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Linux カーネル2.4 の紹介: 第2回

どんな特殊ハードウェア・サポートが追加されるか

Thomas Burger (twburger@bigfoot.com), Owner, Thomas Wolfgang Burger Consulting
Thomas Wolfgang Burger氏は、Thomas Wolfgang Burger Consulting社のオーナーです。1978年以来、コンサルタント、インストラクター、アナリスト、アプリケーション開発者として活躍しています。連絡先は、twburger@bigfoot.com です。

概要: これは 2 回シリーズの第 2 回です。今回は、近々リリースされる Linux カーネル 2.4 のポート、マルチメディア、ファイル・システム、バス・サポートといった特殊ハードウェアに寄せられる期待を現実的な視点から詳しく取り上げます。第 1 回 で論じられていたのは、正式なリリースがいつごろになるのか、新しいリリースの全体的な機能はどんなものになると予想されるか、メインのハードウェア機能に対する拡張機能という観点から何が期待できるのか、といった点でした。

日付:  2000年 8月 01日
レベル:  初級 この記事の原文:  英語
アクティビティー: 2307 ビュー
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ポート、マルチメディア、その他のハードウェア

シリアル・ポート、パラレル・ポート、赤外線ポートなど

Linux 2.x の後期エディションに比べて、Linux 2.4 では、シリアル・ポートにごくわずかな変更しかありません。依然として、IRQ の共用は可能です。マルチポート・ボードなどの一部の特殊シリアル・ハードウェア・デバイスのサポートが向上しています。シリアル・ポートについては、そんなところでしょう。

しかし、パラレル・ポート・サブシステムには、かなりの変更があります。2.4 では、"不明な" タイプのパラレル・デバイスとの抽象化通信ために、汎用パラレル・ポート・ドライバーが組み込まれます。プログラムでは、PNP ポーリングを実行するためにこのドライバーを使用できます。(ただし、パラレル・ポート・ドライバーには、ルート・コンソールがパラレル・ポートに分割されるという副作用があります。) コンソール・メッセージをプリンターに出力するように、パラレル・ポート・ドライバーを設定することも可能です。このような設定は、画面からのコピー操作に問題があったり、CRT のないサーバーのコンソールとしてプリンターを使用したりするときに非常に役立ちます。Linux 2.4 では、プリンターへのアクセスをスピードアップする DMA を使って、パラレル・ポートに出力する操作をサポートしています。

Linux 2.2 では、特別ビルドに赤外線ポートのサポートが組み込まれていましたが、2.4 では、標準として組み込まれます。

ビデオ

2.2 で投入されたフレーム・バッファーを正しく設定することによって、コンソール・モードとグラフィカル・モードの統一層が実現しました。Linux 2.4 では、この発想をさらに発展させ、更新事項や新しいビデオ・ドライバーを組み込んでいます。(さらに、共通 VGA ディスプレイと古い 16 カラー・ディスプレイ用のドライバーも更新されます。) フレーム・バッファーとは、ビデオ・メモリーを表すメモリー領域、またはビデオ・メモリーそのものであるメモリー領域を指します。このメモリー領域に対する書き込みによって、ディスプレイの表示内容が変化します。

Linux カーネル 2.4 の最大の変更点の 1 つは、Direct Rendering Manager (DRM) の追加です。DRM は、グラフィックス・ハードウェア・インターフェースをクリーンアップするので、同時に複数のプロセスをビデオ・カードに書き込む処理 (システム・クラッシュの原因になる処理) が不要になります。さらに、DRM は、ビデオ・カードに対する DMA アクセスのためのエントリー・ポイントにもなります。このアクセスによって、Linux 2.4 のグラフィックス処理の安定性が高まり、テレビ・チューナー・カードとの併用も容易になります。

マルチメディア

マルチメディア・サポートは、Linux デスクトップの問題です。2.4 には、サウンド・カードや video4linux デバイス用の更新事項や新しいドライバーが組み込まれます。また、より多くのサウンド・カードや変更点で全二重がサポートされるようになるため、一部のサウンド・カードで必要なメモリー範囲の割り振りが容易になり、設定作業がシンプルになります。

個人的には、Linux の最初の音声シンセサイザー・カードである DoubleTalk が、Linux 2.4 でサポートされることを期待しています。サウンドやビデオを出力するその他のデバイスや、TV やラジオの各種チューナーもサポートされるようになるでしょう。このようなサポートによって、Linux は、視覚障害を抱えるユーザーの市場においても断然有利な立場に立てるはずです。(こうしたデバイスをこれほど基本的なレベルでサポートしているオペレーティング・システムは、ごくわずかしかありません。)

新しいサウンド・カードの先進機能をサポートできるように、サウンド・サブシステムのコードを全面的に書き換える作業も進められています。このようなサポートは、Linux 2.4 には間に合わないでしょうが、2.5 か 2.6 で実現するかもしれません。



デバイスとファイル・システム

ブロック・デバイスについて

ブロック・デバイスとは、バイト・アレイとして個別かつランダムにアクセスできるデータを保管するためのハードウェアを指します。たとえば、ハード・ディスクは、ブロック・デバイスです。ブロック・デバイスのランダム・アクセスが不可能であれば、ディスクからデータを読み取ったり、ディスクにデータを書き込んだりするのに長い時間がかかってしまいます。ディスクに関する限り、ブロック・デバイスでは、いつでも、どんなセクターでも読み取ることができます。シリアル・ポートのようなデバイスは、ブロック・デバイスにはなれません。シリアル・ポートでは、接続の終端にあるデータしか読み取ることができないからです。

Linux カーネル 2.4 では、まったく新しいブロック・デバイス 機能である "raw" (生) I/O デバイスが実装されるようになります。raw デバイスとは、データがディスクにあっても、別の場所にあっても、基本レベルのデバイスにダイレクトに (つまり、キャッシュ層を経由せずに)、即時に、並行的にアクセスする機能を備えたブロック・デバイスを指します。raw デバイスが特に役立つのは、先進的なアプリケーションにおいて、データのキャッシュ処理を完全に制御するのが望ましいとはいえ、通常のキャッシュ機能を犠牲にしたくないような場合でしょう。また、データ管理がきわめて重要な状況においても、raw デバイスを活用できます。たとえば、システムの障害発生時にデータを失わないようにするためには、ディスクにただちにデータを書き込む機能を確保しておく必要がありますが、そのような場合にも raw デバイスは威力を発揮します。

以前の raw デバイス・サポートは、Linux カーネルへの組み込みに適していませんでした。文字通り 2 倍の数のデバイス・ノードが必要になったからです (1 つのブロック・デバイスごとにデバイス・ノードが必要)。多くの商用の UNIX では、依然としてこの実装を採用しています。しかし、現在の raw デバイスの実装では、デバイス・ノードのプールを使用しており、このプールを任意のブロック・デバイスと関連付けることによって、各ブロック・デバイスに独自のデバイス・ノードを設定する必要がなくなっています。

raw デバイス・ノードの概念は、メインストリームの UNIX から取り入れたものです。この raw デバイス入出力は、それぞれのブロック・デバイスに対応する "raw" デバイスを作成するという、従来の UNIX 実装から生まれました。Linux の開発者たちは、この古い方法もたいへん便利だと感じましたが、最終的には、かつての UNIX 時代に使われていた 1 対 1 の対応の方法ではなく、raw デバイス・ノードのプールを使用することにしました。raw デバイス・ノードのプールは、任意のブロック・デバイスに関連付けることができ、ブロック・デバイスをすべてのノードにあらかじめ割り振っておく必要はありません。

デバイス・ノードのプールを設定するという概念の拡張機能 (ディスクのイジェクトなど) は、ioctls (I/O 制御) によって処理されます。ブロック・デバイス・ドライバーは、程度の差こそあれ、すべて Linux 2.4 用に書き換えられています。API (アプリケーション・プログラミング・インターフェース) も、インターフェースからレガシー・ガーベッジを除去したり、ブロックとファイル API をカーネル・レベルで完全に分離したりするために、かなり変更されています。しかし、ブロック・デバイス・ドライバーの変更点は、それほど大きくありません。(メインの Linux 開発ツリーの外でモジュールを保守するコーディング担当者は、更新が必要かどうかをチェックする必要があるでしょう。)

これまで取り上げてきた新しいシステムでは、サポートされる IDE コントローラーの数が増えるために、すべてのアプリケーションでより高いレベルの制御が得られます。ブロック・デバイスのサポートによって、このコントローラーの数が 4 から 10 に増え、スレーブ・ドライブを合わせれば潜在的には 20 にまで増える可能性もあります。

ファイル・システムの改良点

ファイル・システムにあった大きな問題点がいくつか取り除かれ、きめの細かなロック機能の実装によって拡張が可能になっています。旧バージョンでは、拡張した場合に、巨大ファイルの転送時に処理速度が落ちる可能性がありました。

デバイス・ファイル・システム

Linux 2.4 のデバイス・ファイル・システム (DevFS) は、2.4 の中でも最も新しく、最も論議の的になる機能でしょう。基本的な点として、DevFS によって、Linux ユーザーがデバイスとの対話を処理する方法が変わります。こうした変化は、主に 2 つの面で明らかに表われてくるはずです。

1 つ目の点として、ほとんどすべてのデバイス名が変更されます。たとえば、"/dev/hda" というハード・ディスクは、"/dev/ide0/hd1" に変更されます (実際の名前は若干異なるかもしれません。新しい命名規則はまだ公表されていません)。命名方式の変更によって、デバイスで使用できる名前空間の量が増えます。さらに、USB などの新しいデバイス・システムを UNIX/Linux デバイス・モデルに組み込むことも容易になります。

2 つ目の点は、ドライバーがカーネルにロードされた時点で、デバイス名が /dev/ ディレクトリーに追加されるようになるということです。以前の方法では、そのディレクトリーにすべてのデバイス名の候補をあらかじめ入れておく必要がありました。互換性を確保するために、ユーザー・スペース・プログラム "devfsd" によって、古い名前も使用できるようになっています。

ディストリビューション・ベンダーが、すべてのアプリケーションを修正して、新しい名前を使用するようにしたいと思っている場合は、こうした変更点から大きな影響を受けるかもしれませんが、エンド・ユーザーには、それほどの影響はないでしょう。

ファイル・システムの補足情報

ブロック・デバイスを使用する最も一般的な方法は、ブロック・デバイスにファイル・システムをマウントすることです。カーネルの中で、ファイル・システムのコードは、ブロック・デバイス・ドライバーの上にかぶせるオーバーレイのような役割を果たします。ブロック・デバイスにすべてのファイル・システムをマウントするわけではありませんが、proc や devfs のような一部のファイル・システムは、完全な仮想システムです。

Linux 2.4 では、ファイル・システムに大幅な変更が加えられています。たとえば、キャッシュ層が書き換えられ、1 つのバッファーで読み取りと書き込みの両方の操作を処理することになります。この新しいキャッシュ層によって、その後の操作がシンプルになり、メモリーが少し解放されます。このような新しいファイル・システム層は、スケーラビリティーが各段に高まっており、8 つ以上の CPU を搭載したマルチプロセッサー・マシンを活用できるようになります。さらに、一部のロックの単位が細かくなったために、ファイル転送や複数のディスクに対する書き込み操作のスピードが大幅にアップしています。

Linux 2.4 には、2.2 のファイル・システムがすべて組み込まれます。

  • FAT (DOS)
  • NTFS (Windows NT)
  • VFAT と FAT32 (Windows 9x)
  • HFS (MacOS)
  • HPFS (OS/2)

現在の OS/2 HPFS ドライバーは、読み取り / 書き込み操作の機能を備えています。

新しい Macintosh ファイル・システムである HFS+ は、2.4 ではまだサポートされません。

2.4 では、DVD ディスク用の UDF ファイル・システム、IRIX によって使用される XFS (EFS) ファイル・システム、UNIX NFS ファイル・システムという 3 つの新しいファイル・システムが追加されます。

仮想ファイル・システム (VFS) 層も改良され、いくつかのバグが修正されています。旧バージョンの Linux では、ファイル・キャッシュ処理が二重バッファー・システムに依存していたため、一部のコーディングはシンプルになったものの、カーネルの開発者たちにとっては問題の種でもありました。そのようなシステムでは、2 つのバッファーが絶対に同期するようにコードを書く必要があったわけですが、バッファーの同期によってシステムは遅くなり、冗長バッファーを設定することによってメモリーの使用量が増加しました。Linux 2.4 では、ファイル・キャッシュ処理が二重バッファー・システムに依存しなくなります。

IRIX EFS ファイル・システムや、IRIX ディスク・ラベル (区画テーブル) フォーマットのサポートを追加することによって、UNIX 系の他のオペレーティング・システムとの相互運用性も向上しています。NextStep UFS のサポートも改良されており、UFS ドライバーが CD-ROM をサポートするようになっています。

効率を上げるために、すべての Linux ファイル・システムが変更され、新しいページ・キャッシュ・システムをサポートするようになっています。ただし、NTFS ファイル・システムだけは例外です。NTFS は、専任のコード保守担当者がいないため、安定性に欠けます。したがって、NT ユーザーは、Linux 2.4 でも、NTFS ディスクに対する書き込みができません。ドライバーも依然として「Experimental」(がらくたを指すコード区分) に分類されており、状況によっては、ディスクの破損も起こり得ます。

Linux カーネル 2.4 では、UNIX NFS (バージョン 3) ファイル・システムがサポートされます。このサポートによって、エンタープライズ市場で Linux がさらに採用されるようになることでしょう。NFS プロトコルは、UNIX 系のシステムでファイルを共用するための最善の方法です。Linux 2.4 には、NFSv3 によってファイル・システム共用にアクセスする機能が組み込まれます。NFSv3 のサポートは、業界から最も強く要望されていた新機能の 1 つです。(ただし、カーネルの NFS デーモンは、Linux から NFSv2 共用しかエクスポートできません。すでに NFSv4 サポートが開発中であるというアナウンスもあります。)


"ジャーナリング・ファイル・システム" について

ジャーナリング・ファイル・システムとは、簡単に言えば、読み取りまたは書き込みのトランザクションを実行する前に、そのレコードを保管しておくファイル・システムです。システムがクラッシュした場合でも、何をすることになっていたのかに関するレコードがそのまま残っているので、システムの回復時にトランザクションを最後まで実行することができます。

エンタープライズ OS の市場では、ジャーナリング・ファイル・システム 機能が切望されていました。(この機能の安定版を提供できる寸前まで来ているプロジェクトもいくつかありますが、実際にはまだ出ていません。) 2.4 の機能凍結によって、ジャーナリング・ファイル・システムのサポートは、2.5 以降に持ち越されています。


バス・サポート

2.4 の改良点や追加項目のほとんどは、さまざまなハードウェア・プラットフォームや構成システムのための内部および外部のバス・サポートにかかわっています。バス・サポートがあるということは、既存のほとんどすべてのパソコンで Linux 2.4 を使用したり、既存のほとんどすべてのパソコンに合わせて Linux 2.4 を適合させたりすることが可能だという意味です。

ユニバーサル・シリアル・バス

ユニバーサル・シリアル・バス (USB) のサポートは、開発者バージョンの Linux 2.3.x ですでに取り込まれており、特に 2.3.15 レベル以降で成功していると言えます。カーネルの USB サポートには、2.3.99-pre9 の時点で、USB 対応のスキャナー、プリンター、カメラ、オーディオ、ジョイスティック、キーボード、マウス、モデムなどが含まれています。

USB とは、元々 Intel が開発した外部タイプのバスです。この外部バスは、新しいマザーボードにどんどん取り付けられるようになっており、デバイスのホット接続やホット切断を可能にしています。

Linux 2.4 では、全体としてユニバーサル・シリアル・バス (USB) をサポートしますが、問題は、具体的な USB デバイスの多くがまだサポートされていないという点です。皮肉なことに、この状況は、Linux 2.4 が実際にリリースされる直前 (というより、おそらく直後) に変わる可能性があります。現時点のテストでは、キーボードやマウスなどの入力周辺装置が正しく動作することが分かっています。USB 対応のキーボードやマウスは、標準バージョンと同じように扱われることになりそうですが、問題は残ります。Linux には、マルチヘディングの内部サポートがありません。マルチヘディングとは、1 つの CPU に複数のキーボードを接続しておき、ドライバーが各キーボードをそれぞれ 1 つの端末に割り当てることを意味します。マルチヘディングのためのコードは、ゆくゆくは GGI プロジェクトから取り込まれることになるかもしれません。

USB 対応のサウンド・デバイスをサポートするための作業も進められています。

PCMCIA (Personal Computer Memory Card International Association) のサポート

PCMCIA デバイスは、主にラップトップや Palm デバイスで使用されています。これらのデバイスのサポートは、2.2.5-15 のようなカスタム・カーネル・リリースではなく、標準カーネルに組み込まれています (-15 は PCMCIA サポートを指します)。このサポートを標準カーネルに組み込むことによって、PCMCIA ディストリビューション固有のカーネルが現行の Linux 2.4 リリースよりも遅れているという事実にかかわる問題が減ることになります。PCMCIA を組み込むのは、Torvalds 氏が Transmeta で仕事をした直接の結果なのでしょう。標準の Linux カーネルでラップトップや Palm コンピューターのサポートを強化することは、Crusoe チップがターゲットにしているモバイル・インターネット・コンピューティング市場全体にとって好都合です。電源管理、ハードウェア・サポート、仮想キーボード層 (最終リリースから外される可能性もある) は、Linux のモバイル・コンピューティング指向の強い構成にさらに貢献することになります。

それでも、Linux 2.4 では、PCMCIA デバイスを十分に運用するために、外部のデーモンやコンポーネントを必要とするでしょう。

標準的なバス

既存のバス・ドライバー (ISA、PCI、MCA) が改良され、マイクロチャネル・アーキテクチャーなどのドライバーの多くでサポートされるデバイスの数も増えています。Linux 2.4 でバス・サポートに加えられる改良点の 1 つは、新しい Linux リソース・サブシステムにドライバーを配列するという機能です。

I2O

I2O バス (インテリジェント入出力) も、Linux 2.4 リリースに組み込まれる予定です。I2O は PCI バスのスーパーセットであり、多彩なデバイスに対応できる、OS を選ばないドライバーを作成することを目的としています。そのようなドライバーを作成する機能によって、将来的には、OS を選ばないデバイスやドライバーがさらに多く登場することでしょう。I2O SCSI コントローラーや他の I20 デバイスはすでにサポートされています。

SCSI

Linux 2.4 には、新しい SCSI デバイスがたくさん組み込まれます。SCSI サブシステムも、大幅に書き換えられています。このリリースでたくさんの新しい SCSI コントローラーもサポートされており、2.5 の開発サイクルの中で、SCSI に関するさらに多くの改良が期待されるところです。

LVM

LVM (論理ボリューム・マネージャー) は、HP-UX や Tru64 UNIX (旧称: Digital UNIX) など、エンタープライズ・クラスの UNIX で標準装備されているシステムです。これはファイル・システムやボリュームを管理するための仕組みであり、カーネル本体に LVM サブシステムが取り込まれることになっています。

LVM では、ファイル・システムを複数のディスクに分散させることもでき、区画テーブルの場合よりも柔軟なサイズ変更や管理が可能になります。LVM サブシステムは、md (複数デバイス) ドライバーまたはユーザー・スペース・ツールによって複写することもできます。Linux 2.4 バージョンの LVM サブシステムは、商用 UNIX のユーザーにとって馴染み深い (事実上の) 標準に準拠したスタイルで、このサポートを提供します。

その他のブロック・デバイスの変更点もかなり取り込まれますが、Linux 2.4 では、そのほかにループバックと RAM ディスクのドライバーも更新され、一部の状況で発生するバグがいくつか修正されることになります。

IDE

IDE コントローラーの数が増えるだけでなく、IDE CD チェンジャーもサポートされるようになります。ただし、Linux では、チェンジャーに複数の CD を同時にマウントする機能をまだサポートしていません。Linux 2.4 は、バグの多いチップセットを搭載した IDE コントローラーを検出し、問題を回避するという点でも改良が加えられています。さらに、ATA66 のような先進的な機能のサポートも強化されます。

Firewire

Firewire サポートが Linux カーネルに追加されます。Firewire は、多くの高帯域幅デバイスで採用されているオプションですが、このアーキテクチャー用のドライバーやデバイスはそれほど多く登場していません。Firewire は、Macintosh で標準装備されており、外部ハード・ディスクへの接続に関しては十分なスピードがあります。主にディジタル・ビデオ・デバイスで使用されます。

プラグ・アンド・プレイ

カーネル 2.4 で、業界標準アーキテクチャー (ISA) のプラグ・アンド・プレイ (PnP) デバイスを自動検出し、IRQ と DMA を割り振ることができるようになるかは、まだ分かりません。ISA PnP がサポートされるという話と、サポートされないという話が交錯しているのが現状です。構成ファイルを手作業で編集したり、ISAPnP ツール群のようなユーティリティーを使用したりするのが、やはり 2.4 でその種のデバイスを構成する最善の方法かもしれません。Linux 2.4 では、ブート・プロセスによって ISAPnP のプログラムに対応するという噂もあります。つまり、ISAPnP IDE コントローラーからブートしたときに、構成が自動的に行われるといった形でのサポートです。

Linux 2.4 には、完全に機能の揃ったリソース管理サブシステムが初めて組み込まれます。旧バージョンにも一部のサポートがありましたが、必要な "プラグ・アンド・プレイ" 機能は提供されていませんでした。ユーザーは、カーネルの中でリソースが割り振られたり、レポートされたりする仕組みの効果を直接見ることができるようになるでしょう。Linux 2.2 でいったん廃止された PCI カード・データベースも、2.4 で再び採用されています (「廃止」というのは、除去することや、さらに良い手段に置き換えたりすることを指す Linux 用語です)。このような変更によって、すべてのリソースには、ドライバーだけでなく、デバイス名も関連付けられることになります。


今後の展望

将来の展望として、Linux 2.4 のリリース以降は、デスクトップ環境、組み込みデバイス、エンタープライズ・システムに対応した更新事項などに力点が置かれることになるでしょう。Linux はすでに、サーバー用の OS としてはかなり定着していますが、インストール作業や構成作業の複雑さ、ハードウェア業界からのサポートの不足、現在の市場の勢いの不足などの問題が原因で、デスクトップ用の OS としてはあまり浸透していません。おそらく、それよりも見込みのあるターゲットは、急速に成長を続ける Web 用の機器 / 情報デバイス / 携帯用コンピューターの組み込み市場でしょう。軽量で柔軟だという Linux の元々の特性からすれば、この市場にこそ最大の消費潜在力があるのかもしれません。


参考文献

著者について

Thomas Wolfgang Burger氏は、Thomas Wolfgang Burger Consulting社のオーナーです。1978年以来、コンサルタント、インストラクター、アナリスト、アプリケーション開発者として活躍しています。連絡先は、twburger@bigfoot.com です。

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ArticleTitle=Linux カーネル2.4 の紹介: 第2回
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