Linux ブートの失敗からのリカバリー

最悪の時には GRUB 2 の機能を使用してシステムを起動する

カーネルのアップグレードやディスク・スワップ、あるいはその他のシステム変更が行われた後に Linux コンピューターがブートしなくなったとしても、手の施しようがないわけではありません。GRUB (Grand Unified Bootloader) には、ブート・プロセスを制御してリカバリーするための手段がいくつかあります。あるいは、外部ツールを使って緊急ブート・ディスクを作成しておけば、必要に応じてそのディスクに救いの手を求めることができます。この記事では、問題がある状況下でもブートできるようにするための手順および GRUB コマンドについて説明するとともに、BIOS ベースのシステムの「命を救う」外部ツールを紹介します。

Roderick W. Smith, Consultant and author

Roderick Smith author photoRoderick W. Smith はコンサルタントであり、『The Definitive Guide to Samba 3』、『Linux in a Windows World』、『Linux Professional Institute Certification Study Guide』など、UNIX や Linux に関する数々の著作もあります。彼は現在、ロードアイランドのウーンソケットに住んでいます。



2013年 11月 21日

ほとんどの Linux コンピューターでは、コンピューターのファームウェアからカーネルへのハンドオフを制御するために GRUB (Grand Unified Bootloader) ― より具体的に言うと、GRUB 2 ― を使用しています。GRUB 2 には、ブート時にユーザーが操作するための高度な機能が用意されており、ユーザーはこれらの機能を使用してブート・プロセスを制御することができます。これらの機能は、日常的に使用されることはないと思いますが、カーネルのアップグレードやディスク・スワップ、あるいはその他のシステム変更が行われた後にコンピューターがブートしなくなった場合など、問題発生時の状況に対処する上で重要な役割を果たすはずです。そのような状況でコンピューターをブートして貴重な時間を節約するには、いくつかのヒントと GRUB コマンドを知っておくと役立ちます。また、通常のブート・ローダー・アクティベーションの初期段階で問題が発生したとしても、緊急ブート・ディスクを使用することで、標準的な Linux インストール済み環境をブートすることもできます。

大まかに言って、GRUB リカバリーが対処する問題には 2 つのタイプがあります。それは、GRUB の組み込みシェルを使って解決できる問題と、外部ツールが必要になる問題です。この記事では、両方のタイプの問題について説明し、必要に応じて使用できる外部ツールの例としては、Super GRUB2 Disk を取り上げます (この記事では GRUB 2 に焦点を当てますが、記載する情報の一部は GRUB Legacy にも当てはまります。GRUB Legacy と GRUB 2 との違いについては、「GRUB 2 への移行」を読んでください)。

GRUB 2 の制御構造について

リカバリーの詳細を掘り下げる前に、GRUB の基本的な仕組みを理解しておく必要があります。コンピューターのブート・プロセスは複雑であるため、ブートで本来行うべき処理についてある程度知っておけば、ブート・プロセスが本来行うべき処理から逸脱した場合に問題を解決する手掛かりとなります。まず始めに、ブート・コードと GRUB ファイルを見つけられるように、コンピューター上でこれらのファイルが置かれている場所を説明します。場所を知っていれば、ファイルの欠落によって問題が発生した場合、どのファイルが足りないのかを特定することもできます。この記事では、GRUB 構成ファイルのフォーマットについての詳しい説明はしませんが、単純なエラー (ルート・ファイルシステムが誤って指定されているなど) を修正する際の参考となるように、構成の基本についての説明は行います。

GRUB ファイルを見つける

BIOS (Basic Input/Output System) を使用するほとんどのコンピューターでは、ブート・プロセスに必要なコードがディスク上のさまざまな場所に格納されています。このような場所としては、MBR (Master Boot Record)、正式に割り当てられていないディスク・セクター、パーティションのブート・セクター (PBR (Partition Boot Record) とも呼ばれます) などが含まれます。これらのレコードは、他のブート・ローダーによって上書きされることや、GRUB と競合する要求を持つ下位レベルのディスク・ユーティリティーやウィルスによって上書きされることもあれば、dd などの下位レベルのユーティリティーの誤使用によって破損することもあります。レコードが破損した場合、GRUB はまったく起動しなくなる可能性があります。その場合には、Super GRUB2 Disk などのツールを使用する必要があるかもしれません。

最近の多くのコンピューターでは、BIOS ではなく EFI (Extensible Firmware Interface) を使用するようになっています。そのようなシステムでは、MBR や PBR、あるいは正式に割り当てられていないディスク・セクターには GRUB コードは格納されず、ESP (EFI System Partition: EFI システム・パーティション) 上の .efi 拡張子が付いた EFI ブート・ローダー・ファイルの中に格納されます (ESP とは、FAT (File Allocation Table) フォーマットのパーティションのことで、通常はディスクの起動時に使用されます)。EFI システムは、BIOS システムで生じるのと同じタイプの破損である、下位レベルのブート・ローダーによる破損の影響を受けにくくなっていますが、コンピューターの不揮発性 RAM (NVRAM) の設定が変更されると正常に機能しなくなる場合があります。その場合、緊急ブートを行った後に、efibootmgr ユーティリティーを使用して GRUB をデフォルトのブート・ローダーとしてリストアする必要があります。

GRUB 2 では、下位レベルの BIOS ブート・ファイルや EFI ブート・ファイルに加え、/boot/grub 内にある標準ファイルも使用します。具体的には、ファイルシステム・ドライバー、ビデオ・ドライバー、フォント、GRUB 構成ファイル (grub.cfg) などです。これらの標準ファイルは通常の Linux ファイルシステムに置かれるため、ブートの早期段階で基本的な Linux ファイルシステム・ドライバーを少なくとも 1 つは組み込まなければなりません。標準ファイルが壊れると、GRUB は通常通りに立ち上がったとしても、オペレーティング・システムを起動することができない場合や、GRUB が起動すると grub> プロンプトしか表示されない場合があります。

構成ファイルを編集する

大半のシステムでは、GRUB 2 構成ファイルは /boot/grub/grub.cfg、または /boot/grub2/grub.cfg です。ただし、一部の EFI ベースのシステムでは GRUB 2 構成ファイルが ESP 上のディレクトリーに配置されます。その場所は、/boot/efi/EFI/grub/grub.cfg、またはこれと似たような他の場所です。しかしほとんどの場合、grub.cfg ファイルは直接編集するようにはなっておらず、スクリプトによって複数のファイルを統合することで構成されるようになっています。統合されるファイルの一部は、/etc/grub.d ディレクトリーにあります。標準 GRUB 2 構成に変更を加える必要がある場合には、これらのファイルを編集してください。

一方、統合された grub.cfg には、グローバル・オプションと、OS またはカーネルに固有のブート・スタンザが含まれています。Linux ディストリビューションは、ほとんどのコンピューターに適したグローバル GRUB 2 構成をセットアップしますが、構成が通常と異なる場合には、グローバル GRUB 2 構成を調べて、問題の原因を突き止めてください。

GRUB 2 のブート・スタンザでは、それぞれのシステムごとの OS やカーネルを定義します。通常、ブート・スタンザは grub.cfg ファイルの後半にあります。リスト 1 に、ブート・スタンザの一例を記載します。

リスト 1. Linux をブートする GRUB 2 スタンザの例
menuentry 'Ubuntu, with Linux 3.2.0-24-generic-pae' {
   recordfail
   gfxmode $linux_gfx_mode
   insmod gzio
   insmod part_gpt
   insmod reiserfs
   set root='(hd0,gpt6)'
   search --no-floppy --fs-uuid --set=root 313324f5-a9ed-4e80-b541-dc9e5eeb89fc
   linux   /vmlinuz-3.2.0-23-generic-pae root=/dev/sda7 ro quiet splash $vt_handoff
   initrd  /initrd.img-3.2.0-23-generic-pae
}

リスト 1 のエントリーで重要ないくつかの点を以下に記載します。

  • insmod コマンドは、指定したドライバー・モジュールをロードします。
  • set root 行は、カーネルおよび初期 RAM ディスクをどのパーティションから読み込むかを特定していますが、その後の search 行がこの値を上書きし、そのパーティションに含まれているファイルシステムの UUID (Universally Unique Identifier) 番号によって、当該パーティションを特定しています。
  • linux 行は、Linux カーネルを特定するとともに、そのカーネルに渡すオプションを設定しています。
  • initrd 行は、カーネルに渡す初期 RAM ディスク・ファイルを特定しています。

ブート時の GRUB 2 との対話

問題を解決できるようになるには、まず通常のブート・プロセスを理解するとともに、そのプロセスに手を加える方法を理解しなければなりません。マイナーな問題の多くは、GRUB 2 の組み込みエディターでブート・オプションを変更することによって解決することができます。重大な問題については、GRUB 2 の組み込みシェルを使用することにより、リカバリーできることもあります。

通常のブート・プロセスを理解する

従来、GRUBでは、図 1 に示すようなテキスト・モードのメニューでブート・オプションを表示します (最近のシステムにインストールされている GRUB では、ユーザーがキーを押さない限り、このメニューを表示しないことが多くなっています)。

図 1. GRUB のメニュー
ブート・オプションを表示する GRUB のシンプルなテキスト・モードのメニューのスクリーン・キャプチャー。この例で表示されているオプションは、Ubuntu、Ubuntu (リカバリー・モード)、以前の Linux バージョン、そして 2 つのメモリー・テストです。

通常のブートでは、上矢印キーと下矢印キーでメニュー内をナビゲートし、目的のエントリーのところで Enter キーを押すことにより、そのエントリーを選択します。Linux システムでは、この操作によって GRUB がカーネルと初期 RAM ディスクをロードし、コンピューターの制御をカーネルに渡します。

ブート・オプションを変更する

図 1 に示されているような GRUB メニューが表示されて、オプションを選択してもブートが開始されないとしたら、そのブート・エントリーに問題がある可能性があります。実行時にユーザーがブート・スタンザを一時的に変更できるように、GRUB には単純なテキスト・エディターが組み込まれています。ブート・オプションを変更する場合、GRUB メニューで目的とするブート方法に最も近いエントリーを選択して e キーを押します。すると、図 2 のような画面が表示されます。

図 2. GRUB テキスト・エディター
GRUB テキスト・エディターに表示されたブート・スタンザのスクリーン・キャプチャー

図 2 に示されている行は、リスト 1 に記載したブート・スタンザの行と同じものです。これらのエントリーは、Linux でテキスト・モードのテキスト・エディターを使用するときの要領で編集することができます。このエディターで行う変更は、一時的なものであることに注意してください (変更を永続的なものにする方法については、この記事の後のほうのセクション「永続的な対策をする」を参照してください)。

テキスト・エディターでブート・スタンザを編集する一般的な理由の 1 つは、その場限りのブートの変更を行うためです。例えば、下位レベルの保守を行うために、シングル・ユーザー・モードでブートしたいとします。しかし、GRUB にはシングル・ユーザー・エントリーがありません。その場合、ブート・スタンザを編集して linux 行の末尾に single を追加すれば、シングル・ユーザー・モードでブートすることができます。編集し終わったら、画面の一番下のプロンプトが指示しているように、Ctrl-x または F10 を押してブートします。

新しい GRUB エントリーを作成して、そのエントリーが起動に失敗した場合には、ブート・エントリーを調べると問題を発見できる可能性があります。例えば、エントリーに入力ミスがあったり (linux ではなく linu となっているなど)、initrd 行を省略してしまったりすることが考えられます。あるいは、指定したルート・ファイルシステムが誤っている場合もあります。このような問題は、使用しているシステムおよび GRUB 2 の構成に関する知識全般を活かすことで解決できる場合があります。それでも解決できないとしたら、極めて重要な情報が不足していることが考えられます。例えば、ルート・ファイルシステムの ID を調べなければならないこともあるでしょう。そのような場合や、深刻な問題が発生した場合には、GRUB 2 シェルを使用することができます。

GRUB 2 シェルを使用する

GRUB に含まれる独自の組み込みシェルには、Bash やその他の Linux テキスト・モードのシェルに入力するのと同様のコマンドを入力することができます。GRUB シェルは、Linux のシェル全体のなかでは単純な方ですが、緊急時のさまざまな保守タスクを行うには十分です。このシェルに GRUB メイン・メニュー (図 1) から入る場合には c を押し、GRUB エディター (図 2) から入る場合には Ctrl-c または F2 を押します。この操作によって図 3 のような画面が表示されます。

図 3. GRUB シェル
起動後の GRUB シェルのスクリーン・キャプチャー

GRUB 2 シェルは広範なコマンドをサポートしています。その多くは、grub.cfg 内でメニュー形式のブート・プロセスを制御するために使用するコマンドと同様であるか、まったく同じです。GRUB 2 構成ファイルのフォーマットを十分に理解していれば、GRUB 2 シェルでコマンドを入力してコンピューターをブートすることもできますが、実際に GRUB 2 シェルを使用することが多いのは、リカバリー操作を行う場合です。表 1 に、リカバリー操作で最も役立ちそうなコマンドのいくつかを紹介します。GRUB 2 がサポートしているその他多くのコマンドについては、GRUB のドキュメントを参照してください。

表 1. よく使われる GRUB 2 コマンドラインのコマンド
コマンドオプション説明
bootなし定義済みのカーネルまたはチェーン・ローダーをブートします。
catfilename指定されたファイルの内容を表示します。
configfilefilename指定された構成ファイルをロードします。
help[command]ヘルプ (コマンドのリスト、または指定されたコマンドに関するヘルプ) を表示します。
initrdfilename指定された初期 RAM ディスク・ファイルをロードします。
insmodmodule_name指定されたモジュール (ドライバー) をロードします。
linuxfilename指定された Linux カーネルをロードします。
ls[arg]デバイスまたはデバイス上のファイルを一覧表示します。
rebootNoneコンピューターをリブートします。
setenvvar=value環境変数の値を設定します。

GRUB のコマンドラインを使用するきっかけの 1 つは、GRUB では自身の構成ファイルを見つけることができないという問題です。この問題を長期的に解決する方法は、記事の「永続的な対策をする」のセクションで説明するように GRUB を再インストールすることですが、それとは別に、いくつかコマンドを発行し、通常の GRUB メニューを表示して Linux をブートすることで、その場を解決することができます。この方法を使用するには、まず、GRUB がインストールされているパーティションを特定する必要があります。それには、ls コマンドの助けを借りることができます。オプションを指定しないで ls コマンドを実行すると、GRUB で検出可能なディスクとパーティションが表示されます。続いて特定のパーティションの中身を調べるには、末尾にスラッシュ (/) を付けてデバイス名を指定して ls コマンドを実行します (リスト 2 を参照)。

リスト 2. ls を使用してデバイスまたはファイルシステムの中身を表示する
grub> ls
(hd0) (hd0,gpt5) (hd0,gpt4) (hd0,gpt3) (hd0,gpt2) (hd0,gpt1)
grub> ls (hd0,gpt5)/
abi-3.2.0-22-generic grub/ initrd.img-3.2.0-22-generic
memtest86+bin System.map-3.2.0-22-generic vmcoreinfo-3.2.0-22-generic
vmlinuz-3.2.0-22-generic

リスト 2 の例に示されているコンピューターにはディスクが 1 つ (hd0) あり、そのディスクに 5 つの GPT (GUID (Globally Unique Identifier) Partition Table: GUID パーティション・テーブル) パーティションがあります。この例では、(hd0,gpt5) が GRUB 構成ディレクトリー (grub/) を含む Linux の /boot パーティションであることが見てとれますが、Linux の /boot パーティションを突き止めるまでに、他のパーティションの中身も調べなければならないこともあります。システムで別個の /boot パーティションを使用していないとしたら、代わりに Linux のルート (/) パーティションを見つける必要があります。

GRUB 構成ファイルのホームを特定できたら、2 つの環境変数、prefix および root を設定することで、GRUB に対して GRUB 構成ファイルの場所を伝えることができます。これらの変数にはそれぞれ、grub.cfg が格納されているディレクトリー、そのディレクトリーが含まれるパーティションを指定します。

grub> set prefix=(hd0,gpt5)/grub
grub> set root=(hd0,gpt5)

その後は、normal モジュールをロードして起動することにより、GRUB メニューを表示することができます。

grub> insmod normal
grub> normal

Super GRUB2 Disk の使用方法

BIOS 専用のツール

Super GRUB2 Disk は BIOS 専用のツールです。普段、EFI モードでブートしているとしたら、Super GRUB2 Disk は役に立ちません。Super GRUB2 Disk がとりわけ役に立つのは、MBR やディスクのブート・セクターのコード領域が破損した場合ですが、EFI モードのブートでは、これらの領域に格納されているコードを利用しないからです。EFI でブートの問題が発生した場合、NVRAM の設定がおかしくなっているために発生した問題からのリカバリーには、ファームウェアのブート・マネージャーまたは rEFInd などの補助プログラムが役立つ可能性があります。また、EFI コンピューターの ESP が破損した場合に備えて、このパーティション内のファイルをバックアップしておくことをお奨めします。EFI では隠しコードを使用しないため、単純なファイル・コピー操作によって ESP をリストアすることができます (実を言うと、rEFInd は私が保守しています)。

場合によっては、GRUB が grub> プロンプトを表示することさえしなかったり、プロンプトが表示されたとしても問題の解決に難航したりすることがあります。そのような場合には、Super GRUB2 Disk レスキュー・ツールが役に立つはずです。

災害に対する備え

今は正常にブートできるとしても、必要なときにすぐに使えるように、Super GRUB2 Disk のコピーを手元に用意しておくことをお奨めします。Super GRUB2 DISK のダウンロード・ファイルは、.iso 拡張子が付いたハイブリッド・イメージ・ファイルです。このファイルをフロッピー・ディスク、CF (CompactFlash) ディスク、USB (Universal Serial Bus) フラッシュ・ドライブ、または同様のタイプのディスクにコピーするには、dd コマンドを使用します。あるいは、cdrecord または GUI 光ディスク・ツールを使用して CD-R にファイルをコピーすることもできます。

ブート・メディアを作成した後は、このツールを十分に理解するため、そして使用しているハードウェア上でこのツールが動作することを検証するために、ブート・メディアを (できれば複数のコンピューターで) テストすることをお奨めします。

Super GRUB2 Disk を使用してブートする

Super GRUB2 Disk を用意した後は、他のあらゆるブータブル・ディスクと同じように、このディスクをブートすることができます。場合によっては、ブート・プロセス中にキーを押して、ブートの順序を変更しなければならないこともあります。一般的な選択肢となるのは F2、F10、および F12 ですが、詳細についてはご使用のコンピューターのマニュアルを参照してください。Super GRUB2 Disk がブートされると、図 4 のような画面が表示されます。この画面で、OS を検出したり、各種のサポートを有効にしたりするオプションを選ぶことができます。

図 4. Super GRUB2 Disk をブートすると表示される GRUB メニュー
Super GRUB2 Disk がブートされると表示されるメニューのスクリーン・キャプチャー。

コンピューターが RAID (Redundant Array of Independent Disks) または LVM (Logical Volume Management) を使用している場合 (または、古い PATA (Parallel ATA) ディスクや外部 USB ディスクを使用している場合) には、該当する項目を選択し、Enter キーを押してその機能をアクティブにしてからでないと、検出オプションを試すことはできません。一般に、破損した GRUB インストール済み環境のリカバリーに最も有効なオプションは、「Detect any GRUB2 configuration file (grub.cfg) (任意の GRUB2 構成ファイルを検出 (grub.cfg))」と「Detect any GRUB2 installation (even if the MBR is overwritten) (任意の GRUB2 インストール済み環境を検出 (MBR の上書きを許可))」です。ただし、「Detect any Operating System (任意のオペレーティング・システムを検出)」オプションも試してみる価値があるかもしれません。

検出に成功すると、新しい GRUB オプション・メニューが表示されます。単一 OS のインストール済み環境では、このメニューに、GRUB 構成ファイルをそのパスによって識別するエントリーが 1 つだけ (例えば、(hd0,gpt5)/grub/grub.cfg のように) 示されるはずです。そのオプションを選択すると、インストール済み環境の通常の GRUB 画面が表示されます (フォントと色は異なる場合がありますが、メニュー・オプションは正常に動作します)。


永続的な対策をする

これまで説明してきた対策は、一時的なものです。対策をして Linux を正常にブートできたとしても、リブートした途端に元の GRUB 画面が表示されることになります。変更を永続的なものにするには、さらなるステップが必要になります。

このようなステップとして最も単純なのは、GRUB 構成ファイルを調整するというものです。grub.cfg を直接編集して設定を変更することもできますが、その手法はお勧めできません。というのも、ディストリビューションに付属のカーネルをアップグレードすると、自動化されたスクリプトによって、この構成ファイルが他のファイルから再構成される可能性があるためです。代わりに、/etc/grub.d 内のファイルと /etc/default/grub 内のデフォルトのグローバル設定を編集してください。編集が完了したら、Linux コマンド・プロンプトで以下のように grub-mkconfig を使用することで、新しい grub.cfg ファイルを生成することができます。

grub-mkconfig -o /boot/grub/grub.cfg

GRUB が grub> プロンプトしか表示しないか、まったく起動しないことが問題となっている場合は、以下のコマンドを使用して GRUB をハード・ディスクに再インストールする必要があります。

grub-install /dev/sda

インストール先を /dev/sda 以外のデバイス (例えば、/dev/sdb など) にしなければならない場合もあります。GRUB 2 をパーティションにインストールするのは、一般に得策とは言えません。BIOS ベースのコンピューター上の GPT ディスクに GRUB をインストールする場合には、そのコンピューターに BIOS ブート・パーティションが必ずあるようにしてください。このパーティションがない場合、GRUB によってインストールが拒否されるか、GRUB が信頼できないものになってしまう可能性があります。EFI ベースのコンピューターに GRUB をインストールする場合には、デバイスの指定を省略し、ESP が確実に /boot/efi にマウントされているようにします。このようにするのは、grub-install によってこのディレクトリーに (したがって ESP に) 必要なファイルが自動的にコピーされるからです。NVRAM の設定が適切でないために GRUB が EFI ベースのコンピューターで起動しない場合、ファームウェア自体で設定を修正することもできますが、その詳細は実装によって大きく異なります。緊急システムを EFI モードでブートできるとしたら、以下のように efibootmgr を使用してブート・ローダーをリストアするという方法も有効です。

efibootmgr -c -l \\EFI\\loaderdir\\loadername.efi -L MenuName

まとめ

GRUB 2 は、Linux (および他のいくつかの) OS カーネルを直接ブートするための柔軟なツールです。しかし、ブート・プロセスの脆弱性と GRUB 自体の複雑さから、システムのブートを不可能にする問題が発生することがあります。そのような場合、個々の GRUB スタンザの編集方法、GRUB コマンドラインの使用方法、そして Super GRUB2 Disk の使用方法を把握していることが、かけがえのないスキルとなります。これらの手法を使用することで、さまざまなブート問題からリカバリーして、通常のインストール済み環境にブートすることができます。ブートした時点で、GRUB 2 構成ファイルを編集するか、ブート・ローダーを再インストールすれば、対策を永続的なものにすることができます。

参考文献

学ぶために

  • GNU GRUB マニュアル: 公式の GRUB 2 マニュアルを閲覧し、GRUB 2 ブート・ローダーに関する豊富な情報にアクセスしてください。
  • GRUB 2 への移行」(Roderick W. Smith 著、developerWorks、2010年4月): ブート・ローダー全般に関する背景情報と、ブート・ローダーの中でも特に GRUB 2 についての概要を理解してください。
  • PC/AT のブート・プロセス: BIOS ブート・プロセス全般に関する技術的な詳細を理解してください。
  • EFI のブート・プロセス: EFI ブート・プロセス全般に関する技術的な詳細を理解してください。
  • Super GRUB2 Disk: Super GRUB2 Disk について、このプロジェクトの Web サイトで詳しく学んでください。
  • rEFInd: rEFInd が下位レベルの EFI のブート問題のいくつかのタイプからリカバリーできるようにする方法を調べてください。
  • developerWorks の Linux ゾーンには、Linux 開発者や管理者のためのハウツー記事やチュートリアル、ダウンロード、ディスカッション・フォーラムなどのリソースが豊富に用意されています。
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