Linux 対応のデータ可視化ツール

6 つのオープン・ソース・グラフィックス・ユーティティーの概要

Linux® 上でデータをグラフィカルに表示するアプリケーションは、単純な二次元グラフから三次元曲面、そしてサイエンティフィック・グラフィックス・プログラミング、グラフィカル・シミュレーションまで多岐にわたります。幸いにも、可視化ツールには gnuplot、GNU Octave、Scilab、MayaVi、Maxima、OpenDX など、多数のオープン・ソースが揃っています。ツールのそれぞれには利点と欠点があり、対象となるアプリケーションも異なるため、さまざまなオープン・ソース・グラフィカル表示ツールを学んで、そのなかからご使用のアプリケーションに最適なものを選択できるようにしてください。[この記事は OpenDX を追加記載するために更新されています (編集者)。]

M. Tim Jones (mtj@mtjones.com), Senior Principal Software Engineer, Emulex Corp.

M. Tim Jones は、コロラド州ロングモンにある Emulex Corp. の上級主席ソフトウェア・エンジニアとして、ネットワーキング製品とストレージ製品を立案および設計しています。設計活動は、通信衛星用のリアルタイム・カーネルからネットワーク・プロトコル、そして組み込みファームウェアに至るまで広範にわたっています。人工知能 (AI) やアプリケーション・レイヤー・プロトコルの開発など、さまざまな主題の記事も多数書いています。著作には「AI Application Programming」(現在、第 2 版)、「BSD Sockets Programming from a Multilanguage Perspective」、「TCP/IP Application Layer Protocols for Embedded Systems」(いずれも Charles River Media 出版) があります。



2006年 11月 30日

可視化ツールのショートリスト

この記事では、人気の高いいくつかの Linux データ可視化ツールについての調査結果を報告するとともに、それぞれが持つ可視化以外の機能についても考察します。例えば、そのツールは数値計算言語を提供しているのか、双方向性があるのか、あるいはバッチ・モードで単独に動作するのかといった点から、画像処理やデジタル信号処理に使用できるのか、言語バインディング (Python、Tcl、Java プログラミング言語など) を行ってユーザー・アプリケーションへの統合をサポートするのかという点などを取り上げます。さらに、ツールのグラフィカル機能も例示しています。最後に各ツールの長所を特定し、計算処理タスクやデータ可視化ごとの最適なツールを判断するための手掛かりになるようにしたいと思います。

この記事で取り上げるオープン・ソース・ツール (および関連ライセンス) は以下のとおりです。

  • Gnuplot (Gnuplot Copyright、非 GPL (General Public License))
  • GNU Octave (GPL)
  • Scilab (Scilab)
  • MayaVi (BSD)
  • Maxima (GPL)
  • OpenDX (IBM Public License)

Gnuplot

Gnuplot は 1986 年から出回っている優れた可視化ツールで、gnuplot グラフを使用していない論文はほとんど見当たらないほどです。gnuplot はコマンド・ラインで実行するツールで、最初はささやかなツールでしたが、今では多数の非対話型アプリケーションをサポートするように拡張されていて、GNU Octave のプロット・エンジンとしても使用できます。

Gnuplot は移植可能で、UNIX®、Microsoft® Windows®、Mac OS® X やその他多くのプラットフォームで動作します。サポートする出力フォーマットも、ポストスクリプトから最新の PNG まで広範にわたります。

Gnuplot はバッチ・モードで動作することが可能で、コマンドのスクリプトごとに 1 つのグラフを生成します。また、対話モードでも動作可能です。対話モードで Gnuplot の機能を試してみると、それぞれの機能がグラフに与える効果を調べることができます。

gnuplot では、UNIX 数学ライブラリーに相当する標準数学ライブラリーも使用できます。関数の引数は、整数、実数、複素数をサポートします。この数学ライブラリーは、ラジアンまたは度 (degree) を基準に構成することが可能です (デフォルトはラジアン)。

作図については、gnuplot は plot コマンドで二次元グラフを生成し、splot コマンドで三次元グラフ (二次元投影として) を生成します。plot コマンドでは、gnuplot は直交座標または極座標で処理することができます。splot コマンドはデフォルトで Cartesian (カーテシアン) 座標系に設定されていますが、球座標系と円筒座標系もサポートします。また、グラフに等高線を適用することもできます (以下の図 1 を参照)。新しい作図スタイルである pm3d では、パレット・マップを用いた三次元および四次元データを地図や曲面として描画できます。

ここで、簡単な gnuplot の例を見てみましょう。この例は、等高線と隠線消去を使った三次元関数のグラフ描画を説明するものです。リスト 1 に使用する gnuplot コマンド、図 1 に出力されるグラフを示します。

リスト 1. 単純な gnuplot 関数のグラフ
set samples 25
set isosamples 26
set title "Test 3D gnuplot"
set contour base
set hidden3d offset 1
splot [-12:12.01] [-12:12.01] sin(sqrt(x**2+y**2))/sqrt(x**2+y**2)

リスト 1 を見ると、gnuplot のコマンド・セットの単純さが分かります。グラフのサンプリング・レートと密度を決定するのは samples と isosamples で、title パラメーターによってグラフのタイトルが指定されます。基本等高線と隠線消去が併せて有効に設定され、内部で使用可能な数学ライブラリーの関数を使用した splot コマンドによって sinc 関数のグラフが作成されます。結果を図 1 に示します。

図 1. gnuplot による単純なグラフ
図 1. gnuplot による単純なグラフ

gnuplot は関数グラフの作成だけでなく、ファイル内に含まれるデータの作図にも優れています。例として、リスト 2 (ファイルの簡略バージョン) に示す x データと y データの対を見てください。ファイルに示されたデータの対は、二次元空間での x 軸と y 軸を表します。

リスト 2. gnuplot のサンプル・データ・ファイル (data.dat)
56 48
59 29
85 20
93 16
...
56 48

このデータを二次元空間で描画し、さらに各データ・ポイントを線で結ぶには、リスト 3 の gnuplot スクリプトを使用します。

リスト 3. リスト 2 のデータを描画するための Gnuplot スクリプト
set title "Sample data plot"
plot 'data.dat' using 1:2 t 'data points', \
  "data.dat" using 1:2 t "lines" with lines

結果を図 2 に示します。gnuplot は自動的に軸を拡大縮小しますが、必要に応じてグラフの位置を制御することもできます。

図 2. データ・ファイルを使用した gnuplot による単純なグラフ
図 2. データ・ファイルを使用した gnuplot による単純なグラフ

Gnuplot は認知度の高い優れた可視化ツールで、多くの GNU/Linux 配布に標準装備されています。ただし、基本的なデータ可視化と数値計算が必要であれば、GNU Octave のほうがふさわしいかもしれません。


GNU Octave

GNU Octave は主に数値計算のために設計された高級言語で、The MathWorks 社の商用 Matlab アプリケーションの代わりとなる有力な候補です。gnuplot が単純なコマンド・セットを提供する一方、Octave は数学的プログラミングを目的とした高度な言語を提供します。さらに、C または C++ による自作のアプリケーションを Octave にインターフェースさせることも可能です。

Octave は 1992 年頃、化学反応器の設計に関する教科書の付属ソフトウェアとして作成されました。作成者の目的は、Fortran プログラムのデバッグではなく、学生たちが反応器の設計問題に対処できるようにすることでした。その結果、数値問題を解決するのに有益な言語および対話環境が完成しました。

Octave はスクリプト・モードや対話形式で動作します。さらに、C および C++ 言語と連動させることも可能です。Octave 自体に C 言語のような高度な言語と、そして信号処理、画像処理、音声処理、制御理論のために特殊化された関数が含まれる大規模な数学ライブラリーが備わっています。

Octave は gnuplot をバックエンドとして使用するため、gnuplot で作図できるものはすべて Octave でも作図できます。Octave が持つ計算用の高度な言語には明らかな利点がありますが、それでも gnuplot による制限は免れません。

Octave-Forge Web サイトから引用した以下の例 (SimpleExamples) では、Lorentz Strange Attractor を作図しています。リスト 4 に、Cygwin を使用した Windows プラットフォームでの Octave との対話ダイアログを示します。この例を見ると、常微分方程式を解くための一般的な関数、lsode の使い方がわかります。

リスト 4. Octave による Lorentz Strange Attractor の可視化
GNU Octave, version 2.1.50 
Copyright (C) 1996, 1997, 1998, 1999, 2000, 2001, 2002, 2003 John W. Eaton.
This is free software; see the source code for copying conditions.
There is ABSOLUTELY NO WARRANTY; not even for MERCHANTIBILITY or
FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE.  For details, type `warranty'.

Please contribute if you find this software useful.
For more information, visit http://www.octave.org/help-wanted.html

Report bugs to <bug-octave&bevo.che.wisc.edu>.

>> function y = lorenz( x, t )
y = [10 * (x(2) - x(1));
x(1) * (28 - x(3));
x(1) * x(2) - 8/3 * x(3)];
endfunction
>> x = lsode("lorenz", [3;15;1], (0:0.01:25)');
>> gset parametric
>> gsplot x
>>

図 3 のグラフは、リスト 4 に示した Octave コードの出力結果です。

図 3.Octave による Lorentz グラフ
図 3.Octave による Lorentz グラフ

GNU Octave (gnuplot と連携) では、multiplot 機能によって単一のページに複数のグラフを出力できます。この機能を使用して作成するグラフの数を定義し、subwindow コマンドで特定のグラフを定義します。subwindow を定義したら、通常の方法でグラフを生成してから次の subwindow の定義を続けます (リスト 5 を参照)。

リスト 5. リスト 5. Octave での複数グラフの生成
>> multiplot(2,2)
>> subwindow(1,1)
>> t=0:0.1:6.0
>> plot(t, cos(t))
>> subwindow(1,2)
>> plot(t, sin(t))
>> subwindow(2,1)
>> plot(t, tan(t))
>> subwindow(2,2)
>> plot(t, tanh(t))

図 4 に、結果として作成された複数グラフのページを示します。この機能は、関連するグラフを集めて比較または対比するのに最適です。

図 4. GNU Octave による複数グラフ
A multiplot with GNU Octave

Octave は言うなれば、バックエンドとして gnuplot を備えた可視化用の高級言語です。豊富な数学ライブラリーを提供する Octave は、Matlab の代わりとして最適な無料のソフトウェアです。拡張も可能で、音声処理、最適化、記号計算のためにユーザーが開発したパッケージを使用できます。Octave は、Debian をはじめとする一部の GNU/Linux 配布に含まれており、Cygwin を備えた Windows および Mac OS X で使用できます。Octave についての詳細は、「参考文献」セクションを参照してください。


Scilab

Scilab は、数値計算と可視化をともに可能にするという点で、GNU Octave と似ています。Scilab は工学および科学アプリケーションを対象とした高級言語のインタープリターで、世界中で使用されています。

1994年に登場した Scilab は、フランスの INRIA (Institut national de recherche en informatique et en automatique) および ENPC (Ecole Nationale des Ponts et Chaussees) により開発されました。2003年以降は、Scilab Consortium で管理されています。

Scilab には豊富な数学関数のライブラリーが組み込まれ、C 言語や Fortran などの高級言語で作成されたプログラム用にも拡張できます。また、データ型と操作のオーバーロード機能も備えています。統合高級言語が組み込まれていますが、C 言語とはいくつかの違いがあります。

Scilab に用意された多数のツール・ボックスは、二次元および三次元のグラフィックスと動画、最適化、統計、グラフとネットワーク、信号処理、ハイブリッド動的システムのモデラーとシミュレーター、そしてその他のさまざまなコミュニティーの成果を提供します。

Scilab はほとんどの UNIX システム、そして最近の Windows オペレーティング・システムで使用できます。GNU Octave と同じく、Scilab には資料も豊富に揃っています。Scilab はヨーロッパのプロジェクトであるため、英語以外のさまざまな言語で作成された資料と記事もあります。

Scilab を起動すると、このインタープリターと対話できるウィンドウが表示されます (図 5 を参照)。

図 5. Scilab との対話
Interacting with Scilab

この例では、値の範囲が 0 から 2PI (増分値 0.2) のベクトル (t) を作成し、三次元グラフを生成しています (z=f(x,y)、または xi,yi に位置する曲面を使用)。この結果作成されたグラフが図 6 です。

図 6. 図 5 のコマンドによって作成された Scilab グラフ
The resultingScilab plot from the commands in Figure 5

Scilab には多数のライブラリーと関数が組み込まれているため、最小限の複雑さでグラフを生成できます。以下は、単純な三次元ヒストグラムを作図する例です。

-->hist3d(5*(rand(5,5));

まず、rand(5,5) で乱数を含むサイズ 5,5 のマトリックスを確立します (つまり、最大値を 5 に設定)。このマトリックスが関数 hist3d に渡されると、図 7 に示すヒストグラムが作成されます。

図 7. ランダムな三次元ヒストグラムの作図
Generating a random three-dimensional histogram plot

Scilab と Octave は似ていて、どちらも大規模なコミュニティーの基盤を持っています。ただし Scilab は Fortran 77 で作成され、Octave は C++ で作成されています。また、Octave は可視化に gnuplot を使用し、Scilab は独自の可視化を行います。Matlab を使い慣れているとしたら、互換性を追及した Octave を選択するほうが適切でしょう。一方、Scilab には多数の演算関数があり、信号処理に極めて優れています。それでもどちらを使うか決めかねるという場合は、両方とも試してみてください。両方とも優れたツールなので、タスクによって使い分けるという方法もあります。


MayaVi

サンスクリット語でマジシャンを意味する MayaVi は、グラフィカル表示のために Python と強力な VTK (Visualization Toolkit) を合体させたデータ可視化ツールです。MayaVi には Tkinter モジュールで開発されたグラフィカル・ユーザー・インターフェース (GUI) もあります。Tkinter は Tk インターフェースで、通常は Tcl と結合されます。

MayaVi は当初、計算流体力学 (CFD) 用の可視化ツールとして開発されましたが、それ以外の分野での実用性も明らかになったため、汎用科学データ・ビジュアライザーとして設計しなおされました。

MayaVi を背後で支えているのは VTK です。VTK はデータ可視化および画像処理のためのオープン・ソース・システムで、科学界で広く用いられています。VTK は C++ ライブラリーに加え、Tcl/Tk、Java プログラミング言語、および Python 対応のスクリプト記述インターフェースによる多彩な機能をパッケージ化しています。VTK は UNIX、Windows、MAC OS をはじめ、多数のオペレーティング・システムに移植可能です。

VTK を中心とする MayaVi シェルは、別の Python プログラムから Python モジュールとしてインポートしたり、Python インタープリターで作成することが可能です。MayaVi が提供する tkinter GUI を使用すれば、フィルターを構成して適用することや、可視化での照明効果を操作することができます。

図 8 は、Windows プラットフォームでの MayaVi を使用した可視化の一例です。

図 8. MayaVi による三次元可視化 (CT 心臓スキャン・データ)
3-D Visualizationwith MayaVi/VTK (CT heart scan data).

MayaVi は、Python スクリプト言語で VTK を拡張した興味深い例です。


Maxima

Maxima は、Octave および Scilab にも引き継がれている完全な記号および数値計算プログラムです。Maxima の開発は 1960 年代後半にマサチューセッツ工科大学 (MIT) で始まり、今日まで続いています。元のバージョン (コンピューター代数システム) は DOE Macsyma と呼ばれるもので、これが発端となって Mathematica などの有名なアプリケーションが後に開発されました。

Maxima は記号計算機能の他、ユーザーが期待する一連の機能 (線形システムや非線形方程式のセットを解決する微積分法など) を提供します。Maxima では、従来のループや条件文を使ってプログラムを作成できます。また、Maxima には LISP も関連していることがわかるはずです (quoting、map、apply などの関数により)。Maxima は LISP で作成されているため、Maxima セッションでは LISP コードを使用できます。

Maxima にはハイパーテキスト・ベースの便利なオンライン・ヘルプ・システムが備わっています。例えば、特定の Maxima 関数がどのように機能するかを調べるには、example( desolve ) と入力するだけで、さまざまな使用例が表示されます。

さらに、Maxima にはルールとパターンなどの興味深い機能もあります。ルールとパターンは簡易化機能が式を簡潔にするために使用します。ルールは可換代数と非可換代数に使用することもできます。

Maxima は、インタープリターを使用してユーザーと対話できるという点で Octave および Scilab と非常によく似ており、結果は同じウィンドウに直接表示されるか、または別のポップアップ・ウィンドウに表示されます。図 9 は、単純な三次元グラフを要求する例です。

図 9. Maxima との対話
Interacting with Maxima

上記の結果作成されたグラフを図 10 に示します。

図 10. 図 9 のコマンドによって作成された Maxima グラフ
The resultingMaxima plot from the commands in Figure 9

OpenDX (Open Data Explorer)

可視化ツールの概要は、OpenDX (Open Data Explorer) に触れずに終えるわけにはいきません。OpenDX は、IBM の強力な可視化データ・エクスプローラーのオープン・ソース・バージョンです。1991 年に Visualization Data Explorer としてリリースされたこのツールは現在、データ可視化用ならびにデータ可視化を目的とした柔軟なアプリケーション構築用のオープン・ソースとして入手できます。

OpenDX には多数の独特な機能がありますが、注目に値するのはそのアークテクチャーです。OpenDX が使用するのはクライアント/サーバー・モデルで、クライアント・アプリケーションとサーバー・アプリケーションをそれぞれ別のホストに常駐させることができます。そのため、サーバーは高性能の計算用に設計されたシステム (共用メモリー・マルチプロセッサーなど) で実行する一方で、クライアントはグラフィックのレンダリング用に設計されたホストで別々に実行できます。OpenDX ではさらに、問題を多数のサーバー (異機種のサーバーであっても) に分けて並行処理することも可能です。

OpenDX は、グラフィカルに可視化プログラムを定義できるビジュアル・データ・フロー・プログラミング・モデルをサポートします。図 11 を見てください。それぞれのタブは「ページ」(関数と同様) を定義します。データは表示された変換に従って処理されます。例えば、中央の「Collect」モジュールは複数の入力オブジェクトを 1 つのグループに集約してから渡します。この図で入力オブジェクトが渡されているのは、画像を表示する「Image」モジュールと、画像の表示方法を指定する「AutoCamera」モジュールです。

図 11. OpenDX によるビジュアル・プログラミング
Visual Programming with OpenDX

OpenDX にはさらに、カスタム・モジュールの作成を支援するモジュール・ビルダーも組み込まれています。

図 12 は、OpenDX で作成したサンプル画像です (Dalhousie University が作成した OpenDX 用海洋物理学のチュートリアルからの抜粋)。このデータは、地勢データと水深 (海底地形) を表します。

図 12. OpenDX によるデータ可視化
Data Visualization with OpenDX

OpenDX は、この記事で取り上げたツールのなかでは群を抜いて柔軟かつ強力なデータ・ビジュアライザーですが、複雑さにかけても一番です。幸いなことに、このツールを理解するのに役立つ多数のチュートリアル (および書籍) が用意されています。「参照文献」セクションを参照してください。


決定に向けて

この記事で紹介したのは、オープン・ソース GNU/Linux 可視化ツールのほんの一部に過ぎません。他にも便利なツールとしては、Gri、PGPLOT、SciGraphica、plotutils、NCAR Graphics、ImLib3D が挙げられます。いずれもオープン・ソースなので、ツールの動作方法を調べて必要に応じて変更することができます。また、優れたグラフィカル・シミュレーション環境をお求めなら、OpenGL とカップリングされた ODE (Open Dynamics Engine) を試してみてください。

どのツールが最適なのかは、ニーズに応じて判断しなればなりません。多種多様な可視化アルゴリズムを備えた強力なビジュアライゼーション・システムをお望みなら、MayaVi が最適です。可視化を兼ね備えた数値計算には、GNU Octave と Scilab がぴったりでしょう。また、記号計算機能が必要であれば、Maxima が有益な選択肢となります。そして忘れてはならないのは、基本的なグラフ作成であれば、gnuplot で申し分ないということです。

参考文献

学ぶために

  • Los Alamos National Laboratories の not so Frequently Asked Questions は、gnuplot の使用方法、そして gnuplot に関する複雑な疑問に対する答えを調べるのに絶好のサイトです。
  • GNU Octave Repository では多数の Octave のスクリプト、関数、拡張機能を案内しています。octave-forge に独自のレシピを加える方法も、ここから調べられます。
  • Dalhousie Physical Oceanography が管理する Data Explorer Tutorials には、DX が提供する機能を実例を用いてわかりやすく説明しています。
  • 主に統計に興味がある場合は、3 回連載のシリーズ「データ解析用統計言語 R による統計的プログラミング」を読んでください。「第 1 回: 豊富な統計機能で遊ぶ」(developerWorks、2004年9月) では、ツールキットの機能を紹介しています。「第 2 回: 機能プログラミングとデータ操作」(developerWorks、2004年10月) では R 言語の機能を掘り下げ、「第 3 回: 再利用可能なオブジェクト指向プログラミング」(developerWorks、2006年1月) では R 言語のオブジェクト指向の機能を取り上げるとともに、一般的なプログラミング概念を詳しく説明しています。
  • 配列を処理する早道をお探しの Python プログラマーには、「Numerical Python」(developerWorks、2003年10月) が必読の記事です。
  • developerWorks Linux ゾーンには、Linux 開発者用の資料が豊富に揃っています。
  • developerWorks technical events and Webcasts で最新情報を入手してください。

製品や技術を入手するために

  • gnuplot home page にアクセスして gnuplot ソフトウェアのダウンロードと資料を入手してください。demo gallery を見ると、gnuplot で実現可能なこと、そしてアプリケーションに合わせてレシピを調整する方法が分かります。
  • GPlot は Gnuplot 用の Perl ラッパーです。Gnuplot が複雑で使いにくいという方には、Terry Gliedt が作成した GPlot が役に立つかもしれません。GPlot は Gnuplot より柔軟性に欠けていますが、一般的なオプションのほとんどが極めてわかりやすく拡張されています。
  • GNU Octave は数値計算用の高級言語で、gnuplot をグラフィカル・エンジンとして使用します。これは市販の Matlab ソフトウェアの代わりとして最適です。Web サイトにはダウンロードと広範な資料が用意されています。
  • MayaVi Data Visualizer は SourceForge.net からダウンロードできます。このサイトには、資料、そして MayaVi が VTK に提供する機能のリストも記載されています。
  • Visualization Toolkit (VTK) は、三次元コンピューター・グラフィックス、画像処理、そして可視化を対象とした強力なオープン・ソース・ソフトウェア・システムです。このサイトには、ソフトウェア、資料、そして VTK を使用する際に役立つ多数のリンクが記載されています。
  • Scilab は数値計算とグラフィカル表示用の無料の科学向けソフトウェア・パッケージです。このサイトには、最新バージョンの Scilab、資料、そしてその他の情報 (プロジェクトへの貢献方法など) が記載されています。
  • Maxima は Maple と Mathematica、そしてオープン・ソースの Octave と Scilab に代わるツールです。抜きん出た系統を持つこのツールは、数値機能だけでなく、インライン LISP プログラミングで記号計算もサポートします。
  • Open Data Explorer は、IBM の強力なデータ可視化およびアプリケーション開発パッケージのオープン・ソース・バージョンで、本格的な科学向け可視化には不可欠です。
  • NCAR Graphics home page では、等高線、地図、曲面、天気図、xy グラフなどを描画するための確実な UNIX パッケージを提供しています。
  • Gri は科学向けグラフィックス・プログラミング用の高級言語です。作図属性を微調整して xy グラフ、等高線グラフ、画像グラフを作成できます。
  • SciGraphica はデータ分析と技術グラフィックスに最適です。
  • ImLib3D ライブラリーは、簡潔さを目指す三次元容積画像処理のためのオープン・ソース・パッケージです。
  • ODE はオープン物理エンジンで、物理システム・モデリングに最適です。Open/GL と組み合わせると、グラフィック・シミュレーションに完璧な環境になります。
  • ROOT システムは新しいオブジェクト指向データ分析フレームワークです。ROOT は豊富な機能を備えたフレームワークで、310 種類を超えるアークテクチャーと分析動作があります。
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Zone=Linux, Open source
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ArticleTitle=Linux 対応のデータ可視化ツール
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