティビティーのワーク・シェア機能を活用し、ワークグループ全体でタスクを管理し、プロセスのベスト・プラクティスを把握する必要があるでしょう。

もう 1 つ考慮しなければならないのは、ターゲットのユーザー数を判断し、ユーザーがどのようにシステムを使うのか理解することです。ユーザー数に関する主な考慮事項は次のとおりです。

  • 機能に同時にアクセスするユーザー数はどれぐらいと予測されますか?
  • 最もよく利用されるのはどの機能と予測されますか、またその量は?
  • 機能にアクセスするために、どのタイプのクライアント・ソフトウェア (ブラウザー、フィード・リーダー、プラグイン・コンポーネントなど) が使用されますか?
  • 最もよく利用されるのはどの機能と予測されますか、またその量は?

また、インストールおよび実装に関する主な考慮事項として、次の点を理解することも重要です。

  • 実動インストールの前に、Lotus Connections の機能への URL を指定し、DNS に登録する必要があります。
  • ユーザーが認証を行うとき、ユーザーのクレデンシャルを保護するために HTTPS 接続が実施されます。このため、Lotus Connections の URL は対応する SSL 証明書を持たなければなりません。
  • Lotus Connections の任意の機能をインストールする前に、WebSphere Application Server のセキュリティーを有効にし、フェデレーテッド・リポジトリーをサポートするよう構成してください。
  • サービスが実行される WebSphere Application Server アプリケーション・サーバーを定義し、インストール時にこのサーバーの default_host HTTP ポートおよび HTTPS ポートを指定する必要があります。
  • 個々の機能を Lotus Connections サーバーにインストールする前にデータベースを作成し、サービスのインストール中にデータベース・ユーザーのクレデンシャルを入力しなければなりません。
  • クレデンシャルは認証用のディレクトリー・サーバーへバインドするために必要であり、インストール前にデータの同期を指定しなければなりません。また、必要なすべてのユーザー属性およびディレクトリー・スキーマへのバインド ID によるアクセスを可能にするために、適切な権限を設定してください。
  • アクティビティー機能およびブログ機能では、アウトバウンド SMTP サーバーへの接続に必要なクレデンシャルは、機能をインストールする前に利用可能になっていなければなりません。
  • Lotus Connections のユーザー・インターフェースへの変更の要望を把握し、グラフィックおよびスタイルを定義する必要があります。
  • ドッグイア機能では、内部と外部のブックマークを区別するために、内部 IP アドレスの範囲を指定しなければなりません。また、ブックマークされる可能性があるサイトに対して、ドッグイア機能がアクセス権を持つようにしてください。
  • ブログ機能では、管理権限を持つユーザー・アカウントを機能のインストール前に定義し、インストール直後に「ブログ・ホーム」を定義する必要があります。

主要なサポート・システムとの統合

Lotus Connections のすべての機能の中で、プロフィールは、実装について最も多くの技術的なプランニングを必要とします。これは主に、プロフィール・データ・ストアにユーザー情報を他のソースからプリロードしなければならないためです。初期プランニングを行う際の主な考慮事項は次のとおりです。

  • プロフィール・データ・ストアにロードするユーザー・データは、どのデータ・ソースに保存されていますか?
  • ソース・データのフィールド仕様 (フィールド名、型、データ長) はどのようになっていますか?
  • ロードは 1回限りのイベントですか、あるいはプロフィールに定期的にプッシュされるソースの新規更新ですか? 新規更新の場合、データ・ソースは、Tivoli Directory Integrator がアクセスできる変更ログを持っていますか?
  • プロフィールで更新されたユーザー・データは、そのオリジナル・データソースとの間で同期されますか?
  • データ・ソースで適切な組織階層が定義されていて、情報は一貫性があり完全ですか?
  • ユーザーの写真や名前の発音など、追加のマルチメディア情報がプロフィール・データに含まれますか?含まれる場合、これらのメディア・ファイルはどこに存在しますか?
  • ソース・フィールドで標準コード (ユーザーの部署やロケーションのコードなど) は使用されていますか?使用されている場合、これらのコードに対応するユーザー・フレンドリーな詳細情報 (部署名やロケーションの住所など) はどこにありますか?
  • どのデータ・フィールドがプロフィール・エントリーに表示され、その中でユーザーが編集できるのはどのフィールドですか?

ユーザー・データ・ソースを識別し、検証することは、プロフィールをセットアップする上で重要です。通常、これに該当するのは組織の LDAP ディレクトリーですが、組織の人事データベースなど、他の場所からこのデータを抽出することが必要になる場合もあります。

プロフィール・ユーザー・データのロードを促進するために、Lotus Connections には、Tivoli Directory Integrator V6.1 とあらかじめ構築された Tivoli Directory Integrator のアセンブリー・ライン、構成ファイル、およびコマンド行スクリプトのセットが含まれています。主要スクリプトは、Tivoli Directory Server V6.1 または Microsoft Active Directory 2003 からのユーザー情報の抽出をサポートするよう設計されています。また、写真、ユーザー名の発音を含む AVI ファイル、ロケーション・コード用の詳細データなどをロードする追加スクリプトも提供されています。

Tivoli Directory Integrator が、サーバー・モードで使用するアセンブリー・ラインもあります。これにより、変更が行われたときに、Tivoli Directory Integrator はソース LDAP とプロフィール・データ・ストアをポーリングし、同期を実行します。

ユーザー・データのソースが、サポートされている LDAP ディレクトリーに存在しない場合は、他のソースからデータを抽出するカスタム・アセンブリー・ラインを作成できます。組み込みの TDI コネクターにより、システム管理者は LDAP ディレクトリー、リレーショナル・データベース、ファイル・システム・リソースなどとの間でデータの読み取りおよび書き込みを実行できます。また、カスタム・スクリプトを作成し、ターゲット・システムにデータが書き込まれる前に、データを解析して操作することもできます。多くの場合、カスタム TDI アセンブリー・ラインは、ほんの数時間ほどで作成しテストできます。

さらに、データ・ソースの管理者と協力してデータへの適切なアクセス権を Lotus Connections に付与したり、データ・ソースの管理者および Lotus Connections の管理者の間でデータの更新と同期について同意があることが重要です。

組織内への Lotus Connections の導入

Lotus Connections は強力なソーシャル・ネットワーキング・ツール群を提供しますが、人々が参加しないソーシャル・ネットワークはありえないことを肝に銘じる必要があります。ツールを実装すると、組織内の人々はそれを自動的に採用するという考えは誤りです。組織内には、パブリックなソーシャル・ネットワーキング・ツールを使用した経験がある人もいれば、最初はそのようなツールの価値に気付かず、通常の作業を方法を変えたがらない人もいます。これは、他のコラボレーション・ツールを会社に導入したときの経過 (たとえば、電子メールやインスタント・メッセージングの最初の導入時など) にたいへんよく似ています。

導入をうまく促進するには、組織内にソーシャル・ネットワーキングの使用を紹介する、献身的なボランティアによる強固なコミュニティーが必要です。このコア・グループが組織のソーシャル・ネットワーキングのエバンジェリストとなり、一緒に働く人々の間にこのツールを導入することを推進します。適切な啓発を行うことにより、ソーシャル・コンピューティングは急激に普及することがあります。つまり、業務での価値や個人に対する価値が明らかになるにつれ、チームおよび部署内に迅速に浸透します。

デプロイメントを成功させるポイントを以下に示します。

  • 組織内のソーシャル・ネットワーキングに関する具体的な目標を定義します。
  • 組織内で中心となる貢献者/支持者を決め、アプリケーションの使用を促進します。
  • 貢献者の参加をトラッキングし、週ごとに個々の貢献ターゲットを設定します。
  • フィードバックとコメントをすぐに返します (誰かに注目されていると感じると、人々はよりアクティブに参加します)。
  • 段階的または試行的なロールアウトを計画する場合は、現在は存在しないけれども、信頼できる作業関係を形成しなければならない 2 つのグループを組織内で見つけます。
  • アクティビティーがインストールされている場合は、アクティビティーを活用してタスクを配布します。
  • 支持者を勇気づけ、組織内の他の人々に製品を広めてもらいます。
  • ガイドラインを早めに確立します。関連するブックマークおよび To Do 項目を含む「始め方」のアクティビティーを作成します。また、適切および不適切な使い方を示すガイドラインを定義し、公開します。

ユーザーによる Lotus Connections の導入をサポートすることに加え、プランニングの段階で、コンテンツおよびコミュニティー管理者を定義する必要があります。これらの役割は、組織内でのソーシャル・ネットワークの導入と管理に直接の責任を持つユーザーまたはグループを意味します。これらの役割を持つ人々は、次のことを実行します。

  • ソーシャル・ネットワーキングに関するビジネス・プランの立案と管理
  • 使用状況のモニターおよび定期的な報告
  • 管理者および参加者へのフィードバックの提供
  • 使用ガイドラインの定義と管理

まとめ

Lotus Connections は新製品ですが、部署内での小規模なシステムからエンタープライズ・デプロイメントに至るまで、さまざまなデプロイメント・オプションをサポートするよう綿密に設計されています。Lotus Connections はパブリック API を提供するため、Lotus Connections の機能と社内 IT 環境内の他のコンポーネントを迅速に統合できます。適切なプランニングを行うことにより、組織のビジネス・ニーズに適合するデプロイメント・アーキテクチャーを開発できるとともに、ユーザーへのテクノロジーの浸透も促進されます。

参考文献

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