Linux の 302 (Mixed Environment) 試験対策: Windows クライアントの操作

Samba サーバーのクライアントとして Windows マシンを使用する

UNIX および Linux マシンを Samba サーバーのクライアントにすることはできるものの、Samba サーバーのクライアントのほとんどが実行するのは Windows です。したがって、Windows クライアントから Samba サーバーに接続できるようにするための Windows の機能の使用方法を知っておく必要があります。また、例えば問題が発生した場合には、Linux マシンで特定の Samba コマンドを使用すると、問題のデバッグに役立ちます。

Roderick W. Smith, Consultant and author

Roderick Smith author photoRoderick W. Smith はコンサルタントであり、『The Definitive Guide to Samba 3』、『Linux in a Windows World』、『Linux Professional Institute Certification Study Guide』など、UNIX や Linux に関する数々の著作もあります。彼は現在、ロードアイランドのウーンソケットに住んでいます。



2012年 1月 13日

この連載について

この連載は Linux システム管理タスクの学習に役立つだけでなく、LPIC-3 (Linux Professional Institute Certification レベル 3) 試験に備えるための教材にもなります。

連載の各記事についての説明とリンクについては、developerWorks の LPIC-3 ロードマップを参照してください。現在進行中のこのロードマップは、LPIC-3 試験の最新の目標 (2011年 3月) を反映しています。完成した記事はその都度ロードマップに追加されていきます。

この記事では、以下の内容について学びます。

  • Windows クライアントの機能
  • Windows のブラウズ・リストを使用する方法
  • Windows でファイル共有およびプリンター共有を作成する方法
  • テストのために smbclient を使用する方法
  • Windows の net ユーティリティーを使用する方法

この記事は、LPIC-3 Specialty「302 Mixed Environment Exam」試験の主題 314 の目標 314.4 の試験対策となります。この目標の重要度は 4 です。

前提条件

選択的な LPI-302 試験について

LPIC (Linux Professional Institute Certification) には、さまざまなレベルがあり、レベルが上がるにつれ、より深い知識と経験が必要になってくるという点で、他の多くの認定と似ています。LPI-302 試験は、LPIC レベル階層のレベル 3 に位置する選択的な Specialty 認定試験であり、Linux システム管理に関する高度な知識が求められます。

LPIC レベル 3 (LPIC-3) 認定を取得するには、2 つのレベル 1 試験 (101 と 102)、2 つのレベル 2 試験 (201 と 202)、そして LPIC-3 Core Exam (301) に合格しなければなりません。これらの試験に合格した後、LPI-302 などの選択的な Specialty 認定試験を受けることができます。

この連載記事を最大限に活用するには、Linux の高度な知識と、この記事で説明するコマンドを演習できる実際の Linux システムが必要です。具体的には、Linux コマンドライン関数の実用的な知識を持っていること、そして Samba 構成の基本を理解していることを前提とします。また、Windows コンピューターをブートして使用できること、Windows の「Command Prompt (コマンド プロンプト)」ウィンドウを含め、基本操作を理解していることも必要になります。この記事の例では Windows 7 クライアントを使用しますが、それ以前の Windows オペレーティング・システムでも手順と原理は同様です。


Windows での SMB/CIFS オプションの設定

皆さん独自のフィードを作成してください

新しい記事が追加された際、あるいは内容が更新された際に通知を受けられるように、RSS、Atom、または HTML によるカスタム・フィードを作成することができます。それには、developerWorks RSS フィードにアクセスしてください。対象のゾーンとしては「Linux」を選択し、情報の種類としては「記事」を選択して、キーワードには「Linux Professional Institute」と入力します。そして最後にフィードの種類を選択します。

Samba の構成には特定の基本情報 (ワークグループやドメイン名など) が設定されている必要があるのと同様に、Windows の構成にも基本情報を設定してからでないと、Samba 共有にアクセスすることはできません。Samba 共有にアクセスできるように Windows を構成するには、以下の手順に従います

  1. 「Control Panel (コントロール パネル)」で「System and Security (システムとセキュリティ)」をクリックし、「System (システム)」をクリックします。

    すると、図 1 のようなウィンドウが表示されます。このウィンドウの下のほうに、コンピューターの名前とワークグループ名またはドメイン名の情報が記載されています。

    図 1. Windows の「Control Panel (コントロール パネル)」配下にある、システムの名前変更オプションにアクセスする
    Windows の「Control Panel (コントロール パネル)」配下にある「System (システム)」画面のスクリーン・ショット
  2. Computer name, domain, and workgroup settings (コンピューター名、ドメインおよびワークグループの設定)」エリアにある「Change settings (設定の変更)」をクリックします。

    すると、「System Properties (システムのプロパティ)」ダイアログ・ボックスが表示されます (図 2 を参照)。このダイアログ・ボックスを使用して、コンピューターの NetBIOS (Network Basic Input/Output System) の名前や所属するドメインまたはワークグループを変更することができます。

    図 2. 「System Properties (システムのプロパティ)」ダイアログ・ボックスで名前変更オプションにアクセスする
    「System Properties (システムのプロパティ)」ダイアログ・ボックスのスクリーン・ショット。「Computer description (コンピューターの説明)」は「Wembleth」に、「Workgroup (ワークグループ)」は「RINGWORLD」設定されています。
  3. Computer description (コンピューターの説明)」フィールドを、フィールドの下に例示されているような、わかりやすい情報に変更します。
  4. コンピューターの NetBIOS 名 (「Full computer name (フル コンピューター名)」フィールドに示されている名前) とワークグループ名またはドメイン名が正しければ、「OK」をクリックします。正しくない場合は「Change (変更)」をクリックし、NetBIOS 名、所属するワークグループまたはドメインを設定します。

    Change (変更)」をクリックすると、「Computer Name/Domain Changes (コンピューター名/ドメイン名の変更)」ダイアログ・ボックスが表示されます (図 3 を参照)。

    図 3. 「Computer Name/Domain Changes (コンピューター名/ドメイン名の変更)」ダイアログ・ボックスで、コンピューター名および所属するドメインまたはワークグループを設定できる
    コンピューター名、所属するワークグループまたはドメインを編集する場合の画面を示すスクリーン・ショット
  5. Computer name (コンピューター名)」フィールドに、このコンピューターの NetBIOS 名を入力します。

    このエントリーは、コンピューター上のディレクトリーまたはプリンターを共有する場合には特に重要ですが、コンピューターをクライアント専用として使用する場合には、それほど重要ではありません。このエントリーが影響するのは、NetBIOS 名だけです。

  6. 必要に応じて、コンピューターのドメイン・ネーム・システム (Domain Name System: DNS) ホスト名を変更することもできます。それには、「Full computer name (フル コンピューター名)」の下にある「More (詳細)」をクリックします。

    このダイアログ・ボックスで行う変更はローカルに適用されます。つまり、このコンピューターが他のコンピューターにその身元を証明する方法には影響を与えますが、他のコンピューターがこのコンピューターを識別するために使用する名前には影響しません。コンピューターの DNS ホスト名を変更する場合、ネットワークの DNS サーバーを調整する必要があることに注意してください。

  7. 必要に応じて「Domain (ドメイン)」または「Workgroup (ワークグループ)」オプションを選択し、対応するフィールドにローカル・ドメイン名またはワークグループ名を入力します。

    Windows 7 Home Premium などの Windows の一部のバージョンでは、「Domain (ドメイン)」オプションがグレーアウトされていることに注意してください。その場合、ドメインに完全に参加するには、Windows のバージョンをアップグレードする必要があります。

  8. 必要な変更がすべて完了したら、「OK」をクリックします。

    Windows によって、コンピューターの再起動が必要であることが通知されます。ドメインに参加しようとしている場合には、認証情報を入力する必要もあります。このトピックについての詳細は、記事「Linux の 302 (Mixed Environment) 試験対策: ドメイン制御」を参照してください。

再起動が完了すると、Windows は新しい NetBIOS 名およびワークグループ/ドメイン ID を使用するようになるため、この記事の残りで説明する手順が有効になります。手順のとおりに行かない場合は、構成を確認してください。ドメイン名またはワークグループ名にタイプミスがある可能性があります。また、それよりも基本的な問題として、ネットワーク・ケーブルがしっかり接続されていないなどの可能性も考えられます。


Windows から Samba 共有のファイルへのアクセス

Windows クライアントからアクセスする場合でも、Samba サーバーの構成がほとんど、あるいはまったく問題なく機能するのが理想的ですが、実際、ほとんどの場合に問題がないため、この記事ではすべてが正常に機能するという前提で説明を始めます。この前提を基に、Windows で Samba 共有をブラウズする方法、Windows で共有の Universal Resource Identifier (URI) を直接入力する方法を説明します。問題が発生した場合は、後のセクションで説明する「Linux クライアントを使用して問題をデバッグする方法」を参考にしてください。

Samba 共有をブラウズする

Linux の 302 (Mixed Environment) 試験対策: ファイル・サービス」でも説明したように、SMB (Server Message Block)/CIFS (Common Internet File System) は、ネットワーク上のファイル共有およびプリンター共有を簡単に見つけられるようにするための機能を提供します。これらの機能の詳細はクライアントのユーザー・インターフェース (UI) によって異なり、実際、Windows で共有をブラウズするにもいくつかの方法があります。その 1 つは、オペレーティング・システムに統合されたファイル・マネージャーを使用する方法です。

  1. 「Start (スタート)」メニューから「Computer (コンピューター)」をクリックして、Windows エクスプローラーを開きます (図 4 を参照)。
    図 4. ファイルのブラウジング機能は Windows エクスプローラーに密接に統合されています
    Windows エクスプローラーのスクリーン・ショット。ストレージ・デバイスとそれぞれの空き容量が示されています。

    左側ペインの「Network (ネットワーク)」項目から、ネットワーク・ブラウズ・リストにアクセスすることができます。コンピューターの名前をクリックすると、そのコンピューターが提供する共有が詳細ペインに表示され、これらの共有をクリックすると、共有を開くことができるといった具合です。

  2. 共有を開いてファイルを見つけた後、そのファイルを適切なアプリケーションで開くには、ファイルをダブルクリックします。ファイルを削除するには、そのファイルを「Recycle Bin (ごみ箱)」までドラッグします。他の操作にしても、ローカル・ハード・ディスクでファイルを操作する場合と同じです。

Windows の多くのプログラムで使用する「Open (開く)」および「Save As (名前を付けて保存)」のダイアログ・ボックスにも同様の機能が用意されており、ファイルを見つけることができます。

URI を入力する

ブラウジングが正しく機能しないこともあります。その原因には、ネットワークでブラウジングに問題が発生していることも考えられますが、共有がブラウズ・リストに表示されないように意図的に構成されている場合もあります。その場合、サーバーの正確な DNS 名または NetBIOS 名、そして共有の名前がわかっていれば、共有の URI を直接 Windows エクスプローラーに入力することで、共有にアクセスすることができます。その手順は以下のとおりです。

  1. アドレス・バー内をクリックします。

    必ず、既存のエントリーの右側をクリックしてください。そうでないと、既存のエントリーを選択することになってしまいます。クリックすると、フィールドのエントリーが URI フォームでの表示に変更されます。

  2. アクセスしたい共有の正確なパスを、「\\<コンピューター名>\<共有名>\」の形で入力します。例えば、NESSUS コンピューター上の RODSMITH 共有にアクセスする場合には、「\\NESSUS\RODSMITH\」と入力します。完全なパスを入力したら、Enter キーを押します。

指定した共有の中身が Windows エクスプローラーに表示されます。その後は、直接ブラウズする場合と同じように、ファイルとフォルダーを操作することができます。

ネットワーク共有を割り当てる

場合によっては、URI を入力したり、共有をブラウズしたりするよりも簡単に共有にアクセスできるように、ネットワーク共有にドライブ名を割り当てると便利です。例えば、図 4 の \\NESSUS\RODSMITH 共有には、ドライブ名 N が割り当てられています。

新しいドライブ割り当てを作成するには、共有までブラウズして右クリックし、「Map Network Drive (ネットワーク ドライブの割り当て)」をクリックします。すると、「Map Network Drive (ネットワーク ドライブの割り当て)」ダイアログ・ボックス (図 5 を参照) が表示されます。このダイアログ・ボックスで、ドライブ名を設定し、その他のさまざまなオプションを選択して設定内容の詳細を調整することができます。

図 5. ネットワーク・ドライブを割り当てると、Windows で共有にドライブ名が割り当てられます
Windows で Z ドライブが割り当てられ、ログオン時に再接続するように設定された \\WEMBLETH\Users の共有を示すスクリーン・ショット

Windows から Samba への印刷

Samba プリンターが適切に構成されていれば、Windows から Samba に印刷するのは簡単です。基本的なプロセスには、Windows でプリンター・キューを作成し、そのキューを適切な Samba 共有にリンクする作業を伴います。最も複雑な部分は、おそらく使用するドライバーを決定することでしょう。Samba 共有には、ネイティブ Windows ドライバーを使用しなければならない共有もあれば、関係のない PostScript ドライバーを使用する必要のある共有、さらにはどちらのタイプのドライバーでも使用できる共有もあるためです。

Windows でプリンター・キューを作成する手順は以下のとおりです。

  1. 「Control Panel (コントロール パネル)」から「Hardware and Sound (ハードウェアとサウンド)」を開き、「Add a Printer (プリンターの追加)」をクリックします。

    ダイアログ・ボックスが表示され、追加するプリンターのタイプを選択するように求められます。

  2. Add a Network, Wireless or Bluetooth Printer (ネットワーク、ワイヤレスまたは Bluetooth プリンターを追加します)」を選択します。

    Windows が利用できるプリンターを検索し、図 6 に示すようなリストを表示します。

    図 6. Windows がネットワーク・プリンターを検出してリストに表示します
    Windows が検出したプリンター共有のリストを示すスクリーン・ショット
  3. 使用するプリンターを選択し、「Next (次へ)」をクリックします。

    プリンターが表示されない場合、プリンターの Samba 共有を再構成しなければならない可能性があります。一方、意図的にプリンターがブラウジング機能で表示されないようになっている場合は、「The printer that I want isn't listed (探しているプリンターはこの一覧にはありません)」をクリックして、プリンターの URI を指定することができます。

  4. 共有をホストするサーバーがドライバーを提供するように構成されている場合、Windows は自動的にそのドライバーをダウンロードしてインストールします。そのように構成されていなければ、ドライバーが見つからなかったことを通知するダイアログ・ボックスが表示されます。その場合には、標準 Windows ドライバーのリストからドライバーを選択するか、プリンターのメーカーによって提供されているドライバーをインストールしてください。
  5. ドライバーのインストールが完了したら、テスト・ページを印刷します。

プリンターが適切に構成されていれば、任意のアプリケーションの「Print (印刷)」ダイアログ・ボックス (図 7 を参照) から、そのプリンターを選択できるようになっているはずです。

図 7. 構成したプリンターを使用するには、Windows の「Print (印刷)」ダイアログ・ボックスの「Name (名前)」リストからそのプリンターを選択します
\\NESSUS\hp4000 プリンターが選択された状態の「Print (印刷)」ダイアログ・ボックスを示すスクリーン・ショット

Linux は PostScript を標準プリンター入力として使用し、この入力を PostScript 以外のプリンターのネイティブ言語に変換します。したがって通常は、あらゆる Samba プリンターを PostScript モデルであるかのように処理することができます。このような処理を可能にするには、Windows に適切な汎用 PostScript ドライバーをインストールする必要があります。それには、Windows クライアントでそのドライバーを選択するか、Samba を使用してドライバーを提供します。標準 Windows プリンター・ドライバーのうち、一般に Samba プリンターと相性が良いのは、「Generic」セクションにある「MS Publisher Color Printer」ドライバーです。

一方、PostScript ドライバーを使用する代わりに、プリンターのメーカーから提供されるプリンター固有のドライバーをインストールすることもできます。その場合には、該当するドライバーを突き止めてください。また、データ・フィードを解釈してプリンターのネイティブ言語に変換するのではなく (CUPS (Common UNIX Printing System) は一般にそうします)、RAW データ・フィードを適切に処理するように Samba または CUPS を設定しなければならない場合もあります。

大まかに言うと、PostScript ドライバーとネイティブ・ドライバーとが異なる点は以下のようになります。

  • PostScript 以外のモデルに PostScript プリンター・ドライバーを使用する場合の欠点は、プリンターに固有のすべての機能を適切に使用できるとは限らないことです (トレイの選択や解像度の設定など)。ネイティブ・プリンター・ドライバーからは、プリンターに固有の機能のすべてにアクセスすることができます。
  • PostScript ドライバーを使用してテキストの多い文書を印刷すると、ネイティブ・プリンター・ドライバーを使用する場合と比べ、印刷ジョブが使用するネットワーク帯域幅が少なくなります。その違いは、中程度からハイエンドのレーザー・プリンターよりも、廉価なインクジェット・プリンターで顕著です。
  • PostScript ドライバーを使用する場合、プリント・サーバー・マシンでの CPU の需要が高くなります。この影響は、プリント・サーバーが最近の規格によって処理能力不足になったり、多数のプリンターを処理したりするのでなければ、それほど重要ではありません。
  • ネイティブ・ドライバーを使用するには、Samba または CUPS を再構成する作業が必要になりますが、それだけの面倒に見合う価値がない場合があります。

複数のドライバーを試して、どのドライバーがネットワークおよびプリンターで最適に機能するかを調べるという方法もあります。場合によっては、1 つのプリンターに対して複数の Samba キューを作成し、それぞれのキューを異なる Windows ドライバーにリンクさせるのも一考です。このようにすれば、ユーザーが、特定の印刷ジョブに最適なドライバーを選択できるようになります。


Windows の net コマンドの使い方

Windows は使用するにも、管理するにも、Linux より遥かにグラフィカル UI (GUI) 指向になってはいるものの、テキスト・モードの Windows ユーティリティーも用意されており、そのうちの一部には、GUI 版に勝る利点があります。SMB/CIFS の場合、Windows での主要なテキスト・モード・ツールは net です。GUI で実行できるタスクの多くは net を使用して実行することができますが、net コマンドはスクリプトにすることができるという利点があります。したがって、ネットワーク起動スクリプトに net コマンドを組み込んで、すべてのコンピューターで共通のタスク一式を実行したり、単一のコマンドで一連の複合的なアクションを実行したりすることができます。

net を使用するには、このコマンドに続けてサブコマンド名を入力します一部のサブコマンドには、さらに追加のオプションが必要です。表 1 に、最も重要な net サブコマンドを要約します。

表 1. Windows net コマンドのサブコマンド
サブコマンド効果
CONFIGコンピューターの NetBIOS 名やワークグループ名またはドメイン名など、さまざまなネットワーク設定を表示、または更新するために使用します。
FILEWindows ファイル・サーバーで入力すると、クライアントが開いている共有ファイルに関する情報を表示します。
HELPnet コマンドの使用方法に関するヘルプ情報を表示します。
SESSIONWindows ファイル・サーバーで入力すると、クライアントからのアクティブな接続を表示します。/DELETE を追加すると、セッションを終了します。
STATISTICSクライアント (NET STATISTICS WORKSTATION) またはサーバー (NET STATISTICS SERVER) 操作で送信されたバイト数、受信したバイト数、エラー数などの統計情報を表示します。
TIMEコンピューターの時計を別のコンピューターの時計に合わせて設定します。
USE共有に Windows ドライブ名を割り当てるか、現行のドライブ割り当て情報を表示します。
USERドメイン・コントローラー内のユーザー・アカウントを追加、削除、または変更します。
VIEWネットワーク上のコンピューターのリスト、または特定のコンピューターで使用できる共有のリストを表示します。

上記のオプションのいくつかを組み合わせると、ファイル・ブラウザーで実現できるのと同じような成果を生み出すことができます。具体的に言うと、例えば VIEW の後に USE を続けることで、ファイル共有をブラウズすることができます (リスト 1 を参照)。

リスト 1. VIEW コマンドを使用したファイル共有のブラウズ
> NET VIEW
Server Name            Remark

-------------------------------------------------------------------------------
\\NESSUS               Nessus
\\SEEKER               seeker server (Samba, Ubuntu)
\\VBOX7                VBox7
\\WEMBLETH             Wembleth
The command completed successfully.


> NET VIEW \NESSUS
Shared resources at \\NESSUS

Nessus

Share name          Type   Used as  Comment

-------------------------------------------------------------------------------
cf                  Disk            Epson RX500 CF port
floppy              Disk            Floppy Drive
hp4000              Print           HP4000 via Ethernet
rodsmith            Disk            Home Directories
smbpdf              Print           PDF Generator
Stylus_Photo_RX500  Print           EPSON Stylus Photo RX500
The command completed successfully.


> NET USE \\NESSUS\cf I:
The command completed successfully.

上記の例で示されているのは、ネットワークをブラウズし、\\NESSUS\cf 共有をドライブ I: にある Windows デバイスに割り当てるプロセスです。この操作を行った後は、このデバイス名を使用してデバイスにアクセスできるようになります。

NET TIME コマンドは、NTP (Network Time Protocol) サーバーの代わりの手段として簡単に使用することができます。以下のコマンドは、Windows コンピューターの時計を NESSUS サーバーの時計に同期させるコマンドです。

> NET TIME \\NESSUS /SET

net サブコマンドのなかには管理者権限が必要なものもあることを頭に入れておいてください。最初に管理者コマンド・プロンプトを開かずにこれらのコマンドを使おうとすると、ユーティリティーから、十分な権限を持っていないという通知を受け取ります。USER を使用する場合は、リモート・コンピューターでのアカウントを変更するためのパスワードも知っていなければなりません。


サーバーとしての Windows の使い方

LPIC-302 認定試験では、Linux を Samba サーバーとして使用する方法に焦点が置かれています (したがって、これはこの連載での焦点でもあります)。このことが、Linux と Samba の組み合わせでしか SMB/CIFS サーバーの役目を果たすことはできないという誤解を招いているかもしれませんが、突き詰めていくと、元々 SMB/CIFS プロトコルは、DOS、Windows、および OS/2 (IBM Operating System/2) コンピューターがリソースを共有するための手段として設計されたものであり、Samba がこれに加わったのは何年かしてからです。したがって、Windows のファイルやプリンターを共有して、Windows クライアントまたは Linux クライアントで使用できるようにするプロセスについて簡単に説明しておきます。

Windows のファイルを共有する

Windows サーバーは、そのパーティション全体を共有するように構成することも、あるいはサブディレクトリーだけ (例えば、ユーザー・ディレクトリーやユーザー・ディレクトリーのサブディレクトリーのみ) を共有するように構成することもできます。その手順は以下のとおりです。

  1. 共有するドライブまたはディレクトリーまでブラウズします。
  2. ドライブまたはディレクトリーを右クリックして「Share with (共有)」をクリックします。このメニューのサブメニューには、さまざまなオプションがあります。
  3. Share with (共有)」コマンドからオプションを選択します。

    Windows 7 には、「Homegroup (ホームグループ)」という機能が組み込まれており、事前定義されたユーザーのグループと共有できるようになっています。このようなグループをセットアップしていない場合、または他のグループを指定する場合には、「Specific People (特定のユーザー)」をクリックします。このオプションを選択すると、図 8 に示すダイアログ・ボックスが表示されます。

    図 8. Windows では、ファイルを共有するユーザーを指定することができます
    「File Sharing (ファイルの共有)」ダイアログを示すスクリーン・ショット。このダイアログでは、「Homegroup (ホームグループ)」には「Permission Level (アクセス許可のレベル)」として「Read (読み取り)」が与えられ、「rodsmith」には「Owner (所有者)」が与えられています。
  4. Add (追加)」リストからユーザーまたはグループを選択するか、ユーザー名をテキスト・ボックスに入力します。
  5. Add (追加)」をクリックします。
  6. 必要に応じて、「Permission Level (アクセス許可のレベル)」列で新しいエントリーの値を変更して、選択したユーザーに与えるアクセス許可を調整します。

これで、別の Windows コンピューターまたは Linux コンピューターから、新しいファイル共有にアクセスできるかどうか試すことで、ファイル共有のテストをすることができます。

Windows のプリンターを共有する

Windows コンピューターに物理的に接続されているプリンターに出力するには、そのサーバー上にプリンター共有を作成します。その手順は以下のとおりです。

  1. ローカル・プリンターのプリンター・キューをインストールして構成します。
  2. 「Control Panel (コントロール パネル)」の「Hardware and Sound (ハードウェアとサウンド)」項目で、「Devices and Printers (デバイスとプリンター)」をクリックします。
  3. 共有するプリンターを右クリックし、「Printer Properties (プリンターのプロパティ)」をクリックします。
  4. Properties (プロパティ)」ダイアログ・ボックスで「Sharing (共有)」タブをクリックします。すると、図 9 のような内容が表示されます。
    図 9. Windows のプリンターは、プリンターの「Properties (プロパティ)」ダイアログ・ボックスで共有するように設定することができます
    プリンターの「Properties (プロパティ)」から、「Network and Sharing Center (ネットワークと共有センター)」にアクセスする方法を示すスクリーン・ショット
  5. Share this printer (このプリンターを共有する)」チェック・ボックスを選択し、「Share name (共有名)」フィールドに名前を入力します。

    Render print jobs on client computers (クライアント コンピューターに印刷ジョブを表示する)」チェック・ボックスと「Additional Drivers (追加ドライバー)」ボタンは、一部の Windows クライアントには重要ですが、Linux クライアントにプリンターを共有させる場合には、いずれのオプションも気にする必要はありません。

  6. OK」をクリックして変更を確定します。

Linux の CUPS サブシステムは、SMB/CIFS プリンター共有に出力するプリント・キューを作成することができるので、Linux から Windows の共有プリンターに出力することができます。注意する点として、Windows の共有プリンター (PostScript モデルではない場合) には Linux ドライバーが必要です。つまり、印刷ジョブは Linux 側で表示し、プリンターのネイティブ・フォーマットでネットワーク上に送信しなければなりません。ここが、Samba の共有プリンターと対照的なところです。Samba の場合には、プリンターのネイティブ・フォーマットで処理することも、印刷ジョブを PostScript 形式で送信することもできます。


Linux クライアントを使用して問題をデバッグする方法

Samba サーバーを使用する場合でも、Windows サーバーを使用する場合でも、SMB/CIFS ネットワークの問題をデバッグするには各種の Linux ツールを利用することができます。これらのツールのいくつかについては、この連載の他の記事で既に説明したので、ここでは簡単に説明するだけにとどめておきます。これらのツールや手法としては、共有をマウントする方法や、smbclient を使用する方法、smbget を使用する方法などが挙げられます。Samba や SMB/CIFS に実際に関係するわけではありませんが、目標 314.4 では rdesktop についても触れているため、このセクションでも最後に取り上げます。

共有のマウントをテストする

共有をテストする、ごく当たり前の方法は、一般的なツールで共有を使用してみることです。Linux クライアントの場合、これは「Linux の 302 (Mixed Environment) 試験対策: CIFS 連携」で説明したように、mount コマンドと cifs ファイルシステム・ツールを使って共有をマウントすることを意味します (かつては、LPIC 目標 314.4 で取り上げられている smbmount および smbumount ユーティリティーを使用して SMB/CIFS ファイルシステムをマウント、アンマウントすることができましたが、これらのツールのサポートは、Linux カーネル 2.6.37 で廃止されました)。

共有をマウントできるかどうかをテストする最も単純な方法は、「mount //SERVER/SHARE /mnt」と入力することです (ここで、SERVER はサーバー名、SHARE は共有名です)。ただし、目標 314.1 に関する記事で説明したように、ユーザー名やパスワードなどのオプションを追加しなければならない場合があります。

共有をマウントできないとしたら、Samba ログ・ファイルまたはカーネル・リング・バッファー (dmesg を実行してアクセスします) に手掛かりが見つかる可能性があります。マウント・オプションを調整することで問題を解決できる場合があります。また、サーバー側に問題があることも考えられます。その場合には、アクセス許可などの設定を調整する必要があります。

smbclient を使用してテストする

基本的な機能をテストするには、「Linux の 302 (Mixed Environment) 試験対策: CIFS 連携」で説明した smbclient プログラムが役立ちます。この極めて基本的なツールは、ファイルシステムをマッピングするという面倒がなく、サーバー・コンピューターに直接アクセスするためのインターフェースとなるためです。

smbget を使用してテストする

smbgetwget と同様のプログラムで、HTTP を使用してファイルを取得します。smbget を使用するには、取得するファイルの正確な URI がわかっていなければなりません。最も単純な形では、このコマンドに続けて、例えば以下の URI を入力します。

$ smbget smb://WEMBLETH/REPORTS/financial-report.pdf

上記の例では、WEMBLETH サーバー上の REPORTS 共有から financial-report.pdf ファイルを取得します。smbget の振る舞いを変更するために、さまざまなオプションを追加することができるようになっています。例えば、ユーザー名を指定する -u、ディレクトリー・ツリー全体を再帰的に取得する -R などです。このプログラムの操作の詳細については、プログラムの man ページを参照してください。

rdesktop を使用してテストする

rdesktop プログラムは、RDP (Remote Desktop Protocol) の Linux 実装です。RDP は Windows リモート・アクセス・プロトコルで、原理上は VNC (Virtual Network Computing) に似ています。RDP をアクティブにするには、「System Properties (システムのプロパティ)」ダイアログ・ボックス (図 2 を参照) を使用します。ダイアログ・ボックスの「Remote (リモート)」タブをクリックし、「Remote Desktop (リモート デスクトップ)」領域で、目的のセキュリティー設定と一致するオプションを設定してください。それが終わったら、「OK」をクリックします。

注: Windows のすべてのバージョンが RDP をサポートしているわけではありません。特に、Home バージョンではこの機能をサポートしていません。

rdesktop を使用するには、このプログラムの名前の後に、サーバーの DNS ホスト名または IP アドレスを入力します。多数のオプションのなかから、任意のオプションを追加で組み込むこともできます (ユーザー名を指定する -u など)。詳細については、プログラムの man ページを参照してください。

参考文献

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ArticleID=784157
ArticleTitle=Linux の 302 (Mixed Environment) 試験対策: Windows クライアントの操作
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